高感度全天X線監視による 巨大バイナリーブラックホール の探査 MAXIフライトモデル 2007年2月13日 磯部直樹(理化学研究所) with MAXI Team MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール 巨大バイナリーブラックホールの観測的 証拠 周期的な光度変動 (eg, OJ 287; Sillanpaa et al 1988) Jet core の 軌道運動 (eg, 3C 66B; Sudou et al. 2003) Jetの歳差運動 2本のJetを持つAGN (eg, 3C 75; Owen et al, 1985) 二つの compact core をもつ AGN (eg, NGC6240; Komossa et al, 2003) X-Shaped Radio Galaxies (eg, 3C 315; Merritt & Ekers 2002) Double-peaked broad emission line etc, 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール 周期的光度変動の代表例 : OJ 287 約12年 OJ 94 Project 現 在 1967年に”発見”されたBL Lac 天 体(z = 0.306) 約12年ごとに可視光のフレアを 起こす。(11.65年Silllanpa et al 1988; 11.86 年Pursimo et al, 2000) 1994年のフレアの際に、世界的 な観測キャンペーンが行われ、周 期性が確認された(OJ-94 Project)。 2005-8年にフレアが予言されて おり、観測キャンペーンが進行中 (2005-2008 project: http://www.astro.utu.fi/OJ287MMVI) 。 OJ287の可視光の光度曲線 (Valtonen et al, 2006) 2007年2月13日 2005年11月にフレアがあったら しい。 2007年秋に、もう一度フレアが予 言されている。 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール AGNの周期的変動の探査 巨大バイナリーローブラックホールを見つけるには、多 数のAGNの光度を監視して周期性を探査すればよい。 どの程度の時間間隔で観測すべきか? 周期 : T = 8.8年(M/108Mo)(r/1000rg)3/2(1+q)-1/2 (重力半径 rg = 2GM/c2, 質量比 q = m/M) 1週間に1度程度の光度測定 どの波長が良いか? これまでは、可視光・電波が主流(eg, OJ287) 降着円盤・ジェットといえば X線 が重要 全天を監視できるX線観測装置があればよい。 既存の装置(RXTE ASMなど)は、感度が不十分 MAXI が最高の装置 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール 全天X線監視装置 MAXI 国際宇宙ステーション日本実験棟 (JEM) 宇宙ステーショ ンの運動 国際宇宙ステーション搭載 の全天X線観測装置 2008年秋にスペースシャトル で打ち上げ予定 二つの検出器 Gas Slit Camera (GSC) Solid-state Slit Camera (SSC) MAXI これまでの全天X線監視装 置の感度を一桁凌ぐ。 GSC : 1 mCrab/week RXTE ASM : 10 mCrab SSC GSC 2007年2月13日 1000を超えるX線天体のX線 強度を監視できる。 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール 全天X線監視装置 MAXI Gas Slit Camera (GSC) Solid-state Slit Camera (SSC) GSC 検出器 大面積比例計数管 エネルギーバンド 2 - 30 keV 視野 1.5 x 160 degree 位置分解能 0.1 degree 感度 1 mCrab / week 2007年2月13日 SSC X線CCD(国産) 0.5 - 10 keV 1.5 x 80 degree 0.1 degree 2 mCrab / week MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール MAXIによる全天監視 2 weeks 1 day (JAXA冨田洋氏提供) 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール MAXI * Galactic Source + AGN ○ Cluster of galaxies RXTE ASM MAXIの感度と観測天体 1 軌道 1日 1週間 数ヶ月 PKS 2155-304 Mrk 501 3C 120 Mrk 421 OJ 287 BL Lac ON 231 3C 345 3C66A 3C 66B ON 325 AO 0235+164 周期性が示唆される AGN 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 多数のAGN のX線光度 を監視でき る 「すざく」時代のブラックホール MAXIによるAGNの光度曲線の例 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール MAXIで期待される他の成果 日 AGNs 時 秒 分 Cygnus X-1 (Hayashida et al. 1998) 時間変動のタイムスケール ∝ (ブラックホール質量M)-1 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール MAXI開発状況 2007年度 1 4 振 動 試 験 音 響 試 験 10 げシ ス テ ム 組 み 上 1 総 合 検 査 ・ 試 験 4 7 10 射 場 射 場 準 備 打機 ち上 上較 げ正 (KSC) 熱 真 空 試 験 7 2008年度 2009 1 4 運用、観測、速報 (2011年まで?) 輸 送 KSC : ケネディ宇宙センター(鹿児島ではない) 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール まとめ AGNの周期的なX線光度変動は、巨大バイナリーブ ラックホールの重要な観測的証拠となる。 2008年打ち上げ予定のMAXIは、史上最高の感度 を持つ全天X観測装置である。 MAXIを用いれば、100程度のAGNのX線光度を監 視でき、AGNの周期性が系統的に探査できる。 その他にも、時間変動のタイムスケールからAGNの ブラックホール質量を見積もることも出来る。 ソフトウェアの準備状況などについては、根来氏の ポスター講演(P.31)を参照 2007年2月13日 MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image 「すざく」時代のブラックホール
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