NAFTAを考える

~発展段階の異なる国家同士の地域協力の可能性~
パネルディスカッション 統合班
Why NAFTA …
1 加盟国に先進国と途上国が含まれている
2 今後FTAAと新たな地域統合段階と進展する予
定であり、総括に適した時期
Aim
NAFTAの現状分析を通して、その存在意義を探る。今回の成果は次
回以降、FTAAの可能性について検証する上での基礎研究とする。
また今回は加盟国の中でも、米国(先進国)とメキシコ(途上国)に焦
点を絞る
What’ s NAFTA
名称
北米自由貿易協定 NAFTA : North American Free Trade Agreement
発行年
1994年1月1日
加盟国
アメリカ
目的
関税の撤廃
カナダ
金融・投資の自由化
知的所有権の保護
規模
総人口
メキシコ
他
3億6千万人
GDP総額6兆5千億ドル
特徴
加盟国の経済格差・政治制度における差異
政府主導型の統合
知的所有権の保護が含まれる
前身
米・加自由貿易協定(FTA)
1989年発行
経済的側面から見るNAFTAの存在意義
擁護派
メキシコ側のメリット
・米国市場での優位性確保
・製造業を中心とした経済発展
・市場開放路線の継続への動機
付けと市場からの信認増大
輸出入中の対米製造業の割合 65%
メキシコは経済的に米国に強く依存状態
 経済的自立性が損なわれる
懐疑派
反論
・米国との提携は経済成長に必須
・ペソ危機後の急速な回復はNAFTA
があり市場の信認が保てたため
・分業体制確立、経済圏の確保
但し経済成長という意味のメリットは限定
・米国にとってのNAFTAの意義
地域協力を通し、影響力の強い地域を
確保する
米国側に経済的メリットはあるのか
・米国の対メキシコ貿易収支は赤字
・ペソ危機後などの巨額の援助
 米国にとってNAFTAは経済的
負担なのではないか
反論
論点1 NAFTAの有効性と社会問題 –労働者問題を中心に
事実関係
米国製造業のメキシコ移転
域内貿易の拡大
擁護派
懐疑派
米国
経済活性化
メキシコ 製造業が国内流入
両国で失業問題深刻化
両国で労働需要発生
反論
政府による対策が行われている
米国
米国製造業産業の縮小
メキシコの中小企業倒産
TAAプログラム(保護プログラム)
米国 →製造業・マイノリティ
メキシコ →貧困層拡大
悪影響

メキシコからの不法就労者増大
メキシコ 労働法の強化(労働環境改善) 再反論
NAALCプログラム
対象者・内容ともに限定的
http://lanic.utexas.edu/cswht/tradeindex/index.html
NAFTAの存在意義 – 擁護派 vs 懐疑派
擁護派
-発展段階の異なる国家同士の地域統合は
互いに得るところが大きい-
・経済における分業体制の確立
・(途上国にとり)先進国市場における優位性、市場の信認確保等のメリット
懐疑派
-発展段階が異なる国家同士の地域統合は不安定-
・途上国側経済の周辺化
・不法就労者の増加、法整備の立ち遅れによる社会の不安定化