SSCの性能、calibrationの現状、天体のスペクトル

SSCの性能、calibrationの現状、
天体のスペクトル
All-sky soft X-ray emission symposium
2014-05-27 @ Riken
冨田洋 for MAXI/SSC team
本講演の目的(主旨)
soft X-ray diffuseにおいてどんな研究ができるか(できないか)を
考えるために、その主力武器であるSSCがどんなものかを紹介
する。
目次
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SSC(Solid-state Slit Camera)の紹介
観測原理、基本性能
運用(観測効率など)
性能(の変化)、ノイズ(バックグランド)
成果
→次の発表(木村)
What is SSC ??
• SSC : 国際宇宙ステーション上の全天X線監視装置
(MAXI:2009〜)のX線カメラの一つ
1m
GSC
1m
2m
進行方向
SSC
スリット
CCD
内部写真 : スリット+コリメータを取り
外した状態でCCDが見えている
断熱足
アルミブロック
観測原理
CCD




コリメータ(等間隔に並べた24枚の薄い板)で細長い視野を作成。
スリット/コリメータで細長い視野のどの方向からX線が来たかが分かる。
CCDでX線を検出(エネルギー分解能はよい)。
宇宙ステーション (飛行機のように飛ぶ)が地球を周回すると全天をスキャン
できる。
 SSCは進行方向(H)と反地球方向(Z)をモニターする。
 >hourのタイムスケールの時間変動を捉える同時に大きく広がったdiffuse構
造の観測できる(細かい構造は他のX線衛星で。。)
SSCのパラメータ
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スリット面積:2.7 x 50mm = 1.35cm2
瞬時の視野の大きさ : 1.5x90°(FWHM)
角度分解能 : 1.5°(FWHM)
夜のみ観測(遮光が不十分)
エネルギーレンジ : 実用=0.7-7keV (公称:0.5-12keV)
– 明るさに依存。暗いとノイズ(バックグランド) に埋もれる。
– 低エネルギー側は徐々に劣化中(CCDの暗電流が増加のため)
– 高エネルギー側もADCレンジにより一部CCDで7keVが限度であ
る。
• エネルギー分解能
– 打ち上げ時は[email protected](FWHM)
– 徐々に劣化中......
検出効率
Al edge
Si edge
実用
公称
10%
0.7
7.0
太陽・地球・視野方向
地軸
軌道面2
視野
太陽風
Sun
昼 51.6°
軌道面1
夜
赤道面
 軌道傾斜角は51.6°
 昼は観測に向かない。軌道(季節)によっては夜がない日が数日
続くこともある。
 高緯度はノイズ(バックグランドが大きい)
 太陽方向近くは観測は難しい
太陽・地球・視野方向
視野(H)
太陽風
Sun
昼
太陽近傍は観測できません
視野(z)
夜
MAXI
地球上でのカウントレートマップ
SSC-H
SSC-Z
SAA
 ほぼ荷電粒子の強度を示す。
 HとZ(視野方向)で異なる
 緯度だけでなく、経度にも依存する
SAA
ある一日(2014-05-01)での取得画像
(簡単なスクリーニング後)
銀河座標(天の川銀河の中心が図の中心にある)
露出時間補正無
BGDが一様ではない。多くは荷電
粒子起源であろうが、この中にX
線起源(求めている)ものがある。
天の川
太陽
SSC-Z
SSC-H
一周回では最大で2カメラ合わせて全天の1/3-1/2程度が観測可能
厄介なBGD(or soft X-ray diffuse??)
0.7-2keV
SSC-H 2014-05-01
06:15:50-06:37:40
2-7keV
カウントレートピーク (緯度,経度)~(277,-51)
カウントレートピーク (緯度,経度)~(209,-48)
0.7-2keV
09:21:40-09:52:20
 soft bandで顕著に見える。
 2orbit(3時間)後でもほぼ同じ方向に見える
このような成分を適切に評価の評価の必要がある。
2-7keV
高緯度
観測効率
• 約96分で地球を一周。
• 夜の長さは軌道(季節)による。夜がない日もある。
• SAAと高緯度では観測していない。観測はできて
いても赤道付近の方がBGDは低く感度はよい。
各日の観測効率
SSC-HがON状態
SSC-ZがON状態
SSC-Hが通常観測
SSC-Zが通常観測
SSC-Zは約一年間ほど
データ処理CPUボードの
不具合で観測していな
かった
ISSが夜である
放射線帯にいない
100%
夜かつ放射線帯にいない
0
2009/8/15
2014/5/20
一日のうち30-40%で観測。但し
夏至・冬至付近ではゼロの日も
ある
SSCの性能と劣化(1)
エネルギー分解能
CCDの劣化(ダークカレント増加・電荷転送効率
の低下)は進んでいるが、今後も十分観測は可
能。
2009/09
2010/09
2011/09
2013/09
補正前
コリメーター起源の銅輝線
補正後
SSCの性能と劣化(2)
低エネルギーイベント数
ダークカレント
1000日
修正ユリウス日
温度
暗電流(ダークカレント)によるノイズ(バックグランド)は増加中で
低エネルギー(soft X-ray)に影響が出ている。除去方法の最適化を実施中。
感度(バックグランドノイズ)
• 「感度」はバックグランド(観測したいもの以外の信号)
で決まる。
• (soft diffuseを天体を対象とした場合の)バックグランド
の種類
– 荷電粒子(地球上の場所依存)
– Cosmic X-ray Background(遠く暗い銀河からのX線。観測
方向に少々依存。)
– 銀河系内の広がったX線(BGDでなくて研究対象でもある)
– 点源(星・銀河)
– 暗電流(熱ノイズ)
– デジタル処理由来の疑似イベント
Cut-off Rigidity 毎のBGD強度
Si
Cr
Cu
Screening criteria is differrent
between below and above Si edge
Kimura+ PASJ 2013
Cut Off Rigidityよりもっと良いパラメータあるかもしれません。
エネルギースペクトル例
カシオペアA(Cas A) :
超新星の残骸
GX-301-2
中性子星連星パルサー
MAXI J0158-744
(白色矮星
1スキャン)
ペルセウス銀河団
まとめ
• SSCは2009年の観測開始から現在まで観測を
継続しています(若干の性能劣化はあります
が)。
• 観測効率は~30%。夜しか使えない。高緯度も
厳しい
• データも可能な限り公開の予定です(~8月??)
• MAXI/SSCでできるサイエンスについてアイデ
アありましたら冨田まで連絡ください。
[email protected]