JAHIS 平成16年度業務報告会 電子レセプト10年間の総括 平成16年7月2日 医事コンピュータ部会 電子レセプトワーキング 菊地 浩人 1 JAHIS 医療IT化の主役『電子レセプト』 平成13年12月厚生労働省にて、 「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」が公表 ●電子カルテシステム普及目標 平成16年度までに 全国の二次医療圏毎に少なくとも一施設は電子カルテの普及を図る 平成18年度までに 400床以上の病院の6割以上に普及、全診療所の6割以上に普及 ●レセプト電算処理システム普及目標 平成16年度までに 全国の病院レセプトの5割以上に普及 平成18年度までに 全国の病院レセプトの7割以上に普及 レセプト電算処理システム(医科)のみでなく、各種保険制度での 『電子レセプト』の気運が高まっている。 2 JAHIS 『電子レセプト』の種類と状況 種類(保険制度) 医 療 保 険 歴史と状況 医科 昭和63年に技術評価試験が始まって以来、診療所、 小病院を中心にパイロットスタディ、地域指定への展 開を行い、大病院技術評価試験を経て、現状、全都 道府県でのレセ電算導入、大病院参加を実現。 本年度はDPCもレセ電算請求を開始。 調剤 平成13年末に本請求開始。以後、順調に導入が進 み、平成16年5月請求分(基金)で32.8%のレセプ トが電子レセプトとして請求されている。 歯科 平成15年、厚労省と日歯でレセ電算推進の方針固ま る。現状、マスタの整備等、電子レセプト請求に向け た準備作業中。 介護保険 平成12年4月の介護保険制度開始から電子レセプト による請求を展開。現状、オンライン請求(約70%)を 中心に全体の90%以上が電子レセプトとして請求。 3 JAHIS 医科における電子レセプト(1) 年月 電子レセプトのあゆみ 医事コン部会の取り組み S63初 技術評価試験用システム開発に 着手 S63秋 技術評価試験開始(4県6地区・ 13医療機関にて) 参加メーカを取りまとめ、共通 的な問題を厚生省等に提言し、 的確な改善策を検討・実践 H3/10 パイロットスタディ開始(16医療 ~ 機関にて) パイロットスタディに積極的に 協力 H4/12 日医・厚生省主催の基本マス ター懇談会発足 レセ電算のポイントはマスタの 標準化・メンテであることを提 言し、左記懇談会が発足 医事コンからも懇談会に参画 H5/12 基本マスター(診療行為)Vー1 リリース H9/10 パイロットスタディから本稼動へ (兵庫県、船橋市が地区指定) H8~9 標準マスターを開発(基本マス ターにチェック情報を付加) 大病院のモデル実験実施(10病 大病院での課題・対策を厚生 省に提言、今日の基礎を築く 院) 4 JAHIS 医科における電子レセプト(2) 年月 H11/4 電子レセプトのあゆみ 医事コン部会の取り組み 審査支払機関受入体制整備 H12/10 鳥取県にて、全国初の基金主 催・レセ電算説明会を実施 以降、積極的にレセ電算説明 会(調剤含む)に参加・説明 H13/1 レセ電算導入マニュアル完成 H13/12 厚生省が「医療保険分野の~ グランドデザイン」を公表 H14/6 新傷病名マスターの提供・適用 新傷病名マスターへの切換等、 開始 意見・具申 H14~ 包括評価に関わるデータ収集 をレセ電算コードにて実施 E、Fファイル等、データ収集の 仕様検討に参画 H16/4 ~ 新記録条件仕様 DPCレセ電算対応(6月~) 診断群分類WGにて検討を行 い、厚労省等へ意見・具申 5 JAHIS 医科における電子レセプト(3) 2500 レセプト件数の比率としては、 医療機関全体: 5.9% 2000 病 院 1500 診療所 :10.3% 病院 厚生労働省グランドデザイン 病院レセ電算導入 1790 H16年度・・・5割以上 1000 H18年度・・・7割以上 853 500 598 0 193 12 H11/4請求分 225 16 H12/4請求分 250 16 H13/4請求分 450 65 H14/4請求分 143 H15/4請求分 H16/4請求 医科・レセ電算普及状況(医療機関数)・・・支払基金受付分 6 JAHIS レセプト電算処理医科システム支部別普及状況 % 17.0 16.0 15.0 14.0 13.0 12.0 11.0 10.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 (平成16年5月基金受付分) 東北・北海道 (4 . 3 % ) 北海道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 関東・甲信越 (6.9%) 4.9% 4.5% 6.4% 3.9% 2.0% 4.3% 2.8% 全国普及率 ブロック普及率 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神奈川 新 潟 山 梨 長 野 6.0% 9.0% 9.0% 7.5% 9.6% 5.2% 7.4% 5.3% 6.5% 6.0% 東海・北陸 (5.9%) 近 畿 (5.7%) 富 山 12.7% 石 川 5.3% 福 井 6.9% 岐 阜 6.7% 静 岡 5.6% 愛 知 4.9% 三 重 4.9% 滋 賀 8.1% 京 都 3.9% 大 阪 3.2% 兵 庫 11.4% 奈 良 4.0% 和歌山 1.9% 富 石 福 岐 静 愛 三 山 川 井 阜 岡 知 重 滋 京 大 兵 奈 和 賀 都 阪 庫 良 歌 山 中国・四国 (7.5%) 鳥 取 16.8% 島 根 6.4% 岡 山 12.6% 広 島 4.2% 山 口 4.2% 徳 島 10.7% 香 川 4.9% 愛 媛 6.3% 高 知 9.1% 九 州 (4.8%) 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿児島 沖 縄 2.4% 6.7% 7.0% 7.3% 7.3% 4.2% 3.2% 8.6% 全国普及率 (6.0%) 北 青 岩 宮 秋 山 福 海 森 手 城 田 形 島 道 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 山 長 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 梨 野 川 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 島 7 JAHIS 調剤における電子レセプト(1) スムーズなシステム開発、ユーザ展開 ・調剤システム、医科システムの合同で仕様検討 (医科の経験を生かした展開) ・調剤は制度的に「電子レセプト」としてわかりやすい ・調剤薬局に対するメリットが明確 2年半でレセ件数の32.8%がレセ電算対応 ・特に新潟県では約70%という高い普及率をあげている 8 JAHIS 調剤における電子レセプト(2) 10000 H16年5月現在で レセ件数による 普及率32.8% 9000 8000 調剤薬 局 7000 6000 請求開始から約1年半で レセ件数による 普及率10.5% 5000 9308 4000 3000 2000 H13年12月東京都内の6 薬局で本請求を開始 2524 1000 0 6 H13/12請求分 69 H14/4請求分 H15/4請求分 H16/5請求 調剤・レセ電算普及状況(調剤薬局数)・・・支払基金受付分 9 JAHIS 80.0 レセプト電算処理調剤システム支部別普及状況 (平成16年5月基金受付分) % 関東・甲信越 (36.8%) 東北・北海道 (3 2 . 9 % ) 北海道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 70.0 60.0 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神奈川 新 潟 山 梨 長 野 35.6% 37.9% 39.7% 30.8% 23.4% 39.4% 22.5% 全国普及率 近 畿 (26.9%) 東海・北陸 (31.2%) 富 山 石 川 福 井 岐 阜 静 岡 愛 知 三 重 21.8% 26.8% 37.0% 29.3% 30.2% 38.7% 39.7% 69.3% 31.8% 30.6% 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和歌山 52.4% 21.8% 30.7% 42.8% 25.0% 29.4% 31.9% 九 州 (28.5%) 中国・四国 (32.4%) 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 川 愛 媛 高 知 42.9% 29.9% 18.6% 30.3% 45.8% 19.0% 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿児島 沖 縄 51.4% 16.5% 23.8% 41.4% 25.7% 28.4% 29.7% 35.9% 21.7% 50.0 17.7% 30.1% 54.1% 20.6% 47.0% 34.1% 14.1% 49.9% 全国普及率 32.8% ブロック普及率 6 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 山 長 富 石 福 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 梨 野 山 川 井 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 道 川 山 島 10 JAHIS 歯科における電子レセプト •平成15年、厚労省と日歯でレセ電算推進の方針固まる。 •現状、マスタの整備等、電子レセプト請求に向けた準備作業中。 •今年4月に、MEDISより標準歯科病名マスターの提供開始。 •今年7月に、厚労省、日歯、支払基金本部、国保中央会、 MEDIS、JAHISの6者における打合せを開催予定。 •歯科システム委員会内に歯科電子レセ分科会を立ち上げる。 (歯科シス委員会、(医科)電子レセWGのメンバで構成) 歯科レセ電算対応に対して、一層の加速が予想される 11 JAHIS 介護報酬請求における電子レセプト(1) 介護保険請求の開始当初からの電子請求を意識し仕様検討。 医事コン部会としても、以下の内容に対して国保中央会に協力。 ・用語・コード、マスター等の標準化 ・介護報酬請求マスターの整備 ・介護報酬請求インタフェース仕様の明確化 具体的に 1)介護報酬請求ワーキンググループ活動 2)介護保険対策室の設置と対応 3)医事コン部会メンバへの迅速な情報提供サービスの提供活動 4)審査エラーチェック対策 5)介護標準マスターの開発に協力 等、介護報酬請求での『電子レセプト』の実現・維持に協力。 12 JAHIS 介護報酬請求における電子レセプト(2) 紙レセプト 5% 磁気媒体 22% オンライン 磁気媒体 紙レセプト オンライン 73% 介護報酬請求の請求方法の割合について (東京都国保連での平成16年1月受付分) 13 JAHIS 電子レセプトとマスター(1) 「標準化」の重要性 ・医療情報を医療機関間、医療機関と行政、医療機関と 患者の間で共通利用するために「用語」、「コード」、「様式」 の『標準』が重要 「標準」の備えるべき条件 ・目的への適合性 ・入手の容易さ ・普及度 ・維持管理体制 今後の標準化への提言 ・医療のIT化が推進されているこの機会に「用語・コードの 標準化」の実現が必要 14 JAHIS 電子レセプトとマスター(2) ≪用途によるマスターの分類≫ 使用目的 該当するマスター標準名称 レセプト電算処理システム ・レセプト電算処理システム(基本マスター) 傷病名/修飾語マスター 診療行為/コメントマスター 医薬品マスター 特定器材マスター ★厚生労働省 介護保険請求システム ・介護給付費単位数標準マスター 医療情報システム (電子カルテ、オーダリング) ・標準病名マスター ・標準歯科病名マスター ・標準手術・処置マスター ・標準検査マスター ・標準医薬品マスター ・医療材料データベース ★MEDIS 物流管理 ・標準医薬品マスター ・医療材料データベース ★国保中央会 ★MEDIS 15 JAHIS 医療保険制度と電子レセプト 診療報酬改定とレセ電算 ・技術評価試験、パイロットスタディを行っている段階では、レ セ電算にとって改定は、従来より作業量(工数)が増大される ものと考えられていた。 ⇒ 長年の知識と経験からの各種対策により、改定の困難な 部分をポジティブに捉え、疑義解釈の明確化、審査支払機 関とのコミュニケーションの円滑化により、良好な改定対応 が進められるようになってきた。 「点数表の解釈」のディジタル化 ・「点数表の解釈」と関連法規の明確化を目指し、文章表現を 論理的図式表現(ディジタル化)の実現に働きかけ。 ⇒ 平成9年、ディジタル緑本として社会保険研究所より発刊 16 JAHIS 今後の展望(オンライン請求への展開) 医療機関 医事コンピュータ部会は、 標準 今後とも電子レセプト普及と共 電子カルテ 医事会計 マスター群 に歩み・成長していきます。 電子レセ ・ 仕様 ご清聴ありがとうございました。 レセ電算データ (直接請求) 審査、チェック結果 増減点連絡票 決定通知書 等 審査、チェック結果 増減点連絡票 決定通知書 等 レセ電算データ レセ電算データ 保険者 審査支払機関 再審査関連情報 等 17
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