食品表示

食品表示
2005/4/4
狂牛病BSE
• 2001年9月10日
• 千葉県でBSEを疑う牛が発見
• 10月18日以降、と畜場においてBSEに感
染していないことが証明された安全な牛以
外、と畜場から食用として出回ることがなく
なった。
• それ以前に解体された牛は証明がない
狂牛病という病気
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新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病
発病の仕組みが分かっていない
治療法がない(感染の可能性は低い)
潜伏期間が数年以上、若くても発症
うつ病、しびれ、痴呆の症状
牛の脳や脊髄などを食べて体内に入った
異常型プリオンが、脳で増殖、神経を侵す
雪印食品の牛肉偽装
– 10月下旬、西宮冷蔵によると、問題の牛肉はオー
ストラリア産で、昨年9~10月に入庫した計6
63箱。10月下旬になって、雪印食品の関西食
肉センターの職員らが同冷蔵を訪れ、1日がかり
で用意した国産牛用の622箱に詰め替えた。
• 2002年1月雪印食品が外国産牛肉を国産と偽っ
て申請したことが発覚
– 雪印食品:発覚の1か月後、会社解散
– 雪印乳業:2002年3月、700億円以上の連結最終赤字
雪印と食品表示
• 雪印食品の牛肉偽装事件に関して表示
制度を改善するため、農水省は2002年2
月8日、「食品表示制度対策本部」を
設置した。表示偽装防止などを目的に、
表示について規定しているJAS(日
本農林規格)法を見直す方針。
魚沼産コシヒカリ
• 本物の生産量の10倍は流通している(2002)
• 同じ新潟のほかの地域のコシヒカリと比べ、5割
ほど高値で売れる
• ☆日本穀物検定協会では、表示と中身が一致し
ているかの検査を行い、合格した精米工場に認
証マークを与えている(現在365工場が認証を受
けている)
• DNA鑑定(産地の特定、新米古米の区別は無
理)
ブランド1
• 東北でとれたズワイガニが山陰まで運ば
れて松葉カニに化ける
• ■消費者が品質を見極めず、ブランド名だ
けで高値を払う
• ☆情報の非対称性
• ブランドだけを盲信しない賢い消費者が増
えれば、偽物は市場から駆逐される
ブランド2
• 松坂牛:松坂食肉公社を通じて年間2千頭
以上出荷する松坂牛の個体識別管理シス
テムを2002年8月末までに導入する
• 識別番号つきのシールを一頭当たり400枚
発行して本物であることを証明
• 夕張市農協は、1992年に「夕張メロン」の
商標を取得
JAS法
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2000年6月日本農林規格(JAS)法改正
1.すべての生鮮食料品に原産地を表示
2.有機食品の規格を制定
3.JAS規格制度を5年ごとに見直し
4.民間会社等に格付の権限を開放
業界は虚偽表示で制度を悪用して消費者
の不信を強めた
消費者の情報量
• 問題:食肉を一目見て肉の種類や部位、
産地を判断するのは難しい
• 扱う関係者が専門家になり、外からは密室
• 複雑な流通機構(小売店に並ぶまで何段
階かの卸業者が介在する)
• 枝肉が、ロースなどの部位に分けられ、さ
らにブロック肉、スライス肉へと分けられる
トレーサビリティ1
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1.どの親牛からいつ生まれたか
2.エサは何か
3.病気や投薬経験はあるか
4.出荷時の牛の状態はどうだったか
5.出荷場所や肉になった日
6.肉のランク
トレーサビリティ2
• イオン(ジャスコ):青果物のトレーサビリ
ティシステムは1993年から導入
• お手本は、有機、低農薬農産物(畑までさ
かのぼり、肥料や農薬の使用、栽培管理
などに基準を設け、クリアしているかを第
三者機関が認証する)
• ★問題がおきたとき、原因解明に使用
トレーサビリティ3
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武器の製造番号
自動車の車体番号
アポロ13のトラブル報告ファイル
ATM、コンビニのビデオ撮影
• 原因解明ができる
• 責任追及のための証拠になる
トレーサビリティ4
• EUで90年代後半から導入が進む
• 日本:2003年6月、牛肉トレーサビリティ法制定、
12月に施行
• 識別番号が印字された耳標を牛はつける
• 小売店では、値札、包装パックに表示
• 肉料理専門店もメニューやレジに番号を明示
• 消費者は家畜改良センターで履歴を閲覧
http://www.nlbc.go.jp/
トレーサビリティ5
• 野菜
• イトーヨーカ堂
• 2002年から、大根、ほうれん草、レタスなど
の青果物に生産者の名前と番号を記載し
たシールを貼る
コスト
• 識別番号を店頭のラベルに印字する機械
は80万円する
• 仕入れ場所が違っていると番号の記載が
大変
• 零細業者に問題
トレーサビリティ7
• 安全を確保するために、すみやかに商品
回収が行える仕組み
– アメリカ:農場や工場、流通など各段階ごとに
商品に関する記録を残し、商品に問題が起
こった際に回収、原因を究明する仕組み
– 欧州:生産から流通段階まで、一貫した情報
管理システムを作り、必要に応じて消費者に
も情報を提供することが必要だと主張
– 2003年2月22日読売新聞
加工食品の表示
• 農林水産省「日本農林規格(JAS)法(農林
物資の規格化及び品質表示の適正化に
関する法律)」
• 厚生労働省「食品衛生法」
• 公正取引委員会「景品表示法」
全農チキンフーズ
• 2002年3月6日 鶏肉偽装問題
• 抗生物質入りのエサで飼育された国産鶏
の肉と加工品計約233トンを、抗生物質不
使用の「鹿児島産鶏肉」と偽って、コープ
ネット事業連合に出荷(2001年4月から)
• 景品表示法違反(不当表示)
• 全農会長引責辞任
JAS法改正
• 1.全ての生鮮食料品について原産地を
表示
• 2.第三者認証機関が認定した生産者が
生産したもののみに「有機」と表示、流通
• 3.規格制定などの際に国際規格を考慮
遺伝子組み換え表示
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大豆「しょう油」「大豆油」
トウモロコシ「コーン油」「コーンフレーク」
以上は、表示義務の対象外
★米国の圧力、分解
「豆腐」「みそ」遺伝子組み換え作物が、全
原材料重量の上位3番目以内、かつ重量
の5%以上の場合のみ表示すればよい
協和香料化学
• 食品衛生法で認められていない添加物質
を香料の原料に使っていた
• ロッテ、味の素、ニチレイ、カルビーなどが
回収、新聞におわび広告
• アセトアルデヒドは1970年から、ひまし油
は1971年から使用
チェックシステム
• 2000年、埼玉県川越保健所が、ハムが
O-157に汚染されていると言って回収命令
を出した
• 実は、保健所が保管していたO-157のサン
プル菌が検査の時についただけだった
• ジャスコは埼玉県に損害賠償を請求(?)
情報開示
• 企業内で客観的に安全だと思っていても、
それが世間に通用しないかもしれない
• 賞味期限切れの食材の使用
• (禮夫人、違法香料、東電のシュラウドの
傷)
• 消費者に対する情報開示の重要性
• 専門家だけがリスクを知っている、と言って
も通用しない
食品安全委員会
• 食品安全に関する新独立機関を内閣府の
下に置く
• 農林水産、厚生労働省に対して、食品の
安全基準作成や事故防止対策などを求め
る勧告・監視権をもつ
• 2003年4月発足をめざす
• 原子力安全委員会の組織をモデルにする
• (JCOの臨界事故(1999)でできた)
HACCP
• 危険度分析による衛生管理
• Hazard Analysis Critical Control Point
– 食品の製造加工工程のあらゆる段階で発生
する恐れのある微生物汚染等の危害につい
て調査・分析
– どの段階で対策をすれば安全な製品を得られ
るかの管理点を定め、常時管理記録をする
• O-157の食中毒に対処、マクドナルドなど