スライド 1 - arsvi.com:立命館大学生存学研究

チャイルドラインよこはま講習会'09
多様な性に関する基礎知識
児童精神科医 林義拓
導入
お話しすること:
――少数派,とは?
――性の多様性,とは?
――性的少数者に必要なこととは?
少数派とは①
ひとはみな,互いに異なっている。
少数派とは②
社会では,少数派は不利益を被りやすい。
少数派とは③
少数派のこどものそだちに必要なこと:
――多数派からの承認
――適切な文化継承
性の多様性①
性は,男女二分法ではない。
性の多様性②
性の四要素
――性器的性差
――性自認
――性役割
――性的指向
性の多様性③
性自認とは
――自分の性別の意識
――性自認に性器的性差が一致しない状態
を,性同一性障害と呼ぶ
性の多様性④
性的指向とは
――性的関係性の欲望が向かう対象の性
――性自認との関係で,
・異性愛
・両性愛
・同性愛
性の多様性⑤
現在の社会的規範:
性器的性差に一致する性自認
+性役割
+異性愛
社会的規範に一致しない性のありようを持つ
人を,性的少数者と呼ぶ。
性と発達①
性は,個人の発達を規定する。
――快楽の生産によって
――関係の生産によって
性と発達②
性は,社会化を必要とする。
――性のありようは選択不能
――自分の性のありようは,他者との関係の
中から自覚される
性的少数者への抑圧①
性的少数者は,情報的に孤立している。
――自分の性のありようを理解できない
――同じ性のありようを持つ仲間集団に出会
えない
性的少数者への抑圧②
性的少数者は,周囲からの批難に直面する。
――家族,友人,教師,……+メディア
――(同性愛者)
異性愛主義と同性愛嫌悪
同性愛嫌悪の内面化
――(性同一性障害)
性役割・性自認の周囲からの強制
トランス嫌悪の内面化
性的少数者への抑圧③
性的少数者は,悩みの言語化が困難。
――情報の不足
意識化への抵抗
開示への恐れ
――精神的健康への悪影響
性的少数者に必要なこと①
性的少数者に必要なことは,
――多数派からの承認と適切な文化継承
――内面化された同性愛嫌悪・トランス嫌悪
という困難
性的少数者に必要なこと②
性的少数者への関わりで必要な姿勢とは,
――性の多様性に開かれた姿勢
――様々な悩みの背後に,性的少数者ゆえ
の困難がある可能性を意識