日本のファッションブランドは世界に飛躍できるのか?

日本のファッションブランドは
世界に飛躍できるのか
~ COMME des GARCONSの行方~
塚田ゼミCチーム
中沢美穂 井深智容 岡部享史
小池佳奈 小出智巳
1
はじめに
日本のファッションブランド
大量生産・大量販売のイメージ
世界に飛躍する日本発のファッション・ブランド
が「コム・デ・ギャルソン」ではないかと考えた
2
章立
第1章 COMME des GARCONSについて
第2章 COMME des GARCONSと
CHANELの共通点と相違点
第3章 COMME des GARCONSの今後
3
第1章
COMME des GARCONSについて
4
株式会社COMME des GARCONS
・沿革
・売上推移
常に105%以上の売上を維持
COMME des GARONSグループ売上推移
180
160
140
120
100
億円
80
60
40
20
0
165
140
120
44
1981
1987
2003
年
2004
5
COMME des GARCONSの申告所得高
(千円)
600,000
500,000
D・S・Mへの投資
496,129
442,222
400,000
317,367
300,000
200,000
100,000
70,540
0
2000年
2001年
2002年
2003年
6
ネオ・ジャポニスム
1970年代以降 日本の前衛的デザイナー
斬新な美意識と価値観(無装飾、非対称、オー
バーサイズ、フィットに対する要素、バランス)
→ 西洋の衣服の歴史に深い影響を刻む
コムデ
大都市の大学生を
中心とするターゲッ
トに強烈なインパク
トを与える
7
コム・デ・ギャルソンと川久保玲
http://members.jcom.home.ne.jp/h.nobu/より
川久保玲
慶応義塾大学
文学部 美学学科卒業
(日本と西欧、両方の世界美術を研究)
旭化成 宣伝部に就職、退社後スタイリストに。
「必要な服が見当たらない」「自分の考えを直接表現したい」
「COMME des GARCONS」をスタート
8
コム・デ・ギャルソンと川久保玲
「多くのものを見て、自分の美意識を鍛えるよう
に十分努力していれば、むしろそうしたやり方
のほうが効果的である」
・服創りの知識だけでなく「本物の美」を理解
これまでの衣服の既製概念から脱して
新規性で革新的なものが生み出された
9
素材
・川久保の要求を実現させるために、縫
製や染色などの技術に新方法を提案
→未知の素材を開拓
同じ素材を2度と使用しない
空間
・未開の地域に店舗展開
・3~5年の周期でリニューアル
コレクション
・プロモデルではなく、川久保が興味を
持つ一般人を起用
今後もこのスタイルは維持すべき
10
ビジネス
ビジネス上の成功
納得のいくデザインを
続けていく機会を広げ
る、重要な要素
繊研新聞2003年3月8日より
11
ビジネス
・
製造コントロール
・未開の地域に店舗開店
10+1web siteより
→ 裏原系ショップの先駆け
間口を狭め、特定の顧客へと対象を絞り込む
・川久保自身が頻繁に店舗に足を運ぶ
12
輸出状況(1991年当時)
・取引契約に慎重
(常に20社以上が取引希望として待機)
・輸出売上を総売上の10%に止まっている
But
・年間輸出量
→ イッセイ・ミヤケとヨージ・ヤマモトを合わせた
数字を上回る
13
コム・デ・ギャルソンの2004年の動向
ゲリラストア
(一年間の期間限定イベントブティック)
・地元の異分野の素人が店舗運営
・元の店舗を上手く利用し、内装には経費を掛けない
・新作や限定品や定価の4割引の在庫品
・大手が目を向けない国や立地に出店
・2年以内に20店舗を出店予定
14
ゲリラストア
asahi.com 2004年8月11日より
海外への進出の半面、これまでの
在庫品の整理をするという着実な戦略
15
ドーヴァー・ストリート・マーケット
・2004年9月11日ロンドンに出店
・店舗面積1200㎡(地上5階地下1階)
・年商目標:10億1200万円
・ブランドが並ぶボン・ストリートではなく
一本裏手のドヴァー・ストリートにある
日本ブランド企業としては世界最大の直営店
16
ドーヴァー・ストリート・マーケット
イギリス公開講座 2004年10月24日より
自社製品以外に、外部デザイナーや異文化の専門店などと
取り組んだ商品も扱う
シャネルなどの高級ブランドとは異なった店舗つくりを目指す
17
第2章
COMME des GARCONSと
CHANELの共通点と相違点
18
第2章
「ココ・シャネル」と「川久保玲」
デザイナー ココ・シャネル
川久保玲
共通点
・女性デザイナー兼、経営者である
・「自分の着たい服」を作ったのが始まり
・人脈をつくり、ファッション界に進出していった
相違点
・教育を受けていない
・大卒
・自分自身がモデルとなり、 ・一切マスコミにでない
マスコミに出ることでの宣 ・謎めいている
伝効果
・社交的
19
「シャネル」と「コム・デ・ギャルソン」
ブランド
シャネル
コム・デ・ギャルソン
共通点
・株式を非公開
・これまでの概念を覆す、衝撃的な
スタート
(ex:シャネル;「リトルブラックスーツ」、コ
ムデ;「ボロルック」)
・余分なものをそぎ落としたデザイン
・「黒」を使った 服
・デザイナーのバトンタッチに成功
20
ブランド
シャネル
コムデ
企業広告新聞一面広告
企業広告を新聞、雑誌
国際フォーラムー巨大広告 に出さない
パブリシティのみ
3500万ドルのCM制作
プロモー
相 ション
パブリシティも歓迎している
違
点
店舗によっての対応が
能力重視
かなりの差がある
(TOEIC、英検が必要)
CP
21
ブランド
シャネル
コムデ
相違点 店舗
ゴージャスな旗艦店 オーガニックで安
上がりな店舗再
生型
ex;ゲリラストア、
ドーヴァースト
リートマーケット
ネット 日本語版の公式HP 公式HPは存在し
での検 ファンサイト、販売 ない
索結果 サイトが数多く出て 掲示板などがあ
くる
る
585万件
24.1万件
22
シャネルとコムデの相違点から
シャネルは特に
・プロモーションに力を入れている
・CPの点においても高学歴者を採用している
コムデ独自のプロモーションを
考えていくべき
23
価
格
設
定
シャネル
コム・デ・ギャルソン
香水
N゜5 7.5ml
\14,700
スーツ
ジャケット 40~70万
スカート 20~50万
売れ筋のもので200万を超える
スーツもある
小物類
バッグ
7万~100万以上
財布
3万~10万以上
オードゥトワレット
COMME des GARCONS 2
(スプレー)50ml \8,400
スーツ
ジャケット 15万前後
スカート 20万前後
小物類
財布
¥5,800~
32,000
バック
¥15,000
~15万
アクセサリー
¥5,000~
20万円
24
イヤリング
3~6万前後
コムデは従来のような
コムデ独自の
価格設定ではなく
ビジネスモデルが
もっと価格ラインを広げて
必要である!!
コムデ独自の価格戦略をすべき
25
第3章
COMME des GARCONSの今後
26
第3章 COMME des Garconsの今後
 重要人物である「川久保
玲」の
引退の可能性
世界に飛躍するために
最悪、買収の可能性も考えられる
↓
パワー・ブランドになる!!
シャネル:推定2100億円(2002年)
 利益の規模の問題:
コムデ :140億円(2003年)
27
パワー・ブランドとは
パワー・ブランド3条件
①世界の人が認めている
②日本の専門家が認めている
③20年以上市場にある
パワー・ブランドになる9の法則
夢の法則・一貫性の法則・革新性の法則・主役の法則
日本モデルの法則・スーパー・カスタマーの法則
クラブの法則・エージングの法則・倫理性の法則
28
特にコムデに深くあてはまる4つの法則
夢の法則・・・着た人が自信を持てるような
洋服づくり
 主役の法則・・・デザイナー兼経営者である
「川久保 玲」
 一貫性の法則・・・川久保の目の届く範囲で
全ての活動を行っている
 革新性の法則・・・デザイン・店舗空間など
全てが革新的

29
主役の法則・・・デザイナー兼経営者である
「川久保 玲」
・若いデザイナーのお手本とされる
・1994年 イギリス:ファッション人間
NO.1に選ばれる
一貫性の法則・・・川久保の目の届く範囲で
全ての活動を行っている
・川久保 玲 → 渡辺淳弥へのバトンタッチ
川久保なしでも続けていける
ビジネスモデルが不可欠
30
提案
 ゲリラストア活用
 日本の繊維技術の保護
 CPのレベルアップ
 プロモーション
31
ゲリラストアの活用
価格戦略
経営面でも、川久保に変わる人材の開拓
実験店としてもっと活用すべき
プロモーションとしての役割
32
日本の繊維技術の保護
Made in JAPANブランドとしての義務
左:http://www.meti.go.jp/hakusho/chusyo/H07/3-2-152z.htm
右:http://www.meti.go.jp/hakusho/chusyo/H07/3-2-153z.htm
33
CPのレベルアップ
 採用基準のレベルを上げる
これまでの採用基準+能力重視
 インターナル・マーケティングの強化
語学力だけでなく、
コムデの理解を深めさせる
34
プロモーション
これまでのコムデ(川久保玲)
・川久保が大のマスコミ嫌い
・パブリシティ以外のメッセージがない
コムデらしさを保ったまま、世界に広める方法は?
webサイトでコムデ独自のメッセージを伝える
→『Six』のようなサイトをつくる!!
35
『Six』とは?
・1988年から3年間コムデが発行して
いた雑誌
(年2回発行、計6回で終了)
・一回につき約26,000部を発行
36
・Sixは第6感に訴えると
いう意味で、コムデとそ
のコレクションを取り巻く
空気を形に表したもの
・『Six』のつかみどころの
ない魅力こそが、コムデ
の世界
http://dax.zive.net/manisele/fashion/comdes/garconsindex.htmlより
コムデの世界観・メッセージを伝えるのに最適なもの
37
ポイント
誰もが気軽に、
コムデの世界観に触れられる
But
雑誌のままでは、
部数や地域が限られる
Webサイトが最適な提供方法
38
コムデのメッセージを伝えるサイトのため、
必要最低限の情報しか発信しない
・洋服は実際に店舗で見てもらう
・その他の情報はCPから
39
relax 2004年10月号より
40
【 Webサイト開設によるメリット】
・コムデの世界観に触れる人が多くなる
コムデに共感した才能ある
人材確保の機会が増加
・一般消費者もコムデの世界観に触れる
コムデが特別なブランドとして認知される
このように、コムデらしさを維持しながら
世界にメッセージを伝えられ
る
41
おわりに
・ゲリラストア活用
・日本の繊維技術の保護
・CPのレベルアップ
・プロモーション
将来を見越し、川久保なしでも経営を
続けられる組織体制をつくるべき
パワーブランドになる!!
世界に飛躍できる!!!
42