ATLAS TGC インストール 終了報告

ATLAS TGC システムの
インストレーション報告
ATLAS Japan TGC グループ
(発表者: 神戸大理 越智敦彦)
2007年9月22日(日本物理学会第62回年次大会@札幌)
LHC 概要
• 世界最大・最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器
• ビームエネルギー: 7TeV+7TeV
• 輝度(Luminosity) 1033
~ 1034
(10fb-1/year) (100fb-1/year)
• 周長27km
• 2008年 8月 実験開始
cm-2sec-1
ATLAS 検出器
Toroid Magnets
EM Calorimeter
Muon spectrometer
Hadron
(air-core Toroid)
Calorimeter
23m
Weight=7000ton
Inner Detector
42m
Solenoid
Magnet
• 青色部分がミューオン検出器
• Air core のトロイダル磁場によって、μのPt を測定
ATLAS TGC 概要
• Big wheel (Endcap)
– 3 wheels for each side
• 12 sectors/wheel
• Total 72 sectors
EI/FI
stations
• Chamber 枚数
– 全3600 枚
– 1056枚を日本で製作
• 予備を含め1200枚製作
• 面積 約6千㎡
• 信号線数 約32万
TGC1
TGC2 & 3
(triplet)
(doublet * 2)
TGC の役割とパラメータ
•
Endcap (1.05 <η<2.4)
のμトリガー
– Pt > 6GeV
– Toroidal 磁場中
→μ軌跡の曲がり
→3層のTGCで捉える
Barrel Toroidal Magnet
Pt
Endcap
Toroidal
Magnet
•
TGCのパラメータ
Wire spacing
1.8mm
Volume gap
2.8mm
動作ガス
CO2+ペン
タン(1:1)
検出効率
~99%
Time jitter
<25ns
TGC生産
• 量産: KEK (2001 --- 2005春) 約1100枚
カーボン塗布
ワイヤー巻き
チェンバー閉じ
TGC 検査
• 検査: 神戸大 (2002 --- 2005秋)
プリアンプ取付
ガスリーク修理等
検出効率検査
検出効率の分布
宇宙線ミューオンによる
TGC検査ステーション
検出効率<95%
不合格品(3枚)
TGC インストレーション
円盤を12分割したセクターに、
いかにTGCを入れるか?
① 2002年12月
フレームのモックアップ
② 2003年11月
配線、配管経路につい
ての試作
•
•
2
2
3
一種の3次元パズル
ケーブル長さの確定
③ 2005年6月
最初のセクターを組み
始める
•
•
•
•
•
•
1
信号ケーブル
HVケーブル
LVケーブル
チェンバーガス配管
CO2ガス配管
モニター系
(位置、温度など)
TGC準備
• 神戸、イスラエルから CERNまで運ばれたTGCの、イ
ンストール前準備
–ユニット単体での最終動作テスト
• CO2+n-pentaneを用い、
宇宙線で検査
–ノイズ軽減のための、
シールディング
–ガスリーク試験
• CO2チャンネルより
リークのあるものが
全体の30%くらい.
(CERNの保管状況に
より)
修理は大作業
セクター組み立て
1
1. 水平テーブル
•
•
フレームの組み立て:精度2mm以内
ケーブル、エレクトロニクス、配管など
2. 垂直に立てる
•
片側サイドのTGCを装着
3. フレームを反対から支える構造体を装着
•
もう片側サイドTGC装着
4. ケーブル、ガス等接続後、検査
•
2
Cosmic test など  高橋氏のトーク
3
sectors
セクター組み立ての進捗状況
72セクターを、約2年で
組上げる!!
1年
最初のセクター組み立て
2005,4 より半年かかる
2006後半からは、
3台のテーブルを用い、
3セクター/2週間の速度
2007年7月
セクター組立終了
ATLASピットへの搬入
• 2006年6月~
2007年9月
– 昨日完成!
約1km
セクタのストレージ
ピットへの運搬
トラックの絵
TGC at ATLAS hall
• 最初のwheel 完成: 2006年10月
• Wheel 進捗状況
C1
A1
C2 C3
A2 A3
まとめ
• ATLAS 実験における、TGC検出器のハードウェア
のインストレーションは、終了
– 位置的なずれは円盤面1mm以内、ビーム方向6mm以内
• セクターアセンブリで約3年、TGC製作から数えると、
8年、TGC試作からだと10年以上を費やす、長いプ
ロジェクトであった。
• これから、各段階 Commissioning を経て、システ
ムとしての動作検証へ。
• 2008年春、いよいよ実験開始!!!