全ての温血動物が感染し、発症したら治療法がなく 100%死亡する。アライグマ、キツネ、スカンク、コウモ リ、イヌの唾液中には大量のウイルスが出る。 狂犬病の発生がない国はごく一部である。 狂犬病 野生動物の動作がおかしい場合は、そばか ら離れてください。次の点を観察してください。 ● 一般的な病状 ● 飲みこむ際の異常 ● 多量のヨダレやだ液 ● あなたが想像するよりも弱弱しい動物 ● 何にでも咬みついている動物 ● 移動が困難、または麻痺している動物 米国において確認された狂犬病 1960~2010 猫 2009年 300 2010年 303 犬 69 81 牛 74 71 馬・ラバ 41 37 羊・山羊 8 6 アライグマ ヒト症例数 1995 1996 1997 1998 2000 2001 2002 2003 4 4 4 1 5 1 3 3 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 8 1 3 1 2 4 2 3 コウモリ スカンク スカンク 変異株 なニ どュ ー 東ヨ 部ー 諸ク 州州 2246 1430 キツネ 2010年に6,155頭の感染動物が確認されたが、ほとんどは野生動物であった。米 国の多くの州で犬と猫の両方が予防接種義務。ヒト症例のほとんどは吸血コウモリ によるもので、海外で犬に咬まれた例や臓器移植による例が少数が含まれる。 家畜における発生は、動きの遅 いウシが野生動物に襲われる事 例が多いが、イヌの狂犬病が流 行しているアジア諸国では統計が ない。 ブラジルなどの南米では、ウシがコウモリに襲われて感染する事例が多い。 2004年の世界における狂犬病による死亡報告数(WHO) アジア 38 国の数 13 報告した国の数 34% (%) 24,329 死者数 アフリカ 南米 欧州 北中米 43 4 9% 213 13 10 77% 55 40 37 93% 25 17 11 65% 19 熱帯地方には、致命率が高いその他の病気が多数あり、 経済的制限から狂犬病の優先順位は低い。診断技術も不 十分であるが、それ以前に、医者に掛かる費用がなく、原 因が判らないまませいぜい祈祷師に祈ってもらうしかない。 こうした事情でWHOへの報告がなく、このような報告に基 づく集計の発表は2004年が最後である。 WHOは独自の調査に基づいて、世界で年間 55,000人 以上が死亡していると推定。 狂犬病流行の仕組みと現状 野生保有動物 キツネ、アライ グマ、スカンク、 コウモリ ● ● 伴侶動物 イヌ、ネコ 犬の予防注射でヒトは防げる 発症したら100%死亡、治療法なし 世界で年間 5万人以上が死亡 ● ヒト感染のほとんどは犬 の咬傷によるもので、咬ま ヒト れたヒトの40%は15歳以下 清浄国 アジアでは野 生保有動物問 題まで辿り着 いていない 日本、台湾、 オーストラリ ア、ニュー ジーランド、 英国、アイル ランド、ス ウェーデン、 ノルウェー、 アイスランド、 ハワイ、グア ム、フィジー ワクチン接種率と狂犬病の広がり方 狂犬病に罹った1頭の犬が3頭に咬み付くと仮定 ペットフード協会が :ワクチン接種済み :ワクチン未接種 :狂犬病 調べた犬の飼育頭 接種率40% 接種率80% 数は 1,300万頭余り で、それらの登録頭 数は 52%、予防注 射頭数は 39%に過 ぎない。 不法入国者の持 込み等によって狂犬 病が侵入したら、犬 で蔓延し、アライグ マの中にも定着する ここで感染は止ま だろう。 る。WHOは70%以 法律で定められた 上の接種率を勧告 登録と予防接種を遵 している。 守しよう。 10000 1922年 家畜伝染病予防法 ワクチン接種の義務化 1950年 狂犬病予防法 登録とワクチン接種の義務化 1000 イヌ ヒト 100 10 1 0 第 一 次 世 界 大 戦 関 東 大 震 災 敗 戦 1956年の6頭の犬の 発生を最後に国内で の発生は止まった。 しかし、1970年には ネパールで1名、 2006年にはフィリピ ンで2名が感染し、帰 国後に死亡した。 日本における狂犬病発生の経過 狂犬病の脅威 患者写真はウィキペディアより 咬傷から侵入した狂犬病ウイルスは神経を通って脳に達 し、嚥下障害による恐水症状など興奮、麻痺、精神錯乱 などの神経症状が現れる。脳神経や全身の筋肉が麻痺 を起こし、昏睡期に至り、呼吸障害によって死亡する。 咬まれて直ぐに暴露後治療を受ければ発症しない。 フィリピンの狂犬病予防教材 サン・ラザロ病院 WHO 狂犬病感染のために推奨される暴露後予防処置 狂犬病が疑われる動物への 暴露の種別 暴露後の処置 I: 触ったり餌を与えた。傷のない 皮膚をなめられた(暴露なし) 必要なし。 II: 剥き出しの皮膚、小さな傷、擦 り傷をかじられたが出血はない 直ちにワクチンを接種し、傷の 手当てをする。 III: 深く咬まれたりかじられた。傷 口をなめられた。粘膜に唾液が 付いた。コウモリと接触した。 直ちにワクチンおよび免疫グロ ブリンを接種し、傷の手当てを する。 2006年に、日本人2名がフィリピンを旅行中犬に咬ま れ、帰国後に発病して死亡した。直ぐに治療を受けていれ ば発病せずに済んだのに・・・・。 「動物に近づくな!」、「動 物に咬まれたり、引っかかれた場合には、ただちに地元の 医療機関にかかりワクチンを受けてください」(検疫所) 暴露後処置: 世界保健機関(WHO)によれば、年間5万5000名が狂犬 病で死亡しており、その多く(30–50%)が子供たちである。主な感染は、狂犬病に 罹った犬に咬まれることで起きている。狂犬病で死んだ子供たちのほとんどは、咬 まれた後でワクチン接種を受けていない。 狂犬病の動物に咬まれ、ワクチンを接 種された人数は数百万人に達している。現在のワクチンは、発症を防ぐ効果が極 めて高いが、発生国の多くはアジアの貧しい国々であり、ワクチンを買う金がない。 予判現 防ら在 接なの 種い日 をが本 で 受、 恐は け怖 よ 狂 うを犬 !味病 わの う恐 前怖 には 報告した国の割合 イタリアにおける狂犬病発生の経過 2008年10月にキツネが散歩中のヒト を襲ったため、安楽死させて調べたところ 狂犬病ウイルス陽性と判明した。幸いに も、咬まれたヒトは暴露後処置(ワクチン 接種)を受けて発症には至らなかった。イ タリアで最後の発生は1995年であった。 ワクチンを混ぜた餌が上空から散布さ れたが、流行は止まらなかった。 初報 経過報告1 経過報告12 10/10/2008 29/10/2008 02/07/2009 1頭 1頭 1頭 経過報告36 16/02/2010 11頭 経過報告43 09/04/2010 19頭 キツネ キツネ 飼いイヌ キツネ ウマ ネコ キツネ キツネ のア国よオ 人ル境びー 気プをスス のス接ロト 観森すベリ ア 光林るニ ア 地帯 とお 1頭 1頭 1頭 9頭 1頭 1頭 14頭 5頭 殺処分 死亡 死亡 死亡 死亡 死亡 死亡 殺処分 イタリア政府は、この事態を収束させることは困難であり、風土病と なったと考えられるとした。発生は現在も収まっていない。 台湾における狂犬病の再発生 台湾からOIEへの緊急通知 2013年7月17日 疫学的注釈:南投県で2012年5月と12月、雲林県で2012年11月に 見つかった死亡した野生のイタチアナグマが、2013年6月17日に国立 台湾大学によって狂犬病疑い症例としてRT-PCR法で検出された。そ れまでに、国立台湾大学は剖検を含めた一連の検査を実施した。6ヶ 月の間に行われた免疫組織化学とRT-PCRによって犬ジステンパーと 仮性狂犬病(オーエスキー病)の可能性は排除された。その後国立台 湾大学は2013年6月に狂犬病のRT-PCRを実施し、最初の陽性結果 が6月24日に報告された。そのサンプルは、最終診断のため6月26日 に国立研究所に送られ、国立研究所はRT-PCR法、直接蛍光抗体法 (検査には生の脳組織を使っていない)、免疫組織化学法を実施し、そ れらの検査で陽性結果が得られた。蛍光抗体法をするための生の脳 組織(OIEの基準検査法)がなかったので、これらの症例を確認するた め、国立研究所は7月16日に専門家会議を開催して討議し、これらの 症例を狂犬病と確認した。これらの死亡野生動物が発見された地域 において、徹底した予防接種活動が行われ、監視活動が続いている。 狂犬病発生動向調査で確認されてこなかった 動植物衛生検査・検疫部(BAPHIQ):1999年以来、放浪犬および 野良猫の死体について検査を実施、2008年以来、コウモリの全ての 種を監視(China Post, 7/18) 感染源 動物衛生研究所長:台湾イタチアナグマから採れたウイルスの塩基 配列は中国で見つかっているものと最も近い。密輸され、山野に放た れた中国からの野生動物にイタチアナグマが咬まれた可能性は排除 できない(Focus Taiwan, 7/24) 発生予測 台湾獣医師会副会長:報告症例は広域に及んでおり、ウイルスの 存在が拡大していることを示唆(China Post, 7/19) 農業委員会 (COA):確認症例数が増加し続け、1年から1年半後に ピークに達する可能性があると警告(Focus Taiwan, 7/25) 別種の感染確認 台東県でヒトを咬んだ後で捕獲されたアジアジャコウネズミが狂犬 病感染疑い( Focus Taiwan, 7/26 )、確定は7/30発表 再発生から10日間、どこまで広がるのか・・・・ イタチアナグマ(Ferret-badger:Melogale moschata) 頭胴長約33 - 45cm、尾長約15 - 23cm、体重1 - 2kg程度 フォーカス台湾 シナイタチアナグマ Melogale moschata シナイタチアナグマには7の亜種が認められ イタチ科 る。足指の数は前後共に5本である。これによっ アナグマ亜科(6属) て、足指の数が4本のタヌキなどと足跡を見分け イタチアナグマ属 ることが出来る。 ボルネオイタチアナグマ 多くは海抜100 - 2100mの山林に生息する。 シナイタチアナグマ 植物食中心の雑食性で、果実、種子、小動物、 ジャワイタチアナグマ 鳥、鳥の卵などを食べる。夜行性。 ビルマイタチアナグマ 妊娠期間は2ヶ月で、1 - 3子を出産する。 ベトナムイタチアナグマ アジアジャコウネズミ(Asian House Shrew:Suncus murinus) 体長12-16cm。体重は雄が45-80g、雌が30-50g Focus Taiwan ジャコウネズミ:Suncus murinus サバナや森林、農耕地、人家等に生息する。 トガリネズミ科 可動域は狭い。 ジャコウネズミ属 食性は肉食性の強い雑食性で昆虫類、節足 アジアジャコウネズミ 動物、ミミズ等を食べるが植物質を摂取するこ リュウキュウジャコウネズミ ともある。 トガリネズミ科は、齧歯類 繁殖形態は胎生で、1回に3-6匹の幼体を出 (ネズミ目)ではなく、系統的 産する。 にはモグラやハリネズミと近 アジアジャコウネズミの狂犬病罹患例は初めて 縁のグループである。日本 であり、たまたまヒトを襲ったことが発見の契機と には2亜科4属12種が分布 なった。こうした小型獣が狂犬病の感染環に重要 する。 な役割を果たすとは考えられていない。 狂犬病予防接種率 台北市動物保護事務局(APO):50%以上(China Post, 7/18) 放浪犬の捕獲とペットの予防接種 農業委員会 (COA) :政府は放浪犬の捕獲と予防注射の活動を強化、 発生地のペットに無料で予防接種。(Focus Taiwan, 7/27) 動物用ワクチンの備蓄量 CDC:発生地域に動物用ワクチン77,000ドースを既に配布(7/29) BAPHIQ部長:政府が購入する500,000ドースのワクチンが8月末に 到着予定で、発生地域外の無料接種はそれ以降(7/29) BAPHIQ部長:150 万頭の犬と猫の80%、120 万頭に予防接種す るため8 月中旬までに合計 103 万ドースを入手(7/30) BAPHIQ部長:残り40,000ドースしか持っていない(7/31) CDC:ワクチン会社が輸入した403,000ドースが8月6日に到着 (8/8) 経口生ワクチン散布 動植物検疫所長:住民を危険にさらす空中投下する計画はない (7/28) 咬傷事故 台湾CDC:7月21日午後4時から29日午後4時の間に、狂犬病ワク チンを求める全部で245名の動物に咬まれた症例があった。それらの 申請者の内115名が認められ、台北7名、台湾北部9名、台湾中部33 名、台湾南部25名、高雄市と屏東市14名、台湾東部20名、国外7名 であった。その内16名がヒト狂犬病免疫グロブリンの使用が認められ、 うち5名は予防措置を受けた(7/30 ) 台湾CDC:8月5日午後4時から8月6日午後4時の間に、動物咬傷を 受け狂犬病ワクチンを申請した新たな156名を受理した。それらの申 請者の内122名が承認された(8/8) ペットの遺棄 農業委員会 (COA):22ヶ所の保養林にペットの持込みを禁止(7/25 ) 行政院長:ペットを遺棄しないよう要請(7/27) 南投県:5頭の放浪犬が山岳部の道路で死亡、毒殺された可能性 (7/28) ペットの犬と猫がパニックに陥った飼い主に捨てられる傾向がある。 当局はペットの遺棄の傾向を直ちに止めなければならない。これらの 捨てられたペットの一部は、海外から密輸された外来動物だ(8/2) 放浪動物の保護 公的動物避難所における現在の方針によれば、12日以内に引き取 り手がないと多くの動物は安楽死させられる。避難所に持ち込まれる 動物数の増加は安楽死までの期間の短縮を余儀なくするだろうと、動 物の権利活動家は懸念を表明している(8/8) 動物保護団体は、政府が排除政策に代えて不妊化を採用する希望 を持って、TNR―捕獲(Trap)・去勢(Neuter)・解放(Return)―を推 進してきた。予防接種を受けた多数の不妊化した犬と猫が、ヒトと感染 動物との間の防御線を築くことになるだろう(8/10) 消費者文教基金會:2011年にペット犬の頭数は153 万頭、ペット猫 の頭数は37万頭と推定され、野良犬の頭数は2009年に約85,000と 推定されているが、ごく最近の頭数は入手できない(8/13) 狂犬病により地主はペットを敬遠 地主の意向調査で、ペットを所有していないことを条件に挙げた割 合は、これまでの約 30%から40.5%に上昇。大都市圏の台中市と新 台北市はペットに非友好的な地主が最も多く、それぞれ 55% および 54%を占めた(8/17) 生活の様々な局面に影響・・・ 分離ウイルス株の接種試験 農業委員会 :14頭のビーグル犬を用いて狂犬病ウイルスの感染性 を調べる研究計画を公表(8/16) 国立台湾大学獣医学部葉力森教授は、狂犬病ウイルスが全ての温 血動物に感染し得ることは既に証明されており、14頭の罪のない子犬 の命を犠牲にする別の実験は全く必要がないと述べた(8/17) これが動物愛護団体を勢いづかせ、メディアを狂わせた。 性質が多少異なる様々なウ イルス株の一群を、genotype 1 (狂犬病ウイルス)としてまと めている。すなわち、病原性 や感染性を異にする集団であ り、一様ではない。 また、イタチアナグマが新た な保有動物種であるかどうか を調べることは、アジアにおけ る野生動物の狂犬病を理解す る上で不可欠である。 発症日別の発生経過 3例目までは7月17日の確定診断日。この図の他に遡及調査で2010年 に2例、2012年に1例、2013年1月と3月に各1例が見つかっている 8月1日に中央対策本部)を設置: 各部局は懸命に努力していたが、 政府としての統一性に欠け、とくにメ ディア対策が不十分で、憶測からパ ニック状態に陥った。 10月9日時点 167例 9月10日 ペット犬が感染 動物保護団体が野犬の捕獲・去勢・ 解放(TNR)をこれまでも要求していた が、その経費を自分たちが出すのなら 兎も角、犬嫌いも大勢いる中で税金を 使うことは困難だった。それを非常事 態に持ち出し、マスコミも同調したこと が混乱を深めた。その延長線として、 「動物実験反対、ビーグル犬の命を護 れ」の大合唱が連日報じられた。 29 10月9日現在 167例 40 7 10 3 17 13 45 3 この図の他に遡及調査で2010年に2例、2012年に1例、 2013年1月と3月に各1例が見つかっている 中国本土における狂犬病の推移 WHO中国駐在員事務所 狂犬病は1980年代末まで中国のほとん ど全ての省で高度に流行しており、1987 ~89年の期間には年間5,200名以上の死 亡が報告された。 それ以降、死亡数は劇的に減少し、 1990年に3,500名となり、1995年にはわず 中国においてヒトが狂犬 か200名になった。 病に曝露される原因と判明 その後増加の10年間が続き、 している動物種は、主に犬、 ピークの2007年には3,300名の 猫、豚、牛、フェレットおよび 死亡が報告された。 スカンクである。 2011年の狂犬病による死亡数 は2000名以下まで減少した。 犬は国内における狂犬病の主要な 保有動物であり、伝播動物である。北 京における疫学調査は、ヒトの狂犬病 による死亡の大半は犬(85-95%)と猫 (5%)による暴露である。 狂犬病による死亡数の年次推移(中国CDC) 中国における月別に見たヒト狂犬病症例数 患者数と死亡数の差は、 曝露後予防処置による。 6月頃から増加し、9~10月をピークに減少 している。野犬の活動の活発化と農作業が 関連していると思われる。 香港の狂犬病の経験 1980年10月4日に、香港は25年振りにヒトの狂犬病による死亡を経 験した。それまでの香港における最後の症例は1955年だった。25年 の清浄がどのように崩れ、そして早期に回復できたか? 犬の罹患数 ヒトの罹患数 香港動物愛護協会:狂犬病のリスク ある種の行動が香港のリスクを高めている。中国(およびその他の 地域)からの動物の密輸入は香港にとって深刻な脅威となっている。 一部の国民は中国に買い物に行き、かわいい子犬や子猫を衝動的 に購入しており、ペットショップが香港に普通のこととして配達してい る。多くの人々は子犬と子猫が狂犬病を運ぶことができることに気付 いていない。リスクを認識していないだけでなく、彼らの行為による密 輸入の動物に狂犬病が存在することの結果を過小評価している。 香港は1997年ま で英国領だった。 英国統治下の自由 主義を享受してき ており、人権、民主 主義、動物福祉な どに関して西洋文 明の原則を貫いて きていると思う。 香港動物愛護協会:出来事の時系列 0日目(1980年10月4日):25年ぶりにヒト狂犬病の最初の犠牲者、 Cheung Yuk-Lam君8歳が死亡。家の外で、彼は野良のシェパードに 肩を咬まれた。彼は医学的治療を求めず、後に未認可施療師の処置 を受けた。彼の母はこの病気について聞いたことがなかった。 1日目(10月5日):香港は狂犬病警報 当該地域を危険地帯と宣言。この地域からの犬の出入りは一切禁 止。識別入れ墨のないワクチン未接種の犬は捕獲し、安楽死させら れたが、人々はそれらをペットだと主張し、検疫下に置き後で返却す べきと要求した。 2日目(10月6日):当該地域で202頭の犬を捕獲、8頭は処分のため 所有権放棄。 3日目(10月7日):イギリス兵は、疑わしい犬に麻酔銃を打ち、脅威 を与える犬を射殺する命令を受け、対人用化学スプレーで武装。 漁船の犬は狂犬病常在地の広東から、狂犬病を持ち込む疑い。 狂犬病予防接種チームが3ヶ所の魚市場で作業している。 政府漁業局職員は漁船から犬の上陸を阻止している。 4日目(10月8日):政府は犬の予防接種を奨励するため、15ドルの 犬の登録料を撤廃し、予防注射を無料化した。 5日目(10月9日):中国国境の20km平方を犬の移動制限地域に指 定。「香港では一症例も確認されていないので、放浪しているワクチ ン未接種の犬を排除する以外に方法はない」と、農業漁業省のJ. Riddell-Swan長官が法制局に告げた。 6日目(10月10日):農業漁業省は200名を臨時雇用し、1455ドルの 給与に加えて嫌な任務に対して105ドル支払う。 7日目(10月11日):中国当局は、広東省で私的に所有している全て の犬を射殺すると宣言。美南新聞が広東省東莞で12名が狂犬病で 死亡したと伝える。咬まれて死亡した12名中11名は予防接種がな かったことによる。 12日目(10月16日):新界で2頭目の犬が狂犬病で死亡。 8歳の男児がHak Chaiと名付けられたペットの犬に咬まれた。その 犬はその後狂犬病で死亡した。その10歳のチャウチャウは、野良犬 集団に最近襲われた。 この時点で、農業漁業省は2385頭の犬を殺処分し、16588頭に予防 接種した。全部で973名の人々が予防接種を受けた。 発生後1ヶ月 発生後2ヶ月 2名 2名 ヒトの死亡数: 7名 12名 狂犬病が疑われる動物に咬まれた人数: 8頭 動物の死亡数: 57,000頭 71,659頭 予防接種した犬の頭数: 13,890頭 34,570頭 殺処分した犬の頭数: ● ● ● ● ● 貴重な教訓 香港の発生の6ヶ月前に近隣の広東で狂犬病が流行した。 狂犬病は、漁船に乗せられて国境を越えたペット犬によって香港 に持込まれたと考えられた。 狂犬病に対する地元の意識が低かった。感染区域の多くの人々 は狂犬病発生していることを理解しなかった。 発生の深刻さにもかかわらず、人々は自分の犬を閉じ込めるか、 または検疫のために政府に引き渡すことを拒否することによって、 封じ込めの努力を妨げた。 犬は、必要な抗体を産生するまでに狂犬病予防接種後3〜4週間 を必要とする。発生時のみ予防接種は、遅すぎる。 東南アジア地域の各国におけるヒト狂犬病症例の年間分布 WHO東南アジア地域事務所(WHO SEA), 2012 国 バングラデシュ ブータン 北朝鮮 インド インドネシア モルジブ ミャンマー ネパール スリランカ タイ 東ティモール 計 ヒト狂犬病症例の年 間推定数 2000–2500 <10 入手不可 18,000–20,000 150–300 0 1,000 <100 <60 <25 0 21,345–23,995 ヒト狂犬病症例の100 万人当り推定数 13 3 入手不可 18 1.3 0 22 4 3 0 0 WHOは全世界で推定55,000人が死亡しているとし、その大半がアジアとアフリカ。 インドネシア狂犬病による死亡者数 (WHO) 1988 1990 1991 1992 1993 1994 1995 2002 年 3 3 3 1070 89 0 50 52 人数 バリ島は歴史的に狂犬病が存在していなかったが、2008 年に島の 南側の半島で狂犬病が検出され、おそらく感染した犬が漁師の船で 持ち込まれたと推定。 いくつかの地域における犬の緊急殺処分を必 バリ島での発生 要としたが、地域社会の多数が反対した。新らた 発生の始まり: 26/11/2008 な子犬に置き換わることによって狂犬病を広げる 結果さえあり、殺処分を免れるため犬を移動させ 18/12/2008:2件(2頭) た証拠があった。(狂犬病制御世界連盟) 26/1/2009:3件(7頭) 10/3/2009:10件(12頭) ● 7/10/2009:1件(2頭) 22/3/2010:70件(86頭) 18/3/2011 :風土病宣言 ニアス島での発生 発生の始まり: 9/2/2010 ● 8/10/2010:5件5頭 21/9/2011:風土病宣言 九州におけるアライグマの捕獲数 350 300 250 200 150 100 50 外来種のアライグマは、北海道 で1990年頃から見つかり1万頭を 超えている。その後、関東・関西 にも広がっている。飼い切れなく なった金持ちが山に捨てた。 九州では長崎県で最も早く確 認され、2005年には佐賀県でも 捕獲され、福岡、大分、熊本でも 観察されている。 飼い犬の登録と狂犬病予防接 種が必ずしも徹底されておらず、 日本に狂犬病が侵入した場合に は深刻な事態になりかねない。 長 崎 県 佐 賀 県 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 フランスでは2009年、 2011年に、オランダでは 2012年にアフリカで入手 した犬を不法に持込み、 それが狂犬病を発症し たことで大問題となって いる。 麻薬の密輸入が絶え ない中で、狂犬病は・・・ 12000 992 690 506 10000 その他 342 8000 253 6000 韓国 タイ 4000 フィリ ピン 2000 中国 0 2004 2005 2006 2007 2008 不法入国および不法上陸 法務省入国管理局 周囲を海囲まれている から海外悪性伝染病が侵 入しないと過信することは 禁物である。テロリスト等 が様々な病原体を持ち込 んで散布する可能性は皆 無ではない。
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