数学教育におけるテクノロジー活用と今後の展望

数学教育におけるテクノロジー
活用と今後の展望
北海道札幌新川高校
早苗 雅史
2002.10 鳥取大学
数学教育における組織的取り組み
現場の苦悩から生まれた数実研
テクノロジーのみに頼らない活動
教具,折り紙,実習形式なども有効
情報化に伴うWeb上での公開
公開,連携,蓄積
数学トピックス,実践記録,
テーマ別共同研究,数学コンテスト,企画物
テクノロジー利用の実践例①
フリーソフトを利用した授業実践
良質なフリーソフトの出現
ネット上からの配信
いつでも最新のものを入手できる
優れたインターフェース
易しい操作性
ソフト毎の利点を生かして
その場面に適した使い方が可能
教材の中身が中心
使用場面,使用方法の研究
生徒の授業理解度を高めるため
発見学習的な要素
科学的な思考力の育成
生徒に数学に関する興味や関心を喚起するため
ネットを通した教材研究
大事なのは教材の中身
コンピュータを用いるからといって生徒の関心は
引かれない
テクノロジーにのみ頼らない指導
テクノロジー利用の実践例②
Web型コンテンツを用いた教材作成
板書では限界ある教材をイメージ化
プラットホームに独立
インタラクティブな利用法
プレゼン型の授業への利用
Java,VRML,FLASH,Web3D
テクノロジー利用の実践例③
電子テキストを用いた数学教材
Web教材とドリルを連動
個別学習者の学習履歴,理解度を解析
学習者にあった教材を提示
特徴
インターネット上に教材を公開。
ネット環境があれば自由に閲覧可能。
わからないところは反復学習することで補充可能。
ユーザーIDで個人識別。
個々の学習履歴が全て記録され常時閲覧可能
課題① 新教科「情報」登場の影響
コンピュータに関する部分
数学Bの一部を除いて消える
必修科目新教科「情報」
情報に関する科学的な見方・考え方の習得
情報社会に主体的に参加する能力・態度の育成
「数学科」教員の「情報科」への流出
コンピュータを用いた数学教育の後退が危惧
課題② 中途半端な「教育の情報化」
「教育の情報化」プロジェクト:校内LAN整備
全ての教室にインターネット
ブロードバンド対応の環境整備事業
中途半端な事業
本当に使いやすい環境になっているか?
コンピュータは? プロジェクタは? 速さは?
課題③ 不足するコンテンツ
欧米に比べ圧倒的に不足するコンテンツ量
検索サイトに見るデータ比較
日本語サイトで「高校数学」 3,000件弱
英語サイトで「school mathematics」 750万件
現場に即したコンテンツの構築
実践記録集
方向性① 主役は“教室”
コンピュータ教室は1つでは足りない
一つは情報へ,他教科用にもう一つ
変わる授業形態
プレゼン型,問題発見型の授業の増加
主役は教室での使用
インターネットを教材庫
Web上から様々な教材を取り出し提示
方向性② 一斉授業以外での活用
個人での学習への支援
開かれるべきコンピュータ教室
空き時間に自由に学習できる環境
管理体制はどうあるべきか
どこででも学べる環境とデジタル教材作成
自由度のあるコンテンツ作り
学習履歴の把握
方向性③ ネットを利用した研究体制
ネットワークの基本は人と人
現場レベルからの研究組織の連携
テレビ会議システムの利用
授業実践のネット公開
更なるネットワーク利用の方策の必要性