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牛伝染性鼻気管炎
動衛研
(IBR: infectious bovine rhinotracheitis)
日本獣医師会
病原体: ヘルペスウイルス科のBovine herpes
virus 1(DNAウイルス)。
発生原因: ウイルスを含む鼻汁、流涙、生殖器分泌
物などから呼吸器・生殖器感染が起こる。回復後もウ
イルスは潜伏感染するため、抗体陽性牛は重要な感
染源の一つとなる。
予防法: 生ワクチンの使
用で予防できるが、野外ウ
イルスの感染を完全に防
止することはできない。有
効な治療法はない。
臨床症状: 感染牛は
40℃以上の高熱と、呼
吸困難、呼吸促迫、流涙、
流涎、水様性鼻汁などの
呼吸器症状を示す。乳
牛では泌乳量が減少し、
角結膜炎、流産など、新
生子牛では、髄膜脳炎に 上: 結膜炎による眼瞼の浮腫
よる神経症状など、多様 と流涙
右: 多量の鼻汁と泡沫性流涎
な症状を呈する。
2005 1-6
2005 7-12
2007 1-6
2007 7-12
IBRの主要国によるOIEへの発生報告の推移
2005
前 後
2006
前 後
2007
前 後
Denmark
Netherlands
Germany
France
UK
Russia
Korea
China
Japan
India
Indonesia
Australia
New Zealand
情報なし
過去にも報告なし
この期間に報告なし
擬似症例はあるが未確定
2005
前 後
2006
前 後
2007
前 後
Iran
South Africa
Egypt
Canada
USA
Mexico
Argentina
Brazil
Chile
Colombia
Uruguay
Venezuela
Panama
感染はあるが臨床例なし
臨床例を確認
限定地域で感染確認
頭数
800
700
全国戸数
北海道戸数
全国頭数
北海道頭数
戸数
80
近年は減少している。
70
600
60
500
50
400
40
300
30
200
20
100
この間を通算すると、
頭数で56%、戸数で38%が北海道で発生!
10
0
0
IBR発生の年次推移と地域性
伊那家保
<感染経路> A農場:2002年12月中~下旬と、2003
年4月下旬に導入牛あり、B農場:2003年2月に導入牛
あり、D農場:2003年6月に預託帰りあり、これら3農場で
は直後に発生が見られ、牛による持ち込み。C農場( B
農場と隣接):今回が初発であり、発生前、半年以上導
入牛は無かったが、畜主が発生牛舎へ立入っていたこ
とから、人による持ち込み。<発症要因> ワクチン接
種の不備:A、B、C農場ともIBRワクチン未接種であり、
D農場も預託牛以外には接種を行っていなかった。
IBRの全国の発生状況
(1970年に初めて発生し、
現在では全国的に散発)
平成14年19県49戸686頭
平成15年20県61戸648頭
(発生頭数北海道が約41%)
平成16年15県51戸479頭
今回で岡本の担当は終了するが、
最初の講義で述べたように、教科
書が基本であり、不足する部分を
補う形で紹介した。
家畜生産における伝染病に関す
る獣医師の役割は、
1. 行政の勤務獣医師(検疫、予
防、防疫、指導等の業務、・・・)
2. 共済組合等の臨床獣医師(診
断、治療、伝染病の届出、防除活
動の協力、・・・)
それらの基本的要綱は、
家畜防疫対策要綱
牛海綿状脳症、高病原性鳥インフルエ
ンザ、口蹄疫、豚コレラについては、
特定家畜伝染病防疫指針
家畜伝染病の発生状況(滋賀県)
網走家保
飛騨家保
非常事態阻止システム(EMPRES)の四つの主要な役割
早期警戒: 主として疫学的広域調査に基づいた全ての病気に対する率先し
た取り組みであり、病気や感染症の分布に関する警戒と知識を深めることになり、
発生の更なる進展を予測できる可能性がある。
初期対応: 迅速かつ効果的な封じ込めに的を絞り、病気の発生の排除に導
き、その結果として、深刻な流行に発展するのを阻止するあらゆる活動を意味する。
これには、不測の事態への計画と非常事態への準備が含まれる。
連携: たとえば、牛疫などの特定された動物疾病の世界的な撲滅、すなわち、
「牛疫撲滅世界計画(Global Rinderpest Eradication Programme)」を通した
連携、あるいは、国境を越えて流行する疾病の撲滅のための地域における率先し
た取り組みの奨励を含む。
研究推進: 問題解決に向けた直接的な研究活動におけるFAOと中核的研
究機関との間の協力を強化するためのEMPRESの主要な要素である。
Emergency Prevention System (EMPRES)
for Transboundary Animal and Plant Pests and
Diseases:
established by FAO’s Director General in 1994
Diseases...
EMPRES INFORMATION RESOURCES
African Swine Fever (ASF)
Anthrax
Bluetongue
Brucellosis
Classical Swine Fever (CSF)
Contagious Bovine Pleuropneumonia (CBPP)
Contagious Caprine Pleuropneumonia (CCPP)
Foot and Mouth Disease (FMD)
Haemorrhagic Septicaemia
Highly Pathogenic Avian Influenza (VAI) (Fowl plague)
Lumpy Skin Disease (LSD)
Peste des Petits Ruminants (PPR)
Porcine reproductive and respiratory syndrome (PRRS)
Rift Valley fever (RVF)
Rinderpest