環境科学A 補講の日程決定! ・名古屋キャンパス(水曜1,2限) 11月27日(土) 2限 0704教室 ・豊田キャンパス(水曜4限) 11月24日(土) 5限 851教室 どちらに出ても構いません。 先週の出席カードから... 先生はテレビ(お笑い)好きだ、間違いない! → 強ちはずれてないですね(^_^) 進め!電波少年は知ってますが... → 好感触!、猿岩石、ドロンズ、…覚えてる? 先生は生活の中でどのようなことを実践して いますか? 先生は偽善者ですか??? ○マイバッグ持参して買い物に行きます。 ○割り箸やビニル袋、Refuse努力してます。 ○エコ製品、積極的に購入してます ×PETボトル飲料、良く買います。 ×近所のスーパーに車で買い物に行くことも 環境科学A(髙島) 先週の出席カードから... なんで二酸化炭素やメタンが増えると温暖 化が起きるの? 気体が熱せ 熱エネルギー吸収 高エネルギー状態 られる。 が続く(熱が維持) 先週の出席カードから... 海水に吸収される方が数%多いと言っても、 それですべて補えるとは思えません。それ にその内に許容オーバーするんじゃない? → その通りです。そうなりつつあります。 海洋からCO2が放出されるって? → 温度と濃度の差によって移動します。 メタンハイドレート、溶けたら大変でしょ? →その通りです!温暖化の懸念もあるので、 未来の燃料となるには課題も多いです。 先週の出席カードから... 無洗米を使っても結局ヌカが排出される →処理に要するエネルギーは少なくて済む http://www.musenmai.com 昨年から私の地元では超高温の焼却炉が できてゴミの分別をしなくてもよくなったんで すが、これってほんとに大丈夫なんです か??? 良い訳ありません!ただコスト的には一 番安くすむ現実もあり、不幸にもこのよう な自治体が増えているのも事実です。 環境科学A 水圏の汚染と物質循環 地球環境における炭素、窒素、硫黄の物質循環 参考書 第1章 (1.4など) 地球環境における窒素の循環 窒素(N: Nitrogen): 生体内:核酸(DNA, RNA),アミノ酸(タンパク質) (炭素と同様)生体にとって最も重要な元素の一つ 空気の主要成分(窒素80%、酸素20%) 大気中の窒素の量:地上&海洋中の生物が 保持する窒素の約4倍 地球環境における窒素の循環 (1.窒素固定) 気体窒素は非常に安定 他の物質と反応しにくい(例:お茶の窒素充填) 気体窒素から生物に利用されやすい形への変換の 4割は工業的な窒素固定(アンモニアなどに変換) 合成されたアンモニアは食品、火薬、肥料(硫安) など多用途に使用 地球環境における窒素の循環 (1.窒素固定) アンモニア合成(ハーバーボッシュ法)は高温 (500℃)、高圧(200気圧)条件下 生物が行う窒素固定は常温常圧 根粒菌 有機物、酸素 毛根 アンモニア アミノ酸 植物根の断面 根粒菌が侵入 し根粒を形成 共生関係 ・根粒菌の窒素固定:遊離細菌の10倍以上 ・マメ科の植物を植えると土壌が肥える ← 古代文明の頃 から知られていた 地球環境における窒素の循環 (2.硝化) 動植物の遺体が分解される際にアンモニアが生じる 動物の排泄物にはアンモニアが含まれている 土壌に添加される肥料はアンモニアが含まれている 微生物の作用によって亜硝酸に酸化される エネルギー源 アンモニア 炭素源 CO2 アンモニア 有機物 亜硝酸菌 (アンモニア酸化細菌) 酸素 亜硝酸 エネルギー 地球環境における窒素の循環 (2.硝化) 亜硝酸が微生物の作用によって硝酸に酸化さ れる(硝酸菌:亜硝酸菌と一緒に存在している) 微生物の作用によってアンモニアは最終的に 硝酸へと酸化される(これを硝化と言う) 硝酸は雨水によって流出しやすい 窒素化合物が過剰に流れ込むと富栄養化 地球環境における窒素の循環 (3.脱窒) 水圏や土壌に存在する硝酸が微生物の作用に よって気体窒素に変換されて大気に戻る 硝酸は強い酸:他の物質を酸化させる力がある 物質を酸化し、その際のエネルギーを得る 硝酸自体は還元される エネルギー源 硫化水素 炭素源 CO2 気体窒素 硫化水素 脱窒菌 硝酸 硫酸 地球環境における窒素の循環 (3.脱窒) ・大気中に放出される窒素:ほぼ脱窒によるもの のみ ・脱窒で放出される窒素の量と生物学的および 工業的窒素固定の量はほぼ等しい ・脱窒は海洋でも起きている ・海洋からの脱窒量と陸上からの脱窒量はほぼ 等しい 硝酸塩として蓄積 脱窒菌 アンモニア 窒素肥料 亜硝酸菌 硝酸菌 NO2- NH3 亜硝酸 NO3- 硝酸 人為的に発生 (化石燃料の燃焼) 従属栄養細菌 死骸 排出物 動物 取り込み 取り込み 窒素 生物的窒素固定, 工業的窒素固定等 枯れる 食べ物 N2 (N2O) 植物 地球環境における窒素の循環 地球環境における硫黄の循環 硫黄(S: Sulfur):炭素や窒素と比べると存在量 は少ないが地球環境に大きく影響を及ぼす 地上に存在している硫黄の大半は岩石中 水圏では硫酸、気圏では硫化水素(温泉の卵 の臭い)の形で存在していることが多い 1.大気ー地上間の硫黄循環(10月6日のプリント参照) 大気へ放出される硫黄化合物で一番多いのは化石燃料 の燃焼による人為起源の二酸化硫黄 二酸化硫黄以外ではジメチルスルフィド(海の磯の香り): この二種で90%以上 二酸化硫黄は酸化されて亜硫酸や硫酸となる 大気中で硫酸エアロゾルと言う微粒子を形成する 酸性雨の原因となる 二酸化硫黄 → 亜硫酸、硫酸 二酸化硫黄 → 亜硫酸、硫酸 硫酸エアロゾル 二酸化硫黄 酸性雨 硫酸エアロゾル 二酸化硫黄 酸性雨 ジメチルスルフィド 化石燃料の燃焼 火山活動 ジメチルスルフィド 海 ジメチルスルフォニオプロピオン酸 陸地 植物プランクトン 大気-地上間の硫黄循環 2.環境-生物間の硫黄循環 土壌中、水中の硫酸は植物や微生物の作用によって アミノ酸などに変換される(同化的硫酸還元) 植物は動物に補食される。動植物の遺体は分解過程 で硫化水素を発生する 硫化水素は硫黄酸化細菌の作用で硫酸に酸化される 硫酸は硫酸還元菌の作用で硫化水素に還元される (異化的硫酸還元) (化学)独立栄養細菌 光合成細菌 硫化水素 硫黄粉末 温泉など H2 S S(0) 硫黄鉱床 硫酸 H2SO4 硫酸還元菌 従属栄養細菌 死骸 排出物 動物 取り込み 取り込み 枯れる 食べ物 環境-生物間の硫黄循環 植物 地球環境における物質循環 炭素、窒素、硫黄に限らず、地球上では様々な物質 が循環している。 物質循環を図式的に表すと、矢印が続いて 戻ってくる。 ある物質が環境中に蓄積することなく、生成と 分解の両方が起きている。 外的要因(主に人為的作用)によって、循環の バランスが崩れ、特定の物質の存在量が多く なること、これが所謂、汚染と言える。 ミクロの(微視的な)世界でも循環型社会 を成立させなくてはいけない。 環境科学A 水圏の汚染と物質循環 水圏における汚染被害事例 東京湾(船橋港付近)に発生した青潮 原島、巧刀:“海の働きと海洋汚染”、裳華房(1997) 悪臭、深刻な漁業被害などが発生 1.青潮 青潮が発生していると硫化水素の臭いがする 硫化水素 自然界 ・温泉 ・河川の低泥 ・海底 海洋: 2.98×109 Kg / 年 人工的 ・下水、廃水 ・化学薬品製造プロセス ・金属処理の過程 陸上: 1.12×109 Kg / 年 硫化水素の毒性 濃度 数 ppm 20 ~ 100 ppm 症状 腐卵臭を感じる 目に刺激を感じる 数百 ppm 気道傷害、呼吸困難 800 ppm 30分以上曝露で致命的 ACGIH(アメリカ産業衛生専門家会議): 許容濃度 15 ppm 日本産業衛生学会: 許容濃度 10 ppm 下水管で硫化水素が発生しての死亡事故も… 青潮の発生機構 有機物 プランクトン等由来の有機物 海面 海底に堆積 有機物が分解 (酸素消費) 有機物 + 酸素 → 二酸化炭素 + 水 溶存酸素、好気性バクテリアの作用 底層部に貧酸素水塊 温度高 温度低 青潮の発生機構 貧酸素水塊の浮上 ↓ 硫化水素(悪臭)が空気に触れ元素硫黄に酸化 硫黄粒子の生成 散乱: 乳白色~青緑色 風 青潮の対策法は? 有機物を流さない(水を流す人の意識改革、河 川の浄化が必要) 干潟を作る(淡水・海水・大気が接触し合う干潟 は様々な生物が成育し浄化能力が高い) 空気(酸素)を供給し貧酸素水塊の生成を防ぐ (貧酸素水塊をくみ上げる) 堆積した有機物を取り除く 設置コスト、運用コストを考慮して対策を取る 海面上に発生した赤潮 ○:魚が増加 ×:有毒プランクトン発生,有機物堆積 赤潮の発生機構 リン化合物 窒素化合物 海面 有機物の分解による 窒素やリンの放出 富栄養化によるプランクトンの大幅な増殖 淡水 海水 淡水の流入により“潮目”ができ、プランクトンが濃縮される 赤潮の対策法は? 有機物を流さない 干潟を作る 堆積した有機物を取り除く 堆積物の耕耘 補食細菌の導入 発生予測法の確立、環境のモニタリングが必要 (pH、DO、BOD、COD、TOC、海水温度、リン化合 物濃度、窒素化合物濃度などの定期的観測) 環境科学A(髙島) 出席カードを前に提出してください E-mailアドレス、HP-URLなど書ける人は書 いてください。 最終講義までに全てのレポートを提出しないもの は単位を認定しないので特に注意するように!
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