黄熱(yellow fever)の要点 WHO Fact sheet December 2009 黄熱は、蚊に媒介される急性の出血熱であり、「黄」は肝臓障害 による皮膚の黄変に由来する。 ● 顕著な出血と血圧低下に陥った重症例では、致命率が50%を越 えることがある。 ● ● 全世界で毎年20万人の患者と3万人の死亡が推定されている。 アフリカとラテンアメリカ(総人口9億人)の熱帯地方で風土病化し ている。 ● 集団免疫の低下、熱帯雨林の伐採、都市化、人口移動、気候変 動の影響により、過去20年間で症例数が増加した。 ● ● 治療法はない。症状を緩和する対症療法のみである。 ワクチンは最も重要な唯一の予防法である。ワクチンは、安全性 が高く、手頃な値段で、効果が高く、 30~35年以上防御効果が持 続する。接種後1週間で95%が免疫を獲得する。 ● 黄熱の伝播様式 ジャングル型(野生動物型) Sylvatic (or jungle) yellow fever サル嗜好性の蚊 Aedes 属(主にアフリカ) Haemagogus 属(主にアメリカ大陸) 霊長類 サルと人間を 嗜好する蚊 偶発的感染 小流行 ジャングルに 入った人間 農村集落 中間型(サバンナ型) Savannahs of Africa intermediate cycle of yellow fever 人間を嗜好する蚊 ネッタイシマカ Aedes aegypti 大流行 密集した都市人口 都市型 WHO Yellow fever Urban yellow fever 患者数 16,000 14,000 12,000 10,000 WHO GAR: Trends since 1950 :報告患者数 :発生国数 発生国数 70 60 50 40 8,000 30 6,000 4,000 20 2,000 10 0 0 アフリカと南米における黄熱の発生報告状況:1950-2004 人数 6000 5000 4000 WHO: Global Health Atlas 致命率(%) 100 :生存 :死亡 :致命率 80 60 3000 40 2000 20 1000 0 0 アフリカにおける黄熱の発生報告状況:1975-2004 人数 WHO: Global Health Atlas 致命率(%) 600 500 100 :生存 :死亡 :致命率 80 400 60 300 40 200 20 100 0 0 南米における黄熱の発生報告状況:1975-2004 黄熱の発生報告概要:1975-2004 アフリカ 南米 計 年間患者数 死亡数 致命率 925.7 222.1 24.0 165.2 97.5 59.0 1090.9 319.6 39.0 最多年 患者数 死亡数 致命率 1988 5104 1516 29.7 1995 524 214 40.8 1988 5344 1715 32.1 最少年 患者数 死亡数 致命率 1999 1 0 0 1976 44 35 79.5 1976 47 37 78.7 WHO: 世界的な警戒と対処 GAR: Global Alert and Response 目的 1. 以下のことを通して、高い罹患率と死亡率を緩和し、国際的に広がるのを防ぐため、黄熱 の発生に適時に効果的に対処することを確保する。 ● 黄熱の発生動向調査の強化: 発生の発見を改善するため品質の改善と範囲の拡大 特定集団におけるこの疾病が蔓延するリスクと影響の可能性を査定するための証拠に基 づく基準と手段の検討 ● 「ワクチン供給のための国際的協力グループ」が世界的危機に対するワクチン備蓄ならび に必要な国々を支援するための適切なワクチン配布を効果的に管理するための標準作業手 順の策定 ● ● 発生対策のための良く練られた活動の枠組み内における協力者間の連携の改善 2. 以下のことを通した、 黄熱を制御するための発生対策の連結と長期戦略 ● WHOと協力者の間の連携の仕組みの吟味 ● 高リスク地域における日常的黄熱対策の強化 ● リスクがある地域における準備対策計画の改善 ● 黄熱制御における力量と弱点を特定するための発生後の評価
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