東大地震研・IFREE・東工大・防災科研-地球シミュレータセンター H20年度共同研究プロジェクト 日本地球惑星科学連合 2010大会 3次元不均質場での波動伝播と強震動シミュレーション 南海・東南海・東海地震の連動発生による強震動と津波 ー南海トラフ地震の“最悪シナリオ”ー 研究代表者: 古村 孝志 (東京大学地震研究所) 古村孝志 ・ 前田拓人 ・ 今井健太郎*1,2 *1東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター *2東京大学地震研究所 南海トラフ地震の“最悪シナリオ” ①宝永地震と慶長地震 ②慶長地震のメカニズム 1707年宝永地震津波高 南海トラフの1605年慶長地震と大津波 1707年宝永地震 津波高 1605年慶長地震 津波高(暫定) 注意:データが限定、 宝永と直接比較困難 【八丈島】 ・慶長地震 :10~20m( 死者37名) ・宝永地震 :4m 南海トラフ地震と1605年慶長地震(2) 震度、その他 1605年慶長地震 震度 ★慶長地震の特色 ・宝永と同程度以上の津波 ・他の地震随伴現象なし ・典型的な“津波地震” cf. 1856年明治三陸地震 宝永地震 1707年宝永地震 震度 津 波 地震動 鹿児島~千葉で 数メール以上 慶長地震 ・宝永と同程度 ・八丈島10 ~20m ・最大震度6以上 ・最大震度4程度 ・九州~東北有感 京都で無感 地殻変動 あり ・高知2m沈降 なし 井戸変化 あり なし 1605年慶長地震のメカニズム: 海溝軸の浅部滑り? Seno (2002) GRL“Tsunami earthquakes as transient phenomena” 海溝軸付近の急激 な摩擦変化による滑り発生 図: JAMSTEC(分岐断層ってなに)より引用 石橋(1983) 地震学会予稿「低角のプレート 境界メガスラスト浅部のゆっくり滑り」 安藤 (2006) 名古屋大防災アカデミー講演録 「慶長地震は海溝軸付近の浅部が滑った 」 1605年慶長地震 地震動シミュレーション(1) ■ 震源モデル 1707年宝永地震 アスペリティモデル (中央防災会議による) (a) 1707年宝永地震震源モデル(M8.4) ■地震動シミュレーション 格子間隔:3000*1500*640 (0.4*0.4*0.2 km) 最大周波数: f < 1Hz 並列計算: 256CPU (ES2) (b) 慶長地震モデル(75km海溝側に移動) 75 km 1605年慶長地震 地震動シミュレーション(2) (a) 宝永地震モデル 京都 京都(加速度波形) (a) 宝永地震モデル 200 cm/s/s (b) 慶長地震モデル(75km海溝側に移動) 京都 (b) 慶長地震モデル KYT012 EW-comp. Time [s] 震源距離が75km 大 京都の加速度は4割以下に低下 1605年慶長地震: 地殻変動シミュレーション(1) 沈降 地震地殻変動 (a) 宝永地震モデル 隆起 (b) 慶長地震モデル 上下変動 上下変動 沈降 高知 高知 沈降 断層幅 :W 隆起 ■ 隆起と沈降 沈降: 高知(-2m) 隆起: 足摺岬(+25cm)、室戸岬(+50cm) 0.25W +20km 隆起 ■隆起と沈降 陸域では隆起、沈降なし 1605年慶長地震 津波シミュレーション(1) 津波波形 (宝永/慶長モデル) ★海溝軸の浅部滑りによる津波 ・最大津波高は深部滑りと同等 ・地震10~30分後に突然津波が到来 (地震直後の海面変化なし) 最大津波高(宝永/慶長モデル) A B B A 1605年慶長地震: 地殻変動シミュレーション(2) 膨張 水位の低下 地表の膨張・収縮(体積歪み) (a) 宝永地震モデル (b) 慶長地震モデル 体積歪み 体積歪み 道後温泉 断層幅 :W 膨張 膨張 収縮 ■ 地盤の膨張と収縮 地下水位低下、井戸涸れの可能性大 (地震後) 0.25W +20km 収縮 ■ 地盤の膨張と収縮 井戸の変化なし 南海トラフ地震の最悪シナリオ ーまとめと課題(1)ー 慶長地震の発生メカニズム 古村孝志・前田拓人・今井健太郎 ① 海溝付近の浅部滑りの可能性 (1)浅部断層滑りの特性 ・高速破壊 or ゆっくり滑り? (2)島嶼(八丈島)への大津波 ・東海セグメント: 駿河湾ゼニス海嶺 (相田, 1981;BERI) 八丈島 (10~20m) 図:JAMSTEC 本研究は、H21年度文科省委託研究「東海・東南海・南海地震連動性評価研究」により行われました。 南海トラフ地震の最悪シナリオ ーまとめと課題(2)ー 慶長地震の発生メカニズム 古村孝志・前田拓人・今井健太郎 ② 南海トラフ地震サイクルと慶長地震サイクル? (1)発生間隔・予測可能性 ・通常の南海トラフ地震(100~150年)とは別のサイクル ・慶長地震(1605年)以外にも起きていた? (2)津波防災への対応 ・津波観測(地震観測ではない)に基づく津波予測 1498 本研究は、H21年度文科省委託研究 「東海・東南海・南海地震連動性評価研究」 により行われました。 1498 ? 通常の南海地震サイクル 慶長タイプの地震 南海トラフ地震と、1707年宝永地震の震源モデル 津波高 震度 図は、中央防災会議の資料による 宝永地震 震源モデル② 宝永地震 震源モデル① Ando (1975) M8.4 相田 (1981) M8.4 南海トラフ地震と1605年慶長地震(1)津波被害 高知の津波波高 (高知大岡村先生による) 【八丈島】 ・慶長地震 10~20m、 37名死亡 ・宝永地震 4m 1605年慶長地震のメカニズム: 海溝軸の浅部滑り? 安藤 (2006) 名古屋大防災アカデミー講演録 「慶長地震は海溝軸付近の浅部が滑った 」 石橋(1983) 地震学会予稿 「低角のプレート境界メガスラスト浅部のゆっくり滑り」 プレート固着域 南海地震震源域 Seno (2002) GRL Nakanishi et al. (2002) Kodaira et al. (2000) 解釈・・・・・・・・・・・・・・・・
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