明治大学情報科学センター編 インターネットコミュニケーション デジタルライフのおとし穴_2 1 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 目次 第2章 パーソナルコミュニケーションの拡大 1.自己表現媒体としてのホームページ 2.市民運動などの社会的な活動での利用 3.コミュニケーション技術の歴史とインターネット 4.ホームページとマスメディア ・双方向性 ・脱大衆性 ・非同期性 5.求められる参加 ・情報過剰 ・メディアの批判的理解の必要性 ・コミュニティへの積極的な参加 2 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 第2章 パーソナルコミュニケーション の拡大 3 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 自己表現媒体としての ホームページ ホームページは、ネットワーク上の自分がどのよ うなものであるかを決める ホームページは、相手に見てもらうのを待つもの なので、押し付けになることがなく、自分の言いた いことが言える ネットワークでは匿名が許されるため、自由な表 現が促される 何をどう表現するかについては作成者本人が責 任を負わなければならないということを十分に認 識する必要がある 4 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 市民運動などの社会的な活動 での利用 電子メール: グループ内部のコミュニケーションのための会報 ホームページ: 外部の不特定多数に向けたメッセージの発信 インターネットの利点 低コスト:配信に伴うコストが安い 速報性:情報の速報性が高い 到達可能性:広い範囲の不特定多数のものに情報提 供できる 5 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 社会的な活動での利用例 例1:個人の影響の大きさ 核実験反対署名運動(1995年 フランス) 例2:速報性ある情報提供 阪神淡路大震災(1995年1月17日) http://www.asahi-net.or.jp/~DE9Y-HTTR/ ボランティア活動 http://www.jeton.or.jp/users/kanada/shinsai/home.html 震災の記録(兵庫県) http://web.pref.hyogo.jp/hukkou/index.html 市民活動イエローページ http://www.jca.ax.apc.org/~taratta/npo_yp/ 市民活動の国際的連携の例(APC) http://www.apc.org/ All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 6 コミュニケーション技術の 歴史とインターネット 手書き文字 活字印刷 電気通信(テレコミュニケーション) インタラクティブ・コミュニケーション インタラクティブ・コミュニケーションの時代 コンピュータコミュニケーションの介在 多数への到達性+会話的な双方向性が取り戻される 受け手の要求に応じた情報の提供 従来、単に受け手としか扱われなかった人々が情報発信 に参加することを可能にした 7 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. ホームページとマスメディア ホームページで表現活動を展開することは従来の マスメディアによる放送・出版とどう違うのか? 1. 双方向性 2. 非同期性 3. 脱大衆性 8 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 双方向性 1.送られる情報に関して、受け手が大きく関与で きること どの情報を呈示させるか支持する情報が受信者側から送 られる どの部分を受け取り、どのような順番で読むか →非同期性が技術的な条件 2.コミュニケーション過程で共有されていく情報に 対して受け手がどれだけ関与できるか 誰もが受け取り手であると同時に送り手にもなりうる 参加者が情報発信について対等 →脱大衆性を帯びることになる 9 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 脱大衆性 マスメディア:画一的な情報の広い範囲への伝達 ・より多くの人々の関心にかなうウケのよい内容 ・受け手の個性は邪魔なので個性の無い単なる情報の消 費者になるように仕向ける インターネット: ・無個性な受け手・単なる情報の消費者ではない ・情報の発信主体 画一的な情報によって操作される危険を避けられる 送り手も権威ある専門家ではない=送り手と対等な立場 ★権威を求めるのではなく、積極的に情報発信と能動的 な情報の選択・評価が必要 10 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 非同期性 インターネットは非同期性が高い (発信時と受信時にズレが許されること) ・情報はサーバに蓄積され、受信者からの送信要 求を待つ ・受け手が必要とするときにいつでも情報を受け取 れる ・受けては時間的制約から解放される ・送り手からの情報を選択する幅が飛躍的に拡大 受け手にはより多くの能動性が求められる (情報を自分で選びとりにいかねばならない) 11 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 求められる参加 •双方向性 •非同期性 •脱大衆性 反対の性格も実現できる柔軟性 •一方向性 •同期生 •大衆性 ★柔軟な形態が実現される 12 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. 情報過剰 インターネットの普及以前から「情報過剰」 しかしマスメディアは情報を濾過する役割があった ・新聞記事やテレビ報道への高い信頼 インターネットにより情報を吟味する余裕がさらに なくなる マスメディアの情報を受け入れることになれている インターネットにおいても権威を求め、マスメディア が提供する情報に依存しがちになる危険性! 13 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. メディアの批判的理解の必要性 ・中南米のホンジュラスのハリケーン「ミッチ」 (1998年10月) ・「和歌山保険金詐欺事件」 日本でホンジュラスの災害の大きさを認識できたか ★マスメディアの現実派フィルターを通した構成 ・メディアによる情報はどのうような、誰のどんな意 図で作り上げられているのかを考える必要! ・メディアの作り上げる「現実」は批判的に理解 ★メディアの情報の歪みや欠落について 積極的に発言する能力が必要=メディアリテラシー 14 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo. コミュニティへの積極的な参加 インターネットによってマスメディアの死ルターを通 さない「生」に近い一次情報に触れることができる ・発信者の多様性が期待可能 ・対話ツールで発信者に働きかけ議論を正確化 異なる情報を含むホームページに目を向ける ・リンクは同じ意見のものにしか貼られない傾向 発信者が多様であるためには多くの発信者が必要 ・利用者の積極的な参加 ホームページで情報発信 ・関心事を示すことで効率よく有益な情報を収集す る指向性のアンテナを張ることになる 15 All Rights Reserved, Copyright© 2001, S.Kondo.
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