花火の科学

身近な化学2011
総集編
これまでの授業を振り返ります。
しっかりと復習しましょう!!
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CONTUNUE
人類が一番初めにおこなった化学反応は?
火を燃やす:燃焼反応
CmHn +
木
n
(m +
)O2
4
酸素
m CO2 +
n
2
H2O
+ 熱エネルギー
原子の構造
原子の大きさはどれくらい?
約1億分の1センチ
野球ボール
地球
原子はどこでつくられる?
恒星の中で核融合で作られます。
太陽くらいの大きさの星では炭素や酸素
ベテルギウスのような超巨星の中心では鉄が作られてます
原子のつくりはどうなっているの?
陽子
+
-
原子核
核力という
強い力で結び合っている。
中性子
+
-
電子
クーロン力という弱い力で結びついている
12
C
6
6: 原子番号=陽子の数
12: 質量数=陽子の数+中性子の数
元素:原子の種類
炭素原子と酸素原子では何が違うか?
陽子の数
原子核:陽子と中性子がバランスよく存在
よい
安定な核種
陽子が
中性子が
多すぎ
多すぎ
不安定な核種
陽子や中性子が多すぎると: β崩壊をする
14
C
6
陽子6・中性子8
14
N
+ 電子 + ガンマ線
7
陽子7・中性子7
金属の性質はとその仕組みは?
金属のは光沢を持ち、展性・延性があり、
電気や熱をよく伝えます。
それらは、自由電子による金属結合で説明できます。
金属結合:たくさんの原子でたくさんの電子(自由電子)を共有する
自由電子
自由電子は
金属の内部を
速いスピードで
動き回っている
金属にくる光を
跳ね返す
金属と食塩との違い:展性・延性
イオン結晶(例:食塩)
分子結晶(例:ヨウ素)
一様な力では結びついていない
結合に強いと弱いがある
→たたくと割れる
等しい力で結合
力
展性、延性
化学変化とエネルギー
よりエネルギーが安定になる方向に反応が進行する
結合の強さ(発熱・吸熱)
化学変化:活性化エネルギー・反応熱
活性化エネルギー
反応熱
反応熱をエネルギーとして利用:石油などの化石燃料
化学変化:触媒の役割
触媒
原油:炭素が2つつながった化合物から
30程度つながったものまでの混合物
沸点 炭素数
低い 少ない
液化石油ガス
(LPG)
ナフサ
原油
脱水
常圧蒸留
灯油
ガソリン
化学製品
クラッキン グ
脱塩
軽油
残油 からの重油
高い
蒸留して沸点の近い成分に分けて利用
多い
クラッキング
炭素のつながりの
熱で結合を切る 少ない物へ
C C C C C C C C C C C C C
C C C C C C C
C C C C C C
軽油
ナフサ
プラスチックとは?
合成高分子の1つ
高分子:分子量(分子の重さ、大きさ)が 10000 以上
高分子の合成:重合
小さな分子をつなげて大きな分子へ
モノマー
ポリマー
プラスチックの種類:
熱に対する挙動で2つに分けられる。
熱可塑性樹脂:熱で軟らかくなり、冷やすと硬化する。
成形が容易で用途が幅広い
成型
熱
固体(ペレット)
液体になる
熱には弱い
可塑剤:プラスチックに加えることでより成形が容易になる。
多く加えると軟らかくなる。
プラスチックの種類:
熱に対する挙動で2つに分けられる。
熱硬化性樹脂:熱で化学反応が進み、硬化する。
その後熱を加えても軟らかくならない。
熱
成型
原料(液体)
熱に強いが成形は難しい。
硬化
代表的なプラスチック
ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン
ポリ塩化ビニル・ポリエチレンテレフタレート(PET)
全生産量の約75%をこの5つのプラスチックが占めている
汎用プラスチック
価格が安く、大量に使うプラスチック
工業用品、農業用品、日用品など
エンジニアリングプラスチック
熱に強く、強度も高いプラスチック、高付加価値
機械部品(家電製品や携帯電話の内部)などに使われる
プラスチックのリサイクル
プラスチックが出来るまで
石油
ナフサ
モノマー
ポリマー
製品
材料リサイクル
材料リサイクル:化学的変化はさせず再び材料として利用
プラスチックのリサイクル
プラスチックが出来るまで
石油
ナフサ
モノマー
サーマル リサイクル
ポリマー
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクル:化学的変化させて、
ガスやコークスなどの原料として利用
サーマルリサイクル:燃やして燃焼熱を利用
製品
リサイクルの問題点:
エネルギー が必要
石油
ナフサ
モノマー
ポリマー
製品
やはり エネルギー が必要
リサイクルをするには必ずエネルギーが必要
花火はなぜ綺麗な色がつくか?
:炎色反応
花火の色はこれらの金属化合物を火薬に
混ぜることで作られる
炎色反応の原理
金属原子
励起
原子(元の状態)
エネルギー高い
不安定
熱エネルギー
光エネルギー
(原子によって異なる)
鮮やかな色彩
熱エネルギーから 光エネルギーへの変換
炎色反応の原理: 原子でみると
光
原子を熱すると 電子が動く 励起
電子がもとに戻る
電子が動いた様子が人の目には色として見える
花火は、なぜ大きな音がするのか?
花火の火薬(黒色火薬)の成分:
硝酸カリウム(KNO3)、炭素粉末、硫黄粉末
火薬の燃焼反応
C + 2 KNO3
CO2 + 2KNO2
火薬は炭素が空気中の酸素ではなく、
火薬の中のKNO3と反応して燃焼する。
花火(火薬)の反応
非常に速い燃焼反応
素早く酸化反応させる
非常に速い C + 2 KNO
NO33
CO2 + 2KNO2
+
熱 エネ ル ギー
短い時間で一気に燃えた方が、単位時間(たとえば1秒)
あたりのエネルギーは大きくなる。
単位時間あたりに非常に大きなエネルギー
空気の粒子
運動エネルギー
火薬の燃焼
熱エネルギー
空気が激しく動き・
ぶつかり合う
大きな音(音エネルギー)
爆風
熱エネルギーから 運動エネルギーへの変換
水の話
水分子の特徴
小さい分子なのに常温で液体
O
H
H
水(液体)から氷(固体)になると
体積が大きくなる。
d-
O
δー
d+
● ●
● ●
O
H
H
H
δ+
δ+
分極
δー
δー
O
O
H
δ+
H
δ+
H
δ+
H
O
H
δ+
δー
δー
O
δ+
δー
水素結合
H
δ+
H
δ+
H
δ+ H
δ+
O
H
δ+
気体になる場合には水素結合を切る必要
その分エネルギーが多く必要 → 沸点が高い
水素結合を保ったまま固体になる
(常温で液体)
→ すき間の大きな固体(氷)になる
→ 氷になると体積が大きくなる
水の用途
農業用水・生活用水・工業用水
水の利用の約7割が農業用水
農業用水
食糧生産
日本はたくさん食糧を輸入している
間接的に水を輸入している
バーチャルウォーター
良くもないかもしれないが、悪いことではない
水と環境
農業用水・生活用水・工業用水
使い終われば?
農業排水・生活排水・工業排水
それらによって起こる水環境への影響は?
重金属、有機物による汚染、富栄養化
ちなみに・・
重金属とは密度が大きい(重たい)金属のこと
有機物は好気性微生物が、酸素を使って分解する。
有機物(よごれ)が多いと
分解するのに酸素が多く必要
酸素の少ない水になる
他の水生生物が住めなくなる
嫌気性微生物が働き出す
悪臭の原因
(硫化水素など)
有機物の汚れの浄化:下水処理場
汚れ(有機物を)たくさんの空気(酸素)
を使って人工的に分解させる。
下水:有機物を多く含む
どんどん
空気(酸素)を
送り込む
酸素
☆
好気性
微生物
汚れ
☆
☆
☆
☆
☆
☆
☆
☆
☆
有機物で汚れた水を
☆
☆
☆
☆
☆
☆
☆
好気性微生物が分解してきれいに
活性汚泥法
重金属の処理:「キレート」を用いる
キレートとは配位結合を利用したもの
N
●
●
M
●
●
N
M
配位結合:ひとつの原子が結合に必要な電子を2つとも出す
N
M
⇒
N
●
●
●
●
●
●
N
●
●
N
M
2つ以上の配位結合で
金属を挟み込む キレート
富栄養化
植物の生長に必要な元素:
N、P
通常水の中に
これらの元素は少ない
→
しかし・・・
植物 プランクトンが増える
N
N
P
N
P
N
P
N
N
P
P
植物
プランクトン
N
P
N
生活排水・農業廃水・畜産排水
などから、
N,Pを含む水が流れ込むと・・
赤潮:周りの水生生物への悪影響
悪臭などの環境悪化
大気の話
地球上の大気:
窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、水蒸気1%
、二酸化炭素0.036%
大気中に人工的にそれ以外の物質が多く放出されると
大気環境問題が起こりうる。
大気の汚染:関連する3つの化学・物理的変化
Cm H n
+(m+n/4
) O2
m
+
CO 2
+ n/2
H2 O
燃焼エネルギー(熱)
燃焼 熱
C m H n (液体 )
F
Cl C
F
Cl
C m H n(気体 )
光
F
Cl C ・
F
光によって結合が切れる
・C l
ラジカル
3種類の反応と大気汚染現象との関連
酸性雨・地球温暖化・オゾン層破壊・光化学オキシダント
酸性雨
燃料中に含まれる S原子
違い
空気中の窒素原子
SO 2
NO2
H2O
H2O
燃焼熱
SO 2
NO2
H 2 SO 4
HNO3
雲に混じり、酸性の雨が降る原因となる
酸性雨
H2O + CO2
雲の中
H2CO3
雨はもともと弱酸性
そこに、少量のH2SO4やHNO3が混じることでさらに酸性に
酸性雨はpHが 5.6 以下の雨を指す。
日本国内で降っている雨はpH 4.5~4.7 程度である。
酸性雨の影響
河川や湖沼が酸性になる
土壌が酸性になる
水生生物への影響
湖沼の酸死
養分が流れ出す
(Ca、Mg)
植物への影響