2005世界物理年

相対論的輻射流体力学における
速度依存変動エディントン因子
Velocity-Dependent Eddington Factor
in Relativistic Photohydrodynamics
福江 純@大阪教育大学
目次
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 1
 2
 3
 4
 5

主題
動機
物理
修正
結果
影響
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1 動機
Motivation
1.動機
従来の定式化の下で相対論的
輻射流を調べた(Fukue 2005)
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1.動機
v=c/√3で特異性が出現
u2=1/2
or
β2=1/3
で分母=0!
平行平板(1次元定常輻射流)で、τは表面からの光学的厚み
u=γβ=γv/c: 流れの4元速度、β=v/c
F:輻射流束、P:輻射ストレス、J:質量流束
Relativistic Radiation TransferのMoment Formalismの欠陥:
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e.g., Turolla et al. 1995; Dullemond 1999
1.動機

従来の定式化の下では
特異性を通過する遷音
速解はあるが、輻射抵
抗で減速する解で境界
条件も満たさず、不適

加速する解で、かつ表
面境界条件を満たすの
は、特異性を通過しな
い亜音速解だけだった
光速まで加速できない!
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2 物理
Physics
2.物理
問題はclosure relationの妥当性
特異性の原因を辿ると
エディントン近似に行き着く。
従来の定式化では、
P0:流体共動系での輻射ストレス(テンソル)
E0:流体共動系での輻射エネルギー密度
P0= f E0: f =1/3
と置くが、これは v~c (β~1)で成り立つのか?
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(1)世の中
粒子サンと光クンがいる
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(2)千鳥足
光速で飛ぶ光クンは粒子サンにぶつ
かるので、遅い実効速度で拡散する
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(3)亜光速一様流
粒子サンが亜光速で動いていても、
全員が一様に動けば静止系と同じ
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(4)亜光速加速流
速度勾配が大きいと、平均自由行程
が方向で異なり、拡散は非等方となる
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2.物理
変動エディントン因子
光学的に厚い-薄いを遷
移する輻射流(球対称)
低速(静止)-亜光速へ
加速される輻射流
Tamazawa et al. 1975
Fukue 2006
τ大:diffusion limit→ f ~1/3
β小:diffusion limit→ f ~1/3
(光子の平均自由行程が短く、光子
拡散が等方)
(光子の平均自由行程が短く、光子
拡散が等方)
τ小:streaming limit→ f ~1
β大:relativistic limit→ f ~1
(光子の平均自由行程が長くなり、
光子拡散が非等方になる)
(加速が光速のオーダーになり、平
均自由行程が伸びて、光子拡散
が非等方になる)
例えば
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3 修正
Modification
3.修正
f (β)を用いた新しい定式化1
平行平板1次元定常流
[特殊相対論の枠内]
 質量流束の保存
 運動方程式
 エネルギー(輻射平衡)
 0次のモーメント
 1次のモーメント
 速度に依存するエディ
ントン近似↓
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3.修正
f (β)を用いた新しい定式化2
光学的深さτを導入
 光学的深さ



運動量流束の保存
エネルギー流束の保存
運動方程式
u =γβ :流れの4元速度
β=v/c
F:輻射流束、
P:輻射ストレス
J:質量流束
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3.修正
速度依存変動エディントン因子
f (β)の条件
f(0)=1/3、f(1)=1
 単調増加
 f(β)-β2>0
(特異点はβ=1のみ)
 du/dτ|c<0
(加速解が特異点までつながる)

もっとも単純な形が→
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4 結果
Results
4.結果
光速まで加速される解
境界条件
流れ基部(大気深部)
 流速 v=0
 光学的深さ τ=τ0
 (輻射流束 F=F0)
 (輻射圧 P=P0)
流れ表面(大気表面)
(亜光速で動いている境界条件;
Fukue 2005b)
 流速 v=vs
 光学的深さ τ=0

質量流束 J (固有値で求まる)
光速まで加速できる!!
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4.結果

光速まで加速される解
質量流束 J (固有値と
して求まる)
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5 影響
Influence
5.影響

(i)
(ii)
(iii)
(iv)
Generalized variable Eddington
factor
一般形 f (τ,β)
低速で従来形f (τ)
光学的に厚いとf (β)
τ大 and β小で1/3
τ小 or β大で1
球対称の場合は→
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5.影響
関連する天体現象
輻射場が重要な相対論的天体現象全般
ブラックホール降着流
 相対論的天体風、亜光速宇宙ジェット
 相対論的爆発、ガンマ線バースト
 ニュートリノ輸送
 初期宇宙

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5.影響
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今後の課題
f (τ,β)のより適切な形?
平行平板→球対称の場合 →→ 秋月講演
 重力場の効果
 ガス圧、磁気圧の効果
 いろいろな天体現象への応用
 数値シミュレーション→誰か他の人(笑)
 FLD(flux-limited diffusion)などへの応用

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