スライド 1

割れないシャボン玉
というか割れても大丈夫。
【用意するもの】
① 砂糖50g
② 水100g
③ 界面活性剤(食器洗い用洗剤)2~3ml
④ 洗濯ノリ(PVA:ポリビニルアルコール)100円ショップにあります。
⑤ 可溶性デンプン
⑥ グリセリン
※④⑤⑥は、入れなくてもたぶん大丈夫です。
帯広柏葉高等学校:池内 理人
フワフワ飛んでいるシャボン玉の、
ここの部分を、
クローズアップ
してみましょう。
普通のシャボン玉の膜は、
液体です。
分子の粒はうごめいています。
+ セッケン
分子
砂糖
-
水分子
マイナスが近づいてきたので、
マイナスに帯電した、
砂糖分子は、プラス側を
塩ビ管を近づける。
塩ビ管の方向に向けます。
+ セッケン
分子
砂糖
-
水分子
乾燥した場所で行うと、
水分子が蒸発します。
- - - - - -
- - - - - -
- - - - - -
+ セッケン
分子
砂糖
-
水分子
固まって砂糖の膜(固体) ※普通のシャボン玉は液体です。
になります。
+
+ -
-
- -
+ +
+ -
+ -
+
-
+ -
+ -
+ -
+ -
+ -
+
-
+ -
+ -
+ -
+ -
+ -
+ セッケン
分子
砂糖
-
水分子
固まってしまえばこっちのもの。
+(プラス)に帯電したアクリル管を近づければ、
反発し、
+
+ -
-
+
-
+-
-
+
-
+ -
+
+
-
+
- +
-
-
+
-+
-
+
-
- - +
+ +
ー(マイナス)に帯電した塩ビ管を近づければ、
+
+ -
-
+
-
+-
-
+
-
+ -
+
+
-
+
- +
-
-
+
-+
-
+
-
- - +
+ +
すごいでしょ。
近づいてきます。
ためしてみますかい?
しかも固体だから、
割れてもすごいことが起きます。
ここでちょびっと
考察
いろいろ考えてみるかい、その①
何故、膜が七色に変化する?
水が蒸発するにつれて、膜は、
薄くなる。
シ
ャ
ボ
ン
玉
の
膜
赤色の光がやってくると、
強調された。
膜が薄くなると、赤色光は、
強調されない。
緑色の光がやってくると、
強調された。
膜が薄くなると、緑色光は、
強調されない。
青色の光がやってくると、
強調された。
だから
七色になるのね。
いろいろ考えてみるかい、その②
ビウレットから液体を流して、
マイナスに帯電した
塩ビ管を近づけると、
どうなる?
こ
す
こる
す。
る
こ
す
こる
す。
る
ち
ょ
っ
と
笑
っ
て
、
こ
す
こる
す。
る
こ
す
こる
す。
る
【水なら】
近づいた。
【
シクロ
ヘキサン
なら】
変化なし。
もういっちょ。
水にアクリル管(プラスに帯電)では、
どうなる?
【水なら】
【
シクロ
ヘキサン
なら】
え!?
また、近づいた。 変化なし。
シクロへキサンは、帯電した管に近づかず、
水は、
塩ビ管(マイナスに帯電)でも、
アクリル管(プラスに帯電)でも
近づいた。
なぜじゃ?
考えなさい。
シクロヘキサン(C6H12)は、
( 極性分子 ・ 無極性分子 )
水(H2O)は、
( 極性分子 ・ 無極性分子 )
シクロ
ヘキサン
分子
シクロヘキサン(C6H12)は、
無極性分子だから、
電気的に偏っていない。
だから、塩ビ管を近づけても、
アクリル管を近づけても、
重力に任せて、ストンと落ちる。
δ-
水分子
δ+
δ+
水分子(H2O)は、
極性分子だから、
電気的に偏っている。
酸素原子側がちょびっと(δ:デルタ)
マイナスに偏っている。
δ+
δ-
水分子
水素原子側がちょびっと(δ:デルタ)
プラスに偏っている。
だから、
塩ビ管を近づけると、
δ+
水素原子側を向けて近づく。
δ-
水分子
δ+
δ+
δ+
アクリル管だと
その逆と思いきや、
酸素原子側を向けて
また近づく。
δ-
水分子
δ+
水分子はプラスマイナスに分かれているわけではなく、
偏っているだけなので、このようなことが起こります。
わかりました?
シャボン玉も舐められない。
この内容、
国立大学の二次試験で出ております。
一般の食器洗い用洗剤に、
ノリの役目をするもの、ヒドロエチルセルロース、プルランを加えると、
シャボン玉の膜は丈夫になります。
これに、更にグリセリンという無色透明で、粘り気のある液体を加えると、
シャボン玉の液体が手袋に染み込まなくなり、
触れっても割れない(割れにくい)シャボン玉が完成します。