薬品分析学3 質問事項1 板書したほうが要点がわかりやすい。 答:要点をまとめた資料を作成できればと思っています。 ひとまず今の資料では、教科書に書かれていない内容を説 明することに力点を置いた資料を配布しています。 講義内の演習問題の際に、正誤問題を出されると混乱する。 答:出題方法を検討します。穴埋め問題にする等。 試験勉強をどのようにすれば良いか?プリントを熟読して、演習をす れば大丈夫でしょうか? 答:基本的にそれで良いと思います。なお、問題を解いて 間違った場合は、講義内のどの項目 (基本原理) を間違って 理解していたかを確認して下さい。また、間違えた問題に 印をつけて、あとで解き直しするのも有効です。 シンメトリー係数 シンメトリー (symmetry) = 対称性 シンメトリー係数 (S):溶出ピークの対称性の指標 ピークは対称 なのが良い W0.05h S= 2f 対称の時: S = 1 テーリング時: S > 1 リーディング時: S < 1 テーリング:ピークの後ろ側がだらっとする リーディング:ピークの前側がだらっとする 演習 液体クロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。 小さい 大きい ピークは対称 なのが良い W0.05h S= 2f 対称の時: S = 1 テーリング時: S > 1 リーディング時: S < 1 演習 クロマトグラフィーに関する次の文章の正誤を答えなさい。間 違っている場合は、何が間違っているかも答えること。 液体 依存する 液体 依存する ◯ 宿題(締切: 5/15 12:00) カラムクロマトグラフィーのパラメータ1~4について、カラム長 に依存するものと、依存しないものに分けなさい。 その理由も答えること。 宿題(締切: 5/15 12:00) カラムクロマトグラフィーのパラメータ1~4について、カラム長 に依存するものと、依存しないものに分けなさい。 その理由も答えること。 保持時間:依存する 理由:カラム内の溶媒量 (カラム充てん剤) はカラム長に比 例する。流速が同じ場合は、カラムに化合物が入ってから 出てくるまでの時間がカラム内溶媒量に比例して長くなる。 さらにカラムの固定相もカラム長に比例して増えるため、 固定相と接触する機会が増えて、化合物 (分析対象) が固定 相に補足 (吸着) している時間も増す。 質量分布比:依存しない 理由:質量分布比は固定相と移動相に対する化合物 (分析 対象) の親和性の違いによって決まっている。、カラム長 とは無関係。 宿題(締切: 5/15 12:00) カラムクロマトグラフィーのパラメータ1~4について、カラム長 に依存するものと、依存しないものに分けなさい。 その理由も答えること。 理論段高さ:依存しない 理由:理論段高さは化合物 (分析対象)の質量分布比 (化合物の 固定相と移動相に存在する量の比) や流速等によって決まる。 カラム長が変わっても理論段高さは変わらない。 理論段数:依存する 理由:上記より、理論段高さ (H) はカラム長 とは独立な定数。 理論段数を N、カラム長を L とすると N = L/H の関係から N = L/定数と考えることができる。 即ち、理論段数 (N) はカラム長 (L) に依存する。 保持比(質量分布比) 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 半値幅 ピーク高さ ピーク 面積 同一化合物では ピーク面積A ∝ サンプル量 (x mol) 化合物A 化合物B AA = C1A•x AB = C1B•x 化合物ごとに異なる 化合物ごとに比例定数 (C1A, C1B) を決めれば面積から定量出来る 定量(検量線) 化合物A AA = C1A•x 定量したい サンプルの面積値 AA / mm2 C1Aが決定 C1は化合物ごとに異な る 化合物ごとにC1を決定 する 0 x1 x / mol 定量したいサンプルのモル数 定量(検量線):注意点 化合物A AA = C1A•x 定量可能なサンプル量の範囲 定量したい サンプルの面積値 AA / mm2 比例関係が確認された サンプル量の範囲 比例関係から外れた 検量線測定点 0 x1 x / mol 定量したいサンプルのモル数 検量線作成法 化合物A AA = C1A•x 検量線作成時の問題点 厳密なサンプル量を量りとりカラムに導入するのが難しい x1 mol 量りとったつもりがx1+Δx mol AA / mm2 面積AAが、x1 molに対する真の値から ずれる 面積AAのずれを覚悟の上、作成した 検量線から定量する方法 0 x1 x2 x3 x / mol 絶対検量線法 量り取ったサンプルの絶対量を正しいとして検量線をひくため 検量線作成法 厳密なサンプル量を量りとりカラムに導入するのが難しい 問題点解決法 サンプルA 内標準物質 導入容量 検量線作成溶液1 x1 mM C mM v+Δv1 mL 検量線作成溶液2 x2 mM C mM v+Δv2 mL 同一濃度 導入体積 の誤差 導入体積 の誤差 内標準物質 t /s サンプルA t /s 検量線作成法 厳密なサンプル量を量り取りカラムに導入するのが難しい ピーク面積 AR1 導入体積 の誤差 AA1 AR2 AA2 内標準物質 t /s AR1、AR2が導入溶液体積に比例 サンプルA t /s ピーク面積比AA1/AR1、AA2/AR2 (内標準物質に対する相対量) が 体積誤差の補正されたよい値 内標準法 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 分液ロートを沢山用意 各分液ロートに番号を振る 向流分配法 最初は液層Aに化合物の 全てが解けている。 数値: 化合物の分配割合 1.000 液層A 液層B 0.000 液層A 1.000 液層B 0.000 分液&静置 液層A 0.500 液層B 0.500 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 液層A 0.500 液層B 0.500 0.000 液層A 0.000 液層A 液層B 0.500 0.500 0.000 分液&静置 液層A 0.250 液層B 0.250 0.250 0.250 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 分液操作を順次繰り返す 分液操作6回目の 各分液ロートに含 まれる化合物の割合 向流分配法 分液操作をもっと 沢山繰り返すと 0.2 0.1 0.0 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 10回 0 0.10 5 10 50 100 100回 0.05 0.00 0.02 0.01 0.00 0 1000回 0 500 1000 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 分配係数 Kd = 1 の時 0.2 0.1 0.0 分配係数 Kd = 0.5 の時 10回 0 0.10 5 10 0.2 0.1 0.0 0.05 0.05 0.00 0.00 0.02 0.01 0.00 50 100 1000回 0 0 0.10 100回 0 10回 500 1000 0.02 0.01 0.00 5 10 50 100 100回 0 1000回 0 500 1000 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) Kd = 1 Kd = 0.5 0.2 0.1 0.0 10回 0 5 0.10 10 100回 Kd = 2 0.2 0.1 0.0 0.05 0.00 0.00 0.02 0.01 0.00 50 100 1000回 0 500 1000 0 5 0.10 0.05 0 10回 0.02 0.01 0.00 10 100回 0 50 100 1000回 0 500 1000 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) Kd = 2 Kd = 1 Kd = 0.5 0.2 0.1 0.0 10回 0 5 0.10 10 100回 0.05 0.00 0.02 0.01 0.00 0 50 100 1000回 0 500 1000 図3-7 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) Kd = 2 Kd = 1 Kd = 0.5 0.2 0.1 0.0 10回 0 5 0.10 10 100回 0.05 0.00 0.02 0.01 0.00 0 50 100 1000回 0 500 1000 分液ロートの数 (段数) が 増えるほど、全ロ−ト数に 対する相対的ピーク幅が 細くなる = 分離がよくなる 分離がよいカラムでは、 仮想的な分液ロートの 段数 (= 理論段数) が多 いと考える 向流分配法 Kd = 2 (分配クロマトグラフィーの原理) Kd = 1 分液回数 1000回 = 理論段数 0.02 0.01 0.00 Kd = 0.5 0 500 1000 向流分配法による分液操作を繰り返すと、分配係数 Kd が異 なる化合物を分離できる。 = 分配クロマトグラフィーの原理 液-液 クロマトグラフィーのため 分液ロートの数 (段数) =理論段数の概念の元 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 分液回数 1000回 = 理論段数 Kd = 2 1 : 2 0.02 0.01 0.00 0 500 1000 向流分配法装置 ここに並んでいるのが 分液ロート 各列30個の分液ロート 向流分配法の装置 演習 保持比が以下の Eq.1 で表される時、分離係数が Eq.2 で表さ れることを証明しなさい。各定数 (tR, t0 等) の定義は図に示し た通り。 保持比 Eq.1 分離係数 化合物Bの保持時間 化合物Aの保持時間 Eq.2 演習 分配係数が Kd = 0 と近似できる時、分液ロート4個を用いて 向流分配法を行った場合、化合物 (分離対象) はどのような分 布となるか。 宿題 (締切: 5/22(金), 提出先:田中の部屋前のカゴ) 分配係数が Kd = 3 の時、分液ロート4個を用いて向流分配法を 行った場合、化合物 (分離対象) はどのような分布となるか。 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 化合物の割合 1.000 有機層 水層 0.500 0.500 0.000 0.000 1.000 0.000 分液&静置 有機層 0.500 水層 0.500 0.000 有機層 ••••••• 0.500 0.500 0.000 分液&静置 0.250 0.250 0.250 0.250 向流分配法 (分配クロマトグラフィーの原理) 下層の濃度 分配係数 Kd = = 1 の場合 上層の濃度 1.000 有機層 水層 0.500 0.500 0.000 1.000 0.000 分液&静置 有機層 0.500 水層 0.500 0.000 液層A 0.000 0.500 ••••••• 0.500 0.000 分液&静置 0.250 0.250 0.250 0.250
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