メディア論

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第5回 ニッポンの嘘(1)
2014年11月5日
担当:野原仁
『ニッポンの嘘』
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主演:福島菊次郎(ふくしまきくじろう、
1921年3月15日 - )現在93歳。報道写真家、
ジャーナリスト、ノンフィクション作家
山口県下松市に、網元の四男として生まれる
。1944年春に出征し、広島西部第10部隊に
配属され、弾薬や物資を馬で運搬する任務に
就くが、訓練中に馬に蹴られて骨折し、除隊
となる(同部隊は福島の入院中に船で沖縄へ
向かったが、魚雷に撃沈された)。
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1945年春に再召集。部隊が本土決戦の際に爆
雷を背負って戦車に飛び込むよう命を受け、
7月31日から日南海岸の砂浜に掘った穴の中
に身を潜め、8月15日の終戦を迎えた。同月
末に復員し、時計店を開いて時計修理や写真
現像の仕事を始める。同年暮れに結婚。
戦後、民生委員などの社会事業を通じて作家
活動をはじめ、広島市に投下された原爆の被
災者の10年におよぶ困窮生活を活写した作品
『ピカドン ある原爆被災者の記録』が、日
本写真評論家協会賞特別賞を受賞(1960年)
。
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しかし「ピカドン」の撮影で、被写体となっ
た被爆者の凄惨な生活状況を間近に見続けた
ことで幻聴や幻覚に襲われ、精神衰弱の診断
を受けて精神科に3か月入院し、時計店の経
営も傾いたことなどもあって離婚。1961年、
3人の子どもを連れ上京しプロ写真家となる
。
原爆、政治・軍事問題、学生運動、公害・福
祉問題などをライフワークとし、「ピカドン
」など17回の個展を開き12冊の写真集がある
。中近東、アラブ、ソビエト連邦などに長期
にわたる取材もこなした。
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「迫る危機」の撮影では、1969年から1年以
上かけて防衛庁(当時)を信用させ、兵器工
場内の取材を許されたが、撮影禁止箇所を隠
し撮りして無断で公表した。その後、暴漢に
刃物で切り付けられ、鼻骨を折って10針縫う
重傷を負い、その1か月後には自宅を放火さ
れた。ただし、家に保管されていたネガは娘
が持ち出して無事であった。
1982年、自給自足の生活を目指し瀬戸内海の
無人島に入植。1987年に検診で胃癌が見つか
り、山口県柳井市の病院に入院。
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1989年初めに昭和天皇が亡くなった後、「戦
争責任展」と銘打ち全国各地に写真パネルを
展示する。この際には、会場で爆竹を破裂さ
れたり、パネルに消火液をかけられたり、写
真をナイフで切られたり、会場に銃弾を撃ち
込まれるなどの妨害があり、中止に追い込ま
れた所もあった。
1999年からは柳井市のアパートに在住。2001
年以降は急性膵炎、大腸ポリープ、前立腺癌
、胆嚢結石など高齢に伴う病気を患った。
2011年に発生した福島第一原子力発電所事故
を機に、再び活発に活動を続けている。