DV・虐待のない社会づくりに向けて 1 NPO法人 おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ 理事長 弁護士 川 﨑 政 宏 (岡山弁護士会所属) 1 はじめに ○ DVは重い話題? 女性だけの問題? ○ 身近な問題として考えるための視点 ・子どもたちの目から見たDV ・暴力によらない人と人との関係つくり ○ 自己紹介とDVの問題との関わり ・元保護観察官として ・弁護士として ○ 次の世代に向けて、DV・虐待防止の総合対策を。 2 2 DVという言葉の重さと軽さ ○ 「DVは犯罪である」 → 「命」に関わる問題 ←他人事?特別な問題? ○ 力と支配の関係がDVの本質 →「夫婦喧嘩」とどこが違うのか? ←加害者・被害者ともに無自覚 3 3 DV防止を考える視点 ○ 総合的な取組みが不可欠 ① 予防・教育 暴力防止・デートDV防止の教育 ② 相談保護・危機介入 被害者相談・支援の体制 ③ 事後対応・生活再建 孤立化防止・福祉的関与 ○ 人権意識、自尊感情を支える ○ 虐待防止の視点もあわせもって 4 4 DVの実態 ○ 暴力の種類 ~身体的暴力、性的暴力、精神的暴力 言葉や行動拘束でも支配される。 ○ 内閣府調査(2000年) 命の危険を感じるくらいの暴行を受けたことがある 4.6% 医師の治療が必要となる程度の暴行を受けたことがある 4.0% (2008年) DV被害 女性 33.2% 男性 17.7% 5 5 DV被害者の心理 ○ 恐怖、絶望、孤立、無力感→自尊感情の低下 ○ 周囲や地域が誤解しやすいこと ・ もう少し我慢したら? ・ あなたにも悪いところがあるのでは? ・ なぜ逃げないの?別れないの? ○ 話せない、逃げられない理由 6 ・ 「なぜ逃げないのか?」 恐怖心、自責感、経済面、子どものこと、 裏返しの愛情・誤解など ・ 「もう少し我慢すれば?」 「あなたも悪い」「我慢が足りない」という周囲のメッ セージによる孤立化 自分さえ我慢すればと考えやすい、怒らせないよ うに顔色をうかがう毎日 暴力を受け入れざるを得なくなり、諦めへ。自尊 感情の喪失。 ・ 暴力の3つのサイクル~緊張期、爆発期、ハネムーン 期 7 6 DV被害者から相談を受けたら ○ 相談を受けた場合 ・ 孤立、自尊感情低下への理解 ・ やっとの思いで相談しようとした思いへの共感 ○ 相談から支援へ ・ 自己決定を前提に、つなぐための情報提供 ・ 相談だけで終わらず、孤立させない ・ 待つ必要と、待てない介入の見分け 8 7 DV被害者支援の実際 ○ 逃げたい ・ 安全確保→一時保護、保護命令 ・ 地域でシェルターの果たす役割 ○ 解決したい(わかれたい) ・ 家庭裁判所 ・ 弁護士会、法テラス ○ 生活の再建 9 8 DVと虐待 ○ DVの子どもたちへの影響 ・ 「DVにさらされるこどもたち」の問題 →子どもたちを被害者にも加害者にもしないために ○ 児童虐待防止法 ・ DV環境におかれること→心理的虐待の定義 ○ DV防止法 ・ 子どもへの接近禁止命令 10 9 地域でできること (DV・虐待防止に向けて) ○ 総合的な取組み ① 予防・教育 啓発→暴力防止・デートDV防止の教育 ② 相談保護・危機介入 被害者相談・支援の体制→拠点を支える ③ 事後対応・生活再建 孤立化防止・福祉的関与 →声を聴き支え社会へ発信(①へ) ○ 人権意識、自尊感情を支える 11
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