平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 理 科 (小学校) 福島県教育委員会 改善の基本方針(中教審答申より) (1)小・中学校での内容の一貫性を重視して、内容の構 造化、指導内容の充実を図る。 (2)科学的な思考力・表現力の育成を図る学習活動を充 実する。 (3)観察・実験、自然体験、科学的な体験を一層充実す る。 (4)実社会・実生活との関連を重視する。また、環境教 育の充実を図る。 改善の具体的事項(小学校) ア 内容区分を、現行3区分を改め、2区分とする。 イ・ウ 内容構成を、探究したり、ものづくりをしたり、 関連付けたりすることについての指導に重点を置い て内容を構成する。科学の基本的な見方や概念を柱 として内容が系統性をもつようにする。 エ 観察・実験の結果を整理し考察し表現する学習活 動を重視する。また、問題解決の能力について、中 学校との接続も踏まえて見直す。 オ ものづくりなどの科学的な体験や身近な自然を対 象とした自然体験の充実を図る。 カ 環境教育の一層の推進を図る。 理科の目標 自然に親しみ、見通しをもって観察、実験などを行い、 問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに、 自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図り、 科学的な見方や考え方を養う。 「実感を伴った理解」とは 第一に、具体的な体験を通して形づくられる理解 第二に、主体的な問題解決を通して得られる理解 第三に、実際の自然や生活との関係への認識を含む理解 内容区分の改善 《現行》 A生物とその環境 《新》 A物質とエネルギー B物質とエネルギー C地球と宇宙 B生命・地球 ○科学の基本的な見方や概念(「エネルギー」「粒子」、「生命」、「地球」) を柱に、小・中学校を通じた理科の内容の一貫性を図った。 ○中学校との接続を考慮し、2区分に内容を再構成した。 学年目標の構成の考え方 ① を ② ながら調べ、見いだした問題を興 味・関心をもって追究する活動を通して、 ③ につ いての見方や考え方を養う。 ②の各学年で育成すべき問題解決の能力 第3学年:比較し 第4学年:関係付け 第5学年:条件に目を向け 第6学年:要因や規則性、関係を推論し 学年内容の構成の考え方 例 第3学年 A物質・エネルギー (1)物と重さ 粘土などを使い、物の重さや体積を調べ、物の ① ② 性質についての考えをもつことができるようにする。 ③ ア 物は、形が変わっても重さは変わらないこと。 イ 物は、体積が同じでも重さは違うことがあること。 解説の「ここでの指導に当たっては、」・・ 各学年の内容及び内容の 取扱いの改善(第3学年) 第3学年 ○「物と重さ」(「形と重さ」は新規)、「風やゴムの働き」 「身近な自然の観察」を追加した。 ・「物の重さ」では、「かさ」を「体積」とし、「体積が同じ物 を比較する」とした。 ・「電気」では、「回路」という言葉を用いるようにした。 ・「身近な自然の観察」を追加し、現行の生物の観察だけでなく、 その周辺の環境とのかかわりについても学習するようにした。 ・「太陽と地面」では、「東から西に」を「東から南を通って西 に」と改め、方位概念の定着を図った。 ・結果を整理し考察し表現する学習活動例として、「表などに よる分類、整理」を明示した。 各学年の内容及び内容の 取扱いの改善(第4学年) 第4学年 ○「人の体のつくりと運動」(うち「関節の働き」は新規)を追 加した。 ・「金属、水、空気と温度」では、氷の体積変化を付加した。 ・「電気の働き」では、「直列つなぎ」、「並列つなぎ」という 言葉での説明を付加した。 ・「月と星」では、月の形の扱いについてのはどめ規定を削除し た。 ○「天気の様子」を第5学年から移行した。 ・結果を整理し考察し表現する学習活動例として、「図や絵を用 いて表現」「グラフで表現」を明示した。 ・「同一地点での定期的観察」「定点観察」など、観察の方法 を明示した。 各学年の内容及び内容の 取扱いの改善(第5学年) 第5学年 ○「雲と天気の変化」を追加した。 ○「電流の働き」を第6学年から移行した。 ・「動物の誕生」では、課題選択をなくした。また、水中の小さ な生物の観察を付加した。 ・「流水の働き」では、川の上流・下流と川原の石の大きさと形 を付加した。 ・「物の衝突」は、中学校へ移行統合した。 各学年の内容及び内容の 取扱いの改善(第6学年) 第6学年 ○「てこの規則性」を第5学年から移行し、てこの利用を付加し た。 ○「電気の利用」(新規)を追加した。 ・「体のつくりと働き」では、様々な働きをもつ臓器を付加した。 ・「植物の養分と水の通り道」では、水の通り道を付加した。 ・「生物と環境」では、はどめ規定を削除して、食物連鎖を付加 した。 ・「土地のつくりと変化」では、課題選択をなくした。 ○「月と太陽」(新規)を追加した。 指導計画作成上の配慮事項 ① 観察、実験や自然体験、科学的な体験の充実 ② 結果を整理し考察する学習活動や、科学的な 言葉や概念を使用して考えたり説明したりする 学習活動の充実(新規) ③ 博物館や科学学習センターなどと連携、協力、 積極的活用 ④ 道徳教育との関連 内容の取扱いについての配慮事項 ① コンピュータ、視聴覚機器などの適切な 活用と事故の防止 ② 自然に親しむ活動や体験的な活動の充実と 環境保全の態度の育成 ③ 児童の主体的な問題解決活動と学習の成果 と日常生活との関連
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