環境科学A(髙島) 近所の池でアオコみたいの見ましたけど、 どこでも発生するんですか? アオコはどこでも発生します。アオコも青潮も 赤潮も、古くからある日本語です。 名古屋市民(?)のレポ:新堀川は最近でも 白い気がします。 臭いはしました? pHやCODを確認してみて。 先日、行ってみたら、チョット臭いしてました。 平成16年11月27日 掘留下水処理場 環境科学A(髙島) 「いきなりあんなテスト問題出されても、わ かんないも~ん!」と言う学生のために... 悪臭発生:授業のプリント&スライド参照(青潮と 掘留下水処理場の部分) pH, DO, BOD, CODについては...「対策を取 る前」と言うことは、悪臭が発生している状態、つ まり「ヘドロ(有機物)が溜まった」状態と言うこと。 有機物が大量にあると言うことは、BODとCOD (ヘドロを分解するために必要な酸素の量)は... テストでは、結果だけでなく理由もね。 環境科学A(髙島) 出席が足りないっぽいんですけど、大丈夫 でしょうか? この授業に限っては“出席が足りなくなる”ことは ありません。 (極論ですが)理論的には出席ゼロでも単位取 得が可能です。 レポート10点×3+テスト70点+出席1点×12 環境科学A(髙島) マングローブにも浄化効果があると聞いた のですが。 微生物を汚染した場所に直接入れる方法 があるらしいのですが。 その通りです! と、言うことで、今日はその話にします。 環境科学A 自然界の掃除屋さん その2 マングローブの役割 マングローブとは? 熱帯の海岸沿いの海水と淡水が混じりあう場 所(汽水域)に生育する植物の総称。「マング ローブ」と言う名前の木は無い。 塩分のある環境で生育できる希少な植物 河口や入江の泥湿地(低DO)で生育している 樹種ごとに帯状になって成育している。複数の 種類が混ざり合っていない。 インドネシア ビンタン島 マングローブの有用性 防潮林としての機能(強風・波浪・高波・津波か ら人や住居を守る) 魚介類の住居(小魚・カニ・貝・エビ・カキなどの 水産資源の宝庫) 生活必需品に加工(薪、建築材として利用) 食用、飲用、薬用(種子・樹皮・心材・葉を利用) 染料として利用(タンニン原料として魚網等) 炭素固定(光合成による二酸化炭素の同化) マングローブの有用性 港湾整備やリゾート開発、養殖設備の建設など によって、マングローブ林は年々減少傾向。 特に近年、エビの養殖池が増加 世界一のエビ消費国・日本は、その九割を輸入 に頼っており、エビはいまや輸入食品の中でも 首位の座にある。 岩波新書 「エビと日本人」 環境科学A 自然界を掃除する手法 バイオレメディエーション 参考書 第10~12章など 微生物による変換反応 有毒物質 有毒物質 無毒物質 無毒物質 異化 異化(無毒化) 異化(活性化) 反応に影響する因子 pH、温度、DO、水分、水圧、塩濃度、栄養分の存在、 毒物の存在など これらの条件が満たしていないと分解反応が進まない これらの条件を満たした環境に微生物を投入すると増 殖して基質の分解反応が進む → 微生物を環境に直接入れて環境を修復できるの では?(汚染した地面に微生物、海に微生物) 微生物による環境修復(バイオレメディエーション) 微生物による土壌回復 空気、栄養分、(微生物) 注入井戸 混合 前処理 地層 地下水層 不透水層 汚染土 回収井戸 微生物による環境修復(バイオレメディエーション) 微生物による土壌回復 ○常温・常圧で操作できる(省エネルギー型) ○汚染された場所で処理できる(採掘の必要が無い) ○操業中での浄化が可能 ○処理後の生成物が環境に優しい ○汚染回復後は機器を撤去するだけ(基質がなくなっ た微生物は死滅するので単なる有機物になる) 低コスト、低環境負荷型の処理法 微生物による環境修復(バイオレメディエーション) 微生物による土壌回復 ×浄化に時間がかかる ×高濃度の汚染には適さない ×複合的な汚染の浄化は困難(時間、装置の問題等) ×生成物が環境に与える影響は? (有毒物質の生成や二次的影響) 生物(せいぶつ、なまもの)ならではの問題点 バイオレメディエーションの必要条件 汚染物質を分解する微生物が存在する その微生物は汚染物質を適当な速度で分解して、規 制濃度(環境基準)以下にできる その微生物は環境修復中に有害物を発生しない 処理する場所に存在する化合物などが微生物の増 殖を阻害(妨害)しない 処理を行う環境が微生物の生育と活性の発現に適 している 処理費用が、化合物を分解する他の方法よりも安い こと 微生物による石油の分解 石油:地球上の限られた場所でしか産出しない ↓ 石油が産出しない国では大量輸送が必要となる ↓ ・海洋上のタンカーの事故、戦争などによる油井の破壊 ・石油による物理的汚染 ・石油が表面を覆ってしまうことによる生物の窒息死 微生物による石油の分解 海洋上で拡散:広範囲の汚染 沈殿,漂流,蒸発 海岸に漂着:砂浜の汚染 テトラポット、構造物(船、港湾 施設)、マングローブ林 回収が困難 石油:油分と結合しやすい 動物の脂肪組織などに蓄積しやすい: タンカー事故による鳥類の被害 微生物による石油の分解 石油を分解する微生物の発見 (それまでは微生物は水の中でしか生きられない と考えられていた) 石油の中で石油を基質として生きる微生物がいる この微生物を石油で汚染された海に栄養分と一 緒に投入したら石油が分解できるのでは? 研究段階ではあるが実用化しつつある (1997年:日本海ナホトカ号の石油流出) 微生物による環境の修復 石油の他にも... 内分泌攪乱物質(環境ホルモン)の微生物的分解 生分解性プラスチックの開発 (微生物の力で分解されるプラスチック製品: スーパーのビニル袋) 様々な物質の微生物による分解が研究されている 微生物の作用で“土にかえる”から 省エネルギーで無害・無臭になる これでゴミ問題も解決!? 環境科学A ゴミ問題 そもそもゴミ問題って? 昔はナンデモカンデモ燃やしていた。 ・燃やすと有害物質が出る。 ・資源の無駄遣いでもある。 燃やさないように、または燃やすまでの間、 埋め立てておく。 でも、もう埋め立てる場所もない... 悪臭や有害物質の発生なども問題も そもそもゴミ問題って? ゴミの処理にはお金もかかる... 平成12年度の廃棄物処理事業経費はなんと 2兆7千381億円 国民一人当たりに換算すると、年間約 21,500円! 清掃工場の建設費はン百億円 渋谷清掃工場(200 t /日) 約130億円 墨田清掃工場(600 t /日) 約330億円 H9 H10 H11 H12 H13 人口 [人] 238,733 238,228 237,457 236,594 235,287 世帯数 [世帯] 81,780 82,674 83,354 83,857 84,314 処理量 [t] 71,061 73,937 75,349 78,036 76,049 焼却量 [t] 68,971 71,155 72,462 74,633 72,313 粗大処理量 [t] 6,768 7,038 6,768 8,687 7,290 収集量 [t] 54,053 55,791 55,823 57,074 55,747 持ち込み量 [t] 17,008 18,146 19,526 20,962 20,302 人口は減、でも世帯数が増 → ゴミの量は増 可燃ゴミの推移(静岡市清水地区) 平成9年度 平成13年度 水分 可燃分 灰分 「水分」の割合大 ↓ 水切りしただけで ゴミ大幅減 水分 可燃分 灰分 可燃物組成の推移(静岡市清水地区) 平成9年度 紙類 厨芥類 ビニール等 木・竹・ワラ類 布類 平成13年度 不燃物 その他 紙類が増加 ↑ 小規模処理場減 (ダイオキシン) 紙類 厨芥類 ビニール等 木・竹・ワラ類 布類 不燃物 その他 昔はナンデモカンデモ燃やしていた。 ・事業所、自治体などに小規模焼却施設 (学校の焼却炉) 低温(600℃)燃焼 → ダイオキシンの発生 小規模焼却施設の抑制(学校から焼却炉撤去) 高温(900℃)燃焼:大規模焼却施設の建設 (プラスチックも焼却してしまう自治体も...) ゴミ問題解決のために できる限りの“R” 燃やすゴミは極力少なくする。 燃やす場合はその熱を有効利用 (温水プール、 ゴミ発電など) 嫌気条件で発酵してできたメタンを利用した 発電、メタン燃料電池など 夢の燃料と言われたRDFですが... 三重県多度町 RDF工場の爆発 ・8月14日(木) 3時10分頃4名が負傷する事故発 生(消防への通報なし) ・8月14日(木) 4時45分消防による覚知 ・8月19日(火) 14時17分爆発事故が発生し、消 防職員等2名死亡、1名軽傷 ・9月27日(土) 14時00分鎮火 ・消防活動期間45日間 ・出動消防車両延べ205台 ・出動消防防災ヘリ延べ18機 ・出動人員延べ1,028名 ・消火放水量約2,868トン RDFとは? Refuse Derived Fuel (廃棄物からできた 燃料)の略称 家庭や事業所から出るごみのうち、リサイクルされ なかった紙、布、木、プラスチックなどの可燃物を、 破砕・乾燥・選別・成型し燃料化したもの 固形化されているので、運搬や取扱いが容易 RDF(ゴミ固形燃料)工場の爆発 原因:貯蔵槽内のRDFが発酵や酸化反応で 発熱し発火、ガス爆発が発生 ・成型の不十分なRDFが送り続けられた ・実は小さな発火事故は度々起きていた ・安全対策、危険度管理の教育不十分(ほとんど 理解しないまま機器を操作する、トラブル時の責 任:施工者と管理者が異なる時、特に注意) しっかりと管理すれば問題ないんだけど... 現状として安全に管理できる状況とは言えない。 今後このようなことが起きないためにも 我々ができること Reduce, Reuse, Recycle などの “R” ! ・必要なものしか買わない、使わない(スーパーの 袋、コンビニのストローのRefuse) ・紙は燃えるゴミでなく資源ゴミ(レシートも立派な紙) ・ボタン電池や充電用電池 はリサイクルボックスへ ・使い捨て商品は極力使わない ・生ゴミは水を良く切ってから捨てる (コーンポスト:生ゴミを堆肥に) 企業側も3Rに対して努力 ・「使い捨てカメラ」は“使い捨て”でなくなりつつある。 ・工場からゴミを出さない(ゼロ・エミッション) ・回収ボックスの設置(電池、プリンターのインク) ・土にかえる(帰る、返る、還る...)製品の開発 太陽光を長時間浴びると分解する光分解性プラス チック 土壌中の微生物によって分解される生分解性プラ スチック 環境科学A(髙島) 出席カードを前に提出してください 第3回レポート(12月8日まで) 出身地の自治体のゴミ捨てについて調べ、問題 点を指摘してください。 何県何市と記述すること。 ・何と何を分けるのか?(例:可燃ゴミ、不燃ゴミ、資 源ゴミ、その他) ・新聞紙,雑紙類,電池,ペットボトル,スプレー缶,生ゴミ, カイロ,使用後の油,粗大ゴミの回収頻度と回収方法 ・回収用の袋は?(種類と値段) 補講欠席を出席扱いにしたい者はもう一つ!
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