ストレージシステムの基礎

Storage System
Over View
Agenda
1.
ストレージとは?
2.
ハードディスクとは?
3.
RAIDとは?
4.
ストレージインタフェースとは?
5.
接続手法は?
6.
最新のストレジシステム
1.ストレージとは?
ストレージとは?

役目は?
コンピュータ
の5大要素
入力装置
記憶装置
制御装置
演算装置
出力装置
説明
人間に
例えると
コンピュータへの指示、データや外部からの情報を入力する装置。例えば、マウス、キーボード、スキャ
目、耳
ナ、デジタルカメラなどがある。
必要なデータ、命令などを記憶しておく装置で、主記憶装置(内部記憶装置)と補助記憶装置(外部記憶
装置)がある。
主記憶装置は、制御装置や演算装置から成るCPU(中央処理装置)から直接読み書きできる。記憶容量
が小さく、電源を切ると内容が失われてしまうが、高速に読み書きできる。この特性を生かし、プログラム
脳
を起動したり、計算をしたりなどの仕事をするときに利用される。
補助記憶装置は、読み書きが遅いが、記憶容量が大きいので文章や絵など作ったデータを長期間記憶
させておける。補助記憶装置には例えば、光ディスク、磁気テープ、磁気ディスク、メモリカードなどがあ
る。このように、両者はそれぞれの長所を生かして働く。
入力装置、記憶装置、演算装置、出力装置の制御をする装置。
神経
コンピュータ内部で仕事(正確にいえばデータの演算(計算)や加工等)を行う装置。
脳
コンピュータ内部で仕事をした結果を出力する装置。例えば、ディスプレイ、プリンタなどがある。
口、手
ストレージとは?
ストレージは、データやプログラムを記憶する装置
使われるメディアは、データ容量・使い方により様々なメディアが選択され
る
企業内データといった大容量帯では、当分HDDが主役
主なデータは、HDD上で取り扱われる<大容量・低価格>
長期保存は、磁気テープが使用される<超大容量・超低価格>
ストレージとは?
ストレージを構成する4大要素
データを記憶するメディア

ハードディスク
データアクセスの向上、データ保護の向上の手段

RAID
データをやりとりするためのインターフェース




SAS
SATA
Fibre Channel
iSCSI
サーバーとの接続手法は?




DAS
FC-SAN
NAS
iSCSI
2.ハードディスクとは?
ハードディスクとは?
ストレージのメディアの種類
容量、信頼性、転送性能、スループット、ビットコスト等総合的に優れた
HDDがストレージの主役(現のメインテクノロジー)。複製容易性、ランダム
アクセス性等で光ディスク、半導体メモリもHDDと共存。
テー
HD
光ディス
メモリ
容量
◎
◎
△
×
ビットコスト
◎
○
△
×
書き換え寿命・信頼性
△
◎
△
△
複製容易性
△
○
◎
○
転送性能
○
◎
△
×
ランダムアクセスス
×
○
△
◎
可搬性(媒体交換)
◎
△
◎
○
ハードディスクとは?
ハードディスクとは
ハードディスク(Hard Disk)ドライブとは、データを保存するための装置です。
HDDもしくはHDドライブと略することもあります。
ハードディスクの中には
プラッタと呼ばれる金属
製の円盤が内蔵され
ており、磁気を帯びた
ヘッドを近づけてデータ
を読み書きします。
パソコンの場合、ハード
ディスクに保存された
データをメモリに展開
して作業を行い、
ふたたびハードディスク
にデータを保存する、
という流れになります。
ハードディスクとは?
ハードディスクの歴史
世界で初めてのハードディスク(HDD)は、
1955年に米IBM社によって開発された
RAMAC(Random Access Method of
Accounting and Control)だといわれています。
RAMAC
IBM社は、1971年には金属ケースに内部に
プラッタ、プラッタを回転させるスピンドルモーター、
ヘッド、ヘッドを動かすサーボモーター、これら
を制御するエレキ基板などの一式を組み込んだ
IBM 3340ハードディスク装置、コードネーム:
ウィンチェスター(winchester)を開発しました。 IBM3340
これは、現在のハードディスク(HDD)の原型となったと言われていて、磁性体
を塗布したアルミニウムやガラスのディスク(プラッタと呼ぶ)に磁気ヘッド
を使ってデータを読み書きする形を確立したものといえるでしょう。
ハードディスクとは?
ハードディスクの仕組み
外部記憶装置の代表的存在であるハードディスクは磁性体を塗布または蒸着し
た金属のディスク(「プラッタ」という)を一定の間隔で何枚も重ね合わせた構
造になっており、これをモーターで高速に回転させて磁気ヘッドを近づけて
データを読み書きする。
磁気ヘッドとディスクは10nm程度と非常に接近するため、振動に非常に弱い
構造となっている。ディスクの大きさは、ノートパソコン向けのものは2.5イ
ンチが、デスクトップパソコン向けのものは3.5インチがそれぞれ主流である。
低浮上技術のイメージ
位置決め技術のイメージ
ハードディスクとは?
ハードディスクの仕組み
1)ハードディスクの仕組み
ハードディスクは円盤、アクチュエーター、アーム、磁気ヘッド、制御回路から構成
されています。 アルミニウムやガラス板などに磁性体を塗布した円盤上でアクチュ
エーターを使って磁気ヘッドを移動します。磁気ヘッドで瞬間的に指定した位置の磁
性体を磁化 させてデータを記録していきます。
ハードディスクとは?
ハードディスクの仕組み
2)プラッタとヘッド
1枚のディスクを「プラッタ」と呼び、その表面を「ヘッド」と呼び、複数の「プ
ラッタ」は順番に番号が 振られています。 ハードディスクは円盤のどこに記録した
か分かるように円盤と円盤上 を区分けして記録した場所を特定できるようになって
います。
ハードディスクとは?
ハードディスクの仕組み
3)ハードディスク(HDD)のセクターとクラスターについて
磁気ヘッドはプラッターのヘッド面とは接触していません。プラッターが超高速で回
転しているため、ヘッド面に薄い空気の膜ができて浮いているのです。
「トラック」 はヘッド面
にある同心円状の円周
のことです。
トラックを分割したの
がセクター、 さらに
セクターを分割した
部分がクラスターです。
クラスターはOSや
ハードディスクの 容量
によってサイズが異な
ります。
ハードディスクとは?
ハードディスクの仕組み
4)ハードディスク(HDD)の部品
ハードディスクのプラッタは毎分5000~15000回転しています。さらに磁気ヘッドと
プラッタの間隔はタバコの煙粒子より狭いのです。 それを正確にトラックに合わせ頻
繁に移動しつつ書き込んだりしなければ
なりません。
プラッタの中心の軸は
ボールベアリングや
流体軸受けで支えられ
ています。
精密機器のためハード
ディスクの初期不良率
も高く1年以内の故障
率も高いのです。
ハードディスクとは?

HDDでのデータアクセス時間
参考:写真でみるハードディスクの進化と歴
史
昨年9月で、世界初のHDDの誕生から50年を迎えて、5Mバイトから
スタートしたHDD容量は50年間で飛躍的に拡大。情報社会に欠かせ
ないキーデバイスになった。
参考:ハードディスクの進化と歴史
初期のハードディスク
何処にあるかというと、あの運んでいる
ものが、なんとハードディスクなんという
かキッチン運んでいるみたいだ・・・。
詳細のアップが
これ。
米IBMによる最初のHDD
「RAMAC」 1956年9月13日発売
ているのは紛れもなく
24インチ(約61センチ)のディスクx50枚
重さは、1トンにもなり、価格4万$
とこれで5メガ。
確かに円形をし
HDDだがなん
参考:ハードディスクの進化と歴史
ますますキッチンなハードディスク
オフコンこという言葉にふさわしいこのHDDはなんと64メガ。
64メガといえば、今の
ミニSDより小さいです
が当時こんなでかい
とは・・・。
参考:ハードディスクの進化と歴史
現在に近づいたハードディスク
やっと現在のHDDに近づきましたが周り
のプロテクターがなんかゼルダのとある
神殿にありそうなぐらいガッチリしている。
パソコンにはまだ内蔵できないな。
しかしこれで40Mとは、結構縮まりました。
ようやく製品と呼べそ
うな一般的に普及
したHDD。たったの
10Mであるも値段
1985年12月発売
はなんと
24万8千円
参考:ハードディスクの進化と歴史
100メガを超えたハードディスク
Windows3.0対応、100MBをようやく超えたHDD.
今のルータみたいだな・・・。
315メガを超
■
えたハードディスク
やはり当時でも
300メガクラスの
ものはありまし
たが値段はとても
手が出るもので
はない。
参考:ハードディスクの進化と歴史
現在のハードディスク
御存知今のHDDはギガクラス。
サイズも実にコンパクトになり
PCに内蔵はおろか、携帯電話
などにも最近はHDDが搭載。
こんな小さなHDDでもなんと
10GB(2007年発売)
にコンパクトに
したか。
もある。
オフコン時代のあの筐体がこんな
そして大容量になるとは誰が想像
参考:ハードディスクの進化と歴史
時代はテラバイトへ
1000Mバイト
1000Gバイト
=
=
1Gバイト
1テラバイト
テラクラスのHDDがようやく
市販されるようになりました。
これからこれが当たり前にな
り、そのうちテラバイトを超え
てぺタバイトまで10年以内に
いくでしょう。
ハードディスクの名前の由来
が全くわからなかったが歴史
を紐解くとなんとなくハード
ディスクの由来がわかった気も
しないでもない。
日立GST、1テラバイトHDD発表
業界初1TバイトHDDは第1四半期
に推奨小売価格は399ドルで登場する。
2007年01月05日 発表
3.RAIDとは?
RAIDとは?
RAIDの特徴
RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)を用いれば、ディスクに格納す
るデータに冗長性を持たせ、単一ディスクの障害によるシステムダウンや
データの損失を回避すると同時に、ディスクI/Oのスループットを改善するこ
とができます。
ディスクをどのように組み合わせて使うかの基本形については6種類のRAIDレ
ベルが考察されており、それぞれRAID 0~RAID 5で表す。このうち、よく使
われるのはRAID 0、1、5です。以下、各RAIDレベルの動作原理と得意な用途
について考察してみよう。

複数のハードディスクを組み合わせる
– アクセス速度の向上
– 耐障害性の向上

RAIDのレベル
– RAID 0 :単純な並列書き込み
– RAID 1 :ミラーリング
– RAID 2 :ECC(Parity情報)を別のディスクに書く
– RAID 3/4 :ECCを専用のディスクに書く
– RAID 5 :ブロック単位でECCを生成書き込む
RAIDとは?
RAID 0: 耐故障性の無いディスクアレイ
仕組みについて
(ストライピング)
RAID 0は複数台のハードディスクに、データを分散して読み書きし
高速化したものである。 冗長性がなく耐故障性もないため、RAIDに
は含まれないとされ、RAID 0と呼ばれる。 RAID 0には最低2ドライブ
が必要である。1台のドライブが故障しただけでアレイ内の全データ
が失われてしまうため、信頼性は単体ドライブと比べて劣る。例えば、
ある条件で一定期間使用した場合におけるドライブの故障率が1%
だったとした場合、1台ならば故障率は1%だが、2台でRAID 0を構成
した場合は約2%(1-0.99*0.99=0.0199)となり故障率は約2倍に上昇
する。
長所
構成ドライブの全ての容量が利用可能。
パリティ計算によるオーバーヘッドは生じない。
構成ドライブ数に応じてリニアなI/O性能向上が期待できる。
短所
冗長性が全くない為、ミッションクリティカルな環境での使用に適さない。
リニアなI/O性能向上を吸収できるだけの帯域を持ったバスアーキテクチャが必要と
なる。
RAIDとは?
RAID 1: 二重化 (ミラーリング)
仕組みについて
RAID 1は複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む。
RAID 1は最もシンプルなRAIDであり、信頼性の高いRAIDである。
また、RAIDの最大の弱点であるコントローラの故障にも対応しや
すい。 RAID 1には最低2ドライブが必要である。一台が故障した際
に、もう一方も同時に故障する可能性は低く、システムは稼動し
続けることが出来る。ただ、複数台に同じデータを持っているので、
扱えるデータ容量としてはアレイを構成するハードディスク容量の
半分以下となる。RAID 1ではハードディスク台数が増えれば増える
ほどハードディスクの利用効率が悪くなる。
長所
復旧が速い。
障害発生時に単体ディスクより性能が低下しない。
RAIDハードウェア/ソフトウェアなしでも使用できる。
RAID
1を応用してハードディスクの複製ができる。
短所
構成ディスク容量に対するデータ記録可能量が常に構成ディスク台数の逆数倍であるため効率が
悪い。
RAID 1の容量は、構成するドライブの中でもっとも小さな容量に決定され、余った部分は利用で
きない。
RAIDとは?
RAID
3: ビット/バイト単位での専用パリティドライブ仕組みについて
RAID 3はRAID 2の誤り訂正符号を排他的論理和
によるパリティに変更し、演算コストを低減したもの
である。最低3台のハードディスクを扱い、1台を誤り
訂正符号に割り当て、残りの複数台にデータを記録
する。RAID 3はRAID 5に採って代わられた。
RAID 3に対応した機器をこれから手に入れることは
不可能と考えてよい。ビデオ編集機器においては、
アクセスの殆どがシーケンシャルアクセスであること
から、現在でもRAID 3が用いられている場合があるが、
パソコンやサーバでRAID 3を用いる理由はもうない。
長所
パリティを訂正符号として用いているためRAID
2に比較して計算コストが低い。
構成ドライブ数-1個の容量が確保できるため、ディスク容量の無駄を最小限に押さえ
られる。
短所
ビット/バイト単位でアクセスを行うためI/Oの効率が悪い。
パリティドライブが書き込み処理時のボトルネックとなる。
RAIDとは?
RAID
4: ブロック単位での専用パリティドライブ
RAID 4はRAID 3のI/O単位をブロック
に拡大し、I/O効率の改善を計ったもの
である。
性能面でRAID 5に劣るRAID 4は廃れ
つつある。
長所

アクセス単位がブロックになっているため、RAID 3より高速なI/Oが望める。

パリティドライブは書き込み処理時のボトルネックになり得る。(これに対す
る解がRAID5)
短所
RAIDとは?

RAID 5:ブロック単位でのパリティ分散記録
RAID 5は複数のハードディスクに誤り訂正
符号データと共に分散させて記録すること
で、RAID 3、RAID 4のボトルネックを回避
している。現在、RAID 5は各種RAIDの
「主役」といえる。RAID 5で速度面の不満が
あるなら、使っている台数と同数のハード
ディスクを追加してRAID 0と組みあわせる
か、サーバを増設し負荷を分散させると
よい。ただし、すでに冗長化されている
ためRAID 1との組み合わせには向かない。

長所


アクセス単位がブロックになっているため、RAID 3より高速なI/Oが望める。
短所

パリティドライブは書き込み処理時のボトルネックになり得る。(これに対す
る解がRAID5)
RAIDとは?

RAID 6:ブロック単位・複数パリティ分散記録
RAID 6はパリティを2つ記録する。
パリティデータを2重に作成することで、
2重障害に対応でき、同時に2台の
ドライブが故障しても復元できる。
よって、RAID 5より耐故障性は高い。
RAID 6は最低4台のハードディスクが
必要である。

長所


RAID 5と比べてさらに高い信頼性がある。
短所



初期投資が大きい。(ただし、長期的な運用コストはRAID 5と大差ない)
二重にパリティを生成するため、RAID 5よりも書き込み速度が低下する。
コントローラーの故障に対応できない。(RAID 1+0はできる)
4.ストレージインタフェースと
は?
ストレージインタフェースとは?
ストレージインタフェースの歴史
1986年 1989年
1994年
2000年
IDE (ATA)
2007年
2003年
SATA
SCSI
SAS
FC
青色のインターフェースはパラレル方式
緑色のインターフェースはシリアル方式
ストレージインタフェースとは?
パラレル方式からシリアル方式へ移行について
なぜパラレル方式からシリアル方式へ、インターフェースは移行するようになったのだ
ろうか。まず、パラレル方式がかつて広く採用された理由を挙げてみると、次のように
なる。

当時のパラレル採用の理由
一度に送るデータ量を増やすことで高速伝送を実現できた。
PC内部のデータがパラレル処理なので、インターフェースの設計が容易だった。
複数の機器でインターフェースを共有しやすかった。
ストレージインタフェースとは?
パラレルの問題
そのパラレルインターフェースにも次第に限界が見え始めてきた。それはシリコン
デバイス(半導体チップ)の進化により電気信号の高速伝送が可能になり、パラレ
ル転送時の各ビットの到達速度のばらつきが目立つようになってきたのである。そ
して、このばらつきを吸収するために伝送速度を制限しなければならなくなり、パ
ラレル方式というアーキテクチャ自体が大きな課題を抱えていることがクローズ
アップされてきたのである。
パラレル転送の各ビットの到達速度のばらつき
ストレージインタフェースとは?
シリアルインターフェースの採用
一方、シリアルインターフェースは、次に挙げる理由で再び採用され始めた。

現在、シリアルの採用の理由
シリコンデバイスの進化により電気信号の高速伝送が可能になった。
配線がシンプルかつ容易
ピア・ツー・ピア接続なので、障害発生時の他への影響を軽減できる。
イーサネットでも使われている多重化技術で更なる高速化が可能。
イーサネットでも使われているスイッチ技術で接続の拡張性、柔軟性が向上する。
多重化技術
スイッチ技術
ストレージインタフェースとは?
ストレージを支える「SATA」と「SAS」とは?
ストレージインターフェースについても、シリアルが採用され始めた。
シリアルATA(SATA)
2003年になると、ANSIでもシリアル方式のシリアルATA(SATA:サタ)の標準化
が開始された。SATAの最初の規格は1.5Gbpsで、2004年には3Gbpsになった。そ
して2007年には6Gbpsになる予定だ。ソフトウェア的には従来のATAの上位互換に
なっていて、コマンドがシンプルで開発が容易であるという特長を持っていること
から、PCなどの容量単価の安いハードディスクで多く採用され始めている。
インター
フェース
ATA/IDE
SATA
テクノロジ
パラレル
シリアル
転送速度
現在
予定
ケーブル
・ワイドリボン
・ 40ピン
133MB/秒 現時点で最大
・長さ18インチ
(約0.457m)
・ 細いラウンドリボン
3Gbps
6Gbps
・4ピン
・長さ1m
パラレルATAとシリアルATAの比較
接続
・チャネルあたり2ドライブ
・マスター/スレーブ関係
・ ドライブ間で同じ帯域幅を共有
・チャネルあたり1ドライブ
・point-to-point接続
・ドライブあたりフル帯域幅
ストレージインタフェースとは?
Serial Attached
SCSI(SAS)
シリアル方式のSCSIも2003年に規格化されたのがSerial Attached SCSI(SAS)で
ある。SASはSCSIで確立されたソフトウェアとハードディスクドライブの信頼性
はそのままで、コスト効率の高いシリアルATAの物理層とコネクタを採用した規格
になっている。SASはSASとSATAの両方をサポートした仕様になっていることか
ら、SASドライブとSATAドライブを混在して使用できる。現時点では最大3Gbps
までの転送速度をサポートしているが、SASロードマップでは、2007年に6Gbps、
2010年に12Gbpsのデータ転送速度が計画されている。ただし、SASでは3Gbpsの
ポートをマルチリンク(複数のポートを束ねて仮想的に1本の広帯域なポートとし
て使うことで、最大×4ポート)に対応しているので、当分6Gbpsに移行する必要は
ないといわれている。現在、エンタープライズ向けサーバ/ストレージ機器での採
用が進んでいる。
SASのケーブル
項目
データ転送速度(将来)
接続機器の台数
SAS
3Gbps(12Gbps)
16000台/ドメイン
パラレルSCSI
3Gbps
15台/バス
SATA
3Gbps(6Gbps)
1台
コネクタ
ケーブリング
7ピン
8m
68ピン
12m
7ピン
1m
SAS、パラレルSCSI、SATAの比較
ストレージインタフェースとは?
SASとSATAの使い分け
SATAはデスクトップPC用に作られたものであり、シンプルな構成で、最適な価
格・容量を必要としているストレージ環境に適している。一方、SASはメインスト
リームサーバ、エンタープライズストレージ用に作られていて、最高のパフォーマ
ンス、拡張性、信頼性を必要としている環境に適している。
SAS、SATAの比較
主な決定要因
フ
ド
ォ
ラ
ー
イ
マ
バ
ン
ー
ス
・
要
パ
因
高いパフォーマンス能力
フルデュープレックス、高い帯域幅、ポートアグリゲーション、広範囲なコマンドキューイング、豊富なコマンドセット
SAS SATA
○
低いギガバイトあたりのコスト
○
低い予算で購入可能
データ転送時の高いパフォーマンス
高周波。データベース、オンラインでの買い物、銀行振込、CRMなどの即時のランダムアクセスのデータタイプ
○
レファレンスやシーケンシャルタイプのデータにとっての高いコスト効率
○
低アクセス頻度・ストリーミングや、ファイル共有や、電子メール、ウェブ、バックアップ、アーカイブデータなどのシーケンシャルデータなどに最適
拡
張
性
・
信
頼
性
要
因
高い拡張性
8mという長いケーブルを備えた独創的なストレージ用の高いフィジカル デバイスアドレシング範囲と接続
高い信頼性と有用性
広範囲なエラーを回復させる技術;マルチイニシエータ(同時アクセス) +デュアルアクティブポートサポート
○
○
シンプルなコンフィギュレーション セットアップ
○
ユビキタス ドライバ - ベンダのドライバを必要としない。マザーボードチップセットに組み込まれている。
高いデバイスフレキシビリティ
SASとSATAの両方をサポート
○
ストレージインタフェースとは?
Fibre
Channelとは?
これはチャネル方式のメリット(広帯域と確実性)にネットワーク方式のメ
リット(接続の自由度が高く遠距離通信にも適している)を加味したコン
ピュータと周辺機器間のためのデータ転送方式のひとつで、ファイバチャネル
の標準化が始まったのは 1996年ごろから。接続には光ファイバまたは同軸ケー
ブルを使用し、長距離区間の高速データ転送を実現する。
データ転送速度
1Gbps、2Gbps、4Gbps、8Gbps(検討中)
最大ケーブル長(光ファイバの場合) 10km
最大ノード数 126台(FC-AL型)、1678万台(FC-SW型)
データ伝送単位 シリアル
接続形式 コネクション型およびコネクションレス型
ビットエラーレート 10-12以下
ストレージインタフェースとは?
Fibre
Channelとは?
ファイバチャネルの基本構成
ファイバチャネルのトポロジ(接続方式)には
サーバーとストレージを1対1でつなぐPoint to
Point型、ハブを使って126ノードまでループ状
に接続できるFC-AL(Arbitrated Loop)型、
ファイバチャネル(ファブリック)スイッチを介して
1678万ノード(24ビット空間)まで接続できる
ファブリック型(FC-SW(Switched))がある。
カスケード型とメッシュ型
カスケード型では、一連のスイッチが1つまた
は複数のISL(Inter-Switch Link:スイッチ間
リンク)によって、ツリー状の配列で相互接続
されている。メッシュ型ファブリックは、
すべてのスイッチがファブリック内の任意
のスイッチと他のスイッチの間に少なくとも
2つのパスまたは経路があるように相互
接続されている。
ストレージインタフェースとは?
iSCSIとは?
イーサネット上にSCSI-3のパケットを流すことでネットワーク上でSCSI機器
を使用可能にする技術で、記憶装置とコンピュータの通信に使うSCSIコマン
ドを、IPネットワーク経由で送受信するためのプロトコルです。これを使うと、
社内LANなどのTCP/IPネットワーク上に大容量ハードディスクなどの記憶装置
を直に接続して、複数のコンピュータから共用することができるようになる。
SCSI規格は信号線などの物理的な仕様とデバイス間の通信を行なうための仕
様を組み合わせたものだが、このコマンド(とコマンドに従って送受信される
データ)をIPパケットとして送受信することによって、遠隔地にあるSCSIデバ
イスを直接操作することが可能になる。
SCSIコマンドやレスポンスをTCP
パケットにカプセル化することによ
り、従来のSCSIによるトランスポー
トをIPネットワークに置き換える。
RFC3720 で2004年4月に規格化。
(TCP Port番号は 3260)
ストレージインタフェースとは?
iSCSIとは?
OSによるサポート状況
OS名
AIX
Windows
NetWare
HP-UX
Solaris
Linuxカーネル
リリー ス時期
2002年10月
2003年6月
2003年8月
2003年10月
2005年2月
バー ジョ ン
AIX 5.2
2000, XP Pro, 2003
NetWare 6.5
HP 11i v1, HP 11i v2
Solaris 10
2005年6月 2.6.12
iSCSIホストバスアダプタのサポート状況
iSCSIホストバスアダプタ(HBA)はアダプタ自身にiSCSIプロトコルを実装したもの
である。オペレーティングシステムからは SCSI HBA と見えるように振舞う。iSCSI
HBA にはTOENICを持っているものもあり、さらに iSCSI としての処理もオフロー
ドするものもある。ブート可能なiSCSIターゲットを設定するため、NVRAM を使っ
て OSのドライバシステムに対して SCSI HBA であるかのうように見せかける。
以下のベンダーが iSCSI HBA を開発している。
アダプテック(生産終了)、インテル、Alacritech、Qlogic
参考)インタフェースとは?
インタフェースの技術的な推移
5.接続手法は?
接続手法は?
DAS(Direct Attached
Storage)
サーバにストレージ・デバイスを1対1接続する従来の方法である。ストレージの管理
や拡張性などに問題がある。
FC-SAN)
SCSIプロトコルをカプセル化し、 トランスポートとして、ファイバ・チャネルを使用す
ることによりストレージ・ネットワークを構成しブロック・データの送受信を行う。
データ伝送効率やSCSIとの親和性などのメリットがあるが、コスト面やスキルド・エン
ジニアの不足などの問題点がある。
NAS(Network
Attached Storage)
IPネットワークを介してストレージへファイル・レベルでのアクセスを行う。ストレー
ジ・デバイス側にファイル・システムを持つことから、マルチ・プラットフォーム間で
のファイルの共有などのメリットがあるが、パフォーマンスやコスト面での問題点があ
る。
IP-SAN
SCSIの命令体系をIPにマッピングした「iSCSI」(Internet SCSI)やファイバチャネル
をベースにIPネットワークを利用する「FCIP」(Fiber Channel over IP)または
「iFCP」(Internet Fiber Channel Protocol)で接続する「IP-SAN」がある。SCSIのコ
マンドやデータをTCP/IPパケットの伝送フレームの中に包み込み、SCSIコマンド体系を
外から見えなくすることにより、ストレージ製品のIPネットワークへの直接接続を可能
にする。ストレージ製品がネットワークに直結できることにより、ネットワーク網を構
築するハブ、ルータ、スイッチ類は従来のものが利用できるようになることでコスト面
接続手法は?
FC-SAN、IP-SAN、NASの仕組みの違い
接続手法は?
ストレージ系IPプロトコルの特長
6.最新のストレジシステム
最新のストレジシステム

ディスク・ストレージ製品
Heterogeneous
Solaris
AIX
Platform
IBM zOS
Linux,
HP-UX
Windows, IRIX
VM Ware NetWare
Multiple
Mid-Range
AIX
Platform
Solaris
~112TB
HP-UX
Linux,
Windows, IRIX
VM Ware NetWare
容量
性能
拡張性
High-End
ST9990
ST9985
Low-End
Simple Platform
Solaris Linux
Windows
ST6920
ST6140
ST3000シリーズ
Snapshot
ST6540
Mirroring
Online Expansion ILM
Redundant
~332TB(~32PB)
Snapshot
Storage Consolidation
Multi vender Migration
Virtual
Mirroring Remote copy
Online Expansion ILM
Redundant Snapshot
機能性、信頼性、BC/DR
最新のストレジシステム
ハードウェアについて
ミッドレンジ&ローエンドの構成
基本構造はモジュール構成で、故障時に他のコンポーネントに影響を与えず、故障し
たコンポーネントをホットスワップでの交換ができる。
また、コンポーネントはすべて冗長化し、片系の故障時もユーザへは影響を与えない。
Server へ
FC Port
Server へ
FC Port
FC Port
FC Port
コントローラー
サポートモジュール
ファン ファン ファン
Mirrored Cache
SP-A
BE Port
CMI
電源 x2
電源
BE Port
SPS(Battery)
電源
ファン
LCC
電源
ファン
LCC
Vault Disks
背面
背面
Mirrored Cache
SPBE PortB BE Port
SPE
電源、ファ
ン
電源部モジュ
ール
SPS(Battery)
DPE2
電源
…
ファン
LCC
DPE2
電源
…
コントローラー
ファン
LCC
コントローラー
モジュール
背
面
最新のストレジシステム
ハードウェアについて
ハイエンドの構成
基本構造はモジュール構成で、故障時に他のコンポーネントに影響を与えず、故障し
たコンポーネントをホットスワップでの交換ができる。
また、コンポーネントはすべて多重化し、1箇所の故障時もパフォーマンスの影響はな
い。
基本筐体に
コントローラ部と
最大128台のHDD
を搭載可能
CU 8
CU 0
CU 1
CU 9
XBAR
XBAR
MEM 1
CU 2
CU 10
CU 3
MEM 2
CU 11
CU 4
MEM 3
CU 12
128HD
D
128HD
D
コントローラ
部
128HD
D
電源バッテリ
CU 5
MEM 4
XBAR
最大容量
- 332TB
- キャッシュ128GB
CU 13
XBAR
CU 6
CU 14
CU 7
CU 15
最大
1152HDD
コネクティビティ
- 最大192FCポート
- FC, FIBARC/FICON,
ACONARC/ESCON
/OC-LINK, NAS
最新のストレジシステム
ソフトウェア
バックアップ
災害復旧
同期
非同期
仮想化
Storage
Base
最新のストレジシステム

バックアップ(Storage筺体内)
Unix/NTサーバ
Unix/NTサーバ
RAID Manager
オンライン業務
RAID Manager
レプリカ作成(max.9個)
オンライン業務
一時停止 オンライン一時停止後
VOL分割
Primary
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Secondary
Vol
Vol
ShadowImage
筺体内データ複製&スナップショットの機能
●ホスト非経由で同一サブシステム内にVOLコピーを作成。
●上位ハード/ソフト環境を殆ど変更せず実現可能。
●1つのVOLに対し同時に複数のレプリカを作成可能。
最小限のオンライン停止でオンライン業務,
バックアップ業務の並列実行が可能
Secondary
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Vol
Primary
Vol
オンライン業務
再開
バッチ/バックアップ
バッチ業務開始
Primary
Vol
Secondary
Vol
Secondary
Secondary
Vol
Vol
最新のストレジシステム
災害復旧(非同期)
UNIX/NTサーバ
UNIX/NTサーバ
HAソフト
アプリケーション
ホスト非経由でサブシステム間のリモート2重書きを実現
– リモートサイトへの非同期データ転送方式
– メインサイトのレスポンスタイムの向上
– 長距離リモートコピーのサポート
– リモートサイトの更新順序性保証により,データの論理的一貫性
を保持可能==>リモートサイトでのDBのリカバリが可能
DBMS
①更新 1
②完了
災害時
フェールオーバ
2
3
4
アプリケーション
正Volの更新処理とは非同期に
副VOL更新デにータを反映
更新データ
+
タイムスタンプ
Primary
Primary Primary
Vol
Vol
Vol Primary
Vol
HAソフト
メインセンタ
CH
エクステンダ
4 2
3
1
DBMS
CH
エクステンダ
通信回線(ATM、ダークファイバ、IP)
送信データにOSタイムスタンプ情報を
付加することで,更新データを時系列に
ソートし,更新の順序性を保証
sort
12
3 4
Secondary
Secondary
Vol
Secondary
Secondary Vol
Vol
Vol
リモ-トセンタ
最新のストレジシステム
災害復旧(同期)
UNIX/NTサーバ
UNIX/NTサーバ
HAソフト
HAソフト
アプリケーション
災害時切替
アプリケーション
DBMS
DBMS
ATM、ダークファイバ、IP
更
新
エクステンダ
Primary
Primary Vol Primary
Vol PrimaryVol
Vol
副VOL
同期更新
エクステンダ
同 期 コ ピ ー
Secondary
Vol
Secondary
Secondary
Vol Secondary Vol
Vol
リモートサイト
メインサイト
ホスト非経由でサブシステム間のリモート2重書きを実現
ローカルサイトとメインサイトで常時データの一貫性を維持可能
– オンラインレスポンスが距離に依存
==>近距離間でのリモートコピーに適用
最新のストレジシステム

仮想化(Storage Base)
ディスクアレイコントローラ上で 高性能/高信頼な仮想化技術を実現
Windows
メインフレーム
UNIX
Linux
シングルストレージ
イメージ
ストレージ管理の統合
共通ストレージプール
Storage
SANRISE USP
各種ストレージサービス
~165/332TB
(アーカイブ,マイグレーション…)
- ハードウェア, ソフトウェア リソースの統合
- 共通のストレージプール
- シングル・ストレージイメージによるストレージ全体管理
投資保護 / 資産価値の向上
- 既存のストレージ装置をそのまま継続使用可能
- 既存のストレージ装置で、データ複製の機能を利用
可能
コピー/
アーカイブ/
マイグレーション
データライフサイクル管理
旧機種
ミッドレンジ
ニアライン
(ローコスト)
コピー/アーカイブ/マイグレーション
他ベンダ
データの価値に応じて適切なストレージ装置に
データを再配置(データアーカイブ/バックアップ/
レプリケーション)
ストレージ総保有コストの大幅削減
お疲れ様でした
END