電気回路Ⅱ 演習 山梨大学 大学院 医学工学総合研究部 ○本間 聡(助手) 廣島 綱紀 伊藤 広和(TA) E-mail: [email protected] レポートの提出は 木曜日10時 A1-309まで coperyright belong to satoshi honma All right reserved 授業に入る前に 約束事 開始5分前までに入室して下さい。遅刻は認めません。 途中退室は原則認めません。トイレは開始前に済ませておいて下さ い。 飲食は一切禁止します。 携帯電話の電源は教室に入る前に必ず切ってください。 連絡事項 レポートの課題が出された場合,木曜日の10時までに, A1号館の3 階 A1-309の部屋の前のレポートボックスへ提出する. 質問等があれば,[email protected]へメールを送る またはA1号館の3階 A1-309までくる テキストhttp://www.es.yamanashi:8080/~motoken/ 電気回路Ⅱ演習 第1回 直流と交流 復習編 山梨大学 大学院 医学工学総合研究部 ○本間 聡 助手 E-mail: [email protected] coperyright belong to satoshi honma All right reserved Contents(直流と交流の復習) オームの法則 キルヒホッフの法則 重ね合わせの法則 負荷の合成 直流と交流の違い 実効値,位相,フェーザー オームの法則 I V I R I:電流(A) V:電圧(V) Z:負荷 電力W=VI (W) V R キルヒホッフの法則 1.一つの接点に流れ込む電流の代数和は0となる 2.回路中の任意の閉路について,電圧の代数和は0となる I0= I1+ I2 I0 I1 E I2 R1 R2 E=R1I1 E=R2I2 I1:I2=R2:R1 重ね合わせの法則 回路を閉路にわけ,分流する電流を仮定して式を導出する. その後,各回路を重ね合わせる. I1 E I2 R1 R2 E=(I1-I2)R1 0=(I2-I1)R1+I2R2 もちろん,違う閉路を 仮定しても良い その他で覚えておくと便利なもの 負荷の合成について 直列 並列 Z1 Z1 Z2 Z2 1 Z Z1 Z 2 Z1 Z 2 Z 1 1 Z1 Z 2 Z1 Z 2 問題1-1 I0 E R1 電流I0を求めよ R2 E=10[V] R1=5[kΩ] R2=10[kΩ] 問題1-2 I1 E1 R1 R2 E2 R3 R4 E I1とE1およびE2を求めよ E=6[V] R1=3[kΩ] R2=6[kΩ] R3=12[kΩ] R4=6[kΩ] 交流回路 電流と電圧は正弦波的に変化する. 電力を計算する場合,電流と電圧の位相が重要となる. 1 1 1 1 I( time) V ( time) 0 1 1 W( time) 0.5 0 0 5 10 time 電流と電圧 15 0 12.5 0 0 0 位相差0 5 10 time 瞬時電力 15 12.5 1 1 0.5 0.5 I( time) V ( time) 0 1 1 W( time) 0 0 5 10 time 電流と電圧 15 0 0.5 0.5 12.5 位相差π/2 0 0 5 10 time 瞬時電力 15 12.5 一般的な交流 交流とは f (t ) A cos(t ) sinでも構わない 2 で表される波形 位相が2π変化すると一周 2π位相が変化する時間を 求めればよい A : 振幅 周期 : T : 角周波数 : 位相 1 周波数 : f T 2 単位時間当たりに,位相はωだけ変化する. 2πで割れば,単位時間当たりの波の数が計算できる 瞬時値 1 1 Em e(t ) Em sin(t ) 電圧 瞬時値 I( time ) e(t) 0 1 E1 m0 0 5 10 15 time 時間 12.5 Emは瞬時値の最大値であ り, 実効値ではないことに 注意すること 実効値 e(t ) Em sin(t ) I( time ) e(t) 0 1 E1 m0 実効値 :各瞬時値の2条の平均の平方根 1 Ee T 電圧 交流は時間的に変動している.通常, 実効値を使って計算することが多い 1 1 Em T 0 2 e(t ) dt 0 5 10 15 time 時間 12.5 問題2-1 実効値を求める 1.電圧の瞬時値が e(t ) Em sin(t ) 電圧の実効値を求めよ. 2.電流の瞬時値が i (t ) I m sin(t 電流の実効値を求めよ. である場合, ) である場合, 瞬時電力と平均電力 E2m 電力を求める 瞬時電力 p(t)=e(t)i(t) 1 平均電力 P T T 0 2 Im e(t) I( time) V ( time) i(t) 0 p (t )dt 瞬時電力は基本的に交流となることに注意 2 2 0 0 5 10 time time 15 12.5 時間に対する電圧e(t)と電流i(t) 問題2-2 電力を求める 1. e(t ) Em cos(t ) 電圧 i(t ) I m cos(t ) 電流 電圧 e ( t ) E cos( t ) m 1 2. i(t ) I m cos(t 2 ) 電流 の場合の平均電力を求めよ の場合の平均電力を求めよ 3. 1と2の結果を比較しよう.もし 1 2 の場合平均電力は 2 どうなるか 三角関数の計算がわからない方は,数学の基礎編を見ておくこと 電力と実行値 Em I m P cos(1 2 ) 2 Ee I e cos(1 2 ) ただし ←直流の場合と比較すると1/2がつく ←直流の場合と表示が同じ Em Ee 2 Im Ie 2 実行値を用いれば直流と同じように計算できる (実効値) 複素表示を使った表現1 今までの表現 e(t ) 2Ee cos(t ) この表示のまま計算するのは少し面倒である.特に微分積分の計算 オイラーの公式 e j cos j sin e(t ) 2E cos(t ) e(t ) Re{ 2Ee j (t ) } 実部でも虚部でも構わない 複素表示を使った表現2 j e(t ) 2Ee e jt の角周波数で回転 の角周波数で振動 2E 0 t 基準の方向 e(t ) 2E sin(t ) [V ] 2E 大きさ(最大値) 0 位相 2 3 4 5 t 複素表示を使った表現3 主に扱うのは角周波数ωは一定.その場合,重要なのは振幅と位相 e(t ) 2Ee e jt 大きさ(最大値) 大きさ(最大値) 2E 0 e(t) [V] j e(t ) 2E sin(t ) [V ] 2E 初期位相 0 基準の方向 初期位相 2 3 4 5 t 一般的に用いられる複素表現 一般的には実行値を使って表すことが多い e(t ) 2 Ee sin(t 1 ) E e e jt ただし E e Ee j1 Ee 1 i (t ) 2 I e sin(t 2 ) Ie e jt ただし Ie Ie j 2 I 2 複素表示ならベクトル図を使って表現も可能 Ee Ie 1 基準の方向 2 基準の方向 一般的計算 フェーザで表現されたものは,足し算,引き算ができる E1 E2 E2 E2 E1 E1 E2 E1 E2 例 e1 (t ) 2 E sin(t ) e2 (t ) 2 E sin t 3 E 2 E / 3 π/3 π/3 E1 E0 の二つの電圧が加わった場合 E1 E 2 3E / 6 e12 (t ) 2 3E sin t 6 6 E sin t 6 複素数で電力を表す フェーザーで考えると e(t ) 2 Ee cos(t 1 ) E e e jt i (t ) 2 I cos(t ) I e jt e 2 e 電力を求めるには電流と電圧を掛け合わせていた e(t )i(t ) Ee Iee j 2t ?となってしまう.2倍の周波数で出現 この場合 * P Ee I e 共役項を掛け合わせる 例.e(t ) 2 E cos(t 1 ) 電圧 i (t ) 2 I cos(t 2 ) 電流 の場合の平均電力を求めよ 複素表現へ E E (cos i sin ) I I (cos i sin ) 1 1 2 2 P EI (cos1 cos 2 sin 1 sin 1 ) iEI (sin 1 cos 2 cos1 sin 2 ) EI cos(1 2 ) iEI sin(1 2 ) ←実部:問題2-1と一致 ←虚部 スマートな解き方 電圧と電流を Ee j (t 1 ) Ie j (t 2 )とする P Ee j (t 1 ) Ie j (t 2 ) * EIe j (1 2 ) EI cos(1 2 ) ←実部:問題2-1と一致 iEI sin(1 2 ) ←虚部 E Ee j1 I Ie j2として P EIej (1 2 ) 有効電力と無効電力 Ee , Ie と上部に点をつけて表現する この場合 * P Ee I e 共役項を掛け合わせる ここで,実際に交流回路で電力を計算してみると 一般的に電力は複素数となる P P実部 jP虚部 P実部 有効電力 P虚部 無効電力 電流と電圧の位相の関係に依存 問題2-3 問題 e(t ) ~ R e(t)=100sin(ωt)[V] R=10[kΩ] の時、負荷Rにおける有効電力,無効電力を求めよ 問題2-4 問題 e(t ) ~ Z1 Z2 e(t)=100sin(ωt)[V] Z1=10+10j[kΩ] Z2=10-10j[kΩ] の時、回路全体で 消費される電力を求めよ 問題2-5 i(t) e(t ) ~ Z 10 10 j [kΩ] e(t)=100sin(ωt)[V]の時、 Zに流れる電流i(t)を求めよ 負荷Zにおける有効電力,無効電力を求めよ まとめ 瞬時値 e(t ) Em sin(t ) i(t ) I m sin(t ) e(t ) 2 Ee sin(t ) i (t ) 2 I e sin(t ) Em , I mは瞬間的最大値 E I Ee , I eは実効値 Ee m , I e m 2 2 複素表示 e(t ) 2 Ee sin(t 1 ) E e e jt ただし E e Ee e j1 Ee 1 i (t ) 2 I e sin(t 2 ) Ie e jt ただし Ie I e e j 2 I 2 電力 * E m Im * P E e Ie 2 実部:有効電力 虚部:無効電力
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