情報通信工学II (平成20年度) 1 • 1オーム系 Z0 = 1Ω (1) オームの法則 (V:電圧,I:電流,R:抵抗orインピーダンス) V = IR (2) 1オーム系では, V = I (3) ・・・ 電流と電圧の値が等しい なので,電力は P = IV = I2 = V2 • SN比(信号:Signal-雑音:Noiseの比)[信号振幅をAとすると信号電圧はA2] [Rオーム系] [1オーム系] V1=I1R(信号) ∴電力P1=I1V1=V12/R, V1=I1(信号) ∴ 電力P1 =I1V1=V12 V2=I2R(雑音) ∴電力P2=I2V2 =V22/R, V2=I2(雑音) ∴ 電力P2=I2V2 =V22 SN比 ・・・ 一般にdB値で表す,ここでは比の値そのままで示す。 P2/P1 = V22/V12 P2/P1 = V22/V12 ※ SN比は,Rオーム系でも1オーム系の値に等しい。従って,1オーム系で設計や解析を行ってお けば,そのままRオーム系へ適用しやすい。 情報通信工学II (平成20年度) 2 ベースバンドパルス伝送方式 → ベースバンドパルスを使用 ・・・ 周波数成分 → ゼロ周波数に非常に近い成分を持つ 比帯域(周波数帯域/中心周波数)が大きい ※パルスでなくても比帯域の大きい信号をベースバンドパルスと呼ぶ。 搬送波パルス伝送方式 → 搬送波パルスを使用 ・・・ 周波数成分 → 搬送波周波数(中心周波数付近の成分から成る 比帯域(周波数帯域/中心周波数)が小さい ベースバンド信号 → 搬送波信号に変換 ・・・ 変調器 搬送波信号 → ベースバンド信号に変換 ・・・ 復調器 変調波→包絡線 A{1 + m sin(at + b)} アナログ変調 プリントno.4関連の図 搬送波 B sin(ct + d) 情報通信工学II (平成20年度) 信号伝送 3 アナログ: 変・復調 ディジタル: 符号化・復号化 +変・復調 搬送波(信号をのせて運ぶ波)の種類 1.正弦波 2.繰り返しパルス 代表的な変調方式 振幅 連続波(Continuous Wave: CW)変調 (amplitude) パルス変調 [アナログ] CW変調の種類 AM(振幅) FM(周波数),PM(位相) [ディジタル] ASK(振幅) FSK(周波数),PSK(位相) [アナログパルス変調] パルス変調の種類 幅 ・・・ 線形変調 (width) ・・・ 角度変調 位相 (phase) [比帯域]= [周波数帯域]/[中心周波数] =(Δf / f0 ) PAM(パルス振幅),PDM(パルス幅),PPM(パルス位置) [ディジタルパルス変調] PCM(パルス符号),差動(DM),差動PCM(DPCM) ベースバンドパルス ・・・ 周波数0成分(近辺):DCを含み → ベースバンド伝送 比帯域が広い 搬送波パルス ・・・ DCを含まず比帯域が狭い → 搬送波伝送 情報通信工学II (平成20年度) 4 アナログ変調(AM変調) 正弦波振動をする搬送波C(t)は次式で表すことができる。 C(t) = Accos(wct + qc ) (1) ただし,Ac:搬送波振幅,wc:角周波数, qc:位相である。 AM変調では,wc,qc,を一定としてAc(実際には電圧・電流の振幅)を信号s(t)に応じて変化させる。すなわち, Ac(t) = A{1 + ks(t)} (2) ただし,A,kは定数とする。この時,AM波jAM(t)は次式のように表される。 jAM(t) = A{1 + ks(t)}cos (wct + qc ) (3) ここで,信号s(t)に相似で振幅1の波形(正規化波形)s1(t)を用いて, s(t) = s0s1(t)と置くと式(3)は jAM(t) = A{1 + ks0s1(t)}cos (wct + qc ) (4) となる。いま,m = ks0と置くと上式は jAM(t) = A{1 + ms1(t)}cos (wct + qc ) (5) と書ける。このmを変調度と呼ぶ。s(t)が単一正弦波coswmtである場合には次のようになる。 jAM(t) = A{1 + m coswmt}cos (wct + qc ) (6) 一般に,変調度はm≦1にとるが,m>1の場合を過変調と呼び,復調信号に歪みを生じる。 図1 M=0.6の場合 図2 M=1.3の場合過変調
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