広島市浸水対策における整備計画策定業務(その2) - 日本下水道新技術

1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
広島市浸水対策における
整備計画策定業務(その2)
1.観況調査
広島市千田処理地区では,最近の都市化の進展に
伴い,空き地の減少や不授透化により両水量が増大
したこと,土地の高度利用により汚水豊が増大した
こと等により結果的に浸水が発生しやすい状況にな
っている。こうした状況から,広島市では大規模閥
水幹線(以下,増補管)の計画が進められている。
この施設計画においては,既設幹線とほぼ同程度の
密度で増補管が必要となっている。しかし,「事業
の発現に長期間を要する工「事業撃が膨大である」
等の課魔がある。このため事業化に際しては,段階
的整備計画の立案を行う必要がある。なお,増補管
の整備優先順位など段階的整備計画の評価にあたっ
ては,主に費用投資効果をベースに検討する必要が
ある。しかしながら,下水道による雨水整備の浸水
軽減効果を対象とする場合,現状では計測方法に河
川における被害額算定方式が適用されることが多い
ので,下水道と河川との浸水形態等が異なることを
考えると,そのような効果の計測方法には,若干の検
討を加える必要がある。そこで本調査では,上記課
題に対応した下水道の雨水整備による費用投資効果
隈国威 圏 院現
l
2.宮憫目標偽の栂 4,算定方法の鵬寸
整備朔脚 価の削
l雨露笠禁等酬
l剛 健
刺
l
摘 l
舶 晰 翔 の刷 寸 解析モデル 牒 水派出解析モァル 牒 水 新モデル 牒 水氾淑解析モデル
†
3, 鮒 渦 の批
傭 鰯 憎路 抑 舶
被宵顔の音十瑚方法
・和み上げ方式
Yへドニッタアプローチ
回
し
!型 幽
悶 セ
l縮
l淋 讐 蒜デルの用
t
撒
(窯
l
▼
l段塔的削掛碑 の設定l
l
l
他処理区へ通用するうえでの
l
留緑 の整理
l
l
l
l舶 ケースの設定l
l浸水氾濫解析i
慄
豊
洲
l
Iへに .
1 品 霜 によるl
J
lt 柵 抽 叫
の計測方法について十分に検討した上で,当該地区
における最適な段階的整備計画を策定すること目的
として,平成7,8年度にかけて調査を行った。ここで
は,平成8年度分についてその結果を報告する。
また,ヘドニツクアプローチを用いた雨水整備便
ー39−
図一1調査の手順(調査全体を通じて)
藍 ,l
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
u 戸主遷閉 よ
ても報告する。図−1に調査の手順を示す。
lt▼コ
こlH
SrM
SHH
こ一H
tuuI一一
川冊Ilコ1の琳−り5わ
こ1H
こHrl
.▼ l
こお一
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こ
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l
こlH
.
t
l
l
l
Y
J
I
.il
°トl
時間幅lけり
(10年確率)
.
,
・
H
(50年確率)
こ‘−
坤帆mlnl
(5年確率)
l/けlこ4919人1ヰ1ヨl
°トl
°tH
SHH
eIH
一X−H
一lJ1
.11
芦.専云五戸3至喜三岩善幸吾,
時間帥けり
tuⅢBpぢrY“m欄
雨水施設整備の投資効果を評価するにあたって
は,建設省河川局「治水経済調査要綱」の手法を基
に検討を加える。まず事業の経済的な効果は,雨水
施設整備により減少する浸水被害の期待額とする。
具体的には,幾つかの降雨規模を想定し,ある降雨規
模と次の降雨規模との間の年平均生起確率を,その
降雨規模に対応した想定被害額に乗じて年平均想定
被害額とし,これを仮定した降雨規模の最小段階か
ら最大段階まで,順次累計する事より求める。この
想定年平均被害軽減期待額と,年次別に必要な想定
事業費より,ある投資が経済的に妥当なものかどう
かを評価する。すなわち下記のように年費用・年便
益比率(B/C)を算定し牒/Cが1以上であればそ
の投資は経済的に妥当なものと想定される。
..r1
王君専ま舌∈五百号≡己京i云
.1ヽl
玩
れ hElローTIIn遷顎 I
益の計量化についても行ったので,その結果につい
は吼mlnl
(1(X)年確率)
招n廿賎胴可軸
時期脚血
(30年確㈲
図−2 解析対象降雨ハイ工トグラフ
設および増補幹線の整備順序を図−4∼7に示す。
1
●Cここ年利予+年償却費ニIX〔i+
(1+i)一一一1
●B=EB−M
ここに,C:年費乳B:年便益,I:年次別事莱驚,i:
利子率(4.5%),n:施設の耐用年数(管巣,ポンプ
場の土木施設50軋ポンプ設備20年),M:施設の年
維持管理費(Iの0.5%),EB:想定年平均被害軽減期
待額を示す。
2.1検討対象降雨
降雨のような不確定な自然現象を扱う場合,どの
降雨規模までを対象とするかが問題となる。ここで
は,浸水被害は既往最大降雨のように予測可能な
(あるいは,これまでに経験した)降雨は,必ず生起
するものとして考える。
広島地方気象台においては,観測開始が1937年で
観測期間は約60年であるため,既往最大降雨は60年
である。しかしながら,その他の雨量観測所におい
ては,約100年程度の長期観測が実施されていること
から,ここでは降雨規模100年までを考える。
本調査で採用する降雨強度式は,5年,10年,30年,
50年,100年の5ケースとする。解析対象降雨のハイ
エトグラフを図−2に示す。
2.2 段階的整備計画案
地区別の整備優先順位を明確にするため整備シナ
リオを図−3に示す。また各整備計画案毎の分水施
2.3 浸水氾濫解析
(1)浸水解析手法
浸水現象の影響評価を的確に把握するため,3つの
サブモデルから構成される浸水解析手法(図−8参
照)を適用する。
庄)雨水流山モデル:杖線管栄からの流出量の再現
② 幹線都水理解析モデル:幹線管東における流下
過程(水位,流鼠流速)の再現
③ 氾濫解析モデル:地表面における氾濫解析状況
の再現
(2)浸水深の換算
浸水氾濫解析で算出される氾濫水深は,解析メッ
シュ(100mXlOOm)に対して平坦であると仮定し
て算出されたものであり,次に述べる浸水被害の算
定にあたっては,解析メッシュ内の凹凸等を考慮し
て以下のように換算する。すなわち各メッシュを3
工種に区分し,それぞれ10cmの段差があるものとし
て各メッシュ内に存在する氾濫水量より被害算定の
ための浸水深に換算する(図一g参照)。
2.4 浸水被害額の計測
(1)被害額算定項目の検討
被害額算定の方法は,「治水経済調査要綱」に準
拠して実施するが,下水道による都市型浸水の形態
は,河川氾濫と比較して,
●浸水城が小さく,浸水深が比較的浅い
ー40−
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
千 田 雨 水
ロ芸:]
ロ で
サ
5 号 幹 線
亨 干 ワ
7 万 千粛
千田雨水1号幹線(≠45(拇)
千田雨水1号幹線(≠26(拇)
千田雨水11号幹線
千田雨水4号幹線
千田雨水9号幹線
千田雨水10号幹線
千田雨水2号幹線
千田雨水3号幹線
千田雨水2号幹線
千田雨水3号幹線
千田雨水4号幹線
千田雨水9号幹線
千田雨水10号幹線
千 田 雨 水 1 号 幹 線 (≠45(
沿)
千 田 雨 水 1 号 幹 線 (≠26 帥
千 田 雨 水 1 1号 幹 線
千田雨水4号幹線
千田間水9号幹線
千田雨水10号幹線
千田閥水 2 号幹線(
幹線)
千 田雨 水 4 号 幹 線 (
幹線)
千 闇雨 水 9 号 幹 線 (
幹線)
千 田雨 水 10号 幹 線 (
幹線)
千田雨水3号幹線
枝線
緊 急 ヰ支 線
[:亘塁]
同上
E互]
同上
[:辺コ
千闇雨水
千田雨水
千田雨水
千 田雨水
緊急枝線
1 号幹線(≠5750)
5 号 幹線(
幹 線)
6 号 幹線(
幹線)
7 号幹線(
幹線)
千田雨水 2 号幹線
千田雨水 3 号幹線
千 田 雨 水 1.号 幹 線 0 45叫)
千 田雨水 1 号幹線(
≠26㈱)
千 田雨水.
11号 幹 線
注)A、B、C寮は枝線を含めたブロック毎盤備する案であり、D案は地区幹線を先行整備する案である。D案における「杖線」は、
千田雨水2、4∼7、9、10号幹線の幹線以外である。
図一3 段階的整備計画案
図−5 段階的整備計画案(B案)
図−4段隋的整備計画案(A案)
−41−
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
図一7段階的整備計画案(D稟)
図−6 段階的整備計函藁(C案)
解析モデル:③氾濫解析モデル
適用場面:地表面
解析結果:氾濫城、浸水探
図−8 浸水解析モデルの適用範囲
ー42−
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
(3)間接被害
間接被害は,表−2に示すように算定する。
[==∃→
表−2(1)間接被害の被害額算定方法
氾濫解析による水深
間接 被 害 項 目
被害額算定用水探
●被 害 額 = 一 般 資 産被 害 額 ×0.
0 6 (一 般 資 産 被 害 額 の 6 悌 )
「治 水 掛 済 調 査 要 綱 」 方 式 と 同 様 と し 、 一 般 資 産 被 害 額 に は 高 層 部 を 含 む 。
道 路 障 害
● 被 害 額 = 時 間 当 た りの 被 害 額 ×浸 水 時 間 ×浸 水 面 積 率
・時 間 当 た り の 被 害 額 = 千 田 処 理 区 域 全 域 で 6 .
9 7 6 (百 万 円 ノ時 間 )
・浸 水 面 積 率 = 浸 水 面 積 /千 田 処 理 区 域 面 積
交 通 量 は 、 平 成 (
う年 10 月 調 査 。
一一般 車 両 の 時 間 評 価 額 (
H 7 年 価 格 )は 建 言呈省 道 路 局 資 料 に 、 バ ス 乗 客 は
広 島 県 勤 労 者 平 均 時 間 給 与 (H 6 年 価 格 )に よ る 。
バ ス の 乗 車 人 員 は 、路 線 と貸 切 の 加 幸平 均 。
軌道 障 害
● 図−9 氾濫解析浸水深から被害額算定濱水深への換算
●浸水時間が短く,水勢が小さい
●土地利用,資産集積密度が高い
などの点に留意する必要がある。
このため,下水道の浸水による被害項目としては,
建物や施設の浸水による直接的な被害はもとより,
都市機能や都市生活への影響などの間接的な被害に
ついても十分考慮する必要がある。本調査で対象と
する被害項目を図−10に示す。
今 回 検 討 方 式
営 業 損 失
除 外
広 島 市内 では 路
れ る場 合 、相 当の
闇 市 に よ りその 被
定 す る こ とが 困 難
面 電
人数
害 は
で あ
車
に
大
る
が 運 行 さ れ てお り、 浸 水 に よ っ て 運転 休 止 さ
影 響 を 及 ぼす こ とが 考 え られ る が 、浸 水 の 時
き く変動 す る ため 、 時 間 当 た りの被 害 額 を設
。
幹 線 道 路 の 路 面 滑 相 賀 二 路 面 漕 捕 賛 合 計 × 浸 水 面 積 率 (床 上 )
● 1 梢冊 針好 憲摘
(路 面 楢 掃
幹 線 道 路 の 側
路 溝
蘭 消
洒 掃 脅
費 二
合計
側漸
二 千
落掃
田賛
処 合
理 計
区 内
×浅
域 水
全域
面 積
で率
49(
.床
61上
3(百
)万 円)
費 、 側 溝 滴 ● ・幹
帰 寮 、 住 宅 ・幹 線 道 路 の 側 漸
掃 費 合 計 ぷ 千 田 処 理 区 内 城 全 域 で 封 、柑 百 万 円 )
清 掃 費 、 消 ● 幹 線 道 路 以 外 の 路 耐 育捕 費
命 費 、 事 帝 = 千 田 処 理 区 域 面 碩 × 道 路 面 機 密 × 浅 水 蘭 緒 率 (床 上 )× 道 路 洒 描 単 価
3 、 道 路 洒 掃 蝉 価 ご 7 7 (円 /酢 )
所 減 給 ・洞 ・道 路 面 隙 軒 可 )、
● 幹線 退 路 以 外 の 側 漸 洒 播 費
海 賀)
ニ 千 田 処 埋 区 域 面 相 × 道 路 面 桟 畢 × 浸 水 翻 檎 率 0木 上 )/平 均 道 路 幅
×側 漸 清 掃 単 価
・道 路 面 槽 準 ㌶ 0 ,3 、 平 均 道 路 幅 ニ 2 0 (rn  ̄
)、 制 勝 輝 線 単 価 キ 拙 作 時 油 用
● 住 宅 洒 掃 ・摘 礫 費 = 住 宅 洒 欄 ・渦 磯 驚 合 計 × 浸 水 面 庸 率 (凧 山
・住 宅 摘 採 欝 合 計 ㌫ 千 m 処 埋 区 内 城 金 城 で 13 9 ,
r鼎 )
(.
百万 円 )
・住 宅 消 海 賀 合 計 二 千 m 処 理 区 内 城 金 城 で 6 0 7 .
4 8 8 (、
百万 円 )
● 事 滞 所 洒 捕 ・消 磯 穀 = 夢 梯 所 洒 捕 ・消 海 賀 合射 × 浸 水 酎 碩 率 (床 上 )
ナ郷 梯 断 酒 掃 普 倉 紆 〇 千 田 処 理 庄 内 城 愛 機 で 2 0 7 ,87 5 (百 万 円 )
・謡 紡 所 洞 滋 費 合 計 = 千 田 処 理 区 内 峻 全 域 で 9 17 ,15 2値 万 円 )
路 面 、 側 漸 洒 綿 や 蝉 価 (目線 価 格 ):秘 説 省 広 島 国 道 工 事 部 抒 所 「濾
緊 急 対 策 費
路 洒 掃 作 東 敬 的 単 価」 に よ る。
佳 麗 、 邸 秘 所 摘 掃 狩 単 価 (H 6 年 価 格 ): ビ ル メ ン テ ナ ン ス 料 金 床 面 洒
掃 単 価 に よ る。
住 宅 、 率 梯 所 消 滋 驚 蝉 価 (‖6 年 価 格 ):洞 泉 、 排 水 作 粟 お よ び 、 哨 悦
蘭 の な い場 合。 民 間 消 薇 業 者 ヒ ア リ ン グに よる 。
浪−2(2)間接被害の被害級鰭定方法
図−10 本爛量における被害項目の設定
今剛 齢 方式
剛 接 搬 解牒 凋
そ の 他 、 交 通 ● 披 宵・
敬 ㌫ 発 行 台 数 ×浸 水 時 柳 X 時 間 紳 価 聯 ×洩 水 時 間 × 捜 水 面 棟 率 (床 山
(2)直接被害
直接被害は,資産額に被害率を乗じて算出するが,
被害率は次のように設定する。
「治水経済調査要綱」による被害率は,表−1の
とおりである。市街地の場合,高層建築が多く,延べ
床面積に対して実際に被害を受けるのは,地下1,2階
および地上1階部分であると考えられ,被害率の適用
にあたっては,この点を考慮する必要がある。
渋 滞に よる晒
神的摘 爽
5 7 5(来 聴 ・来 聴 用 品 観 音 の 57 .5%・
)
そ の 他 、 浸 水 ● 枚 番 横 豊 (祭 儀 + 家 鷹 用 品 職 者 額 ×0 ,
「大 都 市 下 水 道 都 築 の 雨 水 整 備 に 関 す る 検 討 報 告 一
番 そ の 4・」 (平 成 年 3 臥
に対す る不快
大 都 市 に お け る 間 水 整 備 研 究 会 ) に お け る 手 法 と同 様 とす る 。
憾
(4)降雨規模に応じた想定被害額の算定
表−3に想定被害額の算定結果を示す。
表−1被害率
浸水
家屋 A
B
0.
03
C
5 0 cm 未 満
5 0 ∼ 1(
泊c m
0.
053
0.
072
0.
1 09
0.
152
0.
220
0.
083
0 .12 (
)
0.
177
0.
266
0.
344
l(
沿 、2 ∝)
cm 2(
期 、 3(
氾cm
3(
泊cm 未 満
0.
12 4
0.
2 10
0.
308
0.
4:
39
0.
572
家庭用品
0.
086
0 .19 1
0.
331
0.
499
0,
690
事 業所償却
在庫
0.
18 0
0.
3 14
0.
4 19
0.
539
0.
632
0.
12 7
0.
27(
〉
0.
379
0.
479
0.
5(
)
2
農漁 家償却
0.
156
0.
237
0.
297
0.
366
0.
450
0.
19 9
0.
370
0.
49 1
0.
576
0.
692
在庫
表一3 想定被害額算定結果
(単位:百万円,H6年価格)
A
H
H
H
H
H
床上浸水
床 下
V 舶 寮 沌 誓 世 相 招 鋤 鍋 旺 疇瀾 細 榊 距 朝 潮 椚 /時 間 /伽
「大 郡 市 下 水 道 事 粟 の 雨 水 徴 備 に 関 す る 倹 紳 報 告 .
醇 そ の 4 」 (平 成 2 年 3 月 、
大 郡市 におけ る雨水整 備研究 会) にお ける革法 と同様 とす る。
菜
3
1
1
2
3
2
7
2
2
B ヨ∈
H 3
H
12
H 17
H 2 2
H 3 2
C ヨ ∈
H 3
H 12
H 17
H 2 2
H 3 2
C ;茶 ;
H 3
H 12
H 17
H 2 2
H 3 2
柱)家屋のA、B、Cの区分は地盤勾配による分類で、Aはl/l(泊0以下、
Bは1/5(泊、1/1(頼)、Cは1/5(氾以上である。
−43−
1 /5
7 ,2 0
3 ,
9 1
1 ,
0 0
3 2
9
2
4
0
1
12
6
1
/1
.1
,0
,8
6
0
2
8
9
8
3
8
9
9
1/3
1 8 .5
1 0 ,6
4 ,5
1 .7
0
4
1
9
7
0
2
8
9
1
3
8
9
2
1 /3
1 8 ,5
1 0 .6
4 ,5
1 ,2
0
4
1
9
3
0
4
1
1
3
1 !5
7 ,2 0 9
3 ,
9 12
1 ,
0 0 4
14 4
1 /1
1 2 ,1
6 ,0
1 ,8
2
1 /5
7 ,2 0 9
3 ,9 1 2
2 ,4 8 9
14 4
1
1 2
6
3
/ 1 ()
,1 2 3
,0 8 8
,0 9 4
2 12
1 /3
1 8 .5
1 0 .6
5 .3
1 、2
l /5
7 ,2 0
4 ,7 3
1 ,5 1
12
1
12
7
2
/1
,1
,2
,6
3
1 /3
1 8 ,5
1 3 .1
7 ,3
1 ,3
9
4
4
3
0
2
9
0
0
3
7
8
7
8
5
1
6
0
8
5
1
1
0
8
5
5
1
0
r)
4 8
9 7
7 7
8 7
0
1 /5
2 1 ,1
1 2 ,4
5 ,7
3 ,1
2
l
1
12
5
1
1
2 1
12
6
1
l
2 1
15
8
1
0
0 0
4 4
6 8
10
8 0
/5 0
,1 0 0
,4 4 4
,
7 6 8
,
4 0 6
8 O
/5 (
)
,1 0 0
,
4 4 4
,
3 19
.
4 0 6
8 0
/5 0
,1 0 0
,
0 1 7
.9 3 8
,8 9 4
8 0
1/ 0 0
2 2 2 4
1 2 ,9 8
6 .8 9
3 ,3 1
17
1 /1 0 0
2 2 ,2 4
1 2 ,9 8
6 ,8 9
2 ,5 4
1 7
1
0
9
7
0
1
0
9
6
0
1/ 0 0
2 2 2 4
1 2 .9 8
7 ,3 7
2 ,
5 4
17
0
6
6
0
1/ 0
2 2 2
16 2
1( 1
3 ,3
1
1
8
3
:
事
0
0
4
9
7
1
7
1
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
2.5 費用効果の把握
各整備シナリオ毎に被害および便益(浸水被害軽
減期待額)を求め,費用便益比(B/C)や純便益
(B−C)を算出し,段階的整備計画案の経済評価を
行う。
費用便益分析の方法としては,以下の2ケースを考
える。
(B)案が,H22ではD案が最も効果が出現する結果
である。B−CではH32年に約12億円となり,H22年
のD案が約16億円と最も高い。
表−7 B/Cの算定結果
A 莱
(1)「治水経済調査要綱」による方法
(2)投資および便益の発生時期を考慮した方法
1.
487
1,
335
1.5 3 6
1.
3 仕)
1.
購 7
1.1 3 1
1.1 57
1.
250
1.
276
H 3 −H 2 2
L 3(
11
L 1(12
1.3 8 3
1.
39 1
1.
302
1.4 1二
I
1.
322
1.3 9 1
1,30 2
1.4 1 3
l.3 22
1.
437
1.
302
1.
459
1.
322
H :
トH 3 2
注)・主l:維持管理費に連壁を含む場合、・′吾、・:含まない場合である。
1
9
1
U
′
1
0
−
2
・
1
0
1
2
O
ハ U 受 U 人 U 4 2 < U
2
1
上
U訪
l
一
1
2.
鍋 4
3.
850
0、
03333
0、
0 2 0 α)
0,
(猶 楠 7
0.
0 13 3 3
2 1 ,1Ⅸ )
2糾
5 .1 37
0.
0 1(
XX)
0,
0 日柵
22,
24 1
2 17
5,
354
4 ,
椚 3
・
1
1
U這
1
1
L
年 平 均
降 雨 親 機 に対 応
年 平均 櫨 宵顧
超過 確 率
生 撮 確 率
した 惣 寵 披 露磯
百 万円
1
百 万円
1,
餌)
0 、卵 榊
0
0
1
り
I
1
上
0
..︶\サー
0
80
I7 0
て
3
0,
0 1(
Y.
火)
1
0.
(
)(
㈱
0,
0 IM
0、
0:
IO 餅 .
1
0 、
0 1(
若的
0
l
l
年費用および費用効果の例としてH3からH32にお
ける算定結果を表−5,療−6に示す。
1
設
管 嬢
事 業 費
百 万 円
耐用 年 数
年 費用
%
年
百 万 円
備 4.
5
50
1.
666
15 .12 3
4.
5
50
766
連続 璧 工
1 1.5 (
12
「 石扇 3
4.
5
50
5g5
上屋 、沈砂池等
4.
5
20
7 0 .3 20
の 取 り扱 い
霞悉 補
義
減
・含 む
E B
(百 万 5 円
.35) 2
連 堅 ・含 ま ず
5 ,35 2
連 壁
年便 益
も−E B l は
・
×0.
005
(百 万 円 )
「
年 費 周
n塞 C粟 0衆
目3−日32
1.
3 2 2 1.
3 2 2 1,3 2 2 1,
3 22
閻
A寮 B尭 C粟 D寮
慮していない。すなわち,各年次までの整備シナリ
オを代替案として認識し,各プロジェクトの投資は
瞬時に実施され,また,それによって発生する便益も
瞬時に発生してくると仮定して費用便益比(B/
C)・純便益(B−C)を計測したものである。した
がって,同じ費用を投じて同じ便益を得ることので
きるプロジェクトは同一の評価基準値を有すること
になる。
表−6 費用効果の算定結果(H3年∼H32年.H6年価格)
維 持 管理 費
1「
,
413 門
「
ポ ン プ施 設
822
3,
8 :I9
−
「
彗
(2)投資および便益の発生時期を考慮した方法
先の(1)で示した費用便益分析は.各期の投資の時
期および便益の発生時期の時間的ずれについては考
考
増 綿 幹線
32.
9 33
ホ ンプ鳩 .t.
木 槌註
ホン7 場 一上本 如 き
ポ ン プ 場 ・設 備
ゝ i
利 子 率
「l与
7
「
「
図綱11日/Cの算定結果
(維持管理責に連壁を含まない場合)
表…5 年費用の議定措輿(H3年∼H32軋H6年価格)
施 Q O ぷ U 4 2 八 日
0 .
03333
0
0
1
30 、
雄)
0
0
・
・
・
・
−
0,
7.
9・
9・
9り
仇 l(
舶
.
+
ハ U
0 、
2(
棚
0 ,1(
糊 X)
0
0
2
5 、
α)
10 、
(
湘
封.
).
(
船
1 川 )。
川)
EB
廿 の 累計
百.
万円
I
年 平 均
!
.
360
′
.
.
・
芸
泰−4(2)年平均被害額の算定繍策(H32年,H6年価格)
降 雨 親機
1,
360
闇
Q U ′ 0 4 り ん n U
30 、
(
船
50 .
α)
1(
泊 ,
併)
「
彗
・
0
鮎 7
L022
0 ,1酬
1.
536
1
0
2 ,88 4
0 ,1(
脚 X)
二
4
0
7、
029
I2 .は 3
18 .
5.
48
0,
799く
粕
)
EB
廿 の 累 計
首 万 円
川 )、
(
舶
1.
5:
柏
1
U\瓜
)
1.
322
0.
2酬
1.
256
1.53 6
1.3 60
0.
99999
D 茶
】
1.
202
0
1、
α)
5 、
(
舶
】
1.4 8 7
1.3 3 5
2
降 雨親 機 に 対 応 年 平 均 被 害 額
廿
し た想 定 搬 杏 樹
百 万 円
育 万 円
年 平 均
生 起 確 率
ニりl
H 3−
H 12
H 3−
H l−
7
義一4(1)年平均被害額の鰭定結果(H3乳H6年価格)
年 平 均
超 過 確 率
C 茶
・1
1.
53(
う
(1)「治水経済調査要綱」による方法
表−4は,当該地区における想定年平均被害額の
算出結果の例として平成3年と平成32年の算定結果
を示したものである。これより,1/10整備による年
平均被害軽減期待額は5,352百万円である。
降 雨 塊 根
B 菜
】
B /C
8 −C
(百 万 円 )
C
(百 万 円 )
5 .0 ∝)
70.
320
3.
839
1,3 02
1.16 1
5 .0 7(1
5 5 .18 8
3.
839
1.3 22
1、
237
(百 万 円 )
注)い:年便益算定のための整備事業費
また,段階的整備計画案別のB/Cの算定結果を
表−7および図−11に,B−Cの算定結果を表−8お
よび図12にそれぞれ示す。B/Cが1.2、1.6の効果
が期待できるが,H12ではA(B,C)案が,H17ではA
しかしながら,通常の土木工事プロジェクトは完
成までに複数年を要し,便益の発生はその工事の完
成後となる。したがって,こうした時間のずれを考
慮すると,ある時点を基準とする総投資額が同じで
−44一
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
表−8 B−Cの算定結果
(単位:百万円,H6年価格)
A 菜
】
B 莱
′つ .
C 芙
l‘
_
ll
H :
ト H 12
H 3 −H 17
752
1.
047
82 8
1.12 3
752
1.
(
M 7
H 3 −H 2 2
H 3 −日 3 2
1.
249
1.16 1
1 .32 5
1.23 7
1.
370
1.1(11
つ1
828
1
1.1 2 二
l
752
392
1,
4 46
1.2 3 7
1.
370
I.1(
11
ら投資期間の相違,あるいは投資の配分方法に
よりプロジェクトの評価結果が異なることが想
定される。本調査で対象としているように,各
期で投資額が異なる複数の整備シナリオを比較
評価する場合には,このことを考慮する必要が
ある。
投資額および便益額の現在価値を求める式は
下記のとおりである。
D 菟
ニ
・
′
一
つl
82S
1
468
285
747
1,
446
1.
237
1.
480
l _l(Il
‘つl
360
822
1、
556
1.
237
注目巨:維持管理費に連壁を含む場合、せ:含まない場合である。
2,(X氾
柵。
︶ Ul瓜
旨1,5(相
加1,∝X)
R2 8
「
82 8
n C,
82 8
義… 「「
36 0
「
「
i=1(1+r). i=1(1+r)1
C案 D案
︵㌣一や璧=器
御調御用。
2
1
1
1
1,
123
描音
数縮
HH
1,
123
「
『
n BI I−
C= ∑
ここに,C:投資額(現在価値),B:便益総額
(現在価値),C.:各年投資額(0年価格),B.:
各年便益額(ニ年平均被害軽減期待額,0年価
格),1,:各年維持管理費(0年価格),r:割引率,
822
「「
n:プロジェクトライフ(年)
C案 D案
仙 州 側.≠
2 1 1
霹㌫言こ U品
1,
3 25
1,
44 6
1、
446
② 本プロジェクトへの適用結果
上記の考え方に基づ軋本プロジェクトへ適
用した結果を示す。図14に,H6年における現
在価條化した費用便益分析結果を示す。この結
果によると下記のような点が考察できる。
1,
5 56
R.t 〔、‘・葉 nt
爪弾だ璧=道
御調脚柵
2
1
1
HyIl.1二
プロジェクト塞地期間
1,
237
1,
23 7
1,
237
.−→
し2 37
′/〆㌦H・∼0年価格による年平均投溌増
㌦H_叫∴割引率を考臆した年平均没瀞織の硯な価傾
A寮 B案 C寒 D寮
(1勘tlli格による隼維持幣埋儲
図−12 B−Cの算定結実
! .〆 割引率を考胤.,.た隼維持瞥埋儀の硯狛価値
(維持管理費に速壁を含まない喘息H8年価格)
あっても,投資の時間配分が異なるプロジェクト代
替案では,現在価値に変換された費用と便益の額は
異なることになる。
以下では,こうした投資時期の違いによる費倖巨
便益の違いを考慮した費用便益分析を行った結果に
ついて述べる。
① 段階的整備プロジェクトの費用と便益の算定
の考え方
先に述べたように長期間にわたるプロジェク
トの場合,投資される時期と便益の発生時期の
相違により現在価値に換算した費用総額と便益
総額は投資パターンによって異なる。そのイメ
ージを示すと図13のとおりである。すなわ
ち,プロジェクト期間を長くとればとるほど投
資費用の現在価値も小さくなるが,一方で,便益
を受け取る時期が遅くなることから現在価値に
換算した便益の総額は小さくなる。このことか
−45−
因−13 投資および便益の発生時期を考慮した費用・
便益の考え方
1)プロジェクトがすべて完成するH32年のB/
C,B−Cをみるといずれの整備シナリオも事
業効果が認められ,B/Cで概ね1.20∼1.23,
B−Cで90億円∼103億円程度の値となってい
る。整備シナリオ毎にみると,B案が最も大
きく,C案が最も小さい値となっている。
2)途中年次の事業効果についてみると,D案は,
H12年までの整備形態では,B/Cが0.98,B一
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
Cが4億7000万円程度のマイナスとなってい
る。すなわち,D案では,H12年で事業を打ち
切ると事業効果は認められないと判断でき
る。しかしながら,D案ではH22年まで事業を
継続すれば,B/Cは1.27となり,純便益(B−
C)では若干B案に劣るものの大きな事業効
果を得ることができる。
●H12年においてA(B,C)案とD案を比較すると,
A(B,C)案の方がB/Cが大きい。つまり千田雨
水5号,6号,7号幹線の枝線も整備する方がよい。
●H17年においてA(B)案とC案を比較するとA
(B)案の方がB/Cが大きい。つまり,千田雨水2
号,3号幹線より千田雨水1号(≠4500,≠2600),
11号幹線を先に整備する方がよい。なお,D案の
B/CはA案より小さい。
3)A案,B案はプロジェクトの初期段階から
B/Cが1.20程度の値をとっており,効率的な
整備シナリオであることが理解される。C案
については,H17年段階における整備形態で
の投資効果が他の案に比較して小さい。
牧童
.
急.
:
ニ
.
;
;
.
;
. . 頂け
一
ご
丸凝 .
.
・
ニ
・
中
 ̄ ニ
ー
 ̄
一叢
拉 2 .
両桝 .
獄黒
1.
21
1.
22
1.
25
1.
22
1.
.
21
1.
22
1.
27
1.
2:
l
こ
.
!
.
:
こ
こ
.
.
.
C 案 .
_
.
.
.
・
1.
21
1.
06
1.
24
1.
20
D 叢.
1.
ミ
・
・
:
.
!
;
.
0.
98
1.
13
1.
27
1.
21
U≠船
O
3 0 2 5 2 0 1 5 1 + 1 0 5 豊 洲
ト∵﹁∵L∵L上1.1ハU
樟
侍訳
浩
ィ
.
ぐ
く
べ
・
、
W
(1)の結果からは,以下のことが考えられる。
●H22年においてA案とB案を比較すると,B案の方
がB/Cがやや大きいがその差は小さい。つまり,
千田雨水4号,9号,10号幹線より千田雨水2号,3号
幹線を先に整備する方がどちらかと言えばよい。
ただし,D案のB/Cが蕨も大きく,千田雨水2号,4
号,9号,10号幹線の幹線のみを整備することが有
効的である。
−
(2)の結果からは,以下のことが考えられる。
●H22年においてA案とB案を比較すると,B案の方
がB/Cがやや大きいがその差は小さい。つまり,
千田雨水4号,9号,10掛幹線より千田雨水2号,3号
幹線を先に整備する方がどちらかと言えばよい。
また,D寮のB/CはB寮とほぼ同じであり,千閏雨
+
混
豆
封
カニ
.
諺
さ
カ
汐ろ
帯
ミ
斯 ・
:
瀦
‖17 日22 日32
平脱年次
水2号,4号,9号,10号幹線の幹線のみを整備するこ
とも有効的である。
●tI32年においては,B策のB/Cが液も大きくC衆が
敦も小さくなっている。その債は1,20∼1.23であ
り,H22年よりも小さい。
図−14(1)投資および便益発生時期を考慮した兼用便益分析
結果(B/C)
.
.
A尭
粒衆
.
・
.
.C 案
ニ
・
ニ
:
.
.p 策
..
相似
5,
0椚
5、
0椚
5,
0椚
一頃拍
・
.
.
、
こ.浅鵠 鞍 .
汀控※ .
十 着鮨
私闘7
10 ,
5粥
9,
9 13
8,
約7
1 1,
5 39
10 ,
28 2
2,
274
10 ,
24 2
軋卵 5
4,
明 l
1 1,
04 4
9,
0(
)
R
図−14(2)投資および便益発生時期を考慮した費用便益分析
結果(8−C,H6年価格)
(3)費用効果による整備優先度評価
ここでは,先の(1)および(2)での結果を受けて,費用
効果からみた望ましい施設整備計画を策定する,具
体的には,評価対象とする期間別に費用効果の大き
な下水道施設から整備することを基本とし,施設整
備優先度を決定する。
(1)および(2)の結果から,共通して以下のことが考
えられる。
雨水整備の便益計測には,前述の方法の様に被害
項目毎に積み上げる方式が一般的である。しかし,
この場合,効果項目の二重計上,計上漏れ可能性が否
定できない。一方,計量経済モデルに基づいて便益
を計量化する方法では,その可能性はない。そこで,
積み上げる方式の検証の意味を含めて,計量経済モ
デルの一手法であるヘドニソクアプローチを雨水対
策整備の地価への影響に適用することにより検討を
加える。ヘドニツクアプローチによる雨水整備便益
の計量化検討フローを図15に示す。
(1)基礎調査
へドニツクアプローチの既往の研究事例を収集
し,地価関数を作成するための基礎情報を整理した。
その結果,地価関数として使われている関数は,大半
−46−
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
(2)地価関数の作成
地価データは,広島市千田処理区を対象として,平
成5年から8年までの4ヶ年の取引事例を101件収集し
た。なお,個々の取引事情を考慮して設定されてい
る「事情補正」が大きいもの(本調査では±2割以
上の事情補正:不動産鑑定士による判断)について
は適正な地価属性を反映しにくいと判断し,検討対
象から外し,77地点を検討対象とした。
地価関数の説明変数となる地価属性(地積,奥行,
間口,道路幅員,主要施設までの距離,アクセシビリ
ティ,建坪率,容積率等)のうち,浸水危険度を表す
「浸水ランク」は,整備効果を考慮するため最も重要
な指標であるが,これを表−10に示す方法で設定す
る。
表−10 濃水ランクの設定方法
図−15 へドニツクアプローチによる雨水整備便益の
計量化検討フロー
が濃回帰か対数型で衆硯されていることが判った。
また,地価関数の説明変数と地価デレタを整理した
ものを表−9に示す。
義一9 地価関数で用いられた説明鷲敷
公示価格
取引亭例
宅地建物取引業協会地価図
道路距枇
所要時間
自治体の地価刑査
アクセシビリザ→「−(通勤、質物等) 中古マンション取引価格
従業若人【コ項門生
路線(ダミー)
歩道の有無(ダミー)
街路樹の有無(ダミー)
巧言召∵ ̄ ̄ ̄
前面道路帽員
延′く床面積
容積率
実動容積牢
固辺の建築物の水準(ランク変数)
蘭斜面(ダミー)
前面道路からの眺望(ダミー)
建て込み度(ダミー)
前面道路からの悦根性(ダミー)
地価関数は登回帰分析により作成するが,留意す
べき事項としては下記のことが挙げられる。
●説明変数の選択において重共線性に留意する。
●便益の計測にあたって,地域の特性から容易に設
定できる説明変数とする。
●説明変数の係数の符号が社会経済現象からみて妥
当である。
●回帰推定された回帰係数に関して統計的有意性が
ある。
こうした点に留意し,次の地価関数を得た。
log(LP)=3.540×10 ̄5Ⅹ1+5.500×104Ⅹ2−
迷惑施設までの距純
迷惑施設面稚
1.556×10−2Ⅹ3+6.037×10−2Ⅹ4+
捜水の有無
1.970×10−1Ⅹ5+5.515
10g:常用対数
LP:地価
gl:アクセシビリティ(t値=8.207)
Ⅹ2:容積率(t値=6.131)
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
ズ3:浸水ランク(t値=一1.645)
ズ4:都心コア商業地区(t値=1.965)
Ⅹ5:特別集積地区(t値=9.528)
重相関係数=0.928
浸水被害額の計測および費用効果の算出における
検討課題として次のことがあげられる。
(3)雨水整備便益の計量化
1)ゾーニングのための検討
(1)浸水被害額の計測
積み上げ方式では,計測漏れや二重計測の恐れが
あること,間接被害の計測が十分に考慮されていな
い等の問題点が残されている。直接被害では,「治
雨水整備は面整備であり,その便益は面的な
分布を持つ。一方,地価は点のデータであり,雨
水整備の便益を計量化するためには点のデータ
を面データに読み替える必要がある。本調査で
水経済調査要綱」による被害率を用いたが,この被
害率は河川氾濫によるものであり,今回の下水道の
浸水のような小規模で短時間の浸水に対してそのま
は,千田処理区を1メッシュ200mX200mを基本
としてゾーニングし,各ゾーンに対して代表地
点を設定することで点のデータを面のデータに
変換する。なお,公共用地は整備面積から外す。
2)雨水整備便益の計量
雨水整備による地価の上昇分に面積に乗じる
ま適用できるか否か課題が残る。また,間接被害で
は,道路障害,緊急対策費等の調査を行ったが,営業
損失言受水に対する不快感に関して既往の文献を用
いており適用に際して注意を要する。
ヘドニツクアプローチは,雨水整備の有無によっ
て浸水の発生状況が変わり,土地の魅力に違いが生
じる結果,地価に差が生じるという仮説の上に成立
し,地価上昇分を便益とするものである。地価関数
により結果が異なるために,地価デ…タ,説明変数の
選択において十分検討する必要がある。
ことによって,ゾーン毎に雨水整備による便益
が計量化できる。雨水整備のための費用は年価
換算を行っており,費用便益分析を行うために
は地価(LP)についても地代(の に換算する
必要がある。地価から地代への換算は割引率i
を用いて以下の式によって行う。)
(2)費用効果の算定
本調査では年費用および年便益を以下の2通りの
方法により算出し瀾用便益比(B/C)と純便益
佃…C)により費用効果を把擬した。
∞ r− rl
LP二三
ここ − ∴ rl=LPXi
ドニ0(1+i)1 1
また,上武より算定される便益はH9年価格である
ため,H6年価格に換算する。さらに,年維持管理費
を減じることにより年便益を算定する。
費用便益分析効果の算定結果を康一11に示す。
費用便益比(B/C)はL775となり,雨水整備によ
る便益が費用を上回り,事業の経済的な有効性が確
かめられる。この費用便益比(B/C)および純便
益(B−C)の値は,「積み上げ法」によるものより
大きな値となった。ヘドニツクアプローチは,積み
上げ法に計上されない便益項目も含めた「総合便益」
を対象とすることを考えると,積み上げ法との整合
も図られていると判断できる。
表一日 費用便益分析効果(H6年価格)
便 益 B
(百 万 円 /年 )
費 用 C
(百 万 円 /年 )
費 用 便 益 比 も/C
(−)
純 便 益 B −C
(百 万 円 /年 )
6 ,8 16
3,
8 39
1.
775
2,
9 77
① 「治水経済調査要綱」による方法
② 投資および便益の発生時期を考慮した方法
(力の方法は,プロジェクト実施期間は考慮せず,投
資および便益は瞬時に発生するものとして年平均化
された年費用および年便益による評価を行うもので
ある。②の方法は,プロジェクト実施期間が長期間
に亘ることを考慮して,プロジェクト実施期間中の
投資額およびその後発生してくる便益を現在価値に
換算して両者の累積値により経済評価を行うもので
ある。「治水経済調査要綱」や「大都市における雨
水整備研究会」では①の方法で検討しているが,事
業期間が長期間に亘り,段階建設が必要な場合,投資
パターンによりB/Cが異なるため,この方法につい
ても検討する必要がある。
①の方法は「治水経済調査要綱」で適用されてお
り,妥当な方法であると考えられるが,利子率,施設
の耐用年数および年維持管理費の設定により,年費
用や年便益が異なるため慎重に扱う必要がある。
②の方法においても,利子率(割引率),施設の耐用
年数および年維持管理費を設定する必要があり,設
定値により年費用や年便益が異なるため慎重に扱う
一48−
1996年度 下水道新技術研究所年報〔2/2巻〕
必要がある。 的利用性,技術的要因等についても検討し,総合的に
また,事業の優先度の検討では,B/C,B−Cとい 判断する必要がある。
った費用効果の指標だけでなく,地域の重要度,多目
●この調査に関する問い合わせは技術第一部長 高橋 賢治
技術第一部主任研究員 百崎 和博
技術第二部研究員 越智 聡
技術第一部研究員 川俣 利明
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