地球温暖化対策について 平成16年7月 経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 環境経済室 <京都議定書:概要> ●対象ガス(6種類): 二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、 代替フロン等3ガス(HFC、PFC、SF6) ●基準年: 1990年(代替フロン等3ガスは1995年) ●約束期間: 2008年~2012年の5年間 ●主要各国の削減率 (先進国全体の目標はマイナス5%) 日本:▲6%、米国:▲7%、EU:▲8%、ロシア±0% ●発効要件 ・条約の締約国の55か国以上が批准 ・排出義務を負う国(先進国)のうち、1990年のCO2排出量の55%を占 める国が批准 1 <京都議定書:京都議定書の対象ガス> ★二酸化炭素(CO2) -エネルギー起源 主な発生源 : 化石燃料の燃焼 ex 発電=家庭やビルにおける電気の使用 自動車の運転 生産活動 等 -非エネルギー起源 主な発生源 : 工業プロセス ex セメント製造 ★メタン(CH4) ★一酸化二窒素(N2O) ★代替フロン等3ガス ①ハイドロフルオロカーボン(HFC) ②パーフルオロカーボン(PFC) ③六フッ化硫黄(SF6) 2 <日本の各温室効果ガスの割合> 各温室効果ガスの割合(2002年度) 一酸化二窒素 (N2O) 3% 代替フロン等3ガス 2% 約9割を,エネル ギー起源二酸化 炭素が占めてい る メタン(CH4) 1% 非エネルギー 起源CO2 6% エネルギー 起源CO2 88% 出典:2004年度地球温暖化対策推進本部資料 3 <エネルギー起源CO2部門別排出量> 部門別のエネルギー起源二酸化炭素排出量を見ると、産業部門は1990年度に 対して減少しているのに対し、民生部門・運輸部門は大幅に増加。 500 476百万t 運輸部門 300 200 197百万t (前年度比+4.4%) (90年度比36.7%) 家庭部門 166百万t (前年度比+7.9%) (90年度比28.8%) (年度) 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 129百万t 1995 100 業務その他部門 144百万t 1993 150 261百万t (90年度比20.4%) (前年度比▲1.9%) 217百万t 1994 250 1992 ) 350 1991 ( 単 位 百 万 ト ン C O 2 400 1990 排 出 量 468百万t (前年度比+3.6%) (90年度比▲1.7%) 産業部門 450 4 <地球温暖化対策推進大綱の概要 ①> 国内では、平成14年3月に政府決定した 「地球温暖化対策推進大綱」 に基づき、温室効果ガス削減に向けた施策を総合的に推進。 地球温暖化対策推進大綱(平成14年3月 地球温暖化対策推進本部決定) <基本的考え方> ◎環境と経済の両立 -地球温暖化対策への取組が、経済活性化や雇用創出等につながるよう、 技術革新や経済界の創意工夫を活かしたものとする。 ◎ステップ・バイ・ステップのアプローチ -節目節目(2004年、2007年)に、大綱の内容について評価・見直しを行い、 段階的に必要な対策を講じる。 ◎各界各層が一体となった取組の推進 ◎地球温暖化対策の国際的連携の確保 5 <地球温暖化対策推進大綱の概要 ②> ○具体的には、省エネ・新エネの推進や京都メカニズムの活用に向けた取組、 革新的技術開発等、200を超える地球温暖化防止のための施策を推進中。 ○これらの対策の実効性の一層の向上が不可欠。 ○地球温暖化対策推進大綱は、本年見直しの年になっており、現在各省において検討中。 <6%削減の内訳> エネルギー起源二酸化炭素 (産業、民生、運輸三部門合計) ±0% 非エネルギー起源二酸化炭素 メタン、一酸化二窒素 ▲0.5% 代替フロン等3ガス +2% 革新的技術開発、国民の努力 ▲2% 森林吸収 ▲3.9% その他(京都メカニズム活用等) ▲1.6% <具体的施策例> ex. 省エネルギー対策の推進 ・省エネ法改正による大規模オフィスビル等へ のエネルギー管理の導入 ・トップランナー基準適用機器の拡大 ex. 新エネルギーの導入 ・電気事業者による新エネルギー等の利用を義 務づけ(RPS法) ・燃料電池、太陽光発電、バイオマスエネルギ ー等の実証試験等の強化 ex. 京都メカニズムに向けた取組 ・海外での温室効果ガス排出削減に資する設備 投資に対する補助金や金融支援 6 <国内での排出削減対策~エネルギー起源CO2> エネルギー需要面の対策 1:産業部門の対策 ・産業界の自主的な取組みの実効性の確保 例):経団連自主行動計画のフォローアップ (経済産業省所管 29業種対象) ・省エネ法に基づく工場総点検の強力な実施 2:民生部門の対策 ・省エネ法のトップランナー基準対象機器の追加 ・省エネ法の改正による大規模オフィスビル等への対策を強化 3:運輸部門の強化 ・補助金制度による低公害車、低燃費車の普及促進 ・燃料電池自動車の早期実用化に向けた技術開発、実証試験等の実施 エネルギー供給面の対策 1:新エネルギーの導入促進 ・事業者、地方公共団体、NPO等に対する新エネルギー導入促進支援 2:原子力の推進 ・安全性の確保を大前提とした原子力の推進 7 <民生・運輸部門対策の方向性> これまでの対策 →省エネ機器・設備の省エネ性能向上と導入対策が中心 一定の効果をあげているものの、民生・運輸部門の排出抑制までには至っていない 省エネ機器・導入に加えた、新しい省エネ手法の検証が必要 様々な主体が連携し、 様々な手法を取り込むことによる、 新しい省エネ対策の検証 8
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