4章 システム設計へ 橋渡しする要件定義 4404022 大久保 岳洋 要求仕様書と要件定義書 要求仕様書 ・・・ユーザ企業が「発注者が求めるもの」を 記述したドキュメント。 要件定義 ・・・要件定義を分析し、あいまいな事項を 明らかにする作業。 要件定義書 ・・・要件定義のドキュメント。 要件定義書が作れない要因 1.業務の詳細設計が開発と同時に並行して進む 2.ユーザ企業の要求仕様認識レベルが100%に 達していない 3.要求仕様のコミュニケーションが避けられない 4.ゴールになるシステムそのものが変動する SEが要求定義で果たすべき使命(1) 1.仕様の理解レベルを上げる ・・・できるだけ早くユーザが要求する仕様 を理解する。 2.ユーザの認識レベルを高める ・・・要求仕様書の不備を早く見つけ、 ユーザと一緒に検討する。 3.妥協点を見出す ・・・実現可能なシステムのレベルを見出し、 ユーザと合意を形成する。 SEが要求定義で果たすべき使命(2) 要件定義の作業内容 要求仕様書分析の手順 1.業務量の見通しを付ける 2.要求仕様の理解に努める 3.疑問点、不明点を抽出する 疑問点、不明点を抽出する(1) 要求仕様書の記載事項は、記載されていな い事項の方が多いつもりで取り組む必要が ある。 要求仕様書の不備を確認して、疑問点、不明 点を明確にし、それらの解決を図る。 疑問点、不明点を抽出する(2) 記載がない場合は、以下の3つのケースが考 えられる。 1.暗黙の前提になっている 2.ユーザで検討を洩らしている 3.指定なしで、開発者にフリーハンドを与える 疑問点、不明点を抽出する(3) 5W2Hで精査する Who(入力者は誰か) When(利用するタイミングはどういうときか) Where(利用する場所はどこか) What(どんな機能が必要か) Why(なぜこの機能を必要とするのか) How to(どういう使い方をするのか) How many(使用頻度はどれくらいか) 疑問点、不明点を抽出する(4) あいまいな表現を具体化する 例 数量・・・多い、少ない、大量、少量 サイズ・・・大きい、小さい 発生頻度・・・たいてい、ときどき、いつも 増減・・・増加した、減少した、多くなってきた 疑問点、不明点を抽出する(5) トラブルの起きやすい箇所を精査する 1.現行業務が変更になる部分 2.実現が難しい要件 3.他とのインターフェース 現状調査の手順(1) 調査目的として以下のものがある。 システムを構築する目的や基本的な考え方 を把握する 主要な業務の処理フローを調査する 要求仕様の疑問点を確認する 業務の発生回数や所要時間などの基礎デー タを収集する 現状調査の手順(2) <現地調査の基本的な手順> 1.現地調査を行なう目的を明確にする 2.この目的を実現するための方法手順を考える 3.現地調査を行う日時・場所の了解をとる 4.事前の準備を行い、実施する 5.結果をまとめ、問題点を整理する ヒアリング(1) ヒアリングの準備 限られた時間に聞きたい事項を確実にカバーでき るようにするため、事前に質問項目をリストアップし ておく。 正確な内容を引き出すためには、アンケートを併用 することも有効である。 1時間程度がひとつの目安になる。 何回かに分けて実施する方が好都合である。 ヒアリング(2) ヒアリングの方法 初めて面談するときは、システムを構築する目的や 基本的な考え方について自由に話してもらい、プロ ジェクトについて理解を深めると同時に、相手の考 え方や価値観をつかむようにする。 現場での観察 1.データの流れを追っていく工程分析 2.作業現場で作業状況の推移を観察する作 業測定 実現可能性を評価するポイント 指定された予算、スケジュールの範囲内で開 発が可能か 指定された前提条件で要求される機能要件 が実現可能か 技術面能力面で対応可能か 要件定義書の2側面 発注先との合意文書である システム設計の対する仕様書である いずれも要件定義書がシステム開発の枠組 みを決めることを意味する 要件定義書の様式 最初に提示された要求仕様書に従う考えもある しかし、発注者の書類は読みづらくても読ん でもらえるため、参考にはならない 様式の指定には従う 要件定義書の構成 システム開発の対象が広範囲にわたる場合 システム機能を適当なサブシステム単位に分 ける システム全体の共通編と機能別のサブシス テム編で構成する
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