スライド 1

東京大学 公共政策大学院
「リスクマネジメントと公共政策」研究ユニット
東京大学公共政策大学院主催
損保ジャパン寄附講座
第1回公開フォーラム
<プログラム>
日時:2007年2月13日(火)14:30~17:15
会場:東京大学本郷キャンパス内「小柴ホール」(理学部1号館)
司会:金本良嗣(東京大学教授)
14:30 主催者挨拶:森田 朗(東京大学公共政策大学院長)
14:40 来賓挨拶: 佐藤正敏(㈱損害保険ジャパン取締役社長)
14:50 講座概要: 足立尚人(東京大学非常勤講師)
◆基調講演
15:00 鈴木隆史(経済産業省 経済産業政策局長)
「新経済成長戦略について~人口減少下での新しい成長~」
15:30 齊藤 誠(一橋大学教授・東京大学客員教授)
「民間のリスクマネジメントをサポートする公的な枠組みについて」
(16:00~16:15 休憩)
◆パネルディスカッション
16:15~17:15
「民間部門のリスクマネジメントとこれをバックアップする公共政策」
パネリスト:小宮義則(経済産業省経済産業政策局産業資金課長)
(五十音順)齊藤 誠(一橋大学教授・東京大学客員教授)
瀬尾隆史(㈱損保ジャパン・リスクマネジメント代表取締役社長)
林 良造(東京大学教授)
司会:
金本良嗣(東京大学教授)
◆記念レセプション
17:30~ 「山上会館(さんじょうかいかん)」地階食堂
※フォーラムご出席の方はどなたでもご参加いただけます。
※館内は、1F・2Fロビーを含めすべて禁煙です。
喫煙は理学部1号館入口付近にある指定場所でお願いいたします。
小
柴
ホ
ー
ル
山上会館
安
田
講
堂
第1回公開フォーラム
基調講演のご紹介
「新経済成長戦略について~人口減少下での新しい成長~」
鈴木隆史(すずきたかし)
1973年京都大学法学部卒業、通商産業省入省。資源エネルギー庁公益事業部計画課長、中小企業庁長官官房総務課
長、大臣官房秘書課長、経済産業省大臣官房審議官、資源エネルギー庁次長、地域経済産業審議官、貿易経済協力局
長、大臣官房長を経て、2006年7月から経済産業政策局長。
【講演要旨】
日本経済は、構造改革や民間部門の自助努力の結果、民間中心の「構造改革型」の息の長い景気回復を経験している。
しかし一方で、我が国経済を取り巻く環境は、刻々と変化する。世界に類を見ない少子高齢化・人口減少、巨額の財政赤字、
エネルギー・環境制約、景気回復から取り残される地域の存在、グローバル化の進行がもたらす国際競争の激化など、課題
は山積している。これら課題の解決に明確な道筋をつけ、足下の景気回復を中長期的な力強い経済成長につなげなければ
ならない。昨年、経済産業省では、成長制約要因をどのように克服し、日本経済を成長軌道に乗せるかという問題意識で、
「新経済成長戦略」を策定し、それが政府・与党の「経済成長戦略大綱」となった。イノベーションによる生産性の向上の促進
や、アジアの成長を取り込むことにより、経済成長の3要素(資本・労働・生産性)を高めることを目指す。本講演では、本大
綱の策定に至った経緯や、今後の実現に向けた筋道を明らかにしていく。
「民間のリスクマネジメントをサポートする公的な枠組みについて」
齊藤 誠(さいとうまこと)
1983年京都大学経済学部卒業。住友信託銀行、マサチューセッツ工科大学(経済学博士号取得)、ブリティッシュコロン
ビア大学経済学部助教授、京都大学経済学部助教授、大阪大学大学院経済学研究科助教授を経て、2001年4月から一
橋大学大学院経済学研究科教授、2006年10月東京大学公共政策大学院客員教授。
2001年第44回日経・経済図書文化賞、2007年第2回日本経済学会・石川賞を受賞。
【講演要旨】
本講演では、民間企業が自然災害リスクや環境リスクなどの複雑な性格のリスクを管理する上で、公的なフレームワーク
が重要な役割を果たしていることを明らかにする。
企業がキャッシュ・フローに影響を与えるリスクを適切なレベルに制御するためには、①企業活動で存在するリスクを洗い
出し、②対象リスクの管理手続きをルール化し、③万が一リスクが顕在化した場合の対応(危機管理)を明確にしなければな
らない。リスクを管理可能な状態にしていない企業は、損害保険会社などの第三者から不可抗力的に顕在化するリスクにつ
いて保険を手当てすることができなくなってしまう。
民間のリスクマネジメントをサポートする公的な基盤としては2つのアプローチがある。第1は、米国のSOX法のように、企業
に対して内部統制を義務付けるという形で概括的に規制する枠組みである。第2は、環境法制のように、リスクの定義、リス
ク管理手続き、危機対応手順、損害賠償責任を法的に厳密に規定していく枠組みである。
上述の2つの公的枠組みで民間のリスクマネジメントを促進していく上では、企業財産の最終的な保有者である株主の投
資姿勢がクリティカルな要因となってくる。この意味では、企業が抱える市場リスクや信用リスクなどの金融リスクと、企業の
リスクマネジメントが対象とする広義のリスクは本質的に同じである。
パネリストのご紹介(五十音順)
小宮義則(こみやよしのり)
1984年東京大学経済学部卒業、通商産業省入省。スタンフォード大学留学、外務省出向、在大韓民国日本国大使館参
事官、経済産業省経済産業政策局知的財産政策室長、製造産業局産業機械課長、大臣秘書官を経て、2006年7月から
経済産業政策局産業資金課長。
齊藤 誠(さいとうまこと)
略歴は上記のとおり
瀬尾隆史(せおたかし)
1973年東北大学経済学部卒業。安田火災海上保険㈱地球環境部長、㈱損害保険ジャパン秘書部長等を経て、2005年6
月から㈱損保ジャパン・リスクマネジメント代表取締役社長。
林 良造(はやしりょうぞう)
1970年京都大学法学部卒業。1976年ハーバード・ロースクールLLM。資源エネルギー庁国際資源課長、ケネディスクー
ルフェロー、資源エネルギー庁石油部長、経済産業省官房長、経済産業省経済産業政策局長を経て、2005年4月から東
京大学公共政策大学院教授。その他、経済産業研究所コンサルティングフェロー、帝人株式会社独立社外監査役など。
金本良嗣(かねもとよしつぐ) (司会)
1972年東京大学経済学部卒業。コーネル大学大学院地域科学専攻Ph.D.,ブリティッシュ・コロンビア大学経済学部助教
授、筑波大学社会工学系助教授、クィーンズ大学経済学部訪問準教授、東京大学経済学部助教授を経て、1992年から
東京大学経済学部教授。