地震の揺れを 科学する ~見えてきた強振動の姿~

地震の揺れを科学する
~見えてきた強振動の姿~
30616001 総合科学2年
赤松 圭介
4章 強振動を記録する
 1 地震記録から
地震動の強さを知る。
 2 地震計の仕組み
 3 強地震観測で
わかること
 4 最近の強地震観測
1 地震記録から強地震の強さを知る
 (1)地震波のいろいろ
 (2)計測震度とは?
 (3)計測震度の分からない場所では
(1)地震波のいろいろ
 周期関数の重ねあわせによる振動の表現。
 変位波形
微分(↑積分)
 速度波形
微分(↑積分)
 加速度波形
重ねあわせによる振動の表現の利点
 速度波形は
建物の固有周期(壊れやすい周期)を表現
 速度波形と加速度波形は
地震被害との関係性が強い
(2)計測震度とは?
 震度階
 昔(1996年4月以前)
→人為的に決めていた。
 現在(1996年4月以降)
→計震度計(自動的に震度階を把握するシステ
ム)によって決められている。
(3)計測震度の得られない場所では
 アンケート震域調査
 墓石の転倒率
 当時の人たちが書き残した記録や日記による
被害状況
2 地震計の仕組み
 (1)地震計の原理と特性
 (2)波形をどのように記録するか
 (3)強振動を記録するサーボ型強振動
 (4)電磁記録方法の変遷
(1)地震計の原理と特性
 揺れを測定するための地震計
(一般的に重りとバネで構成されている)
 地震時に地面と異なった動きをする必要があ
る。
 バネが強い
→ 固有振動が短くなる。
 おもりが重い → 固有振動が長くなる。
 地震計は固有周期よりも短い周期の地震動を
観測することができる。
(2)波形をどのように記録するか
昔
→ おもりにペンをつける方法
光学式の記録計
 現在
→ 電磁式地震計
(3)強地震を記録するサーボ型地震計
 大きな地震動を観測することは原理的に困難
そこで
 動こうとするおもりを電気的に蓄えておく工夫によってこれを解決。
それが
サーボ式地震計
 駆動コイル(図)下に流れる電流を取り出せば地震動の加速度が
分かる。
(4)電磁記録方式の変遷
 1980年代ごろ → アナログのテープレコー
ダーに収録
 デジタル技術の発展
 情報伝達技術の高度化
3 強地震観測でわかること
 (1)強地震ことはじめ
 (2)兵庫県南部地震の強震観測記録
 (3)強震観測記録の常時活用
(1)強地震ことはじめ
 大きな地震動を観測することは原理的に困難
 1931年 末広恭二教授がサーボ型地震計の
原理を発表 → アメリカで実用化
 1950年代 SMAC型強震計が開発される。
 1962年の広尾地震、1964年の新潟地震で
日本で始めて強震観測記録がとられる。
(2)兵庫県南部地震の地震観測記録
 組織的な強振動観測体制こそ無かったものの
いくつかの貴重な強振動観測記録が得られて
いる。
しかし
 『震災の帯』の中での強振観測記録が十分に
得られておらず。この領域がどのような地震動
に見舞われたか表すデータが無い。
(3)強震観測記録の常時活用
 得られる情報は中小地震がほとんど
 地盤増幅性
 強震シュミレーション
最近の強振観測
 (1)世界有数の強震観測体制
 (2)K-NET、KiK-net
 (3)市町村の震度計
 (4)強震観測の未来
(1)世界有数の強震観測体制
 1995年 兵庫県南部地震
気象庁の地震観測点は各都道府県に1ない
し数点。
反省
 現在 日本における強地震観測後
地震観測点は優に5000点を超えている。
(2)K-NET、KiK-net
 K-NET(防災ネット)
科学技術庁防災科学技術研究が行っている
全国1000箇所ほぼ20キロの等間隔で強震
観測点を設置し、その記録を公開する事業。
 KiK-net(基盤強震ネット)
K-NETに対して、地震動の性質そのものを
研究することを目的にしたネットワーク
(3)市町村の震度計
 総務省指導のもと、地震動分布をいち早く知
るため地震計や計測震度計を導入。
 多くの観測記録は現地に死蔵されるか、メモリ
が上書きされ貴重なデータを失っている。
(4)強震観測の未来
 過去に発生した強地震を記録として残す
 震源域でとらえた情報をいち早く都市域に伝
達して、ゆれる前に情報を伝えるシステム
 震災に強い社会環境づくりが可能になる。