終章 人事労務管理の変遷と展望 B班 宇野澤・林・道家・松岡・太田・荻原 目次 第1節 第二次大戦後の人事制度の変遷 第2節 人事労務管理の国際比較 第3節 戦略的人的資源 第1節 第二次大戦後の人事制度の変遷 ●労働需給の推移に影響する要因 P267 図終-1 企業内人事制度に影響を与える 要因 これらが戦後、どう変化したか? →レジュメ末尾≪資料1,2≫参照 人事制度の変遷 <第二次世界大戦後~1950年代初め> 1.電算型賃金!! ※細かい構成はP274図4に記載 ・基本賃金:生活保障給(約70%),能力給(約20%),勤続給(約5%) ~特徴~日本全体の賃金制度に大きな影響 !! <1950年代~1960年代> 2.学歴別年次別管理!! ・高度経済成長に向けて生産力回復 ・1955年の進学率:高校(51.5%),大学(10.1%) 中卒→現場 高卒→事務や技術 大卒→例外的な採用 ・1966年 高卒が中卒を上回る 高卒→現場 大卒→事務や技術 ~特徴~最終学歴と入社年次で従業員をグループ化(管理)!! 初任給と定期昇給による方式(賃金)!! <1960年代> 3.職務給導入の挑戦と挫折!! ~特徴~職務制・・・仕事ごとに賃金が決まっている(アメリカを参考) ∴誰が担当しても同じ仕事なら賃金は同じ →日本では鉄鋼産業、電機産業に積極的に導入 問題点も… ・技術進歩の速さによる職務の変化 ・労働実態と職務給制度が合わない <1970年代~> 4.能力主義管理と職能資格制度!! ・従業員の職務遂行能力を発見し、開発し、有効に活用すること!! ~特徴~学歴や身分ではなく能力を評価(個人尊重、人間尊重) ☆日本を代表する人事制度へ☆ 問題点も… ・バブル崩壊後の不況 ・従業員のやる気を出す仕組みではない ・導入期 賃金<業績 → 不況期 賃金>業績 <1990年代> 5.成果主義の導入と反省 ・成果や業績に基づく賃金体制 目標の達成度で 評価 ~特徴~目標管理制度の導入 問題点も… ・従業員は目標低い方が良い →業績が悪化するケースも ・毎日のように新たな課題が発生 ・目標が古くなる ☆ユーザーが使いやすい人事制度 を作ることが大切!!! 第2節 人事労働管理の国際比較 国際比較研究 他国との比較において、共通点や相違点が一体いかなるもの であり、それが何によって規定されているのかを明らかにする。 「他の変数をコントロールする」 国際比較研究を行うためには、国の違いという変数以外は 条件を一定にする。 コントロールすべき変数 ①産業②企業規模③従業員タイプ 人事労務管理における国際比較の4つの分類 ① 地域間で異なる企業の比較(直接投資型・国際協調型) →幅広い1職能型、技能形成の中心はOJT、レンジ・レート・グレート給の普及 ② 同一多国籍企業のなかで本社と現地法人との比較 →乏しい要素は従業員の集団主義行動、組織への一体感、職務行動の融通性 ③ 同一多国籍企業を異なる進出先間で比較 →両者の間でパフォーマンスの差がでる余地が無い、過剰品質 ④ 同一産業・同一地域で競争している異なる資本国 籍の人事管理を比較 →「ホームカントリー効果」が支配的ならば、雇用制度の多様化 →「ホスト国効果」が重要ならば、長期的には土着の雇用制度への収斂 イギリスの投資銀行 ローカルでのベスト・プラクティス しかし、一方では... ・海外株式<日本株 ・エクイティ部門の主要ポストは日本人出向者で 占められている ・日本人出向者の給与は国内と同じ職能資格制度 差異化戦略・日本的経営 =ローカルのベストタレント獲得が困難 東京の投資銀行 日系投資銀行 ①人事部門主導型 → 終身雇用 職能資格制度 東京という同一地域 で競争している 外資系投資銀行 ②部門完結型(米系) → 地域で完結しているタテ割 りの人件費 ③部門プラス人事部門混合型 (欧州系) → 部門ではなくタイトルによる サラリーレンジの設定 資本国籍によって賃金制度が違う 第3節 戦略的人的資源管理 《“人事管理”から“人的資源管理”へ》 1960年代 : Personnel Management ⇒ 70年代 : Human Resource Management ◆人材に対する考え方 : 代替え可能 ⇒ 企業の競争優位の源泉 《資源ベース理論》 企業競争力の源泉を企業内部の経営資源の蓄積に求める。 企業独自のスキル開発をして,競争に勝つ。 ① 経済価値を生み出すもの ② 希少性が高いもの ③ 模倣困難性が高いもの ④ 代替不可能性が高いもの 戦略的人的資源管理 (Strategic Human Resource Management) 企業の経営戦略の実現に貢献できる人的資源管理 ベストフィット・アプローチ • 経営戦略によってそれに適合的な人事戦略や人事管理制度が異なるもの ベストプラクティス・アプローチ • 経営戦略とは別に企業に好業績をもたらす望ましい人事戦略や人事制度が存在 ベストフィット・アプローチ ベストプラクティス・アプローチ 共通点 人事戦略と人事管理制度が企業の競争優位を支えるものであるという点 競争優位の源泉を企業内の経営資源に求める資源ベース理論 経営資源のなかでも人的資源を重視するもの しかし!! ベストプラクティス・アプローチは、 企業の競争優位を支えることができる人的資源のあり方は1つで、そのため 人的資源を支える人事戦略と人事管理制度には共通した特徴があること、 つまり普遍的なものであることを主張する点に特徴があります。 まとめ 第1節 • 第2次大戦後の人事制度の変遷について – 経済環境の変化に対する人事制度も変わってきた 第2節 • 人事労務管理の国際比較 – 国際比較研究で最も重要なことは、企業規模や業種、職種といった 他の条件をコントロールすることによって、純粋な国と国との違いを 抽出すること 第3節 • 戦略的人的資源管理 – 経営戦略などに適合的な人事戦略や人事管理制度は異なるもので あるが、異なる人事戦略や人事制度には共通した基本的な原理や 原則がある
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