第7章 交換技術

第7章 交換技術
7.1 交換機の機能と構成
7.2 ディジタル交換機
7.3 ATM交換設備
7.4 IPネットワーク交換技術
7.5 高速スイッチング
7.6 トラヒック
7.7 番号計画
7.7 番号計画
7.7.1
7.7.2
7.7.3
7.7.4
7.7.5
番号計画の条件
閉鎖番号方式と開放番号方式
番号の構成
相互接続の番号方式
国際勧告の番号計画
7.7.1
番号計画の条件
電話局や加入局を識別するための選択用数字を付与する方法。
[番号計画における条件]
① 長期間にわたって番号を変更しない。したがって,将来の増加を見込んで
おく必要がある。
② 利用者にとって覚えやすく使いやすい。
③ 全国どこからでも同一のダイヤルにより接続する。
④ 通話のためのルーチングや接続に便利な番号でなければならない。
⑤ 交換機にとって課金が容易でなければならない。
7.7.2
閉鎖番号方式と開放番号方式
(1) 閉鎖番号方式
ネットワーク全体を1つの区域として,ネットワーク内の利用者に対して,
統一的に番号を付与する。
すべて同じ桁数の番号となり,この番号を閉鎖番号という。
① 規模が大きくなると桁数が増える。
② 近くの利用者と接続する場合も
長い桁数の番号をダイヤルしなければならない。
(2) 開放番号方式
ネットワークを複数の閉鎖番号区域の集合として構成する方式。
異なる閉鎖番号区域の利用者相互間は,
① 市外識別番号(NTTの場合は0)
② 区域番号(NTTの場合は市外局番)
を付加して接続する。
この番号を開放番号という。
7.7.3
通信端末等を識別する番号
[NTTの電話網の全国番号]
市外識別番号+市外局番+市内局番+加入者番号
[例]
0+42+387+1234
042(387)1234
番号の構成
(1) 全国番号
全国番号の構成方式
全国番号の構成方式は,
① 通信端末の数
② 通信端末の分布,
③ トラヒックの交流状況
等を勘案して選択される。
[例1] 電話 → 開放番号方式
① 端末が非常に多い。
②端末が全国に分布している。
③ 市町村等,行政区域内の
トラヒックが高い。
開放番号方式を採用。
[例2] DDX網→閉鎖番号方式
① 端末数が少ない。
③ トラヒック交流が
全国にまたがっている。
(2) 特殊番号
通常の通話以外に,特殊なサービスやオペレータの呼出しを行う際の番号。
サービス内容から全国的に番号を統一したほうが良い場合に付与される。
一般に短い桁数(3桁程度)が付けられる。
① 人命,財産などに関連し,緊急性が高いもの(警察,消防等への連絡)
② 電気通信事業者の業務に直接関係するもの(加入申込,故障受付,番号案
内)
③ 各種サービスに関係するもの(電報,コレクトコール)
(3) 番号容量に関する注意
番号容量とは,通信端末に付けられる番号の数の上限。
① 例えば,番号桁数が4桁の場合,
0000~9999
の10,000個の番号を用いることができるが,
実際には,特殊番号等に配慮しなければならないので,
すべての番号を用いることはできない。
② 将来の需要動向に配慮して,十分な容量を確保する必要がある。
7.7.4 相互接続に関する番号方式
(1) 留意点
① 既存網の番号計画は可能な限り変更しない。
② できるだけ短く,分かりやすい番号で他の電気通信事業者の設備を指定で
きるようにする。
③ 既存設備の改造規模を極力少なくする。
(2) 相互接続の番号方式
(a)中継線接続用番号
事業者識別
番号
サービス識別
番号(省略可)
加入者番号
(b)国際接続用番号
事業者識別
番号
国際番号
(国番号)+(国内番号)
(c)加入者線接続用番号
センタ番号
(事業者識別)
各種情報番号
加入者番号
各種情報番号
(3) 各番号の意味
① 事業者識別番号
事業者を選択する番号。総務省告示で指定され,0041~0099を使用する。
② サービス識別番号
事業者が提供するサービス識別,保守試験呼の識別に使用する2桁の番号。
2桁の番号を Y1Y2 とすると,Y1=2 ~ 9,Y2 = 0 ~ 9 を使用。
事業者間で統一する必要がある場合,
事業者共通サービス番号 Y1Y2= 90 ~ 99 を使用する。
③ 加入者番号
着信者を識別する番号。最初の桁は地域系網の識別に使われ,
0 は NTT,1はNTT以外の事業者を指す。
④ 各種情報番号
発信者の加入者IDやパスワードなど,利用者と事業者,あるいは事業者間で
必要に応じて付加される番号。
7.7.5 国際勧告の番号計画
(1) 電話網の番号計画に関するITU勧告
先頭の国際プレフィックス(注)を除いて,
最大12桁を超えないように規定されている。
国コード
トランクコード
市外・市内コード
加入者番号
最大3桁
最大12桁
(注)
国際電話では,東京または大阪総括局を経由して国際関門局に到達し,
国際中継機により外国へ中継される。
関門局に到達するための特殊な番号を国際プレフィックスという。
(2) データ網の番号計画
X.121で規定
① 先頭の4桁で網を識別
ひとつの国に複数の網があることを想定している。
② 最大40桁のサブアドレス
網が端末として識別する装置に,複数の入出力装置が接続されることを
想定している。
DNIC
NTN
(Network Terminal Number)
サブアドレス
DCC(3桁)
DNIC(4桁)
14桁
DCC:Data Country Code
最大40桁
DNIC:Data Network Identification Code
(3) ISDNの番号計画
E.164で規定
将来の通信端末の増加に備え,桁数を最大15桁に増やしている。
国コード
最大3桁
国内網コードまたは
トランクコード
加入者番号
サブアドレス
ISDN国内番号
ISDN国際番号(最大15桁)
最大40桁