人事労務管理論A - 駿河台メディアサービス

フォード生産システムと
労使関係管理
2014年6月10日
人事労務管理論A(第8回目)
LT1011教室
LT1012教室
1
前回をまとめてみれば

作業管理(労働管理)
頭(計画)の労働と手(実行)の労働の分離

人事管理の成立
労働力の原理:肉体的負荷を排除

労働力の「機械的・合理的」利用に基づく能率向上
労働の単純化、標準化、反復化による能率向上

労使関係としては温情主義と反組合主義
2
フォード生産システムの矛盾

大量消費なき大量生産!
売れない、在庫増大、大恐慌

組合の反発!!
失業、労働条件の悪化、労働争議
3
労使関係管理成立の社会的背景(1)

なぜ組合を承認したのか?
組合を承認しなければならなくなったのはどうしてか
人事労務管理として何をねらったのか

大恐慌
失業者の急増、労働条件の悪化
1930年17万人、32年1160万、33年1300万人、34年1700万人
4
労使関係管理成立の社会的背景(2)

労働運動の高揚
労働争議の勃発、暴動、社会不安

新たな労働組合運動
産業別労働組合の台頭
CIO(Committee for Industrial Organization:産業別組合会議)
熟練工中心のAFLから分裂して結成(1935年)
熟練・不熟練を問わず、産業ごとに全労働者を組織
5
AFLとCIO
1886年
American Federation
of Laborを結成
熟練労働者の利害を重視
1938年 Congress of Industrial Organizations
熟練、不熟練を問わず、すべての労働者を産業別
に組織
1955年、冷戦体制下の高まる組合攻撃の中、その対
抗に向けて両者が合同し、AFL-CIO(アメリカ労働
総同盟産別会議)となる
6
ニューディール政策

完全雇用政策:ケインズ主義
国家財政投資(公共事業) →
→ 景気回復
福祉国家
 1933年、全国産業復興法(National
Industrial Recovery Act, NIRA)
 1935年、全国労働関係法(ワグナー法)

労働三権の公認(団結権、団体交渉権、争議権)
7
反組合主義からの脱却

不当労働行為の禁止
組合公認:

反組合主義から労使協調へ
ビジネスユニオニズムに立脚した労働組合
労使協調は労使癒着ではない
8
労使関係管理の考え方

労働組合を承認する
①
②
③

考え方
パイの理論を基礎に
パイの生産→
パイの分配→
9
具体的には

生産(友好・協力関係)
第2次関係(経営vs従業員)を重視
友好・協力関係を確立する
生産協力のための制度 →

分配(対立関係)
第1次関係(経営vs組合)を穏便に
分配のための制度 →
10
団体交渉と労使協議制

労使協議制 joint consultation system とは
労使間で意見交換をする
あくまでも話し合う機関

何を話し合うのか
経営問題、生産問題
労働条件の話し合いは?

目的
組合員(従業員)の生産協力
労使関係
団体交渉
11
最後に! 人事労務管理の進化

労働力の効率的利用
適材適所原理による能率向上:
作業(労働)の単純化・標準化・専門化(反復化)

労使関係の安定化
労使関係のあり方
組合を承認
団体交渉と労使協議制
12