熱流体力学

2009年6月25日
熱流体力学
第11回
担当教員: 北川輝彦
4.8 サイクルの熱効率
p
C
A
B
D
v
任意のACBDの閉曲線で
囲まれたサイクルについて考える ⇒
p-v線図
4.8 サイクルの熱効率
4.8.2 サイクルの紹介と熱効率の計算
1)カルノーサイクル
2)オットーサイクル
⇒ディーゼルサイクルの説明
3)冷凍機の成績係数
4.8 サイクルの熱効率
4.8.2 サイクルの紹介と熱効率の計算
1)カルノーサイクル
2)オットーサイクル
ディーゼルサイクルの説明
3)冷凍機の成績係数
4.8 サイクルの熱効率
2) オットーサイクル
ガソリンエンジンに使用
4.8 サイクルの熱効率
オットーサイクル:以下の閉曲線で表され、
それぞれの行程における現象は…
p
D
E
Q1
爆発
正味仕事W
Q2
C
A
排気
B
v
A→B:吸入
B→C:圧縮
C→D:爆発
D→E:膨張
E→B:排気
B→A:排気
4.8 サイクルの熱効率
2) オットーサイクル
ガソリンエンジンの図解
ヤンマー株式会社HPより
4.8 サイクルの熱効率
オットーサイクル:状態変化で見ると
等積変化,等圧変化と断熱変化で構成
p
D
E
Q1
爆発
正味仕事W
Q2
C
A
排気
B
v
A→B:等圧膨張
B→C:断熱圧縮
C→D:等積加圧
D→E:断熱膨張
E→B:等積減圧
B→A:等圧圧縮
4.8 サイクルの熱効率
オットーサイクルの熱効率
p
ピストンの位置によってシリン
ダ内部の体積が変化
D
点B,E…体積最小
⇒下死点
E
(BDC: Bottom Dead Center)
C
A
点C,D…体積最大
⇒上死点
B
(TDC: Top Dead Center)
BDC
TDC
v
4.8 サイクルの熱効率
オットーサイクルの熱効率
p
ピストンの位置によってシリン
ダ内部の体積が変化
D
下死点と上死点間の容積比:
圧縮比ε (compression ratio)
と定義
E
C
A
BDC
ε = VB / VC = VE / VD
B
TDC
v
4.8 サイクルの熱効率
オットーサイクルの熱効率
p
圧縮比ε,気体の比熱比κを
用いて熱効率ηを定義
D
E
η=1-
1
εκ-1
C
A
BDC
B
TDC
v
実際のガソリン機関の熱効率は
0.30 < η < 0.45程度
4.8 サイクルの熱効率
2) ディーゼルサイクル
ディーゼルエンジンに使用
但し、
低速時:ディーゼルサイクル
高速時:サバテサイクル(複合サイクル)
4.8 サイクルの熱効率
ディーゼルサイクル:状態変化で見ると
等積変化,等圧変化と断熱変化で構成
p
C
A→B:吸入
B→C:圧縮
C→D:爆発
D→E:膨張
E→B:排気
B→A:排気
D
爆発
E
正味仕事W
排気
A
B
v
4.8 サイクルの熱効率
2) ディーゼルサイクル
(サバテサイクル)
ディーゼルエンジンに使用
ヤンマー株式会社HPより
4.8 サイクルの熱効率
ディーゼルサイクル:状態変化で見ると
等積変化,等圧変化と断熱変化で構成
p
Q1
C
D
爆発
E
正味仕事W
Q2
排気
A
B
v
A→B:等圧膨張
B→C:断熱圧縮
C→D:等圧膨張
D→E:断熱膨張
E→B:等積減圧
B→A:等圧圧縮
4.8 各サイクルの長所、短所
オットーサイクル(ガソリンエンジン):
点火時の炎の伝播速度によりシリンダの直径(ボア)や
長さに限界。
圧縮比が同じであれば熱効率が高い(低排気量に向く)
ディーゼルサイクル:
圧縮する機構ができれば限界が無く、圧縮比を大きく
できる。
構造が単純。
高強度、高剛性が求められる(重量増加)
4.8 サイクルの熱効率
4.8.2 サイクルの紹介と熱効率の計算
1)カルノーサイクル
2)オットーサイクル
ディーゼルサイクルの説明
3)冷凍機の成績係数
4.8 サイクルの熱効率
3)冷凍機の成績係数
冷凍機:低温側の熱量を化学反応などの仕事を用いて
汲み上げ、高温側に熱量を捨てるシステム
冷蔵庫など
Q1
T1
Q2
T2
Q1 > Q2
T1 > T2
4.8 サイクルの熱効率
4.8.1 サイクルの熱効率の定義
p
p = f1(V)
Q1
C
B
正味仕事W
p = f2(V)
A
Q2
D
Q1:外部から供給される全熱量(入熱)
Q2:系から排出される全熱量(出熱)
W:正味仕事(系に残留するエネルギ)
v
とそれぞれ定義
4.8 サイクルの熱効率
4.8.2 3)冷凍機の成績係数
p
p = f1(V)
Q1
C
B
正味仕事W
p = f2(V)
A
Q2
D
v
冷凍機では低温側の熱量Q2を汲み上げ、
高温側に熱量Q1を捨てる
4.8 サイクルの熱効率
サイクルの成績係数(COP: coefficient of
performance)の定義
成績係数:COPは以下のように定義
COP = 低温側から汲み上げた熱量
サイクルに使用された仕事量
= Q2 / W = Q2 / (Q1 - Q2 )
4.8 サイクルの熱効率
サイクルの成績係数(COP: coefficient of
performance)の定義
成績係数:COPは以下のように定義
COP = 低温側から汲み上げた熱量
サイクルに使用された仕事量
= Q2 / W = Q2 / (Q1 - Q2 )
但し、高温側ABから低温側にQ1を生成することを目的と
した熱ポンプは分子にQ2ではなくQ1を用いることに注意。