格子上の場の理論の最近の進展

格子超対称性に向けて
宗 博人(新潟大・理)
`02 Oct. 24
於 基研
内容:
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ちょっと一言
超対称性とは?
格子上の超対称性の登場と困難
Wilson Fermion では?
フェルミオニック対称性
坂井・坂本 → Kaplan et. al (02)
セル+パイプ模型 (01)
伊藤・加藤・澤中・宗・浮田・村田
・ まとめ
1
一言
(2002まで)格子上の超対称性は、
・格子QCDの勃興期に対応
・いろんなアプローチが提唱
・新人でもあっと驚く仕事の可能性
・確実な仕事向きではないが….
2
行列模型
格子QCD
カイラル
ゲージ
理論
格子
超対称性
CP PACS
Luscher
????
先頭
格子
量子重力
3
連続理論における超対称性
ポアンカレ対称性 (並進 + ローレンツ対称性)を含む非自明な拡張には、
フェルミオニックな対称性を必ず含む (超ポアンカレ対称性)
→ ‘beyond the standard model’の有力候補
超ポアンカレ代数(N=1)
4
ガンマ行列
5
フェルミオンとボソンの自由度と質量縮退
(真空はユニーク)
真空以外は、 同じ(物理的)自由度
6
同様に、質量縮退は、
を計算
質量縮退
但し、PとQが可換、Qと(-1)2Sは反可換を使う
7
(D次元空間) ユークリッド理論 +経路積分量子化
物質場多重項
S=0,1/2
超対称性(SUSY、supersymmetry)の変換
8
R-symmetry (SUSYと関わるglobal symmetry)
三種類のU(1)の存在、三つの複素場φ, ψ, F
多重項としてのU(1)、カイラルU(1)、 U(1)R
∵ 本質的にカイラル ← カイラルアノーマリー
9
連続でのsuper Yang-Mills 理論without Auxiliary Field
ゲージ場多重項 (S=1, 1/2)
変換
ライプニッツ則とビアンキ恒等式
O(Ψ)は、任意次元で相殺
10
O(Ψ3)は、以下の次元のみ相殺
D=3 Majorana
2/2 = 1
D=4 Majorana
22 /2 = 2
D=6 SU(2) Majorana-Weyl 23*2/2/2 = 4
D=10 Majorana-Weyl
25/2/2 = 8
11
1 格子上の超対称性の始まり
Pioneering Work;
LATTICE SUPERSYMMETRY
P.H. Dondi, H. Nicolai, Nuovo Cim.A41:1,1977
格子化 → ナイーブ差分
問題点
・代数
・ライプニッツ則
・(ビアンキ恒等式)
・自由度(ダブリング)
・質量、無質量
・‘マヨラナ条件’
お断り
Ginsparg-Wilson Fermion関係式とSUSYの関係
(菊川-青山、宗-浮田、菊川-中山、藤川)
省略
12
Ginsparg-Wilson(GW)関係式と超対称性
D=2, Wess-Zumino 模型(Ukita-H.S
PL B457 (‘99)314)
ミクロからマクロへ・・・ブロックスピン関数 fn(x)
13
GWと同様の方法(ガウス型)で、ブロックスピン
・ カイラル変換では、普通のGW関係式を導く。
具体的なブロックスピン関数(f)によらない。
・ SUSYでは、具体的なブロックスピン関数(f)に依存する。
フェルミ型GW+ボーズ型GWを見つけられる(A-K’99)
U(1)Rは Luscher型である。
しかし、fは一般に非局所的である。
さらに、相互作用があるとお手上げ
・ super Yang-Mills では、mass term (ガウス型ブロックスピン)
とゲージ対称性の相性は????
・ 量子マスター方程式では、克服可か???
14
2 困難
A. SUSY代数
↓
(結晶)空間群 ← 有限並進変換
←
Super Poincareの再考
B. ライプニッツ 則の破れ
自由場の理論
(野尻、青山-菊川、宗-浮田、・・・藤川・・・・)
→
作用の不変性に対して、
O(a)の破れか、 ライプニッツ 則を使わない
15
格子ライプニッツ則のno-go定理
条件
・ 並進不変性
・ ‘local’な差分によるライプニッツ則
・ 相互作用が、(指数関数的に)local
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
→ 不可能
Ukita-H.S
’99 SUCAL 新潟研究会報告
16
O(a)の破れ
I Curci-Veneziano
II Kaplan-Schmaltz
SYM →
I → Adjoint Wilson Fermion + Fine Tuning
‘マヨラナ条件’
Fine Tuning of Δm
17
仮定:SUSY固定点ありき
relevant, irrelevant Operatorsに分類
ゲージ不変な(自由度もバランスした)形式では
Fine Tuningは、フェルミオンの質量項のみ
カイラル Ward-Takahashi id.
SUSY Ward-Takahashi id.
同等性(一つのΔmで、両恒等式をsaturate)
谷口、DESY-Munster-ROMA
(1-loop, MC)
一応肯定的だが、
実際のシミュレーション、有限繰込み
18
II Domain-Wall Fermion + 5D Majorana Condition
Domain-Wallの図
ゼロモードの図
5次元マヨラナ条件
・Fine Tuningは不要になった
・symmetryはない
19
3 ライプニッツ則は必要か?
• フェルミオニックな対称性
↓
Vacuum Energyの相殺
BosonとFermionの質量縮退
例 坂井-坂本 (Nucl.Phys.B229:173,1983)
N=2, D=2 Wess-Zumino model
Four Fermionic Charges
代数にPを含まない二つのCharges
表示
・ ‘SUSY’代数としては、Hのみ含む
・ spinorを1に固定してinternal (1⇔2)回転不変性
GR= O(2)
・ 対称性が厳しいが、N=1でも可能(Elitzur-Rabinovici-Schwimmer ’82)
20
21
∴ Hamilton形式ではライプニッツの問題がない
但し、全体の半分のFermionic Chargeのみ
あとの対称性は、格子上では問わない
場の置き方:サイト上とリンク上にばらける
サイト(n)
リンク(n,n+1)
Super Potential Wがあっても、OK.
Nicolai Mapping → ユークリッド作用の構成
真空のエネルギーの相殺(Z=1)の確認
何故、サイトとリンクにばらけたのか? → 自由度の問題
1+1次元では、Wilson とStaggeredの区別がない?
22
ナイーブなアプローチ
フェルミオン doubling → ボソン doubling
23
Catteral-Karamov
Phys.Rev.D65:094501,2002
Nucl.Phys.Proc.Suppl.106:935-937,2002
ユークリッド作用の対称性
↓
フェルミオニックな対称性
フェルミオンとボソンの質量縮退
Super-QM
変換
注意
1 変換は BRS的
2 OS positivityはない
24
Mass の縮退と SUSY Ward-Takahasi id.
フェルミオンとボソンの縮退の表
SUSY Ward-Takahasi id.
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LATTICE SUPERSYMMETRY
D.B.Kaplan E.Katz and M. Unsal
hep-lat/0206019
・ Construction of Lattice Theory
・ Exact Fermionic Symmetry
- half of original ‘SUSY’ –
・ 3 Ms
⇒ 6 daughters
D=4,6,10 or N=1,2,4
Orbifolding
・ Hamilton形式 →
0+1次元理論
・ Lack of discrete‘ Lorentz’ symmetry
・ Lack of O-S positivity (?)
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Construction of Connectivity
‘d次元空間’+連続時間
GR×U(Nd k)
∋
GR : Global R-Symmetry
Adjoint
← 単なる整数の組
d個の制限 (‘Orbifolding’)
← ‘格子化’
Nは‘空間’格子のサイズ
27
1次元空間の例
Φが0以外の値を持つには、
orbifold chargeが0の時は、n=m
‘サイト’と呼ぶ
orbifold chargeが±1の時は、n=m ±1 ’リンク‘と呼ぶ
高次元の場合は、以下の表から読み取る
28
(i) 一次元(空間)格子
(ii) 二次元(空間)格子
(a)
point group
π回転と鏡映(4)
(b)
point group
(iii) 三次元(空間)格子
point group
Dihedral sym. (12)
Octahedral sym. (48)
29
図(i)
図(ii)a
図(ii)b
図(iii)a
30
図(iii)b
図(iii)c
point group
(8)
31
1+1次元理論の連続極限と格子‘作用’
N=1,3+1次元SYMの連続理論のreduction
Target Theory
図1の例(0+1次元)
補助場を消すと
ボソン
フェルミオン
32
Classical moduli
‘格子化’へのパラメーター
連続極限
‘Wilson’ 項の生成
33
フェルミオニックな対称性と
セル+パイプ模型
Itoh-Kato-Sawanaka-So-Ukita , Nucl.Phys.Proc.Suppl.106:947-949,2002
Prog. of Theor. Phys. 108 :363-374,2002, hep-lat/0209034
Itoh-Kato-Murata-Sawanaka-So, hep-lat/0209030
戦略:可能な限り、localな理論の枠で、
フェルミオニックな対称性を探す。
連続極限で生き残る対称性 → SUSY?
• セル模型 ・・・・ Minimalな世界
基本格子上の
リンクにリンク変数
サイトに、グラスマン変数
Wilson’s plaquette Action
+ real staggered Fermion
と
を置く
34
2,3次元の図
連続でのsuper Yang-Mills変換に‘類似な’
フェルミオニックな対称性を探す
フェルミオニックな変換 (preSUSY)
αρμと Cμνは、G-oddなパラメーター
図で書くと、ゲージはー、フェルミオンは●
35
作用の図
符号について
影つきが、δ=+1
変換の演算子の図
36
フェルミ3次項を相殺するための条件
⇔
∴
ゲージ作用とフェルミ作用の相殺条件
⇔
37
∴
⇒
経路積分測度不変の条件
条件式を解く
独立変数
サイトあたりの自由度
ーーーーーーーーーーーーーーーー
全空間へ拡張は可能か?
すべての断面で、市松模様
= Ichimatsu lattice
38
39
フェルミオンをswitch offすると各セルは、
お互いに何の関係もない
・パイプ模型からセル+パイプ模型へ
パイプ =セルの補集合
パイプの図
セルとパイプを式で書くと
セル+パイプ作用
40
41
セル+パイプ模型の対称性
独立な自由度 2D-1で解ける
42
Ichimatsu Lattice のuniqueness 定理
仮定
・ どんな面でも市松模様
・ mod 2 並進対称性
・ π/2回転対称性
・ Reflection Positivity
結論
⇒
セルかパイプか
セル+パイプ
しかない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1-component Grassmann (ξ)と
フェルミオン (Ψ)の関係
Majorana Staggered Fermionの
Ψ
Spinor 再構成の問題
現実には、次元による構成
⇔
ξ
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連続極限と真空構造
ゲージ結合定数の定義
フェルミオンの変換の問題
の相構造が大事
3D Z2と4D SU(2)模型で調べる
(相転移がある系とクロスオーバーしかない系)
Pure Gauge 系
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平均場による相図
Dualityとセルやパイプでの相転移
45
3D Z_2 セル+パイプ模型
では、3Dイジングに等価
46
シミュレーションによる相図
47
4D SU(2) セル+パイプ模型
Crossover 付近
48
49
強結合パイプ模型
50
強結合セル模型
51
シミュレーションによる相図
4D SU(2)
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まとめ(宿題)
SUSYの代わりにフェルミオニックな対称性
・超空間の格子化は?
・グラスマン数の離散化?
実空間だけ離散化して
グラスマンの方は変えない?
フェルミオニックな対称性の正体
Super Poincareの‘格子化’?
セル+パイプの問題
ダブリング ⇔ N=? ⇔ local parameters
Kaplan et al の問題 Euclid latticeで構成可? OS positibityの問題
53
比較
セル+パイプ模型
・ より‘単純な格子’から、exact fermionic symmetryを探す
・ mod 2 ICHIMATSU格子
・ ユークリッド格子
・ OS positivity OK
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
K-K-U模型
・ 残すべきexact fermionic symmetryを考えながら、格子構造を考える
・ 点群
・ ハミルトン形式
・ OS positivity NO?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
共通項
格子にある構造を持たせて、格子‘SUSY’を
Exact symmetry に昇華させる
54
格子QCD
カイラル
フェルミオン
格子
超対称性
先頭
55