WS29-901 小児科外来教育の 評価方法 和田 浩(健和会病院)関口進一郎(慶応義塾大学) • • • 目的: 医学生・研修医教育の際にどのよう に評価したらよいか? 参加13名 指導医 11,研修医 1,栄養士(ER tel. clinic) 1 講師:吉村 学さん 揖斐(いび)郡北西部医療センター長 ✓形成的評価 formative assessment ✓成長・向上を促すフィードバックで 学習形成過程を改善する ✓総括的評価 summative assessment ✓中・長期にわたるゴールラインの評価 (判定) 達成度 ゴールライン 総括的評価 特待生パターン 形成的評価 一夜漬けパターン 時間軸 •mini Clinical Evaluation Exercise (mini CEX) •研修医が実際に診療する場面を指導医が 観察しながら、病歴・身体診察スキル・臨 床判断など7項目を6段階で評価し、特に 良かった点・改善すべき点を記載、さらに 学習課題を決める。 Mini-CEX-J 評価基準 評価される領域 満足のいく(成熟した)研修医の記述 医療面接 患者の話を促す。効果的に質問や指示を行い、正確で十分な情報を得ている。患者 の感情や非言語的なサインに適切に応じている。 身体診察 効率よく合理的な順序で身体診察を行っている。問題に対してスクリーニング的な診 察法と診断的な診察法をバランスよく用いている。患者に説明している。患者の感じ る不快感や遠慮に配慮している。 プロフェッショナリズム 患者に対して敬意、思いやり、共感を示し、信頼関係を形成している。患者の不快感、 遠慮、守秘義務、個人情報につき注意を払っている。 臨床判断 診断的検査を適切に選択し、指示・実施している。患者にとっての利益とリスクを考 慮している。 コミニュケーション能力 検査や治療を行う根拠を説明している。患者の同意を得ている。疾患管理について の教育や助言を行っている。 効率的にオーガナイズする 綜合臨床ケア 優先順位をつけている。タイミングがよい。無駄がなく迅速である。 判断、情報の統合、優しさ、有効性、効率のよさを示している。 • 多職種での評価(360度評価) • 勤務する職員全員から、患者との信頼 関係・コミュニケーション・チームワークな どについて評価シートを書いてもらう • • ポートフォリオ の一部としての研修日誌 「今日新しく気づいたこと」「うまくいかなか ったこと」「今の気持ち」「今後学びたい内 容」などを1日の終わりに5分で書かせ、振 り返りを行い読み上げさせる。 毎日の記録を義務付け 反省的実践家(Reflective Practitioner) としての医療者を育 てるための教育方略の要素とは? • 予想外のこと「驚き」を重視する • • – 臨床経験のなかのSignificant eventsを抽出する Reflection in actionを行なう – その場でのフィードバックで振り返りを援助する – マイクロスキルなどのフィードバック技法を学ぶ Reflection on actionを行なう – 構造化された振り返りが必要 – 学習者の安全性の確保がキーとなる 東京ほくと医療生活協同組合北部東京家庭医療学センター 藤沼康樹 2006年10月8日外来小児科学会教育研究会 ポートフォリオとは • 研修計画に対して、達成と学習のエビデンス を示す • 書かれた書類だけでなく、ビデオ,オーディ オ,写真,他の情報などの記録も含む • よいポートフォリオにするためには、振り返 り,改善のためのプランなどを含む ミラーの能力ピラミッドとその評価 Does ポートフォリオ評価 Shows how OSCE Knows how CBT Knows MCQ Miller GE. Acad.Med, 1990 まとめ 「評価」というと「5段階の3か4かを客観的に見極める」と いったイメージをもたれる場合が多く、「短期間では評価は できない」という声がよく聞かれますが、今回のワークショッ プを通じて感じたことは、私たちの行う評価のほとんどは、 研修医の背中を押してあげること(形成的評価)であり、そ れぞれに合ったものをうまく利用していけばよいのではない かということでした。その際にいくつかコツや注意点があり、 この点についてはそれぞれ試みつつさらに検討を深めたい と思いました。 形成的評価のコツ • 不十分さを避ける • タイムリーであること • 規則的であること • 関連性があること • さらに追加すると • 元気付けること • 改善へ向けて具体的であること • 学生や研修医が、指導者に気軽にFeed Back できる • Reporter • Interpreter • Manager • Educator
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