08情報科学概論(1):はじめに 田中美栄子 4803室 オフィスアワー:木5限 知識工学講座A研究室 教科書 • 「情報科学概論」講談社サイエンティフィック • 生協書籍では33冊のみ確保 • アマゾンで買える 出席、単位 • 出席は記名式 • 単位認定基準 • 定期試験×0.4+小テスト2回の和×0.3>=60 情報科学 • 情報科学=コンピュータ科学 • コンピュータに関わるもの全てを包括する 総合科学(殆ど工学だが、数学的考え方を 基本とし、物理学の概念/技術を多用する) • 1970年頃から発展してきた新しい科学 • InformationというとCIAなどを連想しがち コンピュータは脳の真似 • 人間が考える代わりにコンピュータに仕事を させよう、というのが発端 • 人工知能 • しかし、脳とは違う部分がはっきりしてきた • コンピュータに得意な事をやらせよう • 何ができて何ができないかを明確化 • 脳の真似をするコンピュータも欲しい ディジタルコンピュータの概念 • 単純な基本素子の集まりとして作るのは脳の 真似である。基本構造はみな同じ。 • 修復も簡単 • エネルギー消費も最小 • 計算速度が速い • 高級マンションがコンクリートの塊なのと類似。 壁紙と木の質などで高級感を演出。 ノイマン式コンピュータの概念 • Digital(単純な基本素子の集まりとして作るの は脳の真似. 基本構造はみな同じ) • 2進法 • ノイマン・アーキテクチャ(直列逐次処理) 単純な構造だから何でもできる • • • • • • 万能チューリング機械の概念(数学モデル) AがBを模倣できるならば、AとBは等価 全てのコンピュータは等価 基本素子を組み合わせて作られる回路 基本素子の完全な組:{AND,OR,NOT} ド・モルガンの法則を使えば{AND,NOT} あ るいは{OR,NOT}だけでできる。{NAND}、 {NOR}などは、ひとつで完全。 ノイマン式コンピュータ(第1世代~第 4世代) +第5世代=非ノイマン式 • • • • ハードウエアの違いで4つの世代に分ける 第1世代:真空管を使って増幅回路 第2世代:トランジスタを使って増幅回路 第3世代:LSI(Large Scale Integrated Circuit) 第4世代:VLSI(Very Large Scale Integrated Circuit) いわゆるシリコンチップ上の大規模集積回路 第5世代コンピュータプロジェクト • • • • 通産省の大プロジェクト・・・失敗? ICOT 1992年に終結。研究成果の総括。 その後もノイマン式が主流 多値回路、閾値回路(パーセプトロン)、など 研究対象としては持続 • パーセプトロンはハードウエアよりも、応用ソ フトウエアや理論的な発展が主流に 基本素子から作られる回路 • 万能チューリング機械の概念 • AがBを模倣できるならば、AとBは等価。 量子コンピュータ、量子通信 • 集積回路の量子限界、もしくは発熱限界 • これ以上集積すると量子力学を無視できない 小さな領域に入り込み、量子雑音で正しい計 算ができない? • むしろ量子効果を利用した計算機の考案を 期待 • 盗聴がばれる量子通信で秘密鍵を送る 21世紀は総合科学を目指す • 情報科学はコンピュータを改良するだけでは ない (純粋数学の轍を踏まない) • どのようなコンピュータ(ソフト、ハード)が必 要かは用途次第 • 個別科学の成果と共に発展すべきもの • それぞれの専門分野から情報科学を立ち上 げ、問題を整理すべき • 問題①:自分の分野から派生する適当な問 題をひとつ考えよ (私は経済物理学を試行) 人間はパターンを一瞬に認識し、 コンピュータは逐次実行 • 1111を10進数として認識するときは、桁ごと に0から9までの10種類のどれであるかを認 識しそのうちのひとつであることが確かめら れないといけない。4桁あれば40回の操作 が必要。一方、11桁の2進数を認識するには、 各桁ごとに0であるかないか、1であるかない か野判断を1回やるから全部で22回の操作 で済む。すなわち2進法のほうが半分の手間 で済む。 今後の授業の内容 • 情報の表現 – 2進数表現・演算 – 2値の論理・演算 • • • • • • コンピュータの処理と仕組み アルゴリズム アルゴリズムとデータ構造 プログラミング(C言語) 符号化と誤り訂正 RSA公開鍵暗号と量子コンピュータ 寄り道(1) Gnuplotで遊ぶ Gnuplotを起動する(ダブルクリック) GNUPLOT MS-Windows version 3.5 patchlevel 3.50.1.17, 27 Aug 93 last modified Fri Aug 27 05:21:33 GMT 1993 Copyright(C) 1986 - 1993 Thomas Williams, Colin Kelley Send comments and requests for help to [email protected] Send bugs, suggestions and mods to [email protected] Terminal type set to 'windows' 正弦曲線を描く y=sin(x) gnuplot> plot sin(x) 1 sin(x) 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -10 -5 0 5 10 一周期分だけにする gnuplot> set xr [-3.141592 : 3.141592] gnuplot> rep ちょっと足りない(端が切れる) gnuplot> set xr [-3.141593 : 3.141593] gnuplot> rep 1周期分のsin(x) 1 sin(x) 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 倍音を足してみよう(音色をつける) gnuplot> plot sin(x)+sin(3x) ^ ')' expected • 何が悪かったか? 音で聞けば、音色がついている • gnuplot> plot sin(x)+sin(3*x)/3 1 sin(x)+sin(3*x)/3 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 パルス波を作ってみよう 増やして行くと、、、 gnuplot> plot sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 gnuplot> plot sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9+sin(11*x)/11 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9+sin(11*x)/11 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -3 -2 -1 0 1 2 3 gnuplot> plot sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7 gnuplot> set xr[-10:10] gnuplot> rep 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -10 -5 0 5 10 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -10 -5 0 5 10 1 sin(x)+sin(3*x)/3+sin(5*x)/5+sin(7*x)/7+sin(9*x)/9+sin(11*x)/11 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 -10 -5 0 5 10 3角(ノコギリ)波を作ってみよう 偶数倍音も入れる gnuplot> plot sin(x)+sin(2*x)/2+sin(3*x)/3+sin(4*x)/4 2 sin(x)+sin(2*x)/2+sin(3*x)/3+sin(4*x)/4 1.5 1 0.5 0 -0.5 -1 -1.5 -2 -10 -5 0 5 10 1周期(1波長)だけにすると 2 sin(x)+sin(2*x)/2+sin(3*x)/3+sin(4*x)/4 1.5 1 0.5 0 -0.5 -1 -1.5 -2 -3 -2 -1 0 1 2 3 様々な波(エネルギーの伝搬) • 海水(波長は0.01~100m) • 音波(人間の可聴振動数は20Hz~20kHz: 波長は音速v=340m/sを振動数で割って、7mm ~7m) 理由? • 光波(人間の可視波長は450-740nm) 橙赤(波長: 625-740 nm 周波数: 405-480 THz) 緑(波長: 500-565 nm 周波数: 530-600 THz) 紫青(波長: 450-485 nm 周波数: 620-665 THz) 可視光線以外の光もある(光らない光) ラジオ波(長波):波長>1km(周波数f<300kHz) ラジオ波(中波):波長=100k~1km(300kHz~3MHz) ラジオ波(短波):波長=10~100m(3~30MHz) VHF(極短波):波長=1~10m(30~300MHz) UHF(極短波):波長=0.3~1m(300MHz~1GHz) マイクロ波: 波長=0.03~0.3m(周波数1~10GHz) ミリ波:波長= 1mm~1cm(周波数30~300GHz) 赤外線:波長=0.7μm~0.1mm(周波数750~30kTHz) 可視光線:波長=400~800nm(周波数375~700THz) 紫外線:波長=10~400nm(周波数750~30kTHz) X線:波長= 1pm~1nm(原子内電子軌道の遷移で発生) γ線:波長 < 1pm(原子核内の準位遷移で発生)
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