看護管理学特論 救急・集中治療領域における家族看護 東京医科歯科大学保健衛生学研究科 前期博士課程1年 先端侵襲緩和ケア看護学専攻 岸野 亜矢 はじめに 急性期にある患者の看護にとって、家族の 存在とそれに伴う課題は患者ケアと同等の、 時にはそれ以上の重要性をもつ。 患者家族員の抱えるはかりしれないストレス や心理的負担を軽減する必要性、患者家族 の一番身近にいる看護職が積極的に介入 する重要性がうかがえる。 救急・集中治療の場における患者 家族に関する研究について 日本でのクリティカルケアにおける家族援助に関す る研究は、1990年代から報告数が増加し、最近で は最も関心の高い研究領域の1つになっている。 この領域での研究はまだまだ発展途上であり、文献 も少なく、研究テーマの偏りや研究の質自体の向上 を目指している段階である。 文献検討の目的 過去5年間の国内・国外での救急・集中治療の場に おける家族看護の研究で明らかになっていることを まとめ、今後の課題を検討する。 文献検索 ①「集中治療」AND「家族」をPT=原著論文、 SB=看護で検索の結果19件 ②「救命救急」AND「家族」をPT=原著論文、 SB=看護で検索の結果30件 ③「重症患者」AND「家族」をPT=原著論文、 SB=看護で検索の結果8件 以上①~③をOR検索すると50件の文献が検索 された。そしてその中で、年齢区分を成人(19~)~ 老人(65~)に限定し、19件の文献が検索された。 文献検索ー2 「Critical care nursing」および「family」は、 単独の用語でそれぞれ2410件と12301件が得られ た。それをAND検索すると164件が得られた。さらに Resarch、Abstract、Englishで絞り込むと42件で あった。その中で、看護援助の方向性を明確にする コーピングストラテジーへの効果的な看護介入につ いて詳細に書かれていた原著2件を選択した。 文献検索の結果 14件をテーマごとに分類してみると、 ①患者家族員のニードや心理状態の分析、 ②終末期ケア、 ③危機介入、 ④その他となった 看護職としてのアクションプラン 臨床 研究 マネージメント 教育 患者の擁護者
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