社会システム論 第6回 社会システム 社会とは何か 社会を構成しているのは個人である。 社会というものは、個人に分解される。 人間の関わりが集まって社会が成り立っている。 社会システムは、複数個人の間でなされる相互 行為からなるシステムである。 行為 社会 諸個人の働きとしての目に見えない行為が多 数組織化されてできたシステムである。 複数の個人の諸行為を要素とするシステムで ある。 意思決定を行う行為主体は、あくまでも個人 である。 行為 人間の行為は、個人によって行われる。 自然に対して働きかける行為 他者(他の個人)に対して働きかける行為 他者に対する行為は、主に言語コミュニ ケーションによって行われる。 相互行為 社会は、人間どうしの相互行為によって成 り立っている。 最低2人の行為者によって成り立つ。 はたらきかけ 自 己 反応 他 者 第三者 社会システムの階層性 マクロ・メゾ・ミクロ システムとしての社会 マクロ 中間単位としての集団 メゾ 行為主体としての個人 ミクロ 上位のシステムについて研究するために、 下位の行為を単位として研究する。 システム 相互に依存し、相互に影響を与え合う 複数の要素から構成されるまとまりの ある全体 複数の要素から構成される それらの要素が互いに連関し、影響を及ぼしあう 全体として一つのまとまりとなり、ある目的を実 現する 社会システム論の源流 社会機械論 社会を機械システムの一種として捉える。 物理学の概念で社会現象を解釈する。 社会有機体論 社会を有機体システム(生物システム)として 捉える。 生物学の概念で社会現象を解釈する。 パーソンズの社会システム論 機能ー構造分析 社会を構造と機能という概念で捉える。 構造と機能 構造 要素の結合形態 ある集団の中で、各要素がどのように結びつ いているか。 機能 要素どうし、要素とシステムとの作用の内容 要素と要素、また要素とシステムが相互によう に作用をするか。 家族における構造と機能 家族システム 母 父 夫 子 妻 子 パーソンズにおける構造 構造は比較的変化しにくい 環境の変化が起きても、社会構造が維持 される。 パーソンズは構造維持のメカニズムに主 に目を向けた。 社会化と制度化 安定的な社会秩序を生み出すためには、 システム内部における共通の価値の受 容が必要である。 「社会化」 共通の価値を個人の中に内面化する。 「制度化」 地位ー役割体系を制度として確立する。 システムの行為者が役割期待に合致した 行為を行い、そのことによって「行為要素 の制度的統合」が実現されている状態を 構造として捉える。 機能分化 システムの規模が拡大するにつれて、そ れぞれのシステムの内部は、それ自体が 機能ごとに分化してくる。 機能分化することによって、機能用件に応 じた下位システムが形成される。 AGIL図式 社会や集団を一つのシステムとみなした場 合、システムを維持してゆくためにはどうし ても満たさなければならない条件がある。 その条件はすべてのシステムにおいて同 一である。 AGIL図式 A G I L 適応 Adaptation 目標達成 Goal-attainment 統合 Integration パターン維持と緊張処理 Latency それぞれが下位システムを構成する。 A 適応 システムを維持・存続させてゆくために必 要な資源を外界(自然や他の社会システ ム)から調達しつつ、システムを外界に適 応してゆく。 経済の領域 G 目標達成 Aによって調達された資源を適切に分配・ 管理・動員して、システム全体の目標を達 成するためのシステム 政治の領域 I 統合 システム内部の要素が不規則な動きをす ることを制御して、システム全体を円滑に 機能させる 勝手な行動を抑制し、安定した一貫性を維 持する。 統制あるいは社会的連帯の領域 狭義の社会システム L パターン維持と緊張処理 システムを維持していくのに必要な安定し た行為パターンへの動機付けを高め、一 方ではシステム内部の緊張を緩和・放出 する。 文化の領域 機能用件 すべてのシステムには、以上の各機能が 存在する。 経済 政治 社会(狭義の) 文化
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