資料5−2 日本簡易ガス協会 簡易ガス事業に係る被害・復旧状況 平成 16年 10 月 23 日発生の新潟県中越地震における震度5弱以上の地区に存在する簡易ガス事業の地 点群(団地)は比較的数が少なく、また団地の規模も小規模であった。 地震発生後、事業者は「地震発生時の初動対応等に関する内規」等に則り、直ちに各団地の被害状況(特 定製造所・導管の被害 等)の確認巡回作業を行い、結果を地区防災会・簡易ガス協会関東支部(以下、「関 東支部」という)へ直ちに報告した。 また、関東支部はこの報告を取りまとめ、関東経済産業局及び簡易ガス協会本部(以下「協会本部」という) へ報告した。 一方、関東支部及び協会本部職員は地震発生後直ちに事務所へ出勤、関東支部は 18 時 45 分、協会本部 は 19 時に地震対策本部を設置し、情報収集を行った。 1.情報収集 ①事業者は各団地の巡回結果を報告用紙に記入し、FAXにて関東経済産業局及び関東支部へ報告 ・感震自動ガス遮断装置の作動有無 ・ガス発生設備等の被害の有無 ・ガス導管の漏えいの有無 ・マイコンメーターの感震遮断の有無 等 ②関東支部はその結果を集計し、関東経済産業局及び協会本部へFAXにて報告 ③協会本部は各団地の被害状況をFAXにて、原子力安全・保安院 ガス安全課へ報告 2.被害状況・復旧状況 .・ ・ ・ ・別紙1 ①事業者による各団地の巡回の結果、特定製造所、導管等に被害のないことを確認した。なお、4団地にお いて感震自動ガス遮断装置の作動(内2箇所は予防保全上、事業者が手動にて作動)が確認されたが、 その後、個々のお客様の保安措置を確認し、いずれの団地も2∼3時間でガスの供給を再開した。 ②10 月 27 日の余震発生においても事業者は上記同様、被害状況の調査を実施したが、特に被害はなかっ た。(1団地において感震自動ガス遮断装置が作動したが、短時間でガスの供給を再開) 3.支援について ①時間の経過とともに簡易ガス事業の各団地の被害状況も明らかになり、新潟県防災会は地区防災会にお ける事業者に被害がないことから、関東支部と協議し、23 時 55 分に他防災会からの支援が必要ないこと を確認した。 ②被災者への支援として、協会よりカセットコンロ(750 台)およびボンベ(15,000 本)を日本ガス協会とともに、 10 月 27 日現地へ輸送した。 1 別紙1 被害状況・復旧状況 <震度階 5 弱以上の地域内に存在する簡易ガス地点群(団地)> 震度階 市町村名 事業者数 地点群数 震度階 6 弱 新潟県長岡市 1 1 326 震度階 5 強 新潟県出雲崎町 1 1 417 新潟県上越市 2 3 496 新潟県塩沢町 2 3 1,882 新潟県三和村 1 1 123 群馬県高崎市 9 16 2,248 群馬県沼田市 2 3 221 埼玉県久喜市 1 1 297 長野県清里村 2 2 316 5市1町2村 21 31 震度階 5 弱 (合 計) 供給地点数 6,326 <被害状況(震度階 5 弱以上の地域)> 発 生 日 平成 16 年 10 月 23 日から 25 日にかけての 本震、余震 ①特定製造所等の 設備被害 ②導管等からのガ ス漏れ ③感震自動ガス遮 断の作動(注) 震度階 6 弱 震度階 5 強 震度階 5 弱 震度階 5 弱(予防 保全) (合計) 平成 16 年 10 月 27 日 の余震 なし なし なし なし 事業者数 地点群数 供給地点数 事業者数 地点群数 供給地点数 1(長岡市) 1 326 − − − − − − 1(三和村) 1 123 ― ― ― 1(沼田市) 1 70 1(塩沢町) 2 1,882 − − − 3 4 2,331 1 1 70 (注)いずれの地点群も2∼3時間で供給再開 2 <震度5強以上の事業者の状況> 震度階 6弱 設 備 状 況 地点数 1 326 (S57) 当 日 対 応 等 ・バルク貯槽 ・8名(宿直 2)で設備点検 ・感震自動ガス遮断器:有(作動) ・一部道路陥没:漏えい検査の結 果異常なし ・導管:PE、PLS ・約2時間で復旧 (地盤:盛り土) 5強 1 2 123 ・容器(29×29) ・3名で設備点検 (H3) ・感震自動ガス遮断器:有(作動) ・約2時間で復旧 ・導管:PE、PLS (地盤:盛り土) ・ストレージタンク 10t ・6 時すぎ製造所点検:異常なし ・感震自動ガス遮断器:有 ・4 名で導管点検巡回 ・導管:PE,PLS (土地:切り土) ・バルク貯槽 4 基 ・サービスセンター職員にて 417 (S60) 3 893 (H5) ・感震自動ガス遮断器:有 リゾート マンション (予防保全上遮断) ガス設備点検 ・余震発生及びお客様からの要望 でガスの供給停止 ・導管:PLP (地盤:切り土) 4 488 ・容器(29×29)2 箇所 (H2) ・感震自動ガス遮断器:有 リゾート マンション 5 (予防保全上遮断) ・導管:PLP ・震度 5 で全員出動(基準)、ガス 269 ・容器(29×29) (S48) ・漏えいガス遮断器あり 135 (H16) 設備点検 (地盤:切り土) ・導管:PE,PLS 6 同上 同 上 ・容器(29×29)2 箇所 ・漏えいガス遮断器あり ・導管:PE、PLS 7 238 (S50) ・事務所から約 15 分で現地到着、 ・容器(28×28)3 箇所 ・感震自動ガス遮断器:有 ガス設備点検 (地盤:切り土) ・PE ・( )は地点群の許可年 3 <参考:阪神淡路大震災の簡易ガス事業の被害状況> 1.被害状況 (1)供給支障・復旧状況 地震で供給支障を生じた地点群及び復旧状況は以下のとおりである。 事 業 者 地 点 群 所 在 地 支 障 戸 数 大阪府豊中市 1 復旧終了日 88戸 17日 2 〃 57戸 17日 3 〃 77戸 18日 4 〃 54戸 20日 5 大阪府大阪市 143戸 23日 6 大阪府摂津市 73戸 17日 C 7 兵庫県尼崎市 498戸 D 8 兵庫県川辺郡 152戸 19日 E 9 京都府亀岡市 329戸 21日 F 10 大阪府豊中市 82戸 A B 2月8日 (220 戸倒壊で不可) 19日 (39 戸倒壊で不可) 1,553戸 (2)ガス設備被害等の概要 ①製造設備等の状況 地震による特定製造所の被害はなかった。 ②導管の状況 地震により、11 事業者で 63 箇所の導管の被害を生じた。 鋼 管 (低 圧) 本管 ねじ部 支管 11 8 供給管 8 管 体 計 灯外管 26 灯内管 8 2 11 8 8 28 合 計 61 2 8 63 (3)ガスによる人身事故、火災等 地震により破損した導管やガス機器から漏えいしたガスによる人身事故はなかった。また漏えいしたガス に引火、爆発という事例も報告されなかった。 2.応援体制について 地震発生当日に簡易ガス協会本部に会長を本部長とする対策本部を設置すると同時に、近畿支部からの 情報収集を行い被災団地の復旧応援体制について近畿支部長と協議をした。 翌 18 日には被害の全体像が判明し、応援体制は被害の受けなかった滋賀県・和歌山県・姫路以西の事業 者で対応することとした。 しかし、被害を被ったガス事業者が各自で復旧対応したため応援隊派遣は行われなかった。 4
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