Ⅷ. 人口の将来展望

Ⅷ. 人口の将来展望
人口の将来展望
1.現状と課題
ⅠからⅦで整理をしてきたことを踏まえ、当町における現状と・課題を整理。
○自然減と社会減のダブル進行により、人口減少に歯止めがかからない
・1957 年の 13,404 人をピークに、全国、全道を上回るスピードで人口減少が進行
・毎年続いていた転出基調に加え、1988 年以降、出生数が死亡数を下回る自然減に転じ、人口減少が加速化
・結果、ピーク時から 56 年間で 57.4%の減少という現実
・人口減少に歯止めをかけるためには、待ったなしの状況であり、有効的な施策を重点的に実行することが必要不可欠
○現状のままの人口減少が続くと、地域経済は負のスパイラルへ
・住民の日常生活に欠かせない商店街は空洞化が進み、消費の域外流出が加速化し、更なる空洞化を生む負のスパイラルへ
・消費者ニーズの調査結果も踏まえ、賑わいのある、活気に満ち溢れた市街地を取り戻すことが喫緊の課題
○これからの地域を支える人材(特に若年層)の確保が困難
・特に進学、就職に伴う若年層の流出が顕著であり、これからのまちづくりを担う人材の確保がこれまで以上に困難になることが懸念
・域内に留まるための、または、U ターンの希望を叶えるために、地域の資源を最大限に活かした魅力ある質の高い雇用の場の創出や、起業意欲のある若
年層への支援など、若年層の夢の実現を強力にサポートすることで、まちの輝きを更に磨き上げることが重要
○まちの規模に見合ったコンパクトなまちづくりが急務
・人口減少の克服は、第一段階としては人口減少の「緩和」を目指すことが現実的であり、
今後、ある程度の人口減少を見据えたコンパクトな暮らしやすいまちづくりを推進していくことが必要不可欠
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2.目指すべき将来の姿・方向性と取組の基本方針
現状・課題を踏まえ、目指すべき将来の姿・方向性を提示。
【将来の姿1】~人口減少を緩和させるための取組の推進(自然増への対応)
○結婚、出産を望む方々への希望が叶えられる社会の実現
○安心して子供を産み、育てやすい環境づくりを実現
【方向性】
人口の自然減を克服するためには、出生率の向上が必要になるが、結婚や出産は個人の意思に基づくものであり、
それを尊重することが大原則であることを基本としつつ、結婚して、安心して子どもを生み育てたいと思う方々の
希望を叶える施策を推進
由仁っ子(子ども)は由仁町の将来を担う、かけがえのない、まちの“宝”であるとの共通の認識に立って、結婚
から出産、子育てにわたる切れ目のない対策を推進し、特に若い世代が安心できる子育て環境の充実を図る
地域社会が一体となって、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)や仕事と家庭の両立しやすい環境を整え、
由仁スタンダートの確立を目指す
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【将来の姿2】~人口減少を緩和させるための取組の推進(社会増への対応)
○若年層をメインターゲットにした魅力ある質の高い雇用の場の創出
○「企業」誘致から「起業」誘致(支援)への転換
○移住促進・交流人口拡大のための環境づくり
【方向性】
地域の基幹産業である農業を核とした6次産業などの創出を強力に支援し、若者が意欲と希望を持って就業できる
質の高い雇用の場を創出する施策を推進
従来型の大型企業誘致については、場所・人・居住地の確保等の観点から実現性は高いとは言えず、また、これま
での実績からも現実性に乏しいことから、今後は、町内外の潜在的な起業希望者や、次世代を担う若手後継者等を
ターゲットに、
「起業」を促す人的・財政的サポートを地域の金融機関とも連携しながら推進するともに、社会的背
景に左右されない安定的な事業展開が図られることで、将来的な雇用創出につなげていく
仕事や住まい、教育・医療環境などの総合的な情報提供やサポートを通じて、UIJ ターンとともに、2地域居住の支
援を推進
移住の不安を少しでも解消できるように、
「お試し暮らし」のための環境整備や、地域を知るツールとしての「体験
型観光」の構築・実行を推進
「由仁町並びに由仁町教育委員会と道都大学との連携に関する協定書」に基づき、大学との相互の資源を活用した連
携や、地域おこし協力隊制度、地域の潜在能力の高い観光資源の活用などにより、交流人口の拡大を推進するととも
に、若い世代の地元愛向上を図り、地元で暮らしたいという希望を実現する施策を推進
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【将来の姿3】~将来にわたって誰もが住みやい生活環境整備等の推進
○子育て世代や高齢者にやさしいまちづくり(コンパクトシティ)を実現
○誰もが気軽に参画できる地域協働型のまちづくりの実現
【方向性】
今後の人口減少社会に対応した、域内で効率的なサービスの提供が受けられ、利便性の向上が図られるコンパクト
なまちづくりの計画を策定し、計画の具現化を図り、住み慣れたまちでいつまでも安心して暮らし続けるための施
策を推進
なお、生活圏域や交通事情なども踏まえ、近隣市町との連携によって、一層のサービス充実が見込まれるものにつ
いては、連携を積極的に進めるとともに、時代に即した効率的な質の高い行政サービスを推進
将来を担う若年層をはじめ、女性や高齢者などが活躍でき、誰もが気軽にまちづくりに参画できる場を創出し、住
民が主体となってこれからの由仁町を元気にする企画の構築・実行を強力にサポートし、全員参加型のまちづくり
を推進
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【取組の基本方針】
○人口減少問題は、現在進行している身近な問題であり、その対策は早く取り組むほど効果的。
○地域の様々な主体が、現状や課題、将来の姿・方向性について基本認識を共有し、対応を先送りすることなく、
以下の4つの視点で取り組んでいく。
町民の皆様をはじめ、商工会、観光協会、地域の事業所・金融機関・各種団体等が人口減少の問題に関する基本的な
認識を共有した上で、それぞれが、それぞれの分野で主体的な役割を発揮しつつ、分野横断的な連携により、
「地域
協働」と「住民が主役」を合言葉に、一体的に取り組む
「地域協働」が真の意味で実行されるよう、由仁町地方創生推進会議も含め、若年層や女性団体など、まさにこれか
らの由仁町を担う者の「まちづくりへの想い」を聴く場を設け、民間視点での取り組みを拡充・充実
由仁地域の資源(ヒト、モノ、自然等)、すなわち、地域の“強み”を最大限に活かしつつ、かつ、“弱み”もしっか
りと受け止めた上で、それを克服し、強みへと転換できるよう、地域の特性に応じた、特色のある取組を推進
人口減少の克服と“キラリと輝く”まちづくりに向けて、長期的な展望に立ち、かつ結果を重視した、真に有効的な
対策を総合的に構築し、実施
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3.人口の将来展望
○国の長期ビジョンや、これまでの推計や分析、各種意識調査や、目指すべき将来の姿・方向性を踏まえて、
当町が将来目指すべき、目標とすべき人口規模を展望。
○なお、展望にあたっては、平成 72(2060)年の総人口、及び、0~14 歳の年少人口、15~64 歳の生産年齢人口、65 歳
以上の老年人口の年齢3区分人口と、それぞれの総人口に対する割合を示す。
人口の将来展望を提示する上での推計方法
・自然増減(出生等)に関する仮定と、社会増減(移動)に関する仮定を設定し、それが実現した場合の 2060 年の
見通しを示す。
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