クーロンの法則

クーロンの法則
磁気に関する法則
静電気に関する法則
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二つの磁極間に働く力(要点)
便宜上,磁極が点と考えられるほど磁極間の距離 𝑟 が大きい場合は,
磁極を点(点磁極)として考える。
空間に磁極があるとき,
𝐹
N極(+)
𝑚1
N極(+)
𝑚2
𝐹
𝐹
𝐹
S極(-)
𝑚2
𝑟
𝑟
磁極の極性が同じ場合は
N極(+)
𝑚1
反発力 が働く
磁極の極性が異なる場合は
吸引力 が働く
◆働く力の大きさ
・両磁極の強さの積に比例する。
・磁極間の距離 𝑟 の2乗に反比例する。
◆働く力の向き
・両磁極を結ぶ直線上にある。
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磁気に関するクーロンの法則(要
点)
◆二つの磁極間に働く力を求める式
𝑚2 [Wb]
𝑚1 [Wb]
𝐹=
𝐹[N]
𝐹[N]
𝑟[m]
1 𝑚1 𝑚2
∙
[N]
4𝜋𝜇
𝑟2
𝜇:透磁率[H/m]
𝑚:磁極の強さ[Wb]
𝑟:磁極間の距離[m]
※磁極の強さ𝑚は,
N極のときは正(+),S極のときは負(-)で表す。
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磁気に関するクーロンの法則(要
点)
◆磁極が真空中にある場合
透磁率𝜇は,真空の透磁率𝜇0 になる。
(真空の透磁率 : 𝜇0 = 4𝜋 × 10−7 [H/m])
𝑚2 [Wb]
𝑚1 [Wb]
𝐹[N]
𝐹[N]
よって,働く力𝐹を求める式は
𝑟[m]
𝐹=
𝐹=
1
𝑚1 𝑚2
∙
4𝜋𝜇0
𝑟2
1
𝑚1 𝑚2
𝑚 𝑚
4 × 1 2 [N]
∙
=
6.33
×
10
4𝜋 × 4𝜋 × 10−7
𝑟2
𝑟2
となる。
◆磁極が空気中にある場合
空気の透磁率は,真空の透磁率とほぼ同じである。
よって,二つの磁極間に働く力𝐹を求める式は, 𝐹 = 6.33
× 104
𝑚1 𝑚2
×
[N] となる。
𝑟2
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二つの点電荷の間に働く力(要
点)
便宜上,帯電体が点と考えられるほど帯電体間の距離 𝑟 が大きく,電荷が
空間の一点に凝縮している場合は、帯電体を点(点電荷)として考える。
空間に電荷があるとき,
𝐹
正
𝑄2
正
𝑄1
𝐹
正
𝑄1
𝐹
𝑟
𝑟
同種の電荷間には
反発力 が働く
𝐹
負
𝑄2
異種の電荷間には
吸引力 が働く
◆静電力の大きさ
・両電荷の大きさの積に比例する。
・電荷間の距離 𝑟 の2乗に反比例する。
◆静電力の向き
・両電荷を結ぶ直線上にある。
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静電気に関するクーロンの法則(要
点)
◆二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式
1 𝑄1 𝑄2
𝐹=
∙
[N]
4𝜋𝜀 𝑟 2
𝑄2 [F/m]
𝑄1 [F/m]
𝐹[N]
𝐹[N]
𝑟[m]
𝜀:誘電体の誘電率[F/m]
𝑄:点電荷の電気量[C]
𝑟:点電荷の離れている距離[m]
※点電荷の電気量𝑄は,
正の電荷のときは「+」,負の電荷のときは「-」で表す。
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静電気に関するクーロンの法則(要
点)
◆点電荷が真空中にある場合
誘電率𝜀は,真空の誘電率𝜀0 になる 。
(真空の誘電率 : 𝜀0 = 8.85 × 10−12 [F/m])
𝑄1 [F/m]
𝑄2 [F/m]
𝐹[N]
𝐹[N]
𝑟[m]
静電力𝐹を求める式は
1 𝑄1 𝑄2
𝐹=
∙
4𝜋𝜀0 𝑟 2
1
𝑄1 𝑄2
𝑄 𝑄
9 × 1 2 [N]
=
∙
=
9
×
10
4𝜋 × 8.85 × 10−12 𝑟 2
𝑟2
となる。
◆点電荷が空気中にある場合
空気の誘電率は,真空の誘電率とほぼ同じである。
よって,二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式は,𝐹 = 9 × 109 ×
𝑄1 𝑄2
[N]
𝑟2
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となる。
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磁気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように,空気中にある二つの磁極の強さが 𝑚1 = 4 × 10−5 Wb と
𝑚2 = 6 × 10−4 Wb で,両磁極間の距離が 𝑟 = 10 cm のとき,両磁極
間に働く力 𝐹 は何 N か。
ヒント
解答
N極(+)
𝑚1
N極(+)
𝑚2
𝑟
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磁気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように,空気中にある二つの磁極の強さが 𝑚1 = 4 × 10−5 Wb と
𝑚2 = 6 × 10−4 Wb で,両磁極間の距離が 𝑟 = 10 cm のとき,両磁極
間に働く力 𝐹 は何 N か。
解答
N極(+)
𝑚1
N極(+)
𝑚2
𝑟
<ヒント>
・磁極が空気中にあるので,磁極間に働く力 𝐹 を求める式は
𝐹 = 6.33 × 104 ×
𝑚1 𝑚2
𝑟2
[N] である。
・磁極間の距離の単位はどうか。
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磁気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように,空気中にある二つの磁極の強さが 𝑚1 = 4 × 10−5 Wb と
𝑚2 = 6 × 10−4 Wb で,両磁極間の距離が 𝑟 = 10 cm のとき,両磁極
間に働く力 𝐹 は何 [N]か。
𝐹
N極(+)
𝑚1
N極(+)
𝑚2
𝐹
𝑟
<解答>
① 両磁極間の距離の単位を[m]に変換する。 → 10 cm = 0.1 m
② 磁極が空気中にあるので,透磁率は 𝜇 = 𝜇0 = 4𝜋 × 10−7 H/m となる。
③ 二つの磁極間に働く力を求める式に代入して計算する。
−5 × 6 × 10−4
𝑚
𝑚
4
×
10
1
2
𝐹 = 6.33 × 104 ×
= 6.33 × 104 ×
= 0.152 N
2
𝑟
0.12
働く力の大きさは 0.152 N で,磁極には反発力が働く。
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磁気に関するクーロンの法則
練習問題
真空中にある二つの磁極の強さが,𝑚1 = 3 × 10−5 Wb と 𝑚2 = -5 × 10−4 Wb で,
両磁極間の距離が𝑟 = 20 cm のとき,両磁極間に働く力の大きさ 𝐹 は何 [N] か。
また,働く力は吸引力か反発力か。
(1)解答
(2)
空気中にある二つの磁極の強さが,𝑚1 = 6 × 10−4 Wb と 𝑚2 = 4 × 10−4 Wb で,その
ときに両磁極間に働く力の大きさ𝐹は 0.5 N であった。磁極間の距離𝑟は何 [cm]か。
(2)解答
(3)
空気中にある二つの磁極が35 cm 離れており,磁極間には 0.8 N の吸引力が働いた。
片方の磁極の強さが𝑚1 = 3 × 10−5 Wbのとき,もう一つの磁極の強さ 𝑚2 は何 [Wb]か。
(3)解答
(1)
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磁気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(1)
真空中にある二つの磁極の強さが,𝑚1 = 3 × 10−5 Wb と 𝑚2 = -5 × 10−4 Wb で,
両磁極間の距離が𝑟 = 20 cm のとき,両磁極間に働く力の大きさ 𝐹 は何 [N] か。
また,働く力は吸引力か反発力か。
① 𝑚1 が正,𝑚2 が負であることから,磁極の極性が異なる。 → 吸引力
② 単位に注意して,二つの磁極間に働く力を求める式に代入して計算する。
𝐹 = 6.33 ×
104
𝑚1 𝑚2
3 × 10−5 × ( − 5 × 10−4 )
4
−2 N
×
=
6.33
×
10
×
=
−2.37
×
10
𝑟2
0.22
※答えの「-」は働く力の向きを表す。
働く力の大きさは 2.37 × 10−2 N で,磁極には吸引力が働く。
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磁気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(2)
空気中にある二つの磁極の強さが,𝑚1 = 6 × 10−4 Wb と 𝑚2 = 4 × 10−4 Wb で,
そのときに両磁極間に働く力の大きさ𝐹は 0.5 N であった。磁極間の距離𝑟は何 [cm]か。
二つの磁極間に働く力を求める式を変形して,磁極間の距離を求める。
𝑚1 𝑚2
𝐹 = 6.33 × 104 ×
𝑟2
より
𝑟=
6.33 × 104 × 𝑚1 𝑚2
𝐹
となる。
よって
𝑟=
6.33 × 104 × 6 × 10−4 × 4 × 10−4
= 0.174 m = 17.4 cm
0.5
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磁気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(3)
空気中にある二つの磁極が35 cm 離れており,磁極間には 0.8 N の吸引力が働いた。
片方の磁極の強さが𝑚1 = 3 × 10−5 Wbのとき,もう一つの磁極の強さ 𝑚2 は何 [Wb]か。
二つの磁極間に働く力を求める式を変形して,片方の磁極の強さを求める。
𝑚1 𝑚2
4
𝐹 = 6.33 × 10 ×
𝑟2
より
𝐹 𝑟2
𝑚2 =
6.33 × 104 × 𝑚1
となる。
よって
0.8 × 35 × 10−2 2
−2 Wb
𝑚2 =
=
5.16
×
10
6.33 × 104 × 3 × 10−5
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静電気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように真空中にある二つの正の電荷が,𝑄1 = 3 𝜇C と
Q 2 = 4 𝜇C で,両電荷間の距離が𝑟 = 30 cm のとき,両電荷間
に働く静電力の大きさ 𝐹 は何 [N] か。
ヒント
正
𝑄2
正
𝑄1
𝑟
解答
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静電気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように真空中にある二つの正の電荷が,𝑄1 = 3 𝜇C と
Q 2 = 4 𝜇C で,両電荷間の距離が𝑟 = 30 cm のとき,両電荷間
に働く静電力の大きさ 𝐹 は何 [N] か。
解答
正
𝑄2
正
𝑄1
𝑟
<ヒント>
・電荷が真空中にあるので,両電荷間に働く静電力 𝐹 を求める式は
𝐹=9
× 109
𝑄1 𝑄2
× 2 [N]
𝑟
となる。
・𝑄1 , 𝑄2 の単位はどうか。
・磁極間の距離の単位はどうか。
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静電気に関するクーロンの法則
<例題>
図のように真空中にある二つの正の電荷が,𝑄1 = 3 𝜇C と
Q 2 = 4 𝜇C で,両電荷間の距離が𝑟 = 30 cm のとき,両電荷間
に働く静電力の大きさ 𝐹 は何[N]か。
正
𝑄2
正
𝑄1
𝐹
𝐹
𝑟
<解答>
① 両電荷間の距離の単位を m に変換する → 30 cm = 0.3 m
② 両電荷の単位を [C] に変換する → 𝑄1 = 3 × 10−6 C 𝑄2 = 4 × 10−6 C
③ 電荷が真空中にあるので,誘電率は𝜀 = 𝜀0 = 8.85 × 10−12 F/mとなる。
④ 二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式に代入して計算する。
𝐹 =9×
109
𝑄1 𝑄2
3 × 10−6 × 4 × 10−6
9
× 2 = 9 × 10 ×
= 1.2 N
𝑟
0.32
働く静電力の大きさは 1.2 N で,電荷間には反発力が働く。
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静電気に関するクーロンの法則
練習問題
(1)
真空中で,𝑄1 = 3 𝜇C の正の電荷と, 𝑄2 = 4 𝜇C の負の電荷が20 cm 離れている。
このとき,両電荷間に働く静電力の大きさ𝐹は何[N]か。また,働く静電力は吸引力か
反発力か。
(1)解答
(2)
空気中で,𝑄1 = 4 𝜇C と 𝑄2 = 6 𝜇C の正の電荷があり,両電荷間に 2.4 N の反発力が
働いた。このときの両電荷間の距離𝑟は何[cm] か。
(2)解答
(3)
空気中にある二つの電荷が 60 cm 離れており,電荷の間には 0.8 N の吸引力が働いた。
片方の電荷が𝑄1 = 8 𝜇C のとき,もう一つの電荷𝑄2 は何[μC]か。
(3)解答
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静電気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(1)
真空中で,𝑄1 = 3 𝜇C の正の電荷と, 𝑄2 = 4 𝜇C の負の電荷が20 cm 離れている。このとき,
両電荷間に働く静電力の大きさ𝐹は何[N]か。また,働く静電力は吸引力か反発力か。
① 𝑄1 が正の電荷,𝑄2 が負の電荷であることから,電荷の極性が異なる。 → 吸引力
② 単位に注意して,二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式に代入して計算をする。
𝐹 = 9×
109
𝑄1 𝑄2
3 × 10−6 × ( − 4 × 10−6 )
9
× 2 = 9 × 10 ×
= −2.7 N
𝑟
0.22
※答えの「-」は働く力の向きを表す。
働く力の大きさは 2.7 N で,両電荷間には吸引力が働く。
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静電気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(2)
空気中で,𝑄1 = 4 𝜇C と 𝑄2 = 6 𝜇C の正の電荷があり,両電荷間に 2.4 N の反発力が
働いた。このときの両電荷間の距離𝑟は何[cm]か。
二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式を変形して,両電荷間の距離を求める。
𝑄1 𝑄2
𝐹 = 9 × 109 × 2
𝑟
より
𝑟=
9 × 109 × 𝑄1 𝑄2
𝐹
となる。
よって
𝑟=
9 × 109 × 4 × 10−6 × 6 × 10−6
= 0.3 m = 30 cm
2.4
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静電気に関するクーロンの法則
練習問題<解答>
(3)
空気中にある二つの電荷が 60 cm 離れており,電荷の間には 0.8 N の吸引力が働いた。
片方の電荷が𝑄1 = 8 𝜇C のとき,もう一つの電荷𝑄2 は何[μC]か。
二つの点電荷の間に働く力(静電力)を求める式を変形して,もう一つの電荷を求める。
𝑄1 𝑄2
𝐹 = 9 × 109 × 2
𝑟
より
𝐹 𝑟2
𝑄2 =
9 × 109 × 𝑄1
となる。
よって
0.8 × 60 × 10−2 2
𝑄2 =
= 4 × 10−6 C = 4 𝜇C
9
−6
9 × 10 × 8 × 10
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