~ 活力あるいわきの再生へ向けて ~ いわき市 平成 28 年 11 月

第 4 章 空家等の調査に関する事項
空家等の解消へ向けた取組みや、その発生を抑制する取り組みの実施へ向けては、市内全域の空家等の実態を把握し、
情報を整理していく必要があることから、次のとおり「空家等実態調査」を実施します。
【空家等実態調査】■対象地区 : いわき市全域 ■調査時期 : 平成 29~30 年度
□調査対象 :「空家等」を 対象としますが、貸店舗等の事業用建物として管理されているものは除外します。
□調査内容 : 現地家屋調査、所有者等調査(所有者の意向調査を含む)など
□調査結果の活用 : ① 周辺環境に影響があるものは「特定空家等への措置」により問題の解消を図ります。
② 利活用可能なものは空家バンク等による「流通・活用促進」を図ります。
③ 空家等の発生の傾向や課題等を分析し計画の見直しに反映させます。
第 5 章 特定空家等に対する措置
≪概要版≫
■特定空家等の認定について
特定空家等については、法に基づき指導、勧告等の措置を行っていくこととなりますが、不利益処分を伴う命令等の措
置へと移行する場合もあることから、まずはその認定へ向け、現在の状態や周辺への影響の程度等について、現地調査を
行い、その結果をもとに、公平性の確保等に留意した認定システムとして、2 つの組織での協議を経て、認定を行うこと
とします。
※「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は
著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を
損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあ
ると認められる空家等をいいます。
(法第 2 条第 2 項)
~ 活力あるいわきの再生へ向けて ~
≪特定空家等の認定へ向けた取組み≫
空き家情報の把握
一 次 調 査
所有者調査
※1
二 次 調 査
※2
所有者等が判明した場合は、助言等により
空き家等の適正管理を指導します
特定空家等判定委員会
※認定された特定空家
等について、管理状況
の改善等へ向けた勧告
を受けた場合は固定資
産税等の住宅地特例が
適用除外となります。
空家等対策協議会
特定空家等の認定
※3
※4
※1「一次調査」の目的
建物用途や管理状況等について、外観目視によ
り調査し、特定空家等の認定へ向けた検討対象と
するか、利活用可能な空き家とするかの選別を目
的とします。
※2「二次調査」の目的
敷地内等に立ち入り、保安(防災)、衛生、景観
などの分野毎に詳細調査を実施し、特定空家等の
認定要件の有無について整理することを目的とし
ます。
※3「特定空家等判定委員会」
法定組織である空家等対策協議会への協議案件
について、行政内部で各分野からの意見調整を行
います。
※4「空家等対策協議会」
特定空家等に該当するか否かの判断や、特定空
家等とされたものへの措置の方針について協議し
ます。
【意見提出先・問い合せ先】 いわき市都市建設部住まい政策課
〒970-8686 いわき市平字梅本 21 番地
電話:0246-22-1178
FAX:0246-22-1291
E-mail:[email protected]
3
いわき市
平成 28 年 11 月
第3章 空家等対策 (方向性・対策)
第1章 空家等対策計画について
■計画の目的
■空家等対策の方向性
空き家に関する対策を総合的かつ計画的に実施し、市民の生命、身体及び財産を保護することにより、安全、安心し
て暮らすことのできる生活環境を確保するとともに、空き家の利活用を促進することにより、地域の活性化を図り、地
域の再生につなげていくことを目的とします。
□計画期間
空家等対策については、現に存在する空き家への措置のほか、更なる空き家の増加を抑制するための対策も併せて
検討する必要があり、次のように段階的な施策の方向性を設定し、所要の対策を講ずるものとします。
□計画の対象地区
平成 28 年度~平成 32 年度
空家等対策は、全市的な課題であるため、市内全域を対象とします。
※以降5年毎に見直します。
□計画の対象とする空き家
常態的に居住その他の使用がなされていない建築物、工作物及びその敷地を含めた「空家等」を対象とします。
第2章 本市の人口と空家等の現状
○本市の人口は、平成 10 年の 361,934 人をピークに減少傾向に転じており、併せて高齢化も進行しています。
○全国的に空き家が増加傾向にある中、本市においては、東日本大震災の影響により空き家数が一時的に減少しましたが、
超高齢社会の影響等により、今後の空き家数については増加が見込まれています。
○平成 25 年住宅・土地統計調査の結果によると、本市における空き家の戸数は 13,020 戸、その内、別荘等や賃貸・売
却用の家屋を除いた空き家は 7,580 戸、また腐朽空き家は 3,620 戸あると推計されています。
■空き家率などの比較
地 区
全
■空家等対策 空家等対策は長期的な取組みより徐々に成果を表すものであり、計画的かつ継続的に取り組みを進めていきます。
(戸)
総住宅数
空き家戸数
空き家率(%)
腐朽空き家戸
方向性① 空き家化の予防
左記内訳
賃貸用等
その他
国
60,630,000
8,200,000
13.5%
2,130,000
―
―
福 島県
782,300
91,800
11.7%
25,000
9,100
16,000
いわき市
137,710
13,020
9.4%
3,620
1,190
2,430
(平成 25 年住宅・土地統計調査)
■本市の住宅ストックの推移
種
別
住宅総数
挿絵出典:国土交通省「個人住宅の賃貸活用ガイドブック」
H20
H25
144,550
147,740
137,710
20,270
22,040
14,470
19,290
21,300
13,020
二次的な住宅等
13,860
13,550
5,440
その他の住宅
5,430
7,750
7,580
980
740
1,450
居住世帯なし
空家総数
建築中など
【その他の施策】
◆住宅ストックの質の向上へ向けた取組み
◇住まい相談窓口の設置
「住まい」や「空き家問題」に関する総合的な相談
窓口の設置や相談会等を開催します。
◇住宅リフォームマッチングサポート制度
リフォーム等の適切な依頼先を案内できる制度を確立。
◇情報の提供による啓発
空き家問題に関連する諸情報を発信します。
既存の住宅ストックの質を向上させ、使い続けることにより
空き家化の抑制を図ります。
<関連事業>
・個人住宅優良ストック形成事業
(戸)
H15
【重点施策】
空家総数
空家総数
空家総数
19,290 戸
21,300 戸
13,020戸
・木造住宅耐震診断者派遣及び耐震改修支援事業
・高齢者等住宅リフォーム改良事業
など
25,000
方向性② 空き家の流通・活用促進
20,000
15,000
10,000
13,860戸
5,000
13,550戸
【重点施策】
◆実効性のある空家バンクシステムの構築
★空き家・空き店舗活用プロジェクト
5,440戸
5,430戸
7,750戸
7,580戸
H15
H20
H25
0
市創生総合戦略に位置付けられた「空き家、空き店舗活用
不動産の流通に係る団体等と連携し、空き家の流通促進へ向け
PJ」の取組みとして、情報の一元化やデータベース化、さ
た実効性のある「空家バンクシステム」を構築します。
らには入居マッチング等の仕組みをつくります。
方向性③ 管理不全な空き家の防止・解消
第3章 空家等対策 (基本姿勢・対策方針)
■空家等対策の基本姿勢
【重点施策】
【その他の施策】
◆法に基づく特定空家等への措置
◇空家等に係る状況の把握
周辺環境への影響が著しいものとして認定した特定空家
空家等については、所有者や管理者が自らの責任により適正に管理することが基本となりますが、経済的な事情等から、
その管理責任を全うできない場合もあるため、所有者等の第一義的な責任を前提としながらも、住民に最も身近な行政主
体である市が、市民の良好な生活環境の保全を図るべきものとして各種支援措置等を講ずることを基本姿勢とします。
市内全域の空家等実態調査を行い、各施策の推進へ向
等については、法に基づく措置を行使することで、市民生
けた基本情報とします。(第 4 章参照)
活の安全・安心を確保していきます。(第 5 章参照)
◇所有者等による解体・除却の促進へ向けた取組み
周辺住民への人的被害を及ぼす可能性が高い空家等に対
個々の空き家問題の解消へ向け、空家所有者への助言等
する緊急的な危険回避措置については、現行法による対応は
を行う、空家アドバイザーを派遣します。
規定されていないため、その方策を検討します。
<空き家等対策方針>
~活力あるいわきの再生へ向けて~
空き家問題は個々の空き家や所有者だけのものでなく、周辺住民の生活環境や地区のまちづくりにも影響を
及ぼす都市としての課題です。空き家をなくし活力あるいわきを再生する取り組みとして各施策を推進します。
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方向性④ 空き家に係る跡地の活用等
◇跡地の保全・適正管理
⇒ 跡地の保全や適正管理を促すほか、新たな土地利用を図るための取組みについて検討します。
◇空き家再生等推進事業・空き家対策総合支援事業
⇒ 空き家の活用等へ向けた国の支援措置の活用を検討します。
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