INSAT KG発表 - Internet Research Lab.

INSAT KG発表
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KG発表の流れ

衛星の話






使って学ぶ、VSAT(デモ)


主な衛星の種類とその利用法
衛星のメリット、デメリット
衛星通信の設備と技術
衛星と周波数
衛星インターネット
衛星経由でマルチキャストのストリーミング
まとめ

衛星インターネットの実例
衛星の利用方法

科学衛星


資源衛星


大気圏を観測し天気予報の為の情報を提供するのに利用
軍事衛星


地球資源の調査に利用
気象衛星


宇宙科学研究に利用
国防軍事機密の偵察などに利用
通信衛星

最も広く用いられる。衛星を介した通信に利用
衛星の活躍

通信分野での活躍

衛星電話
 衛星を介して山、島、どんな場所でも電話

放送分野
 BSデジタル放送
 世界規模ラジオ


全世界のチャネルをどこでも受信可能に
報道活動での活躍
 アフガニスタン空爆報道で衛星テレビ電話が活躍
衛星の活躍

観測などでの活躍

気象観測
 気象衛星から送られてくるデータをもとに、気象予
報が可能

生態観測
 希少生物の観測や自然保護の資料
衛星の活躍

研究などでの活躍

宇宙観測
 宇宙研究開発

軍事
 偵察用の軍事衛星
主な衛星の種類と
その利用法
人工衛星にはどんなものがあって、
一体、何に使われているんだろう?
衛星の種類と利用法

静止衛星(GEO:Geostationary Earth Orbit)





高度約36,000km
地球上からは常に同じ位置に見える
通信可能範囲が非常に広い
地球局-衛星間の伝搬遅延が大きい
使われ方


気象観測(ひまわりとか)
通信衛星
衛星の種類と利用法

低軌道衛星(LEO:Low Earth Orbit)






地上からの距離が短いのでアンテナが小さくても通信可
能
高度約500~2,000km
短時間で地球を一周するので、時間によって見える位置
は異なる
通信可能範囲は狭い
地上からの距離が低いため、伝搬遅延は小さい
使われ方


宇宙科学研究のための科学衛星
位置測定(カーナビなどで用いられるGPS)
衛星の種類と利用法

中軌道衛星(MEO:Medium Earth Orbit)



高度約8,000~20,000km
静止衛星と低軌道衛星の中間の性質をもつ
使われ方

軍事用偵察衛星
Q:衛星の種類を当ててみよう
B
A
500km
地球
C
12,000km
左図のA,B,Cは
静止衛星、低軌道衛星
中軌道衛星の
どれでしょう?
? 衛星
A: 低軌道
? 衛星
B: 中軌道
? 衛星
C: 静止
?
36,000km
衛星はなぜ落ちないか?
V
質量M、mの物体の中心距離が
rのとき、2物体間には
FA=GMm/r2 (G:万有引力定数)
の力(引力)が働く
遠心力
衛
質量:m 引力
地球
質量:M
r
また、速度vで円運動している
物体には円の中心の逆方向に
FB=mv2/r
の力(遠心力)が働く
人工衛星は、地球との引力FAと
逆方向にはたらく遠心力FBが
一致する高度と速度で移動して
いるため、落下しない。
Q:衛星の速度を求めてみよう
地球の質量を6x1024(kg)
地球の半径を6x106(m)
とした場合、
地球の上空15x106(m)を
通る衛星の速度は何m/sか?
ただし、万有引力定数を
7x10-11(Nm2kg-2)とする。
?
V
衛
15000km
地球
6000km
Q:衛星の速度を求めてみよう
地球の質量を6x1024(kg)
地球の半径を6x106(m)
とした場合、
地球の上空15x106(m)を
通る衛星の速度は何m/sか?
ただし、万有引力定数を
7x10-11(Nm2kg-2)とする。
FA = FBより、
GMm/r2 = mv2/r
v=√(GM/r)
v=√(7x10-11x6x1024/21x106)
≒4472(m/s)
ヒント
質量M、m(kg)の物体の
中心距離がr(m)のとき、2物体間に
FA=GMm/r2 (G:万有引力定数)
の力(引力)が働く
また、速度v(m/s)で円運動している
物体には円の中心の逆方向に
FB=mv2/r
の力(遠心力)が働く
衛星の通る円周の長さは
42x106π(m)なので、8時間弱で一周する
引力と遠心力が
つりあう速度が
衛星の速度
衛星のメリット、デメリット
衛星使うと
何が良くて、
何が良くないんだろう?
衛星の持つメリット

広域性


同報性


複数の受信局に同じデータを同時に配信可能
地理不遍性


中継局一台で地球の1/3をカバー
地上回線ではカバーできない離島や山間部での通信
耐障害性


地球局さえ壊れなければ地震が起きても通信可能
電力は必要
広域性
中継局3台で
地球全体を
カバー
同報性
全ての受信局に
同時に
データ配信可能
地理普遍性
離島、山間部
でも通信可能
耐障害性
災害の影響を
受けにくい
衛星の持つデメリット

遅延



周波数帯域幅の限界


送信されたデータが相手の地球局で受信できるまで
0.25sec、往復0.5sec
衛星テレビ中継だと会話が0.5秒遅れる
周波数帯域には限りがあり、大容量のデータ配信が難し
い
打ち上げ可能な静止衛星の数の限界


静止衛星は赤道上にしか打ち上げられない
赤道上空は静止衛星でふさがっている
遅延
0.5sec相手の声が
遅れて聞こえる
周波数帯域幅の限界
A
A
B
B
C
C
D もう余っている
周波数ない
遅延体験
実際に衛星の遅延を体験してみよう。
 xxx,xxx,143,222にsshで接続

ユーザ名:guest
 パスワード:satellite

衛星経由でサーバにアクセスしているため、
遅延が発生している
 > ./typing

衛星通信の設備と技術
衛星って
一体どうやって通信しているの?
地球局の基本的な構成
デジタル信号
信号を電波に変調
電力を増幅
送信電波
送信
装置
電波を送信
入力端子
端局
装置
送受信
分波器
出力端子
受信
装置
デジタル信号
電波を受信
受信電波
受信電波を増幅
電波を信号に復調
衛星電波の送信
変調器
デジタル信号
デジタル信号を中間
周波数(衛星電波に
変換する前の低い周
波数)に変調する装置
普通のPC
中間周波数
電力増幅器
送信電波(弱)
電力を増幅する装置
送信電波
周波数変換器
中間周波数と基準信号源か
ら、送信電波を作り出す装置
衛星電波の送信
電力増幅器
衛星局へ
アンテナ
地球局と衛星局の
電波を送受信
する装置
送信電波
送信電波
送受信分波器
導波管
送信電波の伝送には、普通の
ケーブルではなく
このような金属製の導管を使う
送信電波と
受信電波を
区別する装置
衛星局の基本的な構成
アップリンク信号を増幅
アップリンク信号
ダウンリンクの周波数に
変換(一般にはアップリンク
より低い周波数になる)
ダウンリンク信号
中継局の基本的な構成
ダウンリンクの
周波数に変換
周波数
変換器
低雑音
増幅器
電力UP
中継装置
増幅器
送受信
分波器
弱まった信号を
増幅
信号を受信
信号を送信
送信から受信まで
アップリンク周波数を
ダウンリンク周波数に
変換
12GHzで送信
14GHzで送信
12GHzを受信
送信から受信までの線を
俗に「チャネル」と呼ぶ
Q:チャネル数を求めてみよう
?
二つの地球局が双方向通信を行う
場合、必要なチャネル数はいく
つ?
A:2(送信チャネルと受信チャネルがそれぞれ必要)
Q:チャネル数を求めてみよう
?
4個の地球局全てがそれぞれと双方向通信
を行う場合、必要なチャネル数はいくつ?
A:12(双方向リンクの数×2)
Q:チャネル数を求めてみよう
?
一つの送信局から3つの受信局に同じ信号
を送る場合、必要なチャネル数はいくつ?
A:1(全ての受信局は送信局の信号を聞くことができる)
衛星と周波数
衛星と周波数って
一体何の関係があるの?
CバンドとかKuバンドって何?
振幅と波長
波長:1つの波の長さ
振幅:波の上下の幅
波
振
幅
波長
周波数とは
周波数(Hz):1秒間に振幅する回数=1秒間に通る波長の数
T=0(s)
壁に一秒間に2個の波長が
通った場合、
その波の周波数は2Hzである
T=1(s)
2波長
Q:周波数を求めてみよう
4秒間に80000回振幅した波の周波数は何Hz?
・・・・・・・
4秒で
80000回
A:20000Hz(20kHz)
1回振幅するのに0.0002秒かかった波の周波数は何Hz?
0.0002秒で
1回
A:5000Hz(5kHz)
?
衛星と周波数

低い周波数を使うと・・・



高い周波数を使うと・・・




降雨による減衰が少なくなる
大気状態や電離層などの影響によるフェージング(受信
電界強度が時間的に強弱の変化を生じること)が多くなる
大気状態や電離層などの影響によるフェージングが少な
い。
広い帯域が取れるので、大容量の通信が可能
降雨による減衰が高い
1GHz~10GHzの周波数は、程よくバランスがとれ
ていて、衛星通信に向く。別名「電波の窓」
地上系通信では

携帯電話では


AMラジオでは


900MHz、1,800MHz、1,900MHzなど
600~1400KHz
FMラジオでは

70~90MHz
代表的な周波数帯

S-band・・・2.6G~4GHz


C-band・・・4G~8GHz



衛星携帯などで使われる
日本では、地上系の無線通信でよく使用され、干渉を受
ける
SFCの地球局はこの周波数帯を利用
X-band・・・8G~12GHz


衛星通信に最も適した周波数帯
軍事用に利用され、民間用にはほとんど余っていない。
代表的な周波数帯

Ku-band・・・12G~18GHz




日本の衛星業界で最も多く利用される
NAISTの地球局はこの周波数帯を利用
雨に若干弱い
Ka-band・・・27G~40GHz
利用できる周波数帯域幅が広く、大容量の通信が可能。
 雨に弱い
(Ku-bandとKa-bandはK-band(12~40GHz)に含まれる)

代表的なバンド幅
影減
響衰
度、
雑
音
な
ど
の
電離層
大気減衰や
降雨減衰
宇宙雑音
電波の窓
10MHz
100MHz 1GHz
S-band
C-band
10GHz
X-band
100GHz
Ka-band
Ku-band
?
Q:周波数帯を当ててみよう
2
5
?
S
降雨減衰
伝搬損失が小
?
C
10
?
X
20
?
Ku
上の5つの?に、
Ku、C、Ka、S 、 Xを
入れてみよう。
大気状態や電離層などの
影響によるフェージングが大
40 (GHz)
?
Ka
降雨減衰
伝搬損失が大
大気状態や電離層などの
影響によるフェージングが小
SFCにある地球局
赤道上空36,000kmの静止衛星(JCSAT-3
号)を利用して複数の地球局と接続
 C-bandの衛星回線を用いる。(NAISTのは
Ku-band)
 C-bandの衛星回線をインターネット接続に用
いたのはSFCが国内初(で、おそらく最後)

SFCにある地球局
衛星インターネット
光ファイバー使い放題のこのご時世、
衛星でインターネットができて
何かうれしいの?
衛星インターネットでできること

広域なマルチキャスト



広域性を持ち、データの複製を必要としない衛星回線は、
膨大な数のユーザ(何億人とか)がグループに加わって
いるマルチキャストアプリケーションを動かすのに非常に
有効
映像、音声などのマルチメディア配信を行う放送型のアプ
リケーションにも有効
地上回線に依存しないインターネット

船上、空中など、地上回線を配備することが不可能な場
所でインターネットの通信媒体を構築できる可能性
双方向回線として使う

メリット


地上回線の配備されていない地域でもインター
ネット
デメリット
それぞれのリンクごとにチャネルを割り当てるの
で、周波数帯域幅を大きく消費
 送受信可能な地球局は扱いが難しく、高価
 一本のリンクで双方向に繋ぐので、広域性を生か
し難い

双方向として使う
必要なリンク数:n(n-1)
片方向回線として使う

メリット
マルチキャストとの親和性
 使用する周波数帯域幅を抑えられる
 受信局は扱いが楽で安価


デメリット

戻りリンクが別途必要
片方向として使う
必要なリンク数:1
地上回線
使って学ぶ、VSAT
実際に地球局を使ってみよう
VSATとは

VSATシステム
直径2.5m以下の超小型アンテナを用いた地球
局をVSAT(Very Small Aperture Terminal)地球
局と呼ぶ
 無線局設備規則第54条の3で定義
 SFCでは、よくアップリンクに14GHz帯、ダウンリ
ンクに12GHz帯を用いる

SFCのVSAT送受信装置説明

IDU(In Door Unit)


ODU(Out Door Unit)


室内ユニット。周波数選択器、変復調器
(modem)、ベースバンド処理器。
屋外ユニット。ダウンコンバータ、アップコンバー
タ、送受信分配器、低雑音増幅器、大電力増幅
器。
パラボラアンテナ

オフセットパラボラアンテナを使用
SFCのVSAT送受信装置
ODU
パラボラアンテナ
IDU
電波を送信するまでの手順
VSAT送受信装置を組み立てる
 パラボラアンテナの方向を衛星局(デモでは
JCSAT-1B)に向け、衛星局からの電波を捕
捉する。
 衛星利用の予約をする。
 電波を送信する

衛星インターネットの実例
実際に衛星インターネットを
運用する団体を具体例にとって
その使われ方を見てみよう
AI3 とは
Asian Internet Interconnection Initiatives
 1995年発足
 衛星回線を使用した、日本と東南アジア各
国間を結ぶ国際バックボーン・ネットワーク
の構築

現在までのAI3 の歩み

1995年



タイ、インドネシア、香港と日本の4組織でスタートする。
各パートナー組織においてKu-bandを使用するVSAT
地球局を設置し、それぞれの持っているテストベッド・
ネットワークを相互接続する。
「AI3バックボーン・ネットワーク」を構築


世界で始めてインターネット上に大規模な衛星回線を使用し
たネットワーク
2000年3月


日本で始めてC-bandの衛星回線をインターネット接
続に用い、SFCに設置された地球局を中心とする。
マレーシア、フィリピン、シンガポール,ベトナム,スリ
ランカの5組織を新たにパートナーとして迎える。
AI3ネットワークの構成

Ku-band@奈良
JCSAT-1B衛星を使用
 タイ、インドネシア、香港と日本


C-band@SFC
JCSAT-3号衛星を使用
 マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナムと
日本


奈良-SFC間は広域Ethernet、VLAN接続
AI3の研究活動

様々な研究から衛星インターネットの持つ特
徴を生かした研究成果をあげている。
AI3 Cache Bone(WWW キャッシュ分配技術)
 Multimedia Conference Application
 Weather/Satellite link Monitoring
 Routing in Satellite network

今後の研究テーマ
UDLR Technology
 IPv6 Backbone in AI3
 Multicast Backbone/Application

今日のまとめ
衛星の使われ方
 衛星通信のメリットとデメリット
 衛星を用いた通信技術
 衛星をインターネットに用いた実例

今後の研究
IPv6 network
 policy routing on satellite network
 DVB-RCS
