移動時間に着目した通勤手段選択モデル I班 東京大学 伊藤・柿元・瀧口・戸叶・福士 着眼点 通勤地獄 最も大きい交通需要の一つである通勤行動には、非常に問 題が多い。 人は、出勤時刻や交通手段をどのように決めているの か。 これを知ることで、時差出勤などの施策によってどのように人 の選択行動が変化するのかを観察する。 また、そのことによるCO2排出量の変化などを考察したい。 基礎分析 「平日」の「出勤」目的のトリップを抽出して分析 • 到着時間帯と交通手段分担 自動車は全体的に分布し7時台以前で高い分担率 鉄道は到着時間8時台に集中 到 着 時 刻 0% 7時以前 7時台 8時台 9時台 10時以降 20% 交通手段別分担率 40% 60% 80% 100% • 交通手段別到着時刻分散 到 着 時 刻 分 散 12:46:00 AM 12:44:00 AM 12:42:00 AM 12:40:00 AM 12:38:00 AM 12:36:00 AM 12:34:00 AM 12:32:00 AM 12:30:00 AM 12:28:00 AM 12:26:00 AM 12:24:00 AM 12:22:00 AM 12:20:00 AM 12:18:00 AM 12:16:00 AM 12:14:00 AM 12:12:00 AM 12:10:00 AM 12:08:00 AM 12:06:00 AM 12:04:00 AM 12:02:00 AM 12:00:00 AM 6:00:00 AM7:00:00 AM8:00:00 AM9:00:00 AM10:00:00 AM 11:00:00 AM 12:00:00 PM 到着時刻 バス 自転車 自動車 鉄道 徒歩 自動車利用者は8時台を避けている 通勤ピーク時では,混雑により到着時間の不確実性が大きい. 鉄道よりも自動車の方が時間的な不確実性が高いため,利用 者がそれを避ける傾向があるのではないか. 到着時間帯別・交通手段別 所要時間の個人内の分散(平均値) 鉄道 7時台 8時台 9時台 0:00:01 0:00:03 0:00:36 9時台に到着する人は,勤務地 が複数あるために分散が高く なっている. 自動車 7時台 8時台 9時台 0:00:04 0:00:03 0:00:04 分散が高い程選ばれないという 仮説の検証は難しい. 所要時間の個人内の平均(平均値) 分散ではなく、所要時間が伸びてしまうために8時に自動車を選択 しないのではないか。 混雑比(平均所要時間比) 混雑比:個人内・交通手段ごと(自動車,鉄道)の到着時刻別の平均所要時間比 平 均 所 要 時 間 比 1.8 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 yd008の通勤,自動車での所要時間 自動車 トリップID 鉄道 6 7 8 到着時刻(時) 9 10 256376 257674 256542 256622 255361 256270 257320 257960 256473 255910 255287 257766 256010 256887 255840 257004 257102 257868 到着日付 トリップ時間 2834 7:02 3304 7:09 3426 7:53 3790 7:50 5692 7:50 4129 8:20 4177 8:13 4285 8:25 4353 8:38 4404 8:26 4421 8:14 4525 8:16 4539 8:28 4867 8:33 4987 8:36 4993 8:35 5204 8:43 5822 8:37 同一人物,同一目的のトリップでも到着時刻によって所要時間が変わる →自動車は8時台が所要時間が大きく,道路混雑の影響を表してると考えられる. デッドライン 多くの通勤者が8時台に集中している 通勤者は,ある特定の時間までに到着しなければならない. 一方で早く到着しすぎても効用は低下すると考えられる. デッドライン 到着時刻とコストの関係 465 7:45 コ ス ト 470 7:50 475 7:55 480 8:00 8:05485 Yd003,通勤,自動車の到着時刻 ←早く到着 0 到着時刻 →遅く到着 コストが0となる到着時刻の設定 →利用履歴から,個人・平日の通勤 時間が一番遅いものをデッドライン とし,何分早く着いたか,を考える. モデル 交通手段選択モデル 平日通勤者 Pn (i ) ni exp( Vni ) 5 j 1 nj exp( Vnj ) i j {1,2,3,4,5} 徒歩 自転車 自動車 電車 U train V d (所要時間) g1(9時以前ダミー )(デッドラインからの差 1 1 1 U bus V d (所要時間) g1(9時以前ダミー )(デッドラインからの差 2 2 1 U car V d (所要時間) g1(9時以前ダミー )(デッドラインからの差 ) b1 1 U bicycle V d (所要時間) g1(9時以前ダミー )(デッドラインからの差 4 4 1 U walk V5 5 d1 (所要時間) 5 ) b4 4 3 3 1 バス ) b2 2 ) h1(混雑係数) b3 3 推定結果と方針 • パラメータ 定数項(鉄道) 定数項(バス) 定数項(自動車) 定数項(自転車) 所要時間 デッドライン差[100分] 混雑係数(自動車) サンプル数 初期尤度 最終尤度 決定係数 修正済み決定係数 4.21 1.56 9.68 0.26 - 0.18 - 0.61 - 10.63 t値 1.87 0.70 1.97 0.12 -4.74 -1.04 -2.25 100 -141.47 -45.99 0.675 0.625 • 政策の評価はピーク時交通量 「デッドライン差」は負の値をと り、所与の始業時刻に近いほ ど(ギリギリに到着するほど)効 用が高くなるといえる 自動車では、混雑係数が低い ほど効用が高くなることがいえ る 展望 到着時間帯と交通手段の NLモデル 右のようなNLモデルを考え、 例えばフレックスタイム制を導 入したり、始業時間を変更し た場合に、各時間帯の交通手 段分担率を見る。 CO2排出量など 各時間帯で自動車の混雑係 数が変わり、平均時速が変わ るので、燃費の変化と分担率 の変化を考慮した排出量の変 化を見る 平日通勤者 7時台到着 自動車 鉄道 8時台到着 自動車 鉄道 9時台到着 自動車 鉄道
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