マーケティング機会分析: マーケティング・リサーチ マーケティング情報をめぐる課題 • 企業が直接消費者と接触できる場が限られ ている。 • 卸売業者、小売業者は消費者の態度、選好、 好みの変化に関する情報を十分に持ってい ない。 • 競争状況を把握するには競合他社の情報を 必要とする場合が多い。 • 新市場への進出、新商品開発の際、市場に 関する十分な情報がない。 • 将来の不確実性 マーケティングリサーチとは 米国マーケティング協会(AMA)の定義 マーケティング情報全体の中の重要な要素であり、情報 を通じて消費者、顧客、および公衆とマーケターをつな ぐ機能である。 1.マーケティングに関するさまざまな機会と解決すべき 問題を明確にし、定義することである。 2.マーケティング活動を創出し、洗練し、評価すること。 3.プロセスとしてのマーケティングの理解、およびマーケ ティング活動をより効果的になし得るための方法の理解 を深めること。 マーケティングリサーチの定義 マーケティング活動において「企業の意思決 定の段階で発生する問題に対し、何らかの手 段で新しい情報を手に入れることによって問 題の本質を明らかにし、予想されるリスクを 減らすための手段」ということである。 マーケティング・リサーチのプロセス 企画段階 実施段階 分析段階 報告段階 企画段階 1. マーケティング課題の明確化 例:「視聴率の高い番組をつくるにはどうしたらよいのだろう か」 番組のジャンルは何か?対象者は誰か?競合する番組 は何か? 2. リサーチ目的の明確化・具体化 リサーチの背景 結果の評価基準 結果の活用 必要な情報及びその情報源 企画段階 3. データの種類の選択 二次データ:すでに誰かが収集・加工したデー タ。 一次データ:リサーチ目的のために調査者が自 ら集めるデータ。 企画段階 4. リサーチタイプの決定 探索型リサーチ (exploratory research) 実態記述型リサーチ (descriptive research) 因果型リサーチ (causal research) 成果モニター型リサーチ (performance-monitoring research) 企画段階 5. 企画書の作成 – – – – – – – 調査目的 調査提示物 調査方法 調査項目 分析視点 調査日程 調査経費 企画段階 6. 調査票の設計 調査票の構成: – 調査管理データ – あいさつ – 適格対象者のスクリーニング – 本質問 – 対象者属性・特性(フェースシート) – 終わりのあいさつ 企画段階 7.サンプル数の決定 サンプル・サイズの大小を決める諸条件 ① 母集団の真の値に対する推定の精度 ② 母集団の分散 ③ 製品評価テストにおいて、優劣の決着を早く付けて、勝った製 品の市場導入を急ぎたいとき 企画段階 サンプリング方法の種類 1. 確率サンプリング…ターゲット母集団に抽出単位(消費者・顧客)が標本 に含まれる確率を指定する。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 単純無作為抽出法 系統抽出法 クラスターサンプリング 層化抽出法 2段抽出法 二相抽出法 2. 非確率サンプリング…ターゲット母集団に抽出単位(消費者・顧客)が標 本に含まれる確率を指定しない。 ① ② ③ ④ 便宜的サンプリング 判断によるサンプリング 割り当てサンプリング スノーボールサンプリング サンプリング 1.確率サンプリング ①単純無作為抽出…母集団に抽出単位のどれもがサンプルに含まれる 際に同等の確率を持っている。 <例>乱数票による単純無作為抽出 サンプリング 1.確率サンプリング ②系統抽出…母集団の成員全体に一連の番号を付けておき、第1番の 標本だけを無作為に決め、2番目以下の標本を一定の間隔 で決めていく。 等間隔サンプリングとも言われる 単純無作為標本と比べ、サンプリングの作業効率は遥かに高い <例>1000人からなる母集団から200人の標本を抽出する場合 サンプリング 1.確率サンプリング ③クラスターサンプリング 第1段階…母集団を互いに背反し、かつ網羅的なグループに分割 第2段階…それぞれのグループから単純無作為抽出をする <例>エリアサンプリング エリア別 サンプリング 1.確率サンプリング ④層化抽出法 第1段階…母集団を互いに背反し、かつ網羅的なサブグループに分割 第2段階…それぞれのグループから単純無作為抽出をする <例>標本を所得層別で抽出する場合 はそれぞれの所得水準を持った標本 サンプリング 1.確率サンプリング ⑤2段抽出法 第1段階…一次抽出単位を系統抽出やクラスターサンプリングで抽出 第2段階…二次抽出単位を単純無作為抽出する <例>一次抽出単位=大阪の13市、一次抽出単位=各市に在住の家計 サンプリング 1.確率サンプリング ⑥二相抽出法…母集団の各層のサイズが不明の場合 第1段階…大標本を抽出し、母集団の各層のサイズを推定 第2段階…選ばれた抽出単位から層化サンプリングを行なう 二相抽出法 実施段階 1. リサーチの実施 – 合同会議 – 調査員説明会 – 初票点検 – 調査票の回収と事後検査 実施段階 2. 収集データの整理 – エディティング:回収した個票を点検し、不備があれば 訂正する作業。 – コーディング:コンピューターに入力可能なように、デー タを数字またはアルファベット記号に符号化する。 – データクリーニング:人手によるエディティングやコー ディングでも修正しえなかった不備をコンピュータ内で チェックし、すべてのデータを浄化する。 分析段階 1. 一変量解析、多変量解析の活用 2. 有意性検定 分析を的確に行うためには 分析者の常識 豊富な関連情報 論理性・整合性の追及姿勢 マーケティング知識 マーケティングリサーチの知識・体験 マーケティング・リサーチの手法 1. 定性調査:言語情報を取得し、分析すること を目的とした調査。 フォーカス・グループ・インタビュ デプス・インタビュ プロジェクティブ・テクニック エスノグラフィック法 マーケティング・リサーチの手法 2. 定量調査 – – – – – – 個人面接法 電話法 郵送法 留置き法 会場集合法 ファックス調査法 MR活用上の留意点 1. 戦略的、戦術的に判断して、リサーチの実施自体 に十分に意味があるかどうか 2. リサーチへの投下費用に見合った情報価値があ るかどうか 3. 妥当なデータソースがあるかどうか 4. 一定以上のリサーチの品質が維持できるかどうか 5. リサーチを実施するための資金や人的資源などが 十分かどうか 6. リサーチのタイミングは適切かどうか リサーチ結果の活用の判断 • リサーチの品質の水準 • リサーチ結果が事前の期待に合致している か • リサーチ結果の説明のしやすさ • 社内でのリサーチ結果の受け入れやすさ
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