物理化学 第2章 1 Ver. 1.0 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 1 物理化学:2章化合物の構造 (メニュー) 2-1. 2-2. • 化学結合 • 2-1-1.イオン結合 • 2-1-2.共有結合 • 2-1-3.配位結合 • 2-1-4.金属結合 • 2-1-5.水素結合-電気陰性度と分極 • 共有結合と軌道の重なり • 2-2-1.分子軌道 • 2-2-2.混成軌道 2 2章 化合物の構造 海水 アル ゴン 1% 水 空気 二酸 化炭 その 他 素 0% 0% 酸素 21% ネオン ヘリウム クリプトン 水素 キセノン 希ガス 硫化物 • 硫酸マグネシ ウム 塩化物 窒素 78% • 塩化ナトリウム • 塩化マグネシ ウム OC2 Na+A Cl- HB2O CO E2 G HF2 N D2 H I L J K __結合・ __結合・_____結合・___結合・_____結合 3 希ガス A B C 外側の電子殻: すべて D 個の電子で満たされている。 E 配置は安定している イオンには F 。 単独の原子のままで安定している。 4 化学結合 2-1-1. • イオン結合 2-1-2. • 共有結合 2-1-3. • 配位結合 2-1-4. • 金属結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 5 化学結合 2-1-1. • イオン結合 2-1-2. 塩化ナトリウム(NaCl) • 共有結合 A B Na+:ナトリウム_______________ Cl-:塩素______________ 2-1-3. 電子構造 • 配位結合 C Na原子(__________) 2-1-4. D Cl原子(_____________) • 金属結合 安定な電子配置を取る場合 • 水素結合-電気陰性度と分極 F E Na+(_____________) Cl-(___________________) 2-1-5. G H I 6 化学結合 2-1-1. • イオン結合 • イオン間の E 力は F 方向性が 周期表の左: 2-1-2. • 共有結合 • 空間の A 電子を 陽イオン になりやすい B 原子 • 配位結合 2-1-3. 2-1-4. 2-1-5. 周期表の右: イオン • 金属結合 結合 にも G 作用する • 相互作用するよう H • 水素結合-電気陰性度と分極 C 電子を 陰イオ D ンになりやすい非金属原 子 • 3次元的に規則正し く配列したイオン結 I 晶= 7 化学結合 2-1-1. • イオン結合 塩 F 塩基 G • 陽イオン、陰イオンの • 共有結合 2-1-2. 1 A を知る。 2-1-3. • 2 3 • 配位結合 イオン、 C イオンの • 金属結合 2-1-4. 順に元素記号を並べる。 B 金属 • 水素結合-電気陰性度と分極 2-1-5. 元素 H • イオンの D は示さず、 の酸 E 右下にイオンの 化物 を添える。 8 化学結合 2-1-1. 2-1-2. • イオン結合 A 融解・水溶液 • 共有結合 強い 2-1-3. を 通さな い B 2-1-4.イオン 結合 2-1-5. が 高い • 配位結合 イオンと イオンに分離 E F • 金属結合 D い 自由に __ G • 水素結合-電気陰性度と分極 C H 性 9 2-1-1. 化学結合 2-1-2. • 共有結合 2-1-3. • 配位結合 • イオン結合 水素H 1s1 中性 • イオンに • 1個の電子を 2-1-4. 2-1-5. A • 金属結合 B 1s2:He E • 水素結合-電気陰性度と分極 F ________ Covalent bond 水素H 1s1 中性 • イオンに • 1個の電子を C D 最もエネルギーが 低くなった G で 落ち着く 10 2-1-1. 化学結合 2-1-2. • 共有結合 • イオン結合 エネルギー (bond dissociation energy) • 配位結合 432 kJ mol-1 水素原子が近づく C エネルギー 2-1-3. 核間距離 2-1-4. • 2-1-5. • • 最外殻の D が重なる 金属結合 • 電子は相手の原子の原子 核とも引合う 水素結合-電気陰性度と分極 • 系のエネルギーは E B 結合距離 (band distance:band length) H: 0.074 nm さらに水素原子が接近 • 正電荷の核同士が • 系のエネルギー G F11 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合 2-1-3. • 配位結合 F 2-1-4. I F A • 金属結合 E 8個の電子をもつ希ガスの閉殻構造:オクテット則 J の電子をもつ希ガスの : K 則(octet rule) (octet rule) 2-1-5. C B • 水素結合-電気陰性度と分極 H D C F G H 12 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合 分子の骨格を書く H2O H OA 2-1-3. H • 配位結合 原子が持つ価電子の合計を計算。 • 金属結合 2-1-4. B (2個) + 2-1-5. C (6個) = 8個 O • 水素結合-電気陰性度と分極 隣り合う原子の間に電子 残りの電子を E D 個を配置。 上に配置。 13 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合 2-1-3. • 配位結合 2-1-4. • 金属結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 結合を書く場合 イオンの場合 形式電荷を考える 共鳴構造を書く オクテットを満たさない化合物 14 1 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 2-1-3. • A 2-1-4. 2 3 • 2-1-5. • 構造を書く • 配位結合 • 金属結合 を空間に配置 B • 水素結合-電気陰性度と分極 C 同士を離す 15 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 電子対2組 1 • CO2の 電子対3組 2 • 中心原子の炭素の電子対はB 組 3 金属結合 •• 分子の形は 2-1-3. 2-1-4. 電子対4組 2-1-5. 電子対5組 電子対6組 • 配位結合 構造を書く A C • 水素結合-電気陰性度と分極 O D:板書 C O O C E:板書 O 16 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 電子対2組 1 電子対3組 2 電子対4組 3 2-1-3. 2-1-4. A • BF3の 構造を書く • 配位結合 • ホウ素は B ・フッ素 C の価電子 金属結合 D •• 分子の形は 形 2-1-5. 電子対5組 • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対6組 E:板書 F:板書 17 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 電子対2組 1 電子対3組 2 A • CH4の 構造を書く • 配位結合 • 炭素のまわりにはB 組の電子対 3 • 4つの電子対間の反発が 金属結合 2-1-3. 2-1-4. 電子対4組 2-1-5. 電子対5組 4 C D • 構造をとる。 • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対6組 E:板書 F:板書 18 2-1-1. 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR • イオン結合 電子対2組 1 電子対3組 2 2-1-3. • NH3の A 構造を書く • 配位結合 • Nのまわりには1組の 対 B 2-1-4. 3 • 非共有電子対は電子対間の 2-1-5. 4 D • 四面体構造でH-N-Hの結合角: • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対4組 電子対5組 • 金属結合 C より大きい 電子対6組 E E:板書 F:板書 19 2-1-1. 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 2-1-3. 電子対2組 電子対3組 • イオン結合 1 • H2Oの 2 • Oには A • 配位結合 B を書く の非共有電子対 2-1-4. 3 • 非共有電子対は電子対間の反発より 2-1-5. 4 D • 四面体構造でH-O-Hの結合角: ° • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対4組 • 金属結合 C 電子対5組 電子対6組 E:板書 F:板書 20 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 電子対2組 2-1-3. 電子対3組 2-1-4. 電子対4組 2-1-5. 電子対5組 1 2 3 • PCl の 5 • 配位結合 • Pのまわりには • 金属結合 • C を書く A B の電子対 (型) • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対6組 D:板書 E:板書 21 2-1-1. • イオン結合 化学結合 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 電子対2組 2-1-3. 1 電子対3組 2-1-4. 2 2-1-5. 電子対5組 3 電子対4組 SF6の ••配位結合 • Sのまわりには • 金属結合 • C を書く A B の電子対 体 • 水素結合-電気陰性度と分極 電子対6組 E:板書 D:板書 22 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 化学結合 2-1-3. • 配位結合 結合に必要な電子対同士が一方の から提供される結合 2-1-4. • 金属結合 H 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 + N H + H H N A • 三つの B _結合 • C 対 Hへ H + H N H H E D を与える F 23 2-1-2. • 共有結合*VSEPR 化学結合 2-1-3. • 配位結合 結合に必要な電子対同士が一方の原子だけから提供される結合 2-1-4. • 金属結合 H2-1-5. F H N + B A H H F • 水素結合-電気陰性度と分極 B F H N B F C:板書 F アンモ N 非共 ニア 有電子対 H F ホウ 素 24 2-1-3. • 配位結合 化学結合 2-1-4. • 金属結合 A • をよく伝える 水素結合-電気陰性度と分極 C 反射 2-1-5. • B •光沢や •金箔のように D になる。 E なぜ? •金のように線上に伸ばすことができ F る ( ) Al, Fe, Cuなど の金属元素 イオン化 エネルギー が小さい 価電子を G やすい I 多数集まる の 電子が集ま る が元 の原子から 離れる J イオンに なりやすい H K を自 由に動き回 る 2-1-3. • 配位結合 化学結合 2-1-4. • 金属結合 Al, Fe, Cuなど の金属元素 2-1-5. なぜ? •電気・熱をよく伝える •金属光沢や光反射 •金箔のように薄く膜になる。(展性) •針金のように線上に伸ばせる(延性) • 水素結合-電気陰性度と分極 自由電子が自由に動ける • ⇒金属の 自由電子: 正電荷をもつ 金属イオンを 互いに規則正 しく結び付け る。 A 度や B 性 自由電子に光があたり反射。 •⇒ C 金属イオンの位置がずれても自由電子が結ぶ •⇒ D や E 26 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 H H C H 電子分布の偏り A B (electronegativity) (polarization) = 原子によって電子を引き付ける力が異なる。 値が大きい=電子を引き付ける力が C 27 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 電気陰性度の特徴 周期表の同一周期では右行くほど A 。 •C < N < O 同じ族では、周期表の上にある元素ほど B 。 すべての金属元素の電気陰性度は炭素より D • F > Cl > Br 炭素と水素では炭素のほうがわずかに C •C > H 28 δ+ 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 H C δ- A 電子の偏り δ μ = δB x l l 極性(polar)分子 分子が対象構造 偏りがない 無極性(nonpolar)分子 極性(polar) 分子 無極性(nonpolar) 分子 29 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 正電荷に帯びた水素原子と電気陰性な原子が クーロン引力で引き合ってできる弱い結合 A O・・・H 結合角 180° 距離 0.177 nm 結合エネルギー 20 kJ mol-1 沸点が O―H > < 0.0965 nm 460 kJ mol-1 B DNAの二重らせん構造にも C が 重要な役割を示している。 30 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 15,16,17族の水素化合物の沸点を比べる 分子量の小さなNH3,H2O,HFの沸点が これらの化合物の分子間に ため B A が働いている 水素結合を振り切って分子が離れ, 気体となる状態が C 分子間に水素結合が働くと その結合を D ために余分なエネルギーが 必要 沸点は E なる。 31 2-1-4. • 金属結合 化学結合 2-1-5. • 水素結合-電気陰性度と分極 生体系において B C D E • 生体物質の構造保 持や生命の遺伝情 報をつかさどる A の二重らせん構造 にも水素結合が重 要な役割を果たして いる。 32
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