ステレオスコーピング 測量学実習 第3回 本日の概要 実習の目的 ステレオスコーピングとは? 写真測量について 特徴 写真測量の応用について 分類・用途 実体鏡を用いない立体視 作業手順 使用器具 実習方法(Ⅰ~Ⅴ) ダムの計算方法 本日の課題 実習の目的 2枚の航空写真を、反射式実体鏡を用いて観察し、 物体が立体的に浮き上がって見えることを経験する。 写真に写っている具体的な物の標高差(比高)を測 定する。 ステレオスコーピングとは? 写真測量について 実体視 2枚1組の写真の内1枚を右の眼、もう1枚を左の眼で見 ることで、あたかも対象となるものを直接みている印象 を受けることができる。これを実体視という。 これを反射実体鏡を用いることで容易に行うことができ る。 写真測量 航空写真に写っている被写体の大きさ、形、色な どから被写体の立体的な形、位置などを測定する こと。 ステレオスコーピングとは? (cont.) 平行立体視方式 左右2枚の地形図を用い て立体視をする。 実体鏡を用いた空中写真 判読 <レンズ式(簡易)実体鏡> 主に2種類の方式がある。 簡易式(右上図) 反射式(右下図) 慣れると実体鏡を用いなくて も肉眼で出来るようになる。 <反射式実体鏡> ステレオスコーピングとは? (cont.) 特徴 非接触測定 遠隔測定 瞬時記録 全体記録 <反射式実体鏡> 3次元計測 記録の保存性 高価な機器が必要 杭・電柱・塀などの小物 体は写真からの発見が 困難 <視差測定かん> ステレオスコーピングとは? (cont.) 写真測量の応用について 空中写真測量によって地形図を作成する。 天体表面の測量、人工衛星による地球の調査・測量 建造物や遺跡の測量 X 線写真による測定 写真を用いて被写体の状態や特性を探る写真 判読・リモートセンシングは、近年著しく進歩し つつある分野である。 ステレオスコーピングとは? (cont.) 分類 狭義の写真測量 位置、形態などの測定を主とする分野 写真判読 性質、状態などを調査することに重点を置く分野 立体視地形図の用途 地形地質学習の教材としての利用 地形地質の調査研究の基礎資料としての利用 火山、活断層、地すべり等の防災計画の基礎資料としての利用 登山やハイキングのガイドとしての利用 ステレオスコーピングとは? (cont.) ≪参考≫ 実体鏡を用いない特殊な色眼鏡を用いた立体視 赤と青の立体視メガネを用いて立体感を得る 余色立体視方式(アナグリフ方式) 立体視メガネ 立体視地形図(RB-Map) 作業手順 使用器具 反射式実体鏡一式 (実体鏡本体、双眼鏡、視差測定かん) 航空写真左・右各1枚 直定規1個 赤鉛筆1本 メンディングテープ 消しゴム 集計用紙1枚 作業手順(cont.) 作業フロー ※作業を始める前に航空写真の赤鉛筆で書かれているマークをすべて 消してください。 作業フロー ダ ム の 高 さ を 測 定 す る 。 各 写 真 で 落 と し た 2 点 を 直 線 で 結 ぶ 。 一相 方手 のの 写写 真真 での も方 落で と落 すと 。し た 点 を も う 点 結空 と び中 す 、写 る 線真 。 のの 重4 な隅 っの た○ 部印 分を の対 点角 を線 点上 ・に B に約い 縦 固 25 た 視 定c直 差 線を すm 【 る反で な 。射繋 く 実げ す 体、 為 鏡各 に の写 2 幅真 枚 の 】 に同 の なじ 写 る場 真 よ所 を うが 引 A う行 写 にに 真 調な に 節る 引 すよ い るう た 。に 直 置線 きと 、反 立射 体実 に体 見鏡 えが る平 よ 実習方法(Ⅰ) 2 枚の空中写真それぞれにおいて、写真四隅にある赤 ○印を対角線上に結ぶ。 (仮に左側の空中写真の対角線の交点をA、右側をB と する。) ≪必ず指定した赤鉛筆を使用すること!≫ 実習方法(Ⅱ) 次に左側の空中写真でB 点にあたる地点を目測でポイ ントする。 逆に右側の空中写真ではA 点をポイントする。 それぞれを、A’、B’とする。 実習方法(Ⅲ) 次に、A-B’、A’-B を直線で結ぶ。 実習方法(Ⅳ) 図のように写真ⅠおよびⅡ を、重複部分が内側になるよ うに左右に並べ、左側の空中写真をメンディングテープで 机に固定する。 A-B’、およびA’-B が一直線上にあり、かつA-A’の間隔 が約25cm (反射実体鏡の幅)になるように加減する。 Ⅱ Ⅰ A B' 25cm A' B 実習方法(Ⅴ) 準備した写真の上に実体鏡の左右を結ぶ横線がA-B の 線に平行になるように実体鏡を置く。 接眼部から覗けば実体感が得られる。 もしも得られないならば、左眼の視野の中央にダムが見 えるようにセットし、次に右眼の視野の中央にダムが見え るように写真の位置を調整する。 実体感が得られたら、右側の空中写真をメンディング テープで固定する。 ダムの高さの算出方法 写真測量の基礎 写真の性質 ①フィルム面の投影された像は上下左右が反対になる。 ②撮影中心点より離れた位置にある高い被写体は写真 の外側に倒れたように移る。 中心投影の性質 ①主点・・・カメラの光軸がフィルム面と垂直に交わった点 ②鉛直点・・・レンズの中心Oを通る円直線がフィルム面 及び地表面と交わる点 ③等角点・・・∠nOpを2等分する線がフィルム面及び地 表面を貫く点 実体視 ある点を見た場合、両眼では約6~7cm離れており、同 じものを見ても左右の目に入ってくる角度(収束角)は異 なる。 収束角が小さいものは遠方にあるように感じ、大きなもの は近くにあるように感じる。 実体鏡を用いれば簡単に実体視が行える。 <中心投影の性質> [主点p(or P)、鉛直点n(or N)、 等角点i(or I)、] ダムの高さの算出方法(cont.) 視差 図のO1とO2でオーバーラップして撮影した1組の空中写真において、同一点でも 写真の撮影基線方向にずれを生じる。これを「横視差」という。⇒必要条件 <横視差から読み取れること> ①撮影点からある点までの鉛直距離は、視差の大きさに反比例する。 ②視差を測ることで標高を知ることができる。 ③2点間の標高差は視差の差に比例する。 ④視差の等しい点は標高が等しい。 縦方向のずれを「縦視差」という。⇒縦視差があると実体視できない。 標定 2枚1組のオーバーラップした空中写真から撮影位置を決めることをいう。 過高感 空中写真を実体視すると、実際よりも山が険しく、谷が深く見える。これは高さ (奥行き)が実際より誇張されるもので、この現象を「過高感」という。 ダムの高さの算出方法(cont.) 右図の相似関係を利用して次式が成り立つ。 Pa f Pb f , b H A b HB これより H A、H Bがもとまり、A点とB点の標高差 ⊿hは次式で求められる。 1 1 h H B H A b f Pa Pb pa と pb との視差の差(視差差)を⊿pとすると、 bfh p pa pb H AH B これより標高差⊿hは次式でも求められ、写真 の縮尺を m H / f とし、写真上の撮影基線 長を b' b / m とすると、次のようにも表わせる。 h H AHB H H p p ' p bf bm b 〈視差と標高との関係〉 pa 、 pb :視差 bfh p pa pb :視差差 H AH B b:基線長 ダムの高さの算出方法(cont.) 水面からのダムの高さを、視差測定かんを用いて次のよ うに算出する。 マイクロメータの読みを0 に合わせておく。 次に左右の測標を水面のわかりやすいところへ持ってきて、左 右の●印が一致して見えるように間隔調整ネジを加減して決め る。マイクロメータの読みをメモしておくこと。 左右の測標をダムの天端へ持ってきて、左右の●印が一致して 見えるまでマイクロメータ転輪を回す。 ダムの高さhは次式から求める。 H h p b H:撮影高度(4750m) b:A-B’の長さ(約60mm) < A-B’、A’-Bの長さが異なる場合は 両者の平均を算出して用いること。> p:視差の差(マイクロメータの読み) 本日の課題 反射実体鏡を用いて水面からのダムの高さ(水 面からダムの天端までの高さを測ること)を測定 し,グループの平均値を算出せよ.また,自分の 測定した際のb(A-B’の長さ)、p(視差の差)と、 測定したh(ダムの高さ)も記述せよ.
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