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身近な化学2009
総集編
これまでの授業を振り返ります。
しっかりと復習しましょう!!
START
CONTUNUE
第1回:化学の始まり
Q1.人類が一番初めにおこなった化学反応は?
A1.火を燃やす:燃焼反応
n
)O2
CmHn + (m +
4
木
酸素
m CO2 +
+
n
2
H2O
熱エネルギー
銅のつるぎを得るために行った化学反応は?
スライムを倒す じゃなくて
焚き木の中に石を入れる → 還元反応
CuO +
酸化銅
1
C
2
炭
Cu
+
1
2
CO2
燃焼は酸化反応
原子のはなし
+
-
原子核
陽子
核力という
強い力で結び合っている。
中性子
+
-
電子
クーロン力という弱い力で結びついている
12
C
6
6: 原子番号=陽子の数
12: 質量数=陽子の数+中性子の数
では炭素原子と酸素原子では何が違うのですか? 陽子の数
原子の誕生
-
+
原子
恒星のなかで作られる
恒星の中で、陽子と中性子が高密度になる
「核融合」という反応がおき、原子核ができる。
初期の核融合反応
4
2
He
大きな星の中では核融合反応がさらに進む
12
6
4
2
He
4
2
12
6
He
4
2
He
16
C
4
2
C
8
He
O
大きな星では中心部の密度がより大きい
核融合反応がさらに進む
太陽くらいの大きさの星の中心では酸素原子が、
ベテルギウスやアンタレスのような
超巨星では中心で鉄原子が作られています。
原子の大きさはどれくらい?
約1億分の1センチ
野球ボール
ああ、小さいね・・
地球
金属の性質はとその仕組みは?
A. 金属のは光沢を持ち、展性・延性があり、
電気や熱をよく伝えます。
それらは、自由電子による金属結合で説明できます。
イオン結晶(例:食塩)
分子結晶(例:ヨウ素)
一様な力では結びついていない
外部からの力を受け流して
形が変化する 延性・展性
すべては
自由電子!!
化学変化とエネルギー
C
A
B
よりエネルギーが安定になる方向に反応が進行する
結合の強さ(発熱・吸熱)
エントロピー(乱雑)
化学変化:活性化エネルギー・反応熱
反応が始まるにはきっかけが必要
かき混ぜたり、熱を加えたり
活性化エネルギー
反応熱
化学変化:活性化エネルギー・反応熱
山が高すぎると登れない
触媒
活性化エネルギーを
小さくする
固体・液体・気体
固体:結びつきが強い
液体:結びつきがあるが
弱く、ある程度自由
気体:結びつきがない
自由
体積は1000倍になる
粒子間の距離:固体の約10倍
石油の分留
原油:炭素が2つ、つながった化合物から
30程度つながったものまでの混合物
沸点 炭素数
低い
液化石油ガス
(LPG)
原油
脱水・
脱塩・
脱硫
軽質ナフサ
石油化学製品
重質ナフサ
ガソリン
常圧蒸留
灯油
少ない
クラッキン グ
軽油
不十分だと大気汚染の
原因になる
残油
高い
多い
蒸留して
沸点の近い成分に分けて利用
残油
減圧蒸留
重油・アスファルト
クラッキング
熱で結合を切る
炭素のつながりの
少ない物へ
C C C C C C C C C C C C C
軽油
熱で結合を切る
C C C C C C
C C C C C C C
H
H
H
H
C C C H
C C
H
H
H
エチレン
H
ナフサ
H
プロピ レン
様々な化学製品へ
プラスチックの話
プラスチックとは? 合成高分子の1つ
高分子:分子量(分子の重さ、大きさ)が10000以上
C:分子量12
炭素が800個以上つながっている
石油(ナフサ)からどうやって作るのか?
高分子を作る手法:重合
小さな分子をつなげて大きな分子へ
モノマー
ポリマー
プラスチックの種類:
熱に対する挙動で2つに分けられる。
熱可塑性樹脂:熱で軟らかくなり、冷やすと硬化する。
成形が容易で用途が幅広い
成型
熱
固体(ペレット)
液体になる
可塑剤というものを用いると成型しやすくなる
プラスチックの種類:
熱に対する挙動で2つに分けられる。
熱硬化性樹脂:熱で化学反応が進み、硬化する。
その後熱を加えても軟らかくならない。
熱
成型
原料(液体)
熱に強いが成形は難しい。
硬化
代表的なプラスチック
ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン
ポリ塩化ビニル・ポリエチレンテレフタレート(PET)
全生産量の約75%をこの5つのプラスチックが占めている
この部分
これらはいずれも熱可塑性樹脂である。
プラスチックのリサイクル
プラスチックの生産量 1450万トン(年)
プラスチックの廃棄量 1050万トン(年)
日本人の全体重 720万トン(1.2億人、60Kgとして)
効率の良い利用・再利用などが望まれる
3つのR: リデュース・
リユース・
リサイクル
プラスチックのリサイクル
プラスチックが出来るまで
石油
ナフサ
モノマー
ポリマー
製品
材料リサイクル
材料リサイクル:化学的変化はさせず再び材料として利用
発泡スチロールトレイのリサイクル
ペットボトルのリサイクル
ペットボトルからポリエステル繊維へ
プラスチックのリサイクル
プラスチックが出来るまで
石油
ナフサ
モノマー
サーマル リサイクル
ポリマー
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクル:化学的変化させて、
ガスやコークスなどの原料として利用
サーマルサイクル:燃やして燃焼熱を利用
製品
リサイクルの前に・・・
リサイクルを行うのにはエネルギーが必要!
リデュース
リユース:少しエネルギーが必要
本質的には、リサイクルよりもリユース、リデュースの方が優れている。
電池の化学
電池とは化学反応によってエネルギーを
直接に(直流)電力に変換する装置
燃焼: 化学反応
→ 熱エネルギー
電池: 化学反応
→ 電気エネルギー
どんな化学反応か?
酸化還元反応
酸化還元反応
酸化反応
電子を失う反応
Zn
還元反応
2+
Cu
Zn
2+
+
電子を受け取る反応
-
+
Cu
2e
e
-
e-
e-
電気が流れる
Zn
Cu
2e-
化学電池の構造
負極:電子を出す
e-
e-
正極:電子を受け取る
電流が
流れる
Cu
Zn
イオン
電解質:
負極と正極をつなぎ
イオンを伝え、
酸化還元反応を起こす
電池の種類
一次電池:繰り返し使用しない電池
マンガン電池・アルカリ電池など
二次電池:充電して繰り返し使用可能な電池
鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池など
ニッケル水素電池:ハイブリットカーのバッテリー
リチウムイオン電池:携帯やパソコンなど
最も多く作られている電池
炎色反応の原理:原子を熱すると
励起
色となって見える
原子を熱すると結合が弱くなり
電子が外側に動く
しかし、すぐにもと位置に戻る
電子が動いた様子(1000億分の1センチくらい)
が人の目には色として見える
炎色反応の原理
原子
励起
熱エネルギー
原子(元の状態)
光エネルギー
(原子によって異なる)
鮮やかな色彩
熱エネルギーを 光エネルギーに変換している
炭火の反応
ゆるやか
花火(火薬)の反応
CO2
C + O2
非常に速い燃焼反応
酸化剤
素早く酸化反応させる
非常に速い C + 2 KNO
NO33
CO2 + 2KNO2
短い時間で一気に燃えた方が、単位時間(たとえば1秒)
あたりのエネルギーは大きくなる。
短い時間に大きなエネルギー
単位時間あたりに非常に大きなエネルギー
空気の動きは?
大きな
エネルギー発生
熱エネルギー
空気に伝わる
運動エネルギー
(空気が素早く動く)
空気がぶつかり合う
大きな音
爆風
水の話
水分子の特徴
常温で液体である
O
H
水から氷になると
体積が大きくなる
H
その理由は・・・
分子の極性
水分子を作る結合:共有結合
共有結合:原子が電子をひとつずつ出し合う
●
●
●
d-
O
●
●
→
●●
→
●●
δー
d+
●
●
●
O
H
H
H
δ+
δ+
分極
δー
δー
O
O
H
δ+
H
δ+
δ+
δー
O
δー
H
δ+
水素結合
H
δ+
δー
O
H
H
δ+
H
δ+
H
δ+ H
δ+
O
H
δ+
気体になる場合には水素結合を切る必要
その分エネルギーが多く必要 → 沸点が高い
水素結合を保ったまま固体になる
→ すき間の大きな固体(氷)になる
→ 氷になると体積が大きくなる
水の用途で一番多いのは何?
農業用水
生活用水
工業用水
井上用水
水の利用の約7割が農業用水
水の用途
農業用水・生活用水・工業用水
使い終われば?
農業排水・生活排水・工業排水
それらによって起こる水環境への影響は?
重金属、有機物による汚染、富栄養化
排水との関係は?
重金属は工業排水
有機物・富栄養化は農業排水・生活排水
重金属を含んだ水の浄化:キレート化
キレート化は配位結合を利用したもの
N
●
●
M
●
●
N
M
配位結合:ひとつの原子が結合に必要な電子を2つとも出す
N
M
⇒
N
●
●
●
●
●
●
N
●
●
N
M
2つ以上の配位結合で
金属を挟み込む
有機物の汚染:生活排水
有機物は好気性微生物が、酸素を使って分解する。
有機物が多いと、分解するのに酸素が多く必要
酸素の少ない水になる
他の水生生物が住めなくなる
嫌気性微生物が働き出す
悪臭の原因
(硫化水素など)
下水の処理(活性汚泥法)が大事
富栄養化
植物の生長に必要な元素:
N、P
しかし・・・
通常水の中に
これらの元素は少ない
植物 プランクトンが増える
N
N
P
N
P
N
P
N
N
P
P
N
P
N
生活排水・農業廃水・畜産排水
などから、
N,Pを含む水が流れ込むと・・
赤潮:周りの水生生物への悪影響
悪臭などの環境悪化
アオコの例
大気の話
地球上の大気:
窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、水蒸気1%
、二酸化炭素0.036%
大気中に人工的にそれ以外の物質が多く放出されると
大気環境問題が起こりうる。
大気の汚染:関連する3つの化学・物理的変化
Cm H n
+(m+n/4
) O2
m
+
CO 2
+ n/2
H2 O
燃焼エネルギー(熱)
燃焼 熱
C m H n (液体 )
F
Cl C
F
Cl
C m H n(気体 )
光
F
Cl C ・
F
光によって結合が切れる
・C l
ラジカル
3種類の反応と大気汚染現象との関連
酸性雨・地球温暖化・オゾン層破壊・光化学オキシダント
酸性雨
燃料中に含まれる S原子
違い
空気中の窒素原子
SO 2
NO2
H2O
H2O
燃焼熱
SO 2
NO2
H 2 SO 4
HNO3
雲に混じり、酸性の雨が降る原因となる
SO2 、 NO2 の発生源
固定発生源:工場・発電所など
移動発生源:車・飛行機など
SO2 、 NO2 の影響の違い
数日
SO 2
H 2 SO 4
数時間
NO2
HNO3
SO 2
H 2 SO 4
酸性雨
時間
A
B
A
B
酸性雨の対策:
大気中に、NO2, SO2 を出さなければいい
SO2:燃料の改善 燃料中の不純物のSを除く
NO2:NO2が出ないように燃やし方の改善
酸性雨対策:先進国と途上国との違い
SO 2
NO2
なぜ二酸化炭素は温暖化するのか?
地球温暖化
地球の温度の暖まり方
太陽
太陽からの光で
地表が暖められる
温室効果ガスは熱を伝える
赤外線・遠赤外線を吸収する
逃げてゆく赤外・遠赤外線を
温室効果を持つ
気体
吸収
地表
地表
昼
夜
なぜ二酸化炭素は温暖化するのか?
地球温暖化
温室効 果を持つ気体
分子は原子と原子がバネ のようにつながっ ているので振動する。
その振動により 赤外線 ・遠赤外 線を吸収する。
O
C
O
O
N
N
O
O
H
H
物
質
同じ原子で出来ている分子
:お互いに振動をうち消すの
で赤外線を吸収しない
他にも、メタンやフロンなども
同様の性質を持つ